総合型選抜(旧AO入試)に停学処分は不利に働く?影響の実態を解説

この記事では総合型選抜に停学処分は不利に働くのか、その影響の実態を解説します。

「停学になったことがある人でも、総合型選抜は受験できるの?」
「停学になったことがある人で総合型選抜に合格した人はいるのかな?」

総合型選抜で志望校を受験しようと考えているものの、停学経験者が合格できるのか不安な人は多いですよね。

基本、停学は欠席日数に加算されます。そのため、停学処分を受けている生徒でも、総合型選抜で合格を目指すのは可能です。

ただし、少なからず停学処分は総合型選抜へ不利に働くため、合格するためには相応の準備が必要です。

この記事では、総合型選抜に停学処分が不利に働く背景や影響度合いを、わかりやすく解説します。停学処分以外に総合型選抜で不利になる要素や合格に向け準備しておくことも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 欠席日数が多くなる点で、停学処分は総合型選抜へ不利に働く
  • 停学処分は欠席日数としてカウントされる
  • 遅刻や休学も遅刻と同様に総合型選抜の合否へ悪影響を及ぼす

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目次

停学処分は総合型選抜で不利に働く

前述したとおり、総合型選抜において停学処分は不利に働きます。

停学は欠席日数で記載されるため、欠席数が多くなります。そうすると大学へ進学後に休みがちになるのではないかという印象を与えてしまうのです。

また、学力や求める人物像とのマッチ度が同じ時、欠席が多いと不利です。

調査書には「欠席日数」として記載される

停学の期間は調査書に「欠席日数」として記載されます。

大学入試の出願時には「調査書」が必要です。調査書は一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜全ての受験で提出します。調査書に記載される項目は様々ですが、欠席日数はその中のひとつです。

欠席は一般的に高校1〜2年生で10日以内、3年の1学期までで5日以内に抑えることが望ましいです。中には欠席日数の制限を設けている大学もあります。欠席日数の多さだけで不合格にはなりませんが、同じレベルの生徒がいた場合は調査書の評価も大切な指標です。

停学で欠席日数が多い場合は、これ以上欠席日数が増えないように体調管理や生活態度などに気をつけることをおすすめします。総合型選抜試験の合否に欠席日数がどのような影響を与えるのか、その実態を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

調査書に記載されるかは学校ごとで異なる

停学の事実は調査書の備考欄に記載される場合があり、記載するかは通っている学校によって異なります。多くの学校では本人に不利なことは記載しない場合が多いです。

停学したことが記載されるか心配な時には、直接学校の担当教員に確認してみましょう。

書類審査の比重が高い大学では不利になる

調査書は書類審査に含まれ、書類審査に重きを置く大学の場合、欠席日数の多さは不利です。

総合型選抜では複数の評価項目の総合点で合否が決まります。評価の基準や各評価項目の選考比重は大学によって様々ですが、志望する大学側が求める人物像にマッチ度が重要な場合が多いです。

書類審査には志望理由書も含まれます。「何を実現するために志望する大学に入りたいのか」「大学に入ってからどのように過ごして何をしたいのか」を明確にし、大学のアドミッションポリシーをしっかり理解して志望理由書を書きましょう。そうすることで調査書の欠席日数での不利な部分をカバーできる可能性があります。

停学以外に総合型選抜で不利になる要素

ここからは、停学以外に総合型選抜で不利になる要素を、4つにまとめて紹介します。

  • 平均以下の評定
  • 遅刻が多い
  • 課外活動の実績がない
  • 休学

平均以下の評定

募集要項に評定平均が記載されている大学も多く、評定平均が届かないために受験資格がなくなる場合があります。評定平均値の基準が定められていない大学もあるので、自分の志望大学の募集要項はしっかりと確認しましょう。

総合型選抜試験における評定の重要性や必要な目安を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

遅刻が多い

遅刻や早退は複数回で欠席扱いになる場合が多いです。

総合型選抜の出願資格の中に「高校卒業見込み」であることが求められます。欠席に加えて遅刻が多いことで「高校卒業見込み」がなくなると、大学受験自体が受けられなくなってしまうため注意が必要です。

