この記事では例や書き方も交え、総合型選抜のポートフォリオを作る手順を紹介します。
「総合型選抜試験にポートフォリオって必要なの?」
「ポートフォリオにはどんなことを書けばいいんだろう?」
総合型選抜試験の受験に際し、ポートフォリオの提出を求める大学は多くあります。
とはいえポートフォリオが何なのか、イメージが湧かない人は多いですよね。
また、ポートフォリオをどういった手順で作成すればいいのかわからない人もいるはず。
そこで本記事では提出例も交え、総合型選抜試験におけるポートフォリオの作り方を解説します。ポートフォリオの目的や作成時のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 総合型選抜におけるポートフォリオは自分の活動の記録
- ポートフォリオ作成では、活動実績と具体的なエピソードが重要
- ポートフォリオの評価ポイントは、独創性や主体性、自分らしさ
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総合型選抜におけるポートフォリオの基礎知識
はじめに次のトピック別で、総合型選抜におけるポートフォリオの基礎知識を解説します。
- ポートフォリオとは?
- ポートフォリオの重要性
なお、総合型選抜においてポートフォリオの提出を求める大学では、合否に影響する重要な要素です。万全な対策を行うことで、大学側に自分をうまくアピールできます。
ポートフォリオとは?
総合型選抜におけるポートフォリオとは、受験生の活動の記録をまとめたものです。
「自分はこういう人物だ」ということを学力・スキル・実績・取り組んだ活動などを提示することで大学に示します。
ポートフォリオは、自分の能力や人間性をアピールするための手段と考えておきましょう。
ポートフォリオの重要性
ポートフォリオの提出を求める大学では、ポートフォリオの配点が高い傾向です。
ポートフォリオの目的は、大学にふさわしい人物であることを示すことです。そのため、大学が求める人物像に合わせ、自分の資質や特性を反映させることが重要となります。
たとえば、リーダーシップ性・創造力・主体性など、大学のアドミッションポリシーに自分を重ね合わせましょう。
ポートフォリオ作成の対策をすることで、大学に自分をうまくアピールでき、合格への道が開けます。
総合型選抜におけるポートフォリオの提出例
ここからは次の大学別で、総合型選抜におけるポートフォリオの提出例を紹介します。
- 中部大学
- 多摩美術大学
- 東京工芸大学
なお上記のほか、総合型選抜のポートフォリオは佐賀大学や大阪人間科学大学でも実施されています。
例1:中部大学の場合
中部大学では、多くの学部でポートフォリオの提出を求めています。中部大学における総合型選抜のポートフォリオは学習の成果や活動報告の一例として捉えています。
ポートフォリオの内容は、次のとおりです。
- 志望理由
- 入学後の目標
- 自己推薦書
- 学習自己評価
- 活動報告書
また、実際に合格した人はポートフォリオの指定書類の他に、写真や賞状など自分なりの資料を提出しています。自分をアピールするために、提出できる資料や記録を用意できるといいでしょう。
中部大学では、ポートフォリオ入試web事前ガイダンスが配信されています。各学部のアドミッションポリシーやポートフォリオの情報がわかるので、必ず確認することが大切です。
例2:多摩美術大学の場合
多摩美術大学における総合型選抜では、デジタル技術を用いたアートやデザインの表現力・思考力のある人材の発掘を目的としています。
多摩美術大学では、オンラインポートフォリオを課題としています。今まで制作してきた作品や活動をwebページにまとめて、インターネット上で閲覧できる形式です。
面接では、オンラインポートフォリオをプロジェクターで投影しながらプレゼンテーションを行います。評価のポイントは、次のとおりです。
- 作品や活動のユニークさ
- ポートフォリオの制作力や編集力
- 自らの考えを述べるプレゼンテーション能力
多様な表現の可能性を探求することを重視する学部です。既成概念に囚われず、作品や、活動のユニークさを評価します。
例3:東京工芸大学の場合
東京工芸大学の芸術学部写真学科では、ポートフォリオ型の総合型選抜を取り入れています。これまで撮ってきた写真を使って自己アピールをするポートフォリオです。
東京工芸大学の入試サイトには、ポートフォリオの作り方が詳しく説明されています。クリアファイルを用意するなど、細かい指定があるので、よく確認することが大切です。
ポートフォリオの評価は写真の技術力だけではありません。
- 創造力
- 発想力
- 写真と言葉によって人とコミュニケーションを取る力
- カメラを通して何をみているのか
- やる気やモチベーション
