この記事では取得の体験談も交え、総合型選抜における英検の必要性を解説します。
「英検は総合型選抜試験に必要?」
「何級の英検を持っていると試験で評価されるのかな?」
総合型選抜での受験を検討していると、英検(実用英語技能検定)の有無が合否にどのくらい影響するのか、気になる人は多いですよね。
結論、英検の取得は総合型選抜で有利に働きます。大学によっては英検を高く評価するところや、受験資格としているところもあるので、事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、英検が総合型選抜で有利に働く背景をわかりやすく解説します。総合型選抜で評価されやすい英検の等級や大学例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 総合型選抜で英検は2級以上が有利になる
- 総合型選抜で英検は受験資格や加点対象など幅広く利用されている
- 英検と共に評価される要素を高めることも重要
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英検は総合型選抜で有利に働く
英検の取得級は総合型選抜の選考でも評価の対象となり、合否に関わります。
英検の級によっては試験が免除される大学もあり、もしも選考で当落線上の点数となった場合は英検を取得していることがプラスになって合格となるケースもあります。
そのため、英検の取得は総合型選抜で有利に働く可能性があるといえます。
受験資格としている大学もある
総合型選抜試験を実施している大学の中には、受験資格に英検の資格を含んでいるところもあります。
例えば名古屋外国語大学の場合、英検やTOEIC・TOEFLなどの英語関連資格のうち、いずれかの資格を有していることが出願条件となっています。英検の場合は準2級以上の取得が必須です。
名古屋外大では外国語学部の他にも現代国際学部など、全ての学部と学科で英語関連の資格が必要とされています。
使えるのは英検だけというわけではありませんが、英検も含めて受験資格となっている場合は募集要項などを早めに確認して、取得に向けたスケジュールを調整することが大切です。
取得が加点や試験の免除につながることも
英検を取得していることで総合型選抜試験の選考への加点や、試験が免除される大学もあります。
英検を保有していることで英語に関する学力レベルを測れることや、取得に向けて努力したプロセスが評価されて加点の対象となります。英検ではリーディングに加えて、リスニング、スピーキングの能力も試されます。近年の英語教育で聞く力や話す力が重視されていることからも、英検で身につけた能力が総合型選抜でも評価されます。
英検の中でも準1級以上の高難度の級を保有していると、英語の試験そのものが免除されることもあります。英検の資格で大学が求める基準を十分クリアしていると判断されるためです。
高校2年生までの取得がベスト
英検を総合型選抜試験でプラスにするためには、いつまでに取得すれば良いか疑問に思うこともありますよね。結論から言うと、高校2年生までに取得するのがベストです。
英検は年間に3回、試験が実施されます。2024年度の日程では1回目が5月下旬から6月上旬にかけて、2回目が9月下旬から10月上旬、3回目が1月中旬から下旬で、いずれも一次試験の試験日です。その後、二次試験があり、成績表が届くまでは2カ月ほどかかります。
総合型選抜の出願時期は9月以降と定められています。ラストチャンスは高校3年生になってからの年度の1回目ですが、2年生までに取得できると余裕を持って学校選びを進めることができます。
なお、総合型選抜試験のスケジュールについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
【等級別】英検取得は総合型選抜で有利になるのか
ここからは、次の等級別に総合型選抜で英検取得がどう有利に働くのかを解説します。
- 5~3級
- 2級
- 準1級
- 1級
なお、加点や得点換算の条件としているのは、2級以上の大学が多いです。英検にはCSEスコア(Common Scale for English)の点数があり、客観的な指標とされているため、このスコアを上げることも重要です。
5~3級
5級から3級までは基礎の定着が問われ、中学レベルの英語力となっています。そのため、大学入試の総合型選抜では評価されづらいです。
5級と4級の試験はリーディングとリスニングを基本に、録音型面接でスピーキングのテストを受けることも可能です。3級は二次試験で面接形式のスピーキングテストがあり、中学卒業程度の英語力が問われます。
総合型選抜では有利になりづらいですが、テストの雰囲気をつかみ、さらに上位の級を目指す練習としてまず3級を取るのはおすすめです。
2級
英検2級は、「高校卒業程度」の能力があると評価されます。
試験には医療やITなど社会性のある問題も出題され、海外留学も想定したコミュニケーション能力も試されます。準2級は「高校中級程度」とされ、2級よりはやさしいレベルとなります。
総合型選抜で加点や得点換算の対象となるのは2級からの大学が多く、有利にするためには2級以上を取得したいです。
準1級
英検準1級は、「大学中級程度」の力があると評価されます。
必要語彙数が7,500から9,000語とされており、エッセイなど実践的な英作文の問題も出題されます。合格率は15%前後で、かなり難易度が高いといえます。
英語で日常生活を送る上でもほとんど不自由しない、実際に使える英語力があるとされるのが準1級です。総合型選抜試験でも英検準1級は英語の試験が免除される大学があるなど、高く評価されます。
1級
英検1級は最上位で「大学上級程度」の英語力と評価されます。
必要語彙数は1万2,500から1万5,000語とされ、専門用語も含まれます。試験では与えられた5つのテーマの中から一つを選んで2分間のスピーチをする課題もあり、世界情勢や経済、環境など、高難度です。日頃から英語のニュースを読んで知識を蓄えた上で、いま使える英語力が必要となります。