遅刻をしがちな方は、受験当日のためにも早起きの習慣をつけておきましょう。

課外活動の実績がない

活動の実績がないと志望理由や自己推薦などでアピールするポイントがなくなり、選考で不利になります。課外活動の実績は合格を勝ち取るためには重要です。

総合型選抜の受験を考えている場合は、今からでも課外活動の実績を作っておきましょう。

対処法も含め、部活動をやっていないことで総合型選抜試験の合否にどんな影響が出るのかを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

休学

休学自体にしっかりとした理由がないと欠席日数が多いことは不利になります。

休学の理由はさまざまでしょう。病気を理由に休学していた場合、その旨を担任の先生に伝えておくことが大切です。病欠である事が認められれば調査書の備考欄に詳細を書いてもらえるため、原点の要素が少なくなります。

留学のために休学していた場合も調査書に記載してもらいましょう。また留学で培った「英語力」や「物事を多面的に考えられる思考力」は総合型選抜において有利です。

休学自体が不利なのではなく、休学の理由によっては有利になる場合もあります。

総合型選抜で評価される7つのポイント

ここからは、総合型選抜で評価されるポイントを、7つにまとめて紹介します。

  • 3年間の評定平均
  • アドミッションポリシーとのマッチ度
  • 課外活動での活動実績
  • 面接での熱意やマナー
  • 欠席日数や遅刻の数
  • 提出書類の出来栄え
  • 選抜当日の評価

ポイント1:3年間の評定平均

総合型選抜では出願時に評定平均の条件に達している必要性があります。評定平均は高校3年間の学習姿勢や適性を評価したものです。

国公立大学の場合、全体の評定平均が4.0以上や4.3以上など高い評定平均が求められる場合が多いです。私立大学の場合、3.0以上などそれほど高くないケースがほとんどですが、学部によっては高い評定を求められることもあります。

評定平均をあげて多くの大学から選択できるように、真面目に授業を受けて学科試験の準備を怠らないことが大切です。

ポイント2:アドミッションポリシーとのマッチ度

総合型選抜の場合「アドミッションポリシー」とのマッチ度が合否を決める大きなポイントです。こういう学生に入学してほしいと定めた学生像のことをアドミッションポリシーといいます。

大学だけでなく、学部や学科ごとにアドミッションポリシーが定められていることがほとんどです。アドミッションポリシーの分析と理解を深め、自身の強みとアドミッションポリシーの合致点をプレゼンし、大学側に欲しいと思ってもらいましょう。

総合型選抜におけるアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

ポイント2:課外活動の活動実績

総合型選抜では特に勉強以外の課外活動や実績が評価されます。特に下記の3つを聞かれることが多いです。

  • どんな課外活動をしていたか
  • 課外活動でどんな成果をあげてきたか
  • どのような思いで課外活動をしているのか

部活動での全国大会出場や入賞、地域のボランティア活動での表彰、生徒会活動での新たな取り組みの成功など具体的な結果はとても有利です。

活かし方も含め、総合型選抜試験におけるや部活や生徒会活動の評価比重を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

ポイント3:面接での熱意やマナー

面接での熱意やマナーも評価に繋がります。

面接では人間性が見られるとともに、志望理由や大学入学後のプランをアピールする絶好のチャンスです。熱意があり、入学後のプランがしっかりしていればそれだけで高い評価を受けます。

ポイント4:欠席日数や遅刻の数

この記事の上部で説明したように欠席日数や遅刻の数は評価されるポイントのひとつです。欠席日数などは大学側として、入学後の生活に不安を感じることにつながります。そのため今からでも欠席や遅刻の数を増やさないようにしましょう。

ポイント5:提出書類の出来栄え

総合型選抜では提出する書類で自分の意欲や熱意をアピールできます。そしてアドミッションポリシーとのマッチ度を証明する絶好のチャンスです。

通常どの大学でも調査書や志望理由書、活動報告書などの書類提出が求められます。アドミッションポリシーをしっかