この記事では取得するメリットも交え、総合型選抜で有利になる資格を解説します。
「資格を取得すると、総合型選抜試験で有利になるの?」
「どんな資格を取ればいいんだろう…」
「総合型選抜では資格が重要」そんな話を聞き、実際にどうなのか気になっている人は多いですよね。
結論、総合型選抜で資格は有利に働きます。しかし、どんな資格でも評価されるわけではありません。
大学ごとで評価する資格は異なるため、てきとうに取得してはかけた時間やお金を無駄にする可能性も。反対に、志望校が評価する資格を取得できれば、合格への可能性を引き上げるのも可能です。
そこで、本記事では総合型選抜が有利になるおすすめの資格を、一覧にまとめて紹介します。資格が総合型選抜で有利になる理由や取得を評価する大学の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 資格取得は総合型選抜で重要な要素である
- 専門資格は志望する分野での強みを証明できる
- 資格以外の要素も併用すると評価が高まる
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資格は総合型選抜で評価される要素の1つ
資格は、総合型選抜で評価される重要な要素です。理由は、学力以外のスキルや知識を証明し、大学が求める能力を示せるからです。
例えば、理系学部ではITスキル、文系学部では語学力などが重視されます。資格取得により、他の受験生との差別化が図れます。さらに志望分野への適性をアピールできるため、有利になるのです。
志望校ごとで評価する資格は異なる
総合型選抜での資格評価は、大学や学部ごとに異なります。各大学には独自のアドミッションポリシーがあり、求める学生像もさまざまだからです。学部の特性により重視される能力が異なるため、評価される資格も変わります。
理系学部ではITスキルや技術系資格が重視され、専門知識や実践力を証明できます。文系学部では語学力やコミュニケーション力を示す資格が評価されます。英検やTOEFLは、国際的な視野と語学力を示すのに有効です。
例えば、国際関係学志望で語学資格があれば、言語力と異文化理解力を持つと判断されます。志望校に合った資格選びが合格のカギであり、必要なスキルを把握し対応する資格を取得することが大切です。
専門性が高い資格ほど評価は高まる
専門性が高い資格は、総合型選抜での評価を高めます。
特定の分野で高度な知識やスキルを持っていることを示せるからです。専門分野の資格を持っていると、大学は「即戦力」として高く評価します。
これは特に、特定の技能や専門知識が求められる分野で当てはまります。例えば、情報工学科志望の場合のITパスポートや基本情報技術者試験などです。
専門性の高い資格は、実務経験がなくても本気度や取り組みの深さを示すことができます。これにより、大学側にとって入学して欲しい志願者となるのです。
さらに、専門性の高い資格は他の受験生との差別化につながります。そのため、合格の可能性を大幅に高める重要な要素となります。
総合型選抜で資格が有利になる3つの理由
ここからは、総合型選抜で資格が有利になる理由を、3つにまとめて解説します。
- 学力以外の評価につながる
- 専門分野へのアピールに活用できる
- 自主性や学習意欲をアピールできる
理由1:学力以外の評価につながる
資格は、学力以外の能力を証明する要素として、総合型選抜で評価されます。
総合型選抜では、学力に加えて生徒の持つ様々なスキルや経験が重視されます。そのため、資格はその能力を証明する有効な手段なのです。
語学系の資格の場合は、単に言語力を証明するだけではありません。国際的な視野やコミュニケーション能力を示すことができます。IT関連の資格は、技術的なスキルが必要な学部で評価が高く、他の受験生よりも優位に立つことが可能です。
資格を取得しておくことは、学力以外の能力をアピールできる強力な武器となります。そして、総合型選抜での合格に向けた重要な要素になるのです。
理由2:専門分野へのアピールに活用できる
資格は、志望する分野での知識やスキルを具体的にアピールするための強力な手段です。大学側は、志望する分野に対して深い理解と専門的なスキルを持つ生徒を高く評価します。
商学部を志望する学生が簿記の資格を取得していれば、大学はその生徒が経済や会計の知識をしっかりと身につけていると評価します。志望分野に関連する資格を持つことで、大学が求める学生像に合致していることを証明できるのです。また、他の受験生との差別化にもつながります。
志望分野に関連する資格は、大学側に対してその分野への熱意や適性をアピールする手段となるのです。
理由3:自主性や学習意欲をアピールできる
資格取得は、自主的に学び、目標に向かって努力する姿勢をアピールできる機会です。
