
「総合型選抜の小論文試験はどんなものなんだろう?」
「どう対策すればいいのかな…」
総合型選抜を受けようと考えてはいるものの、小論文試験のイメージが湧かず、どう対策を進めればいいのかわからない人は多いですよね。
小論文は「作文」と違い、論理的に自分の意見を展開する力が問われます。ただ、書き方の型を知らないまま練習しても、実力はなかなかつきません。
そこでこの記事では例文・解答例も交え、総合型選抜の小論文の書き方と対策ロードマップを解説します。出題形式・評価基準から過去問の活用法まで順を追って紹介するので、ぜひ参考にしてください。
総合型選抜の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 小論文の合否への影響は大学・配点設計による
- 序論→本論→結論の3段構成と反論応答が評価基準
- 対策の理想スタートは高2冬〜高3春の時期
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総合型選抜の小論文試験とは?

総合型選抜における小論文試験の位置づけを正しく理解することが、対策の第一歩です。
ここからは次の3つの基礎知識を解説します。
- 小論文が合否に与える影響
- 採点者が見ている4つの評価基準
- 小論文はどこで書く?試験会場と実施形式
小論文が合否に与える影響

小論文は、総合型選抜において思考力・表現力・課題発見力を判断する重要な要素です。
学力試験だけでは測れない力があります。「考える力」や「論理的に伝える力」です。小論文はその評価に適した手段といえます。
大学側が小論文を課す主な目的は、受験生に論文を書くための基礎的な力があるかを確認することです。この力が高い人ほど、大学が求める人材といえます。
例えば創価大学の総合型選抜小論文方式では、書類審査50点・小論文100点・面接50点の合計200点で評価されます。小論文だけで全体の半分を占める設計です。
一方、配点のウェイトは大学・学部によって異なります。志望校の入試要項で小論文の配点を必ず確認してください。
採点者が見ている4つの評価基準
採点基準は大学によって非公開のところも多いですが、多くの大学に共通する評価ポイントが4つあります。
明治大学が公式サイトで公開している採点項目を参考にすると、次の4点が核心です。
- 問題理解力:問われていることを正確に把握し、設問に答えているか
- 論理性・構成力:序論・本論・結論の流れが一貫しているか
- 表現力:わかりやすく簡潔な文章で書けているか
- 独自性・説得力:単なる一般論に留まらず、根拠のある意見を述べているか
採点は加点・減点の両方で行われます。誤字脱字は減点対象です。話し言葉や字数不足(指定字数の80%未満)も同様です。

逆に「ありきたりな意見をただ並べる」だけでは高評価は得られません。データや具体例を根拠として示すことが、他の受験生との差につながります。
小論文はどこで書く?試験会場と実施形式
小論文の実施形式は大学ごとに大きく異なります。
主な実施形式は次の3つです。
- 当日筆記型:試験当日に会場の原稿用紙に手書きで記述する形式。最も多い形式です
- 事前課題型:出願前または出願時にWord・PDFなどで提出する形式。東洋大学の総合型選抜など一部の大学で採用されています
- オンライン入力型:インターネット出願画面に直接テキストで入力する形式
当日筆記型の場合、試験会場は大学のキャンパス内が基本です。ただし、首都圏以外の受験生向けに地方会場を設けている大学もあります。
どの形式かによって準備の方法が変わります。志望校の募集要項で実施形式を早めに確認してください。
総合型選抜・小論文の出題形式

出題形式によって、必要な準備はまったく異なります。
ここからは次の3つの出題形式について解説します。

テーマ議論型(賛成・反対型を含む)

- 「日本の教育制度における格差の問題について考え、その解決策を提案しなさい。」
- 「持続可能な社会を実現するために、個人はどのような行動を取るべきか。」
テーマ議論型は、与えられたテーマや問いに対して自分の意見を論じる形式です。
「環境問題について論じなさい」「AI活用に賛成か反対か」のように、自由度が高い分、受験生の知識量と思考力がそのまま評価に反映されます。
問いの形には2種類あります。
- 自由論述型:「〇〇について述べなさい」のように、問いを自分で設定するケース
- 賛否型:「〇〇に賛成か反対か、意見を述べなさい」のように、立場を選んで論じるケース
賛否型では、賛成・反対どちらの立場を選んでも構いません。大切なのは、選んだ立場を一貫して主張し、根拠を論理的に展開することです。
日頃からニュースを読み、社会問題について自分の意見をまとめる習慣をつけておくと対策になります。
文章読解型

