この記事では総合型選抜は成績が悪いと合格できないのか、その実態を解説します。
「成績が悪くても、総合型選抜試験は受けられるの?」
「合否に関わる成績の基準とかってあるのかな…」
総合型選抜試験を受けようと考えているものの、成績が悪くそもそも受験できるのか不安な人は多いですよね。
結論、学業の成績が悪くても、志望校の評定平均を満たせば総合型選抜は受験できます。とはいえ、受験可能な成績の基準があいまいな人もいるはず。
そこで、本記事では悪い成績は総合型選抜試験に不利に働くのか、その真偽を理由も交えわかりやすく解説します。合格基準となる成績の目安や合格に向けた対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 評定平均が低くなる点で、悪い成績は総合型選抜へ不利に働く
- 早慶やMARCHを目指すなら最低3.5以上の評定は必要
- 出席日数の少なさや遅刻回数の多さなども合否に悪影響を及ぼす
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悪い成績は総合型選抜へ不利にはたらく
成績が悪いと、評定平均が低くなるので総合型選抜に悪い影響を及ぼします。評定平均はテスト結果をもとに算出されるため、成績が悪いと志望校の選択肢が狭まります。
選択肢が広がる点で、成績が良いほど評定平均は高く、総合型選抜試験を有利に進められます。
総合型選抜における成績の重要性
総合型選抜では出願条件に評定平均が求められる事がほとんどで、その数値はテストの点数が深く関わってきます。なぜなら、評定平均の出し方は高校入学から志望校に出願までに受けた全教科の評定を合計し、教科の数で割り算出するからです。
同じ総合型選抜でも、下記の場合はA方式よりB方式の方が倍率が低く有利に受験できます。
- A方式:評定平均を課さない
- B方式:評定平均4.2以上
また近年、基礎学力を求める検査が必用となり、大学によって内容は異なりますが学力検査も必須です。成績が悪くても受験はできますが、合格するには、成績はとても重要になります。
なお、下の記事では総合型選抜試験における内申点(評定の合計値)の重要性を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
合格基準となる成績の目安
偏差値の高低で評定平均をとる難易度は異なりますが尺度は全て同じです。良い評定をとりやすい学校にいる生徒は、志望校の出願基準を満たしやすくなります。
総合型選抜をしている代表的な学校の出願基準は以下の通りです。
大学名 | 出願基準 |
---|---|
早慶・MARCH | 最低でも3.5以上は必要 慶応大学では4.5以上 |
関関同立 | 最低でも3.0以上は必要 同志社大学では4.0以上必要 |
国公立大学 | 3.0〜4.5以上と大学によって異なります 大阪大学の工学部は、数学・理科・外国語の評定平均が4.5以上必用 |
一部の教科のみ異なる基準が設けられている場合もあります。評定平均4.5以上になるには、高1から高3まで、オール5を取らなければなりません。
総合型選抜試験における評定の目安をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
悪い成績以外で総合型選抜へ不利に働く要素
成績以外にも、総合型選抜へ不利に働く要素はあります。
そこで、ここからは悪い成績以外で総合型選抜へ不利に働く要素を、4つにまとめて紹介します。
- 授業態度の悪さ
- 少ない出席日数
- 活動実績がない
- 準備期間が遅い
授業態度の悪さ
授業態度といった学校生活における生活態度の悪さは、総合型選抜へ不利に働く要素の1つです。
成績とは違い、意識して取り組めば改善できるので努力して損はありません。
授業にとりくむ態度が悪いと学習意欲がないと判断されたり、提出物を期限内に出せない生徒は、社会的なスキルが欠除していると評価されるので注意が必要です。
結果的に成績が良くても評価を下げてしまい「テストの点数が良いのになんで評価が低いの?」といった事態に陥りかねません。
少ない出席日数
少ない出席日数も、総合型選抜へ不利に働く要素の1つです。
まず総合型選抜において卒業見込みがないと受験できないため、卒業できる出席数を満たさなくてはなりません。大学によっては出願条件に欠席日数の上限が設定されているところもあるので、合否に大きく影響します。
病欠や理由があって長期の欠席した場合、担任の先生にしっかり伝え認めてもらえれば、備考欄に理由を記載してくれるので減点要素を最小限におさえる事が可能です。
学業成績や活動実績が、同条件で並んでしまった場合、欠席日数が少ない方が優位になるので欠席に注意して学校生活を送りましょう。欠席数が多いと総合型選抜において悪い影響しかないので、日頃から体調管理して欠席しないのが大切です。
総合型選抜試験の合否に影響する欠席日数の目安について詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