資格を取得するには、長期間にわたって学習を続ける必要があります。大学に対して、「自分から進んで学び、目標を達成できる生徒」という印象を与えることができます。
難易度の高い資格を取得するために、長期的な学習計画を立てて取り組んできた経験は大きな強みです。その経験は、「粘り強さ」と「目標達成力」を示す証拠となります。これは、単なる学力以上に評価され、総合型選抜での評価を高める要素となります。
資格取得のための努力は、自主性と学習意欲を証明し、総合型選抜で大きなアピールポイントとなるのです。
総合型選抜が有利になるおすすめ資格一覧
下記に、総合型選抜が有利になるおすすめの資格を一覧にまとめました。
取得するメリット | |
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英検(実用英語技能検定) | ・総合的な英語力の証明になる ・国際的な視野を持ち、グローバルなコミュニケーション能力があることを大学に示せる ・特に文系学部で高く評価される |
TOEFL | ・留学や英語を使用する学部で有利になる ・大学が求める国際的なコミュニケーション能力などを示せる |
ドイツ語検定(ドイツ語技能検定) | ・第二外国語としてのドイツ語力の証明になる ・国際関係やヨーロッパ関連の専攻で有効になる ・異文化理解と多言語対応能力を持つことが示される ・国際的な学部や専攻で有利になる |
簿記(日商簿記検定) | ・会計や経済に関する基礎的な知識の証明になる ・商学部や経済学部で特に有利になる ・実務的な会計知識を持つことが評価され、ビジネス関連の学部で即戦力として見られる |
情報セキュリティマネジメント | ・セキュリティリスク管理の知識証明になる ・IT関連の学部や業界で高評価になる ・情報技術に精通していることをアピールできる |
ITパスポート | ・基礎的なITスキルを証明できる ・ITの基礎力を備えていることが評価される ・理系・文系問わず幅広い学部で役立つ |
基本情報技術者試験 | ・プログラミングや情報システムの基礎知識を証明できる ・IT関連の学部で重要視される ・IT分野での技術職を目指す学部で高く評価される |
漢検(日本漢字能力検定) | ・日本語の読み書き能力や漢字の理解力を証明できる ・文系学部で特に有効になる ・日本語能力を高度に持ち、言語や文学に関する深い知識をアピールできる |
数検(数学検定) | ・数学の基礎力から応用力までを証明できる ・理系学部での評価が高い ・数学的な思考力や問題解決力が評価される |
統計検定 | ・データ分析や統計学の知識を証明できる ・社会科学や経済学で特に評価される ・統計的なデータ分析能力を持つことで、リサーチや経済分析に強みを持つと評価される |
表に示された資格は、志望する学部や大学が重視するスキルを具体的にアピールする手段となり、それぞれの分野において大きな強みとなります。語学系・IT関連・経済や会計、そして理系分野に関連する資格があります。これらを取得することで、スキルや能力を証明できます。
語学系の資格は国際的な視野を持つことを示し、グローバルな学部で有利です。ビジネスやIT分野では、実務的なスキルを証明する資格が強力なアピールポイントとなります。数学や統計関連の資格は、理系学部志望者にとって評価されやすい要素です。
ここからは、上表の中でも総合型選抜で特に有利になる資格を、5つ抜粋して解説します。
- 英検(実用英語技能検定)
- TOEFL
- 簿記(日商簿記検定)
- ITパスポート
- 数検(数学検定)
英検(実用英語技能検定)
英検は、日本で最も知名度の高い英語資格試験です。英語のリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を総合的に評価します。
特に英検2級以上が、総合型選抜で評価される基準とされています。英検は、国際的な視野やコミュニケーション能力を持つことを証明できる資格です。そのため、国際関係学や文系学部での評価が高くなります。
多くの大学が英語力を重要視しています。英検を持っていると、他の受験生との差別化が図れ、英語に関する分野で特に有利になります。
総合型選抜では、語学力があることは有利に働くため、英検の取得は合格の可能性を大きく引き上げる要素です。
詳細 | |
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必要な勉強時間 | 2級:200~400時間 準1級:500~700時間 1級:500~600時間(準1級レベルからの場合) |
受験料 | 2級:9,100円 準1級:1万500円 1級:1万2,500円 |
受験時期 | 年に3回(通常は6月/10月/1月) |
TOEFL