- 「日本の学校教育における不登校問題の背景を分析し、解決策を考えなさい。」
- 「企業における働き方改革を進めるためには、どのような課題があり、どのように解決すべきか。」
文章読解型は、提示された課題文を読んだうえで、内容を踏まえて自分の意見を述べる形式です。
課題文の内容を正確に理解し、それを土台にして自分の意見を展開できるかが評価のポイントです。読解力と論理的思考力の両方が同時に問われます。
取り組む際は次の4点を意識してください。
- 課題文を読む前にまず設問を確認し、何が問われているかを把握する
- 筆者の主張を正確に読み取り、繰り返されているキーワードに注目する
- 筆者の意見を「繰り返すだけ」でも「否定するだけ」でもなく、自分の視点を加える
- 具体的な「提案」スタイルで文章を締めくくると、まとめやすくなる
よくある失敗は、課題文を読み終えてすぐに書き始めることです。設問の意図を把握せずに書くと、どんなに良い文章でも採点対象外になる場合があります。
資料・データ分析型

- 「日本の小学生の学力低下を示すグラフをもとに、その原因と改善策を考察しなさい。」
- 「この表をもとに、日本の高齢化社会における医療費負担の問題について論じ、今後の課題と解決策を提案しなさい。」
資料・データ分析型は、グラフや統計などの資料を読み取り、意見を述べる形式です。
データを正確に読み取るだけでは不十分で、そこから社会的な課題や解決策まで論じる力が求められます。
出題例として次のようなものがあります。
- 「少子高齢化に関するグラフをもとに、課題と解決策を考察しなさい」
- 「次の表から読み取れる問題点について、今後の方向性を論じなさい」
対策では「資料から何がわかるか」を一文で言語化する練習が効果的です。数値をそのまま読み上げるのではなく、「〇〇が増加している背景には〜がある」と解釈を加えることで、分析力が伝わります。
総合型選抜で評価される小論文の書き方

ここからは次の構成別に、総合型選抜試験で評価される小論文の書き方を解説します。

3つの構成を守ることで、文章が一貫性を持ち、読み手にとって理解しやすくなります。
序論:問題提起と自分の立場を明示する

序論の役割は「この小論文で何を論じるかを宣言すること」です。
序論では、自分の立場(主張)を必ず1文で明示してください。これがなければ、採点者は「この受験生が何を主張したいのか」を本論まで読まないとわかりません。
具体的な書き方は次のとおりです。
- 1. 問題提起:「〜が現代社会における課題である」と問いを立てる
- 2. 自分の立場:「私は〜が重要だと考える」「私は〜に賛成である」と明示する
- 3. 本論への橋渡し:「以下、2点の根拠から述べる」と予告する
よくある失敗は「背景を長く説明しすぎて、立場の表明が本論にずれこむ」ケースです。序論は全体の2〜3割程度に収め、すばやく自分の立場を示してください。
序論を短く明確にするほど、本論に書けるボリュームが増えます。これが高得点につながる序論の書き方です。
本論:根拠・具体例・反論への応答で説得力を高める

本論は小論文のメインパートです。主張を裏付ける根拠・具体例・反論への応答の3つで構成します。
本論で最も差がつくのは「予想される反論への応答」を入れるかどうかです。
例えば、「AI活用に賛成」という立場で書く場合の本論構成は次のとおりです。
- 根拠1:「労働生産性の向上に寄与する」(統計データを引用して裏付ける)
- 根拠2:「単純作業から人間を解放し、創造的業務に集中させられる」
- 反論への応答:「もちろん雇用喪失のリスクも存在するが、職業訓練・リスキリング支援で対応可能だ」
反論への応答を入れることで、採点者に「この受験生は多角的に問題を考えられる」という印象を与えます。「たしかに〜という側面もある。しかし〜」という形が基本の型です。
根拠と反論応答の両方を盛り込んだ本論は、単なる意見の羅列と明確に差がつきます。
結論:主張を再確認し今後の展望でまとめる

