この記事では例文やNGワードも交え、総合型選抜における志望理由書の書き方を解説します。
「総合型選抜の受験に必要な志望理由書はどんなものなんだろう?」
「志望理由にはどんなことを書けばいいのかな…」
総合型選抜の受験に志望理由書の提出が必要なことは知っているものの、どんな書類なのかイメージが湧かない人は多いですよね。
また、実際にどんなことをどういった手順で書けばいいのかわからない人もいるはず。
総合型選抜において志望理由書の出来は、書類審査の合否を直接左右します。早い段階で書き方の軸を固めることが重要です。
そこで本記事では、総合型選抜試験における志望理由書の書き方を解説します。例文やNGワードもて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 志望理由書は総合型選抜の合否を左右する最重要書類
- 経験→学び→目標の一本線が合格の鍵
- 抽象・ネガティブ・他大学比較の表現は禁止
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総合型選抜における志望理由書の基礎知識

志望理由書の書き方を理解するには、まず書類そのものへの理解が欠かせません。そこではじめに次のトピック別で、総合型選抜における志望理由書の基礎知識を解説します。
なお、総合型選抜において志望理由書は多くの大学で必要な書類であり、合否に影響する重要な要素です。万全な対策を行うことで、大学側に自分の思いをうまく伝えられます。
志望理由書とは

志望理由書とは、自分が大学に入学したい理由を示す書類です。
志望理由書では、大学を選んだ理由を伝えます。また、学びたい内容や将来の目標も記載します。
一次選考(書類審査)の判断基準になるだけでなく、その後の面接試験でも使用されます。志望理由書の完成度が合否に直結するといえます。
「行きたい、学びたい」と書くだけでは説得力がありません。大学側が求める学生像を理解したうえで、自分の志とどう結びつくかを書くことが求められます。文字数は大学によって異なりますが、一般的には1,000〜2,000字程度が目安です。
志望理由書の重要性

志望理由書は、総合型選抜においてもっとも重要な書類です。なぜなら、総合型選抜は「大学で何を学び、どう将来に活かすのか」を強く問う入試だからです。
大学は、志望理由書をもとに、受験生の学びの意欲・適性・スキルなどを総合的に判断します。志望理由書は、1次選考(書類審査)の選抜材料となり、面接や小論文などの内容にも活用されます。
志望理由書がいらない大学であっても、面接で直接志望理由や学びたい内容を聞かれる場合が多いです。志望理由書がいらなくても、志望理由をしっかり答えられる準備をする必要があります。
総合型選抜における志望理由書は、受験生が大学入学に適しているかを判断する重要な書類となります。
自己PRとの違い・書き分け方
「志望理由書」は自分がその大学に入りたい理由を説明する書類です。一方「自己推薦書」は、大学に対して自分をアピールする書類です。前者は「なぜ入りたいのか」、後者は「なぜ入れるべきか」を述べます。
2つの書類は視点がまったく異なります。
- 志望理由書:なぜこの大学で学びたいのか(未来志向・大学側へのメッセージ)
- 自己PR:自分の強みや経験が大学にとってどう有益か(自分視点・能力のアピール)
自己推薦書では、高校時代の経験や特技を紹介します。大学との相性の良さを伝えることが目的です。志望理由書では「大学で何を学びたいのか」「なぜ志望校に入学したいのか」を伝えます。
同じエピソードを両方で使っても問題はありません。ただし、書く「目的」と「切り口」を変えることが重要です。同じ内容を使い回すと、どちらの評価も下がるリスクがあります。
志望理由書がいらないケースはある?
志望理由書の提出が不要な大学や、あっても字数が少ない大学も存在します。提出が不要な大学を受験する場合でも、志望理由はしっかり考えておくことをおすすめします。
理由は2つあります。
- 面接で志望理由を必ず聞かれるため
- 志望理由を深く考えることで「その大学で何をしたいか」が明確になり、学習意欲にもつながるため
書類の名称が「自己推薦書」でも、記入項目の中に「志望理由について」が含まれている大学もあります。志望理由書が不要に見えても、実質的に志望理由を問われるケースは少なくありません。
提出が必要かどうかは、必ず志望大学の募集要項で確認してください。つまり、志望理由書が不要でも、志望理由の準備は必須です。
総合型選抜における志望理由書の書き方