TOEFLは、英語が母語でない人を対象とした試験です。主に、英語圏の大学や大学院への留学を希望する学生の英語力を評価するために使用されます。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能をバランスよく評価します。
総合型選抜での評価基準は、TOEFL iBTで72点以上です。留学を目指す学部や国際学部で高く評価されています。
TOEFLは、英語を学ぶ意欲や能力を示すだけでなく、国際的なコミュニケーション能力を証明するものです。志望する大学に対して、英語での授業や異文化の環境に適応できることを証明するアピールにもなります。英語力が必要な学部を志望する学生にとって、総合型選抜は大きな武器となるのです。
詳細 | |
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必要な勉強時間 | 一般的には200~300時間 |
受験料 | US$245 |
受験時期 | 年間で計80回以上 |
総合型選抜における英検の必要性を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
簿記(日商簿記検定)
簿記は、会計や経済に関する基礎的な知識を証明する資格です。商学部や経済学部で特に有利になります。
総合型選抜で評価される基準は、簿記2級以上です。財務や経営に関するスキルを持っていることを示すことができます。将来のビジネス分野での活躍が期待される学生として評価されることが多いです。
簿記の資格を持っていることで、会計知識に精通していることをアピールできます。実務的なスキルを求める大学にとって即戦力として見られます。特に経済や商学関連の学部では、簿記の資格は大きなアドバンテージとなり、他の受験生と差をつけることができる要素です。
詳細 | |
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必要な勉強時間 | 2級:100~200時間 1級:500~600時間 |
受験料 | 2級:5,500円 1級:8,500円 |
受験時期 | 年に3回(通常は6月、11月、2月) |
ITパスポート
ITパスポートは、情報技術に関する基礎的な知識を証明する国家資格です。合格すると、ITリテラシーや経営知識の両方を持つことを示すことが可能です。
特に情報学部や経済学部、経営学部などで評価されます。現代のIT社会に適応する能力を持っていることを証明できます。
ITに関する知識がなくても基礎から学べるため、文系理系を問わず幅広い学生にとって取得しやすい資格です。IT知識を持つことが評価される学部で有利に働きます。デジタル技術を活用できるスキルを証明することで、総合型選抜で評価される重要な要素となるのです。
詳細 | |
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必要な勉強時間 | IT知識がない場合:180時間 基礎知識がある場合:100~150時間 |
受験料 | 7,500円 |
受験時期 | 通年。試験はCBT(Computer Based Testing)方式 |
数検(数学検定)
数検は、数学の基礎から応用までを評価する資格です。2級以上を取得することで、専門分野での適性を強くアピールできるため、総合型選抜での評価が高まります。
理系学部や、データサイエンス、経済学、統計学を志望する学生にとって重要な資格です。数学的な思考力や問題解決能力を証明できるため、理数系科目が重視される学部で高い評価を得られます。
論理的思考や分析力を大学側にアピールできるため、総合型選抜で有利に働くことが多いです。また、統計やデータ分析の能力を求める分野でも、数検資格は大きなアドバンテージとなります。
詳細 | |
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必要な勉強時間 | 2級:100~200時間 1級:500~600時間 |
受験料 | 2級:6,500円 準1級:7,300円 1級:8,500円円 |
受験時期 | 年に3回(通常は4月、7月、10月) ※個人受験A日程の場合 |
総合型選抜で資格を評価する大学例
下表に、総合型選抜で資格を評価する大学を例としてまとめました。表の評価する資格例は、点数換算され総合型選抜の評価として加算されます。
大学 | 評価する資格例 |
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拓殖大学 | 英検1728~(準2級程度)、TOEFL iBT42~、TOEIC L&R/S&W1150~(中級レベル程度) |
名古屋学院大学 | 英検1700(準2級程度)、TOEIC L&R/S&W625(基礎レベル程度) |