結論では、序論で述べた主張を簡潔に再確認し、今後の展望や提言を加えます。
結論の構成は次の3要素が基本です。
- 主張の再確認:「以上の理由から、私は〜と考える」
- 本論の要点の整理:「〜と〜の2点から示したとおり」
- 今後の展望・提言:「今後は〜が求められる」「社会全体で〜に取り組むべきだ」
結論で新しい主張を追加するのは厳禁です。序論の立場と矛盾した内容で締めると、論文全体の整合性が崩れて大幅な減点になります。
「以上のことから」「これが私の意見です」のような形式的な締めくくりは避けてください。「〜が実現すれば、〇〇な社会を築ける」のように前向きな展望で終わると、採点者への印象が良くなります。
差がつく文章テクニック
論理構成が正しくても、文章表現の質で評価が変わります。
採点者が読みやすいと感じる文章には、共通した特徴があります。次のポイントを意識してください。
- 一文を50字以内に収める:長い文は主語と述語がずれやすく、読み手が混乱します
- 「〜と思います」は使わない:「〜と考える」「〜といえる」に言い換えて断定する
- 抽象論を避け、数値・固有名詞で具体化する:「格差が広がっている」→「2023年のOECD調査では〜」と根拠を明示する
- 接続詞を整理する:「また」「そして」の連続は避け、「一方で」「したがって」など関係を示す接続詞を使う
- 体験談は武器になる:志望学部に関連した自分の経験を根拠の一つとして用いると独自性が増す
以上のテクニックを意識するだけで、同じ内容でも採点者の印象は大きく変わります。文章の質を高めることが、論理力と並んで評価の鍵といえます。
【出題形式別】小論文試験の例文/解答例