公式サイトでも1級は英語の知識のみでなく相手に伝える発信力と対応力があり、世界で活躍できる英語力を証明するとされています。総合型選抜で英検1級による加点は、1点を争う選考ではかなり優位に立つことができます。
【学校別】総合型選抜で英検を評価する大学例
ここからは、次の学校別に総合型選抜で英検を評価する大学例を紹介します。
- 私立
- 国公立
受験資格とする大学、選考で加点や得点換算される大学、試験が免除される大学があり
ます。準1級以上で試験が免除される場合、取得すれば他の教科の勉強に時間を使うなど受験の戦略にも関わるため、早めに調べたいポイントです。
私立
私立大学で総合型選抜で英検を評価する大学は数多くあります。
例えば、早稲田大学の人間科学部で総合型選抜にあたるFACT選抜の試験では、受験資格に学部が指定する外国語資格・検定のスコア・結果の提出があり、利用できるものとして英検も含まれています。
関西大学の法学部・法学政治学科では、英語運用能力重視型の試験の場合、英検準1級以上を保有していてCSEスコアが2300点以上だと第一次選考が合格となり、二次選考に進めます。
学校や学部によって試験方式や使える英検の級やスコアが細かく定められているので、しっかりチェックしましょう。
国公立
英検は国公立大学の総合型選抜でも評価の対象となるところがあります。
大阪大学では経済学部の受験資格の1つとして、英検2級以上の合格証明書の提出が挙げられています。その他の学部でも、外国語学部、法学部では級は定められていませんが、合格証明かCSEスコアの証明書が求められます。
広島大学では、大学入学共通テストを利用する総合型選抜Ⅱ型の場合、英検準1級以上に合格していると共通テストの英語が満点とみなされる制度があります。また、総合型選抜で英検準1級以上が加点の対象になり、学部によっては英検1級で50点が加えられます。
総合型選抜で評価される英検以外の資格
総合型選抜では、次のような英検以外の英語資格も評価の対象となります。
- TOEIC
- TOEFL
- IELTS(International English Language Testing System)
- GTEC(Global Test of English Communication)
- TEAP(Test of English for Academic Purposes)
- ケンブリッジ英語検定試験
TOEICやTOEFLが一般的ですが、その他にも受験で利用できる民間資格があります。IELTS(アイエルツ)はブリティッシュ・カウンシルとケンブリッジ大学英語検定機構などが共同運営している資格で海外留学によく利用される資格です。
GTECは、ベネッセコーポレーションが実施している英語4技能検定。TEAPは上智大学と日本英語検定協会が共同開発した資格です。
英検と共に総合型選抜で評価される要素
総合型選抜では英検といった資格に加えて、学校の成績や課外活動の成果などを含めて総合的に合否が判断されます。
大学側が求める人材像と合致しているか、大学で学びたいことに対する意欲がどれくらいあるかといった点が重要になります。
ここからは、英検と共に総合型選抜で評価される要素を、3つにまとめて紹介します。
- アドミッションポリシーとの合致度
- 部活動などの課外活動の実績
- 学校の評定平均(成績)
アドミッションポリシーとの合致度
アドミッションポリシーとの合致度は大学が最も重視する要素ともいえます。アドミッションポリシーは、大学の教育理念に基づき、能力や適性について大学が求める学生像を示したものです。
学力に加えて人間性の部分も大学が評価して、多角的に合否を判断するために設けられています。
- 社会問題を解決するための知識と挑戦する意欲
- グローバルな視点で活躍できる人材
- 論理的に思考し言葉で表現する力
- 他者を尊重しながら協力して課題解決に向かう力
大学や学部によってアドミッションポリシーは異なるので、事前に調べて対策するようにしましょう。総合型選抜におけるアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
部活動などの課外活動の実績
総合型選抜では、部活動など課外活動の実績も評価の対象となります。
部活動での全国大会の成績など目立つものだけではなく、生徒会活動やボランティア活動といった取り組みも評価されます。生徒会で発揮したリーダーシップや、ボランティア活動で社会に貢献したいという意欲は、入学後の学びや将来にも活かされるとみなされるからです。
- 部活動
- 生徒会活動
- 地域の清掃活動などのボランティア
- 福祉関連のボランティア
- スポーツ大会の運営サポート
主体的に取り組んだ活動は総合型選抜の選考でも評価されるので、面接で具体的にアピールできるように準備しましょう。
部活動や生徒会活動の有無が総合型選抜にどう影響するのか、詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
学校の評定平均(内申点)
総合型選抜では、学校の評定(内申点)も重要な要素となります。
大学が重視する「学ぶことに対する意欲」を判断するために、学校の成績が利用されます。大学では、研究を通して社会問題に関わる知識を広げることや、自ら探究していく姿勢が求められます。総合型選抜は学力テストだけでは測れない要素も重視する選考方法ですが、その基礎として学校の成績は大事なポイントです。
大学によっては受験資格に評定平均の基準を設けているところもあります。クリアしないと受験することもできないので、評定はできるだけ上げることを意識しましょう。
総合型選抜試験において評価される評定や内申点の目安を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで、英検が総合型選抜で有利に働くか、取るべきは何級かなどについて解説してきました。
英検は2級以上を取得できれば、総合型選抜の選考でも有利になる可能性が高まります。英語力アップのため、合格する可能性を高めるためにも活用したい資格です。
総合型選抜での受験を考えている方は、英検の利用も検討しながら、自分に合う大学を見つけてください。