大阪経済法科大学 | 英検準2級以上、日商簿記2級以上、基本情報技術者試験、基本情報技術者試験 |
阪南大学 | 英検3級以上、中国語検定準4級以上、ITパスポート試験、ドローン検定4級以上 |
※英検、TOEFL、TOEIC横の数字はスコアを表しています。
※TOEICのスコアは、S&Wのスコアを2.5倍にしてL&Rと合算しています。
語学系の資格は、多くの大学で高く評価され、英検やTOEFL、TOEICなどが入試の合否に影響します。拓殖大学や名古屋学院大学では、総合型選抜の評価が大きく上がる傾向にあります。
ビジネス系の学部では、簿記や基本情報技術者試験など、実務的なスキルを証明する資格も評価されます。大阪経済法科大学や阪南大学では、実践的な知識を持っていると評価されるため、合格の可能性を高めます。
総合型選抜を目指す場合、志望校が求める資格や基準をしっかりと把握し、計画的に資格取得を進めましょう。
総合型選抜の合格に向けた資格の取得スケジュール
資格取得には時間がかかるため、できるだけ早く準備を始めることが重要です。早めに準備を始めることで、受験勉強と並行して無理なく進められるからです。
高1の4月から高2の10月頃は、志望校や学部に関連する資格をリサーチします。基礎的な学力を固めながら資格の準備を進める時期です。高2の11月頃からは資格取得に向けた本格的な勉強を開始し、長期休暇を活用して試験対策を進めます。願書提出に間に合うよう、高3の9月までには資格を取得しておくことが理想です。
資格取得のスケジュールを立てる際には、学業との両立を意識して無理のない計画を立てましょう。資格の取得は、早い段階での準備が合格への大きな一歩となります。
合格に向けた進み方も交え、総合型選抜試験のスケジュールをより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
資格との併用で総合型選抜の評価を高める要素
ここからは、資格との併用で総合型選抜の評価を高める要素を、3つにまとめて紹介します。
- 課外活動
- 生徒会活動
- 海外留学
課外活動
課外活動は学力以外のスキルや経験を証明する有力な要素です。大学側は、勉強以外に何をしてきたかという生徒の積極性やリーダーシップを重視するからです。
例えば、部活動やボランティア活動などを通じて、チームワークなどを育むことができると評価されます。課外活動を通じて得たスキルは、資格の取得とは違った形で能力を証明するものになります。
課外活動は学業以外でも努力を重ね、多様なスキルを持つことを示す有効な手段となるのです。
生徒会活動
生徒会活動は、リーダーシップや問題解決能力をアピールできる重要な経験です。総合型選抜では、生徒会での経験は生徒の自主性やリーダーとしての資質を証明する要素となるからです。
生徒会活動で実際に学校行事を主導した経験があると、組織をまとめる力や目標達成力をアピールできます。生徒会活動での経験は、総合型選抜で高く評価される要素となります。リーダーとしての経験、他者との協調性や問題を解決するための思考力をアピールできるのです。
つまり、生徒会活動を通じて得たリーダーシップや協調性は、他の受験生と差をつけるための強力なアピールポイントとなります。
生徒会活動が総合型選抜で同有利に働くのかをより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
海外留学
海外留学は、総合型選抜で国際的な視野や異文化理解力をアピールできる大きなチャンスです。
語学力だけでなく、異なる文化に適応する柔軟性や、国際的なコミュニケーションスキルを証明できます。グローバルな視点を持つ学生を高く評価し、国際的な感覚を重視する学部では特に有利です。
短期留学であっても、異なる環境での学びや経験を通じて得たスキルは大きなアピールとなります。留学先での語学力向上や国際的な交友関係は、志望する学部や将来の目標に結びつくことが多いです。
海外留学の経験は、大学に対して「国際的な視野を持ち、異文化に対する理解力がある学生」という強い印象を与え、合格の可能性を広げる大きな要素となるのです。
なお、今回紹介した取得資格や上記と同様に、評定や内申点も総合型選抜試験の評価に大きく影響します。評定・内申点の重要性や目安を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
総合型選抜で有利になる資格の取得は、学力以外のスキルや専門知識を証明するための重要な手段です。
志望する学部や専門的な資格を早めに取得することで、他の受験生と差をつけることができます。資格だけでなく、課外活動や生徒会活動、海外留学などの経験も併用することで、他の能力もアピールでき、総合型選抜での評価をさらに高めることが可能です。
資格取得とこれらの経験のバランスを考え、合格に向けた準備を進めましょう。