ここからは次の3つの出題形式の例文・解答例を紹介します。
- テーマ議論型の例文・解答例
- 文章読解型の例文・解答例
- 資料分析型の例文・解答例
テーマ議論型の例文・解答例
【出題例】
「日本における外国人労働者の受け入れ拡大に賛成か反対か、あなたの意見を600字以内で述べなさい。」
【解答例(賛成の立場)】
私は、外国人労働者の受け入れ拡大に賛成である。以下、2点の理由から述べる。
第一に、深刻な労働力不足への対応である。厚生労働省の調査によると、2040年には日本の労働力が約1,100万人不足すると試算されている。少子高齢化が加速する中、国内人材だけで経済を維持することは困難な状況だ。
第二に、多様な価値観が経済成長を促す点である。異なる文化的背景を持つ人材の参画は、組織のイノベーションを高める効果が期待できる。グローバル市場での競争力強化にもつながる。
もちろん、文化的摩擦や言語の壁といった課題も存在する。しかし、多言語対応の相談窓口や日本語教育の充実といった社会的な受け入れ体制を整えることで、これらの課題は解決に向かう。
以上から、外国人労働者の受け入れ拡大は、持続可能な社会を築くうえで必要な政策といえる。国籍に関わらず誰もが活躍できる環境の整備に、社会全体で取り組むべきだ。
【解答例のポイント】
賛否型では冒頭1文で立場を明示することが最重要です。根拠を2点に絞り、反論への応答を加えることで、論理的な構成が完成します。
文章読解型の例文・解答例
【出題例】
「次の課題文を読み、筆者の主張を踏まえて、現代における『教養』の意義についてあなたの考えを600字以内で述べなさい。(課題文:『教養とは、社会の一員として適切な意思決定を行うための基礎知識である』という主旨の文章)」
【解答例】
課題文で筆者は、教養とは個人の知的満足にとどまらず、社会全体の意思決定を支える基盤であると主張している。私はこの主張に同意しつつ、現代の情報化社会においてその重要性はさらに増していると考える。
現代では、大量の情報がSNSや動画を通じて瞬時に拡散される。真偽が混在するなかで適切に判断するには、批判的に情報を読む力が不可欠だ。この力こそ、筆者のいう「教養」の核心といえる。
例えば、新型感染症をめぐる情報錯綜の際、科学的なリテラシーを持つ人ほど適切な行動判断ができたことは記憶に新しい。情報の取捨選択ができない人がデマに惑わされるケースも多発した。
もちろん「教養は特定のエリートが身につけるもの」という考え方もある。しかし、民主主義社会において政治・経済に関わる判断は市民全員に求められる。教養は一部の人のものではない。
以上から、現代の教養とは「情報化社会を生き抜くための思考の土台」といえる。学校教育においてメディアリテラシーや批判的思考を学ぶ機会を、社会全体で積極的に提供すべきだ。
【解答例のポイント】
文章読解型では「筆者の主張の要約」と「自分の意見」を明確に分けて書くことが重要です。筆者の意見を繰り返すだけでも、否定するだけでもなく、自分の視点を加えることで高評価につながります。
資料分析型の例文・解答例
【出題例】
「次のグラフは日本の若者(15〜24歳)の運動習慣に関するデータを示している。このグラフから読み取れる問題点と、その解決策を600字以内で論じなさい。(グラフ:週1回以上運動する若者の割合が10年間で約15ポイント低下していることを示すデータ)」
【解答例】
グラフからは、日本の若者の運動習慣が過去10年間で大きく低下していることが読み取れる。この傾向が続けば、将来的な医療費の増大や労働生産性の低下を招く。その点が最大の問題だと私は考える。
低下の背景には、スマートフォンの普及によって余暇の過ごし方がデジタルコンテンツ中心に変化したことが挙げられる。加えて、受験期を中心に学習時間が増え、運動に割ける時間が相対的に減少していることも要因の一つといえる。
解決策として、学校教育と地域社会の両面からのアプローチが有効だ。学校では、体育の授業を単なる競技指導にとどめず、生涯にわたる運動習慣を育む内容に刷新すべきである。地域では、スポーツ施設の利用料金の無料化や若者向けの運動プログラムを充実させることで、参加のハードルを下げられる。
もちろん個人の意識変革も重要だが、環境整備なしに習慣は変わらない。社会制度として運動を後押しする仕組みを整えることが、長期的な解決につながる。
【解答例のポイント】
資料分析型では、数値の読み取りにとどまらず、背景の分析と解決策の提示までセットで論じることが高評価のポイントです。
総合型選抜・小論文の対策ロードマップ

小論文の対策は、時期ごとにやるべき内容が変わります。
ここからは次の3つの時期別の対策メニューを解説します。
- 高2冬〜高3春:基礎力養成期にやるべきこと
- 高3夏〜秋:実践演習期の対策メニュー
- 出願直前〜本番:仕上げ期のチェックリスト
高2冬〜高3春:基礎力養成期にやるべきこと
総合型選抜の小論文対策は、高2の冬から動き出した受験生が有利です。
この時期は「書く力の土台づくり」に集中することが大切です。具体的には次の3つに取り組みましょう。
- 読む習慣をつける:新聞の社説・新書・NewsPicks等を週3回以上読み、要約する練習をする
- 書く型を学ぶ:序論・本論・結論の構成を理解し、300〜400字の短文練習から始める
- 時事問題を把握する:志望学部に関連するテーマについて、自分の意見をノートにまとめておく
この時期に「なんとなく勉強したような気になる」だけで終わる受験生が多いです。大切なのは「書いて添削してもらう」ことです。書いた小論文を学校の国語の先生や信頼できる人に添削してもらい、フィードバックをもとに書き直す習慣をつけてください。
高3夏〜秋:実践演習期の対策メニュー
高3の夏から秋にかけては、志望校の出題形式に特化した実践練習を積む時期です。
具体的な対策メニューは次のとおりです。
- 過去問を使った時間計測演習:本番と同じ時間・字数制限で週2本以上書く
- 添削→書き直しのサイクルを回す:書くだけでなく、改善点を意識した書き直しが実力を伸ばす
- 頻出テーマの「持ちネタ」を増やす:少子化・AI・環境問題などについて、自分の意見と根拠データをセットで準備しておく
- 時間配分を身につける:構成メモに10〜15分、本文執筆に残り時間、見直しに5分が目安
よく失敗するパターンは「過去問を読んだだけで終わる」ことです。手を動かして書く量が、そのまま本番での安心感につながります。
出願直前〜本番:仕上げ期のチェックリスト
出願直前〜本番直前は、新しいことを始めず「今の実力を安定させること」に集中する時期です。
本番1週間前までに以下を確認しましょう。
【内容面のチェック】
- 志望校の過去問3年分を解き終えている
- テーマ議論型・文章読解型・資料分析型のいずれにも対応できる
- 序論で必ず自分の立場を明示できている
【ルール面のチェック】
- 指定字数の90%以上を書ける
- 話し言葉・「〜と思います」を使っていない
- 原稿用紙のルール(段落冒頭の字下げ・句読点の位置など)を守れている
【当日の準備】
- 鉛筆・消しゴム・時計を忘れずに持参する(会場によって持ち込みルールを確認)
- 試験開始後はまず設問を読み、テーマを正確に把握してから構成メモを作る
過去問の入手方法と効果的な活用法