志望理由書は、書く順番と構成を押さえることで格段に書きやすくなります。
合格につながる志望理由書の構成は「過去→現在→未来」の一本線です。自分の経験が大学での学びへとつながり、その学びが将来の目標へつながる流れを意識してください。
そこでここからは志望理由書の書き方ステップを、5つにまとめて紹介します。

1.志望理由を明確に記載する

まず、志望理由書には「なぜこの大学を選んだのか」を明確に述べましょう。
大学を選んだ理由が不明瞭だと「うちの大学でなくてもいいのでは?」と思われてしまい、説得力に欠けます。次のように、大学を選んだ理由は大学の特徴や大学の魅力を意識しながら答えましょう。
- 貴学が掲げる「教育を通じて社会に貢献する人材の育成」という理念に共感し、自身の学びを深めるための理想的な環境が整っていると感じた。
- 実践的なカリキュラムが多く、主体的な学びや研究活動が積極的に行われている点に魅力を感じた。
大学のカリキュラムや、教授の研究テーマなど、自分が興味あることや共感したことに注目します。大学を選んだ理由では、大学の特色やアドミッションポリシーに合わせた内容にすることが最善です。
総合型選抜におけるアドミッションポリシーの重要性を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

2.「志望校で学びたいこと」を具体化する

志望理由書には、大学で「どんなことを学びたいのか」を具体的に記載しましょう。
下記のように、自分の興味関心や学びたいと思ったきっかけなどを、自分のエピソードをそえて説明すると説得力が増します。
- 高校時代の教育ボランティアで子どもたちに勉強を教えた経験から、教育分野に興味が湧いた。
- 発達段階に適した教育アプローチを学び、子どもの個性や特性に応じた指導法を身につけることを目指したい。
- 貴学の多様な教育実習の機会や、先進的な教育方法を学べるカリキュラムを活用したいと考えている。
大学入学後の学習に関して「なぜ学びたいのか」「学ぼうと思ったきっかけ」「分野の中で特にどんなことを学びたいのか」を具体的に説明できると、情熱が伝わります。
3.これまでの経験を志望校でどう活かすか記載する

志望理由書では「過去の活動を通して得た経験を、いかに大学での学びへ繋げるかを記載できるか」が重要です。
次のように、部活動や生徒会・ボランティア活動などを通じて、どのような学びや経験を得られたのかを深掘りします。
- 高校生の時に参加した教育ボランティア活動を通じて、教育に対して強い関心を抱くようになった。
- 地域の小中学生に学習支援を行なった経験から、個人の能力に合わせた指導の重要性を痛感した。
- ボランティア活動を通じて、教えることの楽しさと、子供達が成長する瞬間に喜びを感じ、教師になる目標ができた。
今までの活動から得られた経験や学び、目標を具体的なエピソードで説明できると志望理由が深まります。
総合型選抜試験における部活や生徒会などの学校内活動、ボランティア活動といった学校外活動の評価比重をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。


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4.志望校での学びを将来にどう活かすか記載する

志望理由書には「大学での学びを将来へどう活かすのか」を記載しましょう。
次のように将来の目標を具体的に描くことで、学びへの意欲をアピールすることにつながります。
- 将来は、個々の子どもの個性や発達に寄り添いながら、各自が持つ能力を最大限に引き出す教育を実践したい。
- 特に、学習面で困難を抱える子どもたちに対して、適切なサポートを行い、学びの楽しさを提供できる教師になりたい。
- 貴学で学んだ知識を活かし、すべての子どもが自分らしく成長できるような教育環境を作り上げていきたいと考えている。
具体的な目標であるほど、学びの目的が明確になり、大学にアピールできます。
5.いかに自分が志望校に合うかをアピールする

志望理由書の最後は「自分がその大学で学ぶべき人物である」ことのアピール文で締めましょう。
ここまでの内容を踏まえ、自分の強みや意欲を強調し、下記のような前向きなメッセージを送ります。
- 貴学で学ぶことで、理論と実践の両面から、私が目指す「個別に対応した教育」のスキルをさらに高めることができると確信している。
- 自分の経験を活かし、教育現場で直面する課題に取り組み、子どもたちの成長を支える力を身につけるために、貴学で学ぶことが必要である。
総合型選抜の志望理由書では、大学に対する憧れだけを表現するのではありません。具体的な「理由」「過去の経験」「学びたい意欲」「将来の目標」に結びつけて述べることが重要です。
総合型選抜の志望理由書で避けるべきNGワード

