この記事ではやっていない人の対処法も交え、部活動が総合型選抜の合否に与える影響を解説します。
「総合型選抜は部活をやっていないと不利になるのかな?」
「部活をやっていなくても総合型選抜に合格できる?」
総合型選抜での受験を検討していて、部活動をやっていないと心配になることもありますよね。
結論、部活動をやっていなくても総合型選抜で合格することは可能です。ただ、部活動という面で評価を得るのは困難なため、他の点でアピールする必要があります。
本記事では、部活動が総合型選抜試験にどのくらい影響があるのかを、わかりやすく解説します。部活をやっていなくても合格するポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 部活動は総合型選抜での選考に考慮される要素の1つ
- 試験では「部活動にどう取り組んだか」が評価の対象になる
- 明確かつ前向きな理由があれば、部活をやっていなくとも合否に影響はない
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部活動は総合型選抜の合否に影響するのか
部活動の実績は総合型選抜の選考で考慮され、合否にも関わります。
ただ、部活動は総合型選抜の合否を判定するための要素の一つでしかありません。部活動以外にも学力や生活態度、大学での目標など様々な要素を合わせて合否が判定されます。
活動成績よりも姿勢が重要
総合型選抜で重要なのは部活動の成績よりも、物事に取り組んだ姿勢です。
運動系の部活でインターハイ(全国高校総体)何位、文化系の部活で全国コンクール何位というような、好成績はインパクトは大きいかもしれません。
しかし、総合型選抜では部活動の客観的な順位や成績だけではなく、どのように取り組んだかが問われます。
どんな目的意識を持って取り組み、工夫して課題を達成したのか、仲間とどのように協力して成し遂げたのかなどのプロセスが大切です。
過程の部分は部活動をやっていなくて、勉強や課外活動に取り組んだ場合にも大事になります。
前向きな理由であれば部活をやっていなくても問題ない
部活動をやっていなくても、他に取り組みたいことがあった、勉強に時間を費やしたかったなど、前向きな理由があれば問題ありません。
総合型選抜で大切なのは、部活をやらずに他のことを選んだ理由と内容を明確に説明できるようにしておくことです。
部活以外の取り組みで、より良い経験や学びがあり、身につけたことがあれば、それをアピールポイントにすることができます。
ただ、部活以外の活動は実績を他人に伝えるのが難しいケースもあります。なぜ自分がその活動に打ち込み、どのような内容で、何を得られたのかをわかりやすく伝えられるように準備しておきましょう。
部活動以外で総合型選抜の合格につながるポイント
部活動以外にも総合型選抜で評価される実績はあります。生徒会活動や課外活動が、大学が重視する主体性や協調性といった部分にマッチするからです。
ここからは、部活動以外で総合型選抜の合格につながるポイントを、3つにまとめて紹介します。
- 生徒会活動
- 学内外でのボランティア
- 資格取得
生徒会活動
部活動をやっていない場合、生徒会活動への参加は大きなアピールポイントとなります。
学校行事の運営や日頃の学校生活で生徒のまとめ役を担うなど、他の多数の生徒とは異なる視点から得られるものは多いです。生徒会長や担当する係の長など、リーダーシップを求められる機会があれば貴重な経験にもなります。
生徒会活動は立候補制であることが多いので、それに手を挙げて取り組んだ主体性は、総合型選抜でも高く評価されるポイントと言えます。
また、体育祭や文化祭など、短期的な学校行事の委員であっても主体的に参加し、仲間と何かをつくり上げた経験はアピールできる要素になります。
総合型選抜試験における生徒会活動の評価比重をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
学内外でのボランティア
部活動以外に、学内外でのボランティア活動も総合型選抜では評価されます。具体的には、次のような活動に参加する方法があります。
- 地域の清掃活動
- 環境保護
- スポーツ大会の運営
- 海外留学生のサポート
- 福祉関連
- 小中学生に勉強を教える
ボランティア活動も主体性や目的意識が大学から評価される点です。誰かの役に立ちたいと思う人間性の部分や、社会貢献は大人になるうえでも大切になります。
自分に合うボランティアを見つけて、できるだけ長い期間取り組んで得たものを伝えられるようにしましょう。
資格取得
部活動以外にコツコツ学んで資格を取得した実績も総合型選抜でアピールできます。
部活動の成績のように、何級といったわかりやすい指標で他人に伝えやすい点もメリットと言えます。
英語関連でTOEICや英検を受ける高校生は多く、数学検定も学校の授業と関わりがあり、大学に入ってからも活かせる分野のため人気があります。経営学部や商学部、経済学部を志望する生徒にとって、簿記や会計は入学後も学ぶ可能性が高い分野なので、先に勉強するのも良いです。