過去問の活用は小論文対策の柱です。
ここからは次の2つのポイントを解説します。
- 過去問を手に入れる5つの方法(大学HP・赤本・塾など)
- 過去問演習の効果を最大化する3ステップ
過去問を手に入れる5つの方法(大学HP・赤本・塾など)
総合型選抜の小論文過去問は、一般選抜と比べて入手しにくいことが多いです。
公式ルートから順番に確認することが、確実な入手への近道です。次の5つが主な入手ルートです。
- 大学の公式HP:過去問を公開している大学は多くあります。まず最初に確認するのがおすすめです(東北学院大学など、PDFで公開している大学もあります)
- 赤本(教学社)の購入:書店またはオンラインで購入できます。ただし、総合型選抜の過去問が掲載されていない場合もあるので事前に確認してください
- オープンキャンパスへの参加:当日限定で過去問を配布している大学があります。参加の際に確認してみてください
- 高校の進路指導室:先輩受験生が残した試験内容の記録が蓄積されているケースがあります
- 総合型選抜専門塾への相談:複数校の過去問データを持つ塾に相談すると、見つかりにくい過去問を入手できる場合があります
どうしても見つからない場合は、同系統の学部の他大学過去問や、一般選抜の小論文問題を代替として活用するのも有効です。
過去問演習の効果を最大化する3ステップ
過去問はただ解くだけでは効果が薄いです。
「解く→振り返る→書き直す」の3ステップを繰り返すことで、実力が伸びます。
ステップ1:本番と同じ条件で解く
時間を計り、メモ・下書きを含めて本番と同じ流れで解きます。「なんとなく解く」のは練習になりません。
ステップ2:多角的に振り返る
書き終えたら次の4点を自己チェックしてください。
- 設問に正確に答えられているか
- 序論で自分の立場を明示できているか
- 本論に根拠・具体例・反論への応答が含まれているか
- 字数・表記ルールを守れているか
ステップ3:書き直して完成させる
振り返りで見つかった改善点を意識しながら、同じ問題を書き直します。書き直した答案を学校の先生や塾の講師に添削してもらうと、さらに効果的です。
本番で小論文が書けなかった時の対処法