ここからは印象の悪くなるおそれがある、総合型選抜の志望理由書で避けるべきNGワードを、3つにまとめて紹介します。

NGワード1:抽象的な表現

志望理由書では、次のような抽象的な表現は避けましょう。具体性に欠け、志望動機が薄くなるからです。
- さまざまな
- 多様な
- いろいろな
志望理由書では具体的で論理的に自分の考えを伝える必要があります。「さまざま」や「いろいろ」とは、具体的にどんなことを指すのかを明確に述べることが大切です。
NGワード2:ネガティブな表現

志望理由書では、次のようなネガティブな印象で終わる書き方や表現は避けましょう。自己評価を低くし、やる気がない印象を与えてしまうからです。
「高校時代の教育ボランティアでは、子どもたちにうまく教えることができず、挫折感を感じました。貴学で学べば自分の能力を高められると思います。」
より適切な表現としては、下記のように成長意欲を示すことが必要です。
「高校時代の教育ボランティア経験を通じて、子どもたちにうまく教えることの難しさを実感しました。その経験が教育に対する深い興味につながり、指導方法について考えるきっかけとなりました。貴学で学ぶことで効果的な指導を身につけ、現場で役立てていきたいです。」
志望理由書では過去の経験を前向きにとらえ、自分の成長の糧にすることが重要です。
NGワード3:他の大学を引き合いに出す表現

志望理由書では、次のような他の大学を引き合いに出し、志望校を持ち上げる表現は良い印象を与えません。他校との比較する表現は「消去法で選んだのでは?」と誤解を招くおそれがあるからです。
「他の大学は▲▲だが、貴学は〇〇だから志望しました」
志望理由書では、志望校の魅力や志望校で学びたい理由を全面に述べることが大切です。
総合型選抜の志望理由書の書き出し例と例文

志望理由書の中でもとくに重要なのが「書き出し」です。
書き出しで採点者の興味を引けるかどうかが、その後の文章全体の印象を左右します。書き出しは「読み手が続きを読みたくなるか」を基準に作るのが鉄則です。
そこでここからは次のトピック別に、書き出しと例文を紹介します。
- 印象に残る書き出しパターン
- 【学部別】志望理由書の例文
印象に残る書き出しパターン
書き出しには、大きく3つのパターンがあります。各パターンの特徴を押さえ、自分の経験や志望動機に合ったものを選んでください。
①問題意識型は社会的な課題や問いを提示して始めるパターン
日本の教育現場では、学習困難を抱える子どもへの支援が十分ではないと感じてきた。
学問分野への関心や問題意識を冒頭に示すことで、なぜその学部を志望するのかが自然に伝わります。自分にしか書けない独自の問題意識を示すことが大切です。
②体験エピソード型は自分の原体験から始めるパターン
高校1年生のとき、教育ボランティアで初めて小学生に算数を教えた日のことを、今でも鮮明に覚えている。
具体的な体験から始めると、読み手に場面がイメージしやすく、文章に説得力が生まれます。
③将来像型は目指す姿・目標を最初に宣言して始めるパターン
私は将来、すべての子どもが自分らしく学べる教育環境をつくる教師になりたいと考えている。
結論を先に述べることで、その後の理由や経験を書く際に論理的な流れが生まれます。どのパターンを選ぶ場合でも、書き出しで「自分らしさ」と「志望への必然性」を伝えることが重要です。
早稲田塾で総合型選抜に合格した受験生は「研究論文を150本読み、志望理由書を20回以上書き直した」と語っています。インパクトある書き出しを作るためには、自分の問題意識を深く掘り下げる時間が欠かせません。
【学部別】志望理由書の例文
ここからは、学部ジャンル別の志望理由書の例文を紹介します。
教育学部の例文
高校1年生のとき、地域の学習支援ボランティアに参加し、学習に困難を抱える小学生と向き合った経験が、教育を学びたいというきっかけになりました。一人ひとりの理解度に合わせた関わり方の大切さを痛感し、それ以来、発達段階に応じた教育アプローチを深く学びたいと思うようになりました。貴学のカリキュラムは教育実習の機会が豊富で、理論と実践を組み合わせて学べる点に強く魅力を感じています。大学での学びを活かし、すべての子どもが学ぶ喜びを感じられる教育環境を作る教師をめざします。
経済・経営学部の例文
高校の探究学習で地域商店街の空洞化問題を調査したことが、マーケティングや地域経済に興味を持つきっかけになりました。現地アンケートを通じて、消費者行動の分析が地域活性化の鍵になると気づきました。貴学には地域連携プロジェクトへの参加機会があり、在学中から実践的なデータ分析を経験できます。将来は、地方企業の経営支援に携わりながら、地域経済の課題解決に取り組みたいと考えています。
法学部の例文
高校時代、外国人の家族が医療機関でうまく意思疎通できない場面を間近で見て、言語の壁が権利保護に直結することを強く意識するようになりました。貴学では法律の基礎から国際法まで順を追って学べると知り、とくに○○教授の移民法に関する研究に強い関心を持っています。大学での学びを通じて、言語的マイノリティの権利を守る法律専門家になることをめざしています。
大学や学部の特色に即した内容にすることで、志望理由書の説得力と具体性を高められます。自分の経験や問題意識と、志望学部の学びがどう結びついているかを必ず明記してください。
総合型選抜に合格する志望理由書を作る3つのコツ