志望する大学や学部によっては、総合型選抜で資格の保有者を優遇するところもあります。総合型選抜における資格の重要性を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
部活動をやっていなくても総合型選抜で合格するコツ
総合型選抜では部活動の実績も評価されますが、それと同様に部活以外の活動も合否の判定に大きく関わります。
ここからは、部活動をやっていなくても総合型選抜で合格するコツを、4つにまとめて紹介します。
- 志望校のアドミッションポリシーを把握する
- 学校の評定(成績)を上げる
- 課外活動のアピール方法を工夫する
- 面接や小論文対策を念入りにする
コツ1:志望校のアドミッションポリシーを把握する
総合型選抜で大学が重視するのは、受験する生徒が大学のアドミッションポリシーに合うかどうかです。そのため、志望校のアドミッションポリシーを把握することが大切です。
アドミッションポリシーは、大学の教育理念に基づき、能力や適性について大学が求める学生像を示したものです。
文部科学省が2023年度に実施した「大学入学者選抜における総合型選抜の導入効果に関する調査研究」では、総合型選抜導入の目的について71%の大学が「アドミッションポリシーにかなった入学者をより丁寧に選抜するため」と回答しています。
アドミッションポリシーで求められる学生像の例は以下です。
- 社会問題を理解するための知識
- 論理的に思考し言葉で表現する力
- 高いコミュニケーション能力
内容は志望する学部によっても異なるので、自分の経験や実績と求められる学生像をうまく結びつけることが重要です。総合型選抜におけるアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
コツ2:学校の評定(成績)を上げる
総合型選抜で合格するためには学校の評定(成績)を上げることも大事です。
総合型選抜は学力以外の部分も多面的に評価する選考方法ですが、学校の成績も合否の大事な判断材料です。大学が重視するポイントとして学修意欲が挙げられます。
大学での研究では社会問題への関心、知識を広げること、深めることといった探究心が求められます。その前提として、高校でも学ぶ意欲が高いかという点が成績を通して判断されるのです。
また、大学によっては受験資格として評定平均の基準を設けているところもあり、クリアしていないと受験すらできません。募集要項を前もって調べて、成績も上げられるように頑張りましょう。
総合型選抜試験に必要な評定の目安を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
コツ3:課外活動のアピール方法を工夫する
部活動をやっていない場合は、課外活動のアピール方法を工夫することが合格するためには大切です。
意識すると良いのはアドミッションポリシーとのつながりです。求められる学生像にはいくつかのキーワードが散りばめられています。例として、社会問題への高い関心、未知の領域に挑戦する意志、国際社会に貢献できる人材、リーダーを目指す姿勢が挙げられます。
例えば、ボランティア活動を通して解決したい社会課題が見つかった、生徒会活動でリーダーとして成長していきたい気持ちを持ったなど、自分の経験をアドミッションポリシーと絡めていくことができます。
そうすることで説得力も増し、大学からの評価が高くなる可能性もあります。自分が課外活動によって経験したこと、感じたこと、それを今後にどう生かしていきたいかを大切にしてください。
コツ4:面接や小論文対策を念入りにする
総合型選抜では面接や小論文が合否の鍵を握ります。
面接では志望理由について、なぜこの大学なのか、何を学びたいのかといった質問から、アドミッションポリシーに合っているかどうかが問われます。また、部活動をやっていない場合は、その理由や他に力を入れた活動について聞かれることも多いです。
面接は受け答えが的確かどうかや、表情、声の大きさなど、コミュニケーション能力も見られると言えます。
小論文は与えられたテーマに対し、自分の主張について根拠を明示しながらまとめるものです。学部によって経済問題や環境問題、社会福祉やAIといったテクノロジーなどテーマは幅広くあり、知識量や文章力が問われます。
面接も小論文もすぐに上手くできるものではなく、回数を重ねることで対応できていくので練習を繰り返すことが大切です。総合型選抜試験に向けた勉強法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで、部活動をやっていない場合に総合型選抜を受験するポイントや合格のコツを解説してきました。
部活をやっていないから不利になるというわけではなく、他の活動でも自分がどのような経験をして何を得られたかという中身が重要です。総合型選抜は主体性や多様性を重視する選考方法なので、自分にしかない経験を積極的にアピールしましょう。
総合型選抜での受験も選択肢として、自分に合う大学を見つけてください。