本番で手が止まることは、十分な準備をした受験生にも起こります。ここからは次の2つの対処法を解説します。
- 試験中に手が止まった時の応急処置
- 書けなかった経験を次に活かす振り返り方
試験中に手が止まった時の応急処置
試験中に「何も書けない」と感じた時、最も重要なのは「とにかく文章を完結させること」です。
白紙・字数が大幅に不足・テーマとまったく無関係な内容、この3つだけは絶対に避けてください。未完成の答案は採点の土俵にすら上がれません。
手が止まった時の応急処置は次の3手順です。
手順1:問いを最小化する
テーマが難しく感じたら、「この問いが一番シンプルに言えば何を聞いているか」を問い直してください。「〜について論じなさい」→「〜は良いか悪いか、なぜか」と噛み砕くことで、書き始めのハードルが下がります。
手順2:知っている事実・体験から書き起こす
完璧な論を組み立てようとせず、「テーマに関係する知っていること」を箇条書きでメモします。その中から根拠として使えそうなものを1〜2点選んで本論を組み立てるだけで十分です。
手順3:書けなくなった部分は飛ばして結論まで書く
本論が十分に書けなくても、結論まで書ききってください。採点は加点・減点の両方で行われるため、文章が完結していることが最低条件です。「書きかけで時間切れ」は最も避けるべき状態です。
また、漢字が思い出せない時はパニックにならず、別の言葉に言い換えてください。「推薦」が書けなければ「勧める」、「脆弱」が書けなければ「もろい」と言い換えることで、減点リスクをゼロにできます。
書けなかった経験を次に活かす振り返り方
本番で小論文がうまく書けなかった経験は、次回の対策に直結する貴重な情報です。
「書けなかった原因を特定すること」が、次の試験に向けた最短の改善策になります。
試験後に次の3点を確認してください。
- 知識不足が原因か:テーマに関する背景知識がなくて書けなかった場合は、関連分野の時事情報を補充する
- 構成が崩れたか:書きながら論点がブレた場合は、構成メモの段階で主張を1文に絞る練習をする
- 時間配分が原因か:書ききれなかった場合は、構成メモ→本文→見直しの時間配分を再設定する
振り返りはできるだけ当日中に行ってください。試験直後の記憶が鮮明なうちに「どこで詰まったか」をメモしておくと、次回の準備に具体的に活かせます。
総合型選抜は複数回受験できる大学も多いです。1回うまく書けなかったからといって諦める必要はありません。原因を分析し、対策を積み重ねれば確実に実力はついていきます。
総合型選抜の小論文対策でよく抱く疑問

よくある疑問をQ&A形式でまとめます。
- 小論文と作文は何が違いますか?
-
小論文は「問い」と「根拠ある主張」が必須です。作文は感想や体験を自由に表現するものですが、小論文は「なぜそう考えるか」を論理的に展開する必要があります。「〜と思います」のような主観的な表現は減点対象になるので注意してください。
- 一般入試の小論文の過去問も解いた方がいいですか?
-
志望校が総合型選抜でのみ小論文を課す場合でも、同じ学部の一般入試の過去問は練習素材として活用できます。出題テーマの傾向が似ていることが多く、論述の練習に役立ちます。
- 小論文の過去問が見つからない場合はどうすればよいですか?
-
まず大学の公式HPを確認してください。見つからない場合は、大学の入試担当窓口に直接問い合わせるか、オープンキャンパスで入手できる場合があります。それでも見つからない場合は、同系統の他大学の過去問を代替として活用してください。
- 字数が足りない場合はどうすればよいですか?
-
指定字数の80%未満は大幅な減点になります。字数が足りない場合は、本論の具体例や体験談のボリュームを増やして調整してください。結論を長くして字数を稼ごうとすると論旨が崩れるため、避けてください。
- 独自の意見がなくても点は取れますか?
-
突拍子もない意見よりも、根拠がしっかりした標準的な意見の方が高評価を得やすいです。「誰もが思いつく意見」でも、データや具体例で丁寧に裏付けられていれば十分に評価されます。まず「論理的に説明できること」を優先してください。
まとめ
この記事では、総合型選抜の小論文について次の内容を解説しました。
- 試験の基礎知識:合否への影響・評価基準・実施形式
- 出題形式の特徴:テーマ議論型・文章読解型・資料分析型
- 頻出テーマ:全学部共通・学部系統別の一覧
- 書き方の型:序論→本論→結論の構成と差がつくテクニック
- 出題形式別の例文・解答例
- 対策ロードマップ:高2冬から本番直前までの時期別メニュー
- 過去問の入手法と活用3ステップ
- 本番で書けなかった時の応急処置と振り返り方
小論文は「センス」ではなく「型と練習量」で伸びる試験です。序論で立場を明示し、本論で根拠と反論応答を示し、結論で主張を再確認する。この流れを繰り返し練習することで、どんなテーマでも対応できる力がつきます。
まずは志望校の過去問を1問解くことから始めてみてください。
なお、総合型選抜に受かる人・落ちる人それぞれの特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

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