ここからは、総合型選抜試験の合格に向けた志望理由書を作るコツを、3つにまとめて解説します。

コツ1:自己分析で過去を振り返る

志望理由書を作るうえでは、自己分析が不可欠です。自分が興味関心のあることや今までの経験、価値観などが志望理由につながるからです。
自己分析では小学校・中学校・高校などの各フェーズで、次のような振り返りをします。
- 興味があったこと
- 得意だったこと
- 苦手だったこと
- 頑張ったこと
- つらかったこと
- 人間関係について

それぞれの出来事を書き出すことで大学で学びたいことが見えてきます。より印象に残っているエピソードを深掘りをすると、説得力のある志望理由に仕上がります。
コツ2:作成内容を添削してもらう

志望理由書は、高校の先生や塾の講師などに添削してもらうことが大切です。複数の人に見てもらうことで、さまざまな視点から意見をもらえます。
次のことを中心にフィードバックをもらえると、質の良い志望理由書を作成できます。
- 大学を志望する理由が明確か
- 将来の目標が具体的か
- 自分の経験が反映されているか
- 文章が論理的にまとまっているか
- 誤字脱字はないか

志望理由書は提出までに何回でも書き直しが可能です。納得がいくまで繰り返し推敲して完成度を高めましょう。
コツ3:志望理由書のコピーをとっておく

志望理由書は必ずコピーをして、自分の手元に置いておきましょう。理由は、志望理由書に書かれている内容が面接で質問されたり、小論文の題材になったりするからです。
実際に早稲田大学や明治大学、立教大学など、多くの大学の面接試験で志望理由を聞いています。「何を書いたのか忘れてしまった」とならないように、志望理由書に書いた内容を確認できる状態にすることが大切です。
まとめ
この記事では、総合型選抜における志望理由書の書き方を解説しました。最後に、とくに重要なポイントをまとめます。
- 志望理由書は「なぜ入りたいのか」を伝える書類であり、自己PRとは目的が異なる
- 志望理由書が不要な大学でも、面接で志望理由を聞かれるため、準備は必須
- 書き出しは「問題意識型」「体験エピソード型」「将来像型」の3パターンから選ぶ
- 「過去の経験→大学での学び→将来の目標」を一本線でつなぐことが合格への近道
- 抽象的な表現・ネガティブな表現・他大学との比較は必ず避ける
志望理由書は、自分の「過去・現在・未来」を一貫したストーリーで伝える書類です。自己分析と大学調査を丁寧に行い、完成度を高めていきましょう。志望校の先生や塾の講師への添削依頼も、積極的に活用してください。
なお、総合型選抜において志望理由書と面接での内容が一貫しているかは、非常に重要です。面接試験の特徴や対策方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
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また、総合型選抜試験では志望理由書以外にも重要な書類があります。受験や合格に必要なものを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

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