上記のことが評価されるポイントとなり、自分らしさを表すことが重要となります。
デザイン・芸術に関する大学では、自分の作品をポートフォリオにして自己アピールする方法が多いです。そしてポートフォリオを課す大学の多くが、技術や完成度よりも、独創性や創造力などを求めていることが共通しています。
総合型選抜を突破するポートフォリオの作り方
ここからは、総合型選抜試験におけるポートフォリオの作り方を、5つのポイントにまとめて解説します。
- 自分の経験を棚卸する
- アピールポイントを抽出する
- 具体的なエピソードを追加する
- 構成・レイアウトを整える
- 添削を受ける
なお、大学によって、ポートフォリオの書式や記載内容が指定される場合があります。志望大学の入試要項をよく確認することが大切です。
ポイント1:自分の経験を棚卸する
まずは、自分にこれまで起きたこと、自分に関わる出来事をすべて書き出してみます。
たとえば、次のようなことを書き出してみましょう。
また、出来事にともなう自分の感情も言語化することがポイントです。辛かった経験、楽しかった経験など、自分の人生の喜怒哀楽を可視化することで自分らしさを表現できます。
総合型選抜は主体性や独自性が評価される入試のため、自分の個性をアピールすることは重要です。
ポイント2:アピールポイントを抽出する
次に、棚卸した自分の経験や活動から、アピールポイントを抽出します。
小学校・中学校・高校と各フェーズで印象深い出来事の中から共通点を探すと、自分の興味関心や一貫した信念が見えてきます。
たとえば、次のような特徴がないか探してみましょう。
- 継続力がある
- 好きなことにはとことん集中する
- 苦手なことでも克服しようと努力できる
- チャレンジ精神がある
- 人との関わりが好き
- コミュニケーションが得意
- 誰かのためになることでやる気が出る
自分の個性や特徴を見い出すことで、自分らしさを表現できます。
また、アピールポイントを抽出する際には、志望大学のアドミッションポリシーを反映させましょう。
総合型選抜は、大学が求める人物を判断する入試です。大学が求める人物像に自分を当てはめるためには、アドミッションポリシーの深い理解が重要です。
次の記事では、アドミッションポリシーの重要性が詳しく解説されています。参考にしてください。
ポイント3:具体的なエピソードを追加する
自分のアピールポイントが抽出できたら、アピールする事柄に具体的なエピソードを追加することが大切です。具体的なエピソードを入れることで、どのように頑張ってきたのか、何を学んだのかが、わかりやすく伝えられます。
例として、「部活動の実績」をアピールする場合、次のように過程を詳しく説明できるといいでしょう。
- 高校1年時は初戦敗退で悔しい思いをした。
- 仲間とどうしたら勝てるのか分析し、実践練習の回数を増やしたり、トレーニングを強化したりして練習を重ねた。
- 仲間と努力した甲斐あって高2の時にベスト8まで進出できた。
- 部活動の経験から、分析力・継続力・コミュニケーション力の大切さを実感した。
自己アピールをするときには、結果だけではなく過程を重視することが大切です。
ポイント4:構成・レイアウトを整える
ポートフォリオは、一貫性を持たせる構成が重要です。なぜなら、ポートフォリオ1つで「自分はどんな人物なのか」をわかりやすく伝える必要があるからです。
ポートフォリオに統一感をもたせるために、次の項目を意識して構成を考えます。
- アピールしたいテーマ
- テーマにあったタイトル決め
- 時系列の流れに沿った書き順
- 言いたいことが一目でわかる見出し名
- 自分がアピールしたい要素に合ったエピソード
評価の高いポートフォリオを作るために、一目でわかりやすい構成を立てることがポイントです。
また、ポートフォリオは文字だけで表現するのではなく、見た目も工夫する必要があります。写真や賞状、証明書などを添付して、視覚的にわかりやすいレイアウトにしましょう。
ポイント5:添削を受ける
ポートフォリオが完成したら、学校の先生や塾の講師、親などに見てもらうことが大切です。複数の人から客観的な意見をもらうことで、より広い視点からポートフォリオを作成できます。
特に親に見てもらうことで、自分が忘れていたエピソードを思い出せるメリットもあります。フィードバックを参考に、納得のいくポートフォリオを作成させましょう。
まとめ
総合型選抜におけるポートフォリオは、自分の能力や人間性を大学にアピールするための手段です。
評価の高いポートフォリオを作成するために、主に次のことが重要になります。
- 自分の経験を棚卸しすること
- 具体的なエピソードを追加すること
- 志望大学のアドミッションポリシーを理解すること
本記事で解説したポイントを参考に、自分らしいポートフォリオを作成し、大学へ自分をアピールしましょう。