活動実績がない
部活や生徒会・ボランティア活動といった活動実績がない場合も、総合型選抜へ不利に働きます。
活動実績がないと、自己アピールの材料がないため、自分の強みを伝えられなくなります。総合型選抜では、「志望理由書」と「面接」は合否に強く関わるので、活動実績がないと自分の強みをアピールできなくなり学校側に魅力が伝わりません。
本気で総合型選抜に合格したいなら出願の締め切りが8〜10月なので高3の夏休みに活動実績を作りましょう。長期ボランティア・短期留学・資格取得などは、大きく評価されます。
また、今までを振り返り活動実績にできそうなことを上手くアピールする方法も考えて良いでしょう。総合型選抜にとって活動実績があれば志望理由書と面接で大きな評価を得ることも可能になります。
部活動や生徒会活動が総合型選抜試験の合否にどのような影響があるのか、その実態を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
準備期間が短い
試験への準備期間が短いと、総合型選抜へ不利に働きます。
部活を引退して、総合型選抜を受験したいと思っても対策が不十分な状態です。総合型選抜は、遅くても本番より1年以上前から行わないと充分な準備をする事ができません。
時間がかかる理由として
- 情報収集に時間がかかる
- 自己分析を深め志望理由書のブラッシュアップに時間がかかる
- 小論文・面接の対策
早く準備を始めるほど精度が上がるので時間をかけましょう。
伝えたい事やアピールしたい事があっても、相手に伝わらなければ意味がありません。時間をかけて準備すれば大丈夫なので、付け焼き刃のような対策で不利にならないようにしましょう。
総合型選抜試験のスケジュールを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
総合型選抜で評価される4つのポイント
総合型選抜の合格基準は大学により異なるため、一律の合格基準はありませんが、共通する評価ポイントは存在します。また、大きなポイントとして、今までしてきた活動の主体性を学校に伝えることが鍵です。
ここからは、総合型選抜における評価ポイントを、4つにまとめて解説します。
- アドミッションポリシーとのマッチ度
- 活動実績
- 保有資格
- 提出書類
ポイント1:アドミッションポリシーとのマッチ度
総合型選抜での大きな評価ポイントとして、志望校のアドミッションポリシーにマッチしているかが非常に重要になります。
アドミッションポリシーとは、大学の基本理念、特色に応じた入学生徒に求める人物像、簡単に言うと大学の求人情報のようなものです。社会でも求人情報と異なる人は、ほとんど採用されません。
同じくアドミッションポリシーの内容を理解せず出願すれば、合格は困難です。志望理由書は、しっかりとアドミッションポリシーを読み込んで理解してから記入し、学校が求める生徒であることをアピールする必要があります。
面接でも志望理由をきかれる可能性が高いので、答える内容が矛盾しないように注意しましょう。総合型選抜におけるアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ポイント2:活動実績
前述した部活や生徒会・ボランティアなど、今までしてきた活動経験から実績として、自分の魅力を大学側に強くアピールする必要があります。
総合型選抜は、学びに対しての意欲・姿勢や人間性などから総合的に評価する試験です。
注意が必要なことは、賞をとったり、優勝したなどの華々しい栄光をただ書き連ねるだけでは評価されません。例えば、部活の大会で一回戦負けでも、そこから何を学び次の目標まで何をしたのかなどが大きく評価されます。
何を得てどう改善したかなどを具体的に伝えるだけで、終わらずにそれらがどう大学の志望動機と繋がるかまでアピールするのが大事なポイントです。
学校や塾の先生に何度も添削してもらい磨き上げれば伝わりやすい活動実績が作れます。
ポイント3:保有資格
総合型選抜において、保有資格は、大きな武器になるので取得しておきましょう。ただし、受験する大学により有効な資格が異なっているので、出願条件をしっかり確認して下さい。
次のような資格を取得することで、その科目の水準レベルが証明できます。評価もされやすく、資格を取得過程の努力もアピールが可能です。
出願条件に資格が含まれてなくても、資格を取得している方が評価されます。どの資格を取得すればいいか迷われているなら、とりあえず英検2級以上を取得しておけば間違いないです。
総合型選抜における資格の重要性を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ポイント4:提出書類
提出書類は、出願書類と提出課題があり、総合型選抜の第1関門として審査されます。
完成度が低かったり、大学側の求める内容でない場合は不合格になるので真剣に取り組みましょう。以下の提出書類があります。
項目 | 詳細 |
---|---|
調査書 | 高校の卒業見込みの確認 評定平均の数値 欠席日数など |
志望理由書 | 大学の求めるアドミッションポリシーにマッチしているか |
活動報告書 | 活動は個人のものよりグループ活動の方が評価されやすい |
学習計画書 | 入学→卒業→卒業後のビジョンの明確化 |
提出する書類は、複数ありそれぞれ対策して完成度を高める必要があります。評価ポイントはとても高く、総合型選抜は書類作成から受験は始まっていると言えます。
内容や重要性など、提出書類の1つである調査書についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
成績の悪さを覆す総合型選抜に合格する4つのコツ
総合型選抜は成績が悪くても受験可能なものの、評定平均が低いとそれだけ合格を目指すのは困難になります。
そこで、最後に成績の悪さを覆す総合型選抜合格のコツを、4つにまとめて紹介します。
- 自己分析を通じて志望理由を明確にする
- 自分の強みをアピールできる準備をする
- 小論文をこなし表現・思考力を磨く
- 面接のロールプレイを繰り返しする
コツ1:自己分析を通じて志望理由を明確にする
書類審査において志望理由書の評価は高く、明確な内容でなければ、アドミッションポリシーにマッチしていないと判断され不合格になってしまいます。
合格したければ、十分な対策をして完成度をあげることが大切です。
志望理由書作成の対策ポイント | 詳細 |
---|---|
自己分析をして、自分を知る事で志望理由に深みだす | 自己分析が甘いと薄い志望動機になるので、しっかりと自分を洗い出しましょう |
公式HP、パンフレットの熟読。オープンキャンパスに参加するなど大学の理想とする生徒像をつかむ | アドミッションポリシーにマッチしていることをしっかりアピール |
志望理由書を添削してもらい完成度を上げる | 何度も添削し評価平均を忘れさせる内容にする |
コツ2:自分の強みをアピールできる準備をする
総合型選抜試験の合格には、自分の強みをアピールできる準備をするのも重要なポイントです。自分の強みは、次の手順で具体化します。
- 自分で認識していない強みが隠れている可能性があるので、自己分析して強みになりそうなことを洗い出す
- 強みになりそうな長所などを洗い出したら、強みにあてはまる経験やエピソードを具体的に書き出す
- 具体的なエピソードにアピールしたい強みを絡めて、入学後・将来どのように活かしたいか書く
- 何度も添削して伝わりやすいシンプルな文章にブラッシュアップする
注意することは、周りの受験者との競争を意識して独自性を出そうとしすぎないようにしましょう。内容が伴っていないと逆に評価が下げてしまうので、正直にありのままの自分を上手くアピールして下さい。
コツ3:小論文をこなし表現・思考力を磨く
総合型選抜において小論文の対策は必須になります。
小論文は問題に対して思ったことを書き連ねても評価されません。次のポイントをおさえ、小論文を対策しましょう。
小論文対策のポイント | 詳細 |
---|---|
たくさん解く | たくさん問題を解くことで小論文に慣れましょう。最低でも50題は解くことをおすすめします。 |
先生に添削してもらう | 量をこなしながらも質も上げなくてはなりません。 小論文の指導力のある第三者に添削してもらい、失敗と改善を繰り返していきましょう。めきめきと実力がついていきます。 |
原稿用紙のルールを学ぶ | 原稿用紙のルールに沿った書き方とずれていると減点対象になってしまいます。 小論文を書き始める前にルールを覚えておく必要があります。 |
コツ4:面接のロールプレイを繰り返しする
面接は、書類審査ではみられない生徒の振る舞いや、人間性をみる場所です。
面接本番では、緊張や慣れない状況で頭が真っ白になるので対策が必用になります。ポイントをおさえた受け答えを準備しておき、何度もロールプレイすることで自信をつけましょう。
面接対策のポイント | 詳細 |
---|---|
面接のマナー | 礼儀正しく、相手を尊重する振る舞い |
志望理由書と内容が食い違っていないか | 志望理由書は提出前にコピーしておき、それを元に練習しましょう |
相手に伝わるコミュニケーションができるか | 受け答えや、自己アピールが面接官に伝わっているか |
面接は、生徒の人間性とコミュニケーションを評価するので、何度も繰り返し練習し自然な振る舞いができるようにしましょう。
まとめ
総合型選抜は成績が悪くても受験できますが、多くの不利に働く要素もでてくるので理解しておく必要があるので、評価ポイントを知ったうえで準備していきましょう。
また、ポイントをおさえた対策をすることで合格までの距離を縮める事が可能です。大学の求めるアドミッションポリシーにマッチし、学ぶ姿勢・態度からわかる人間性を総合的に評価します。
しっかり準備すれば合格の可能性が高い試験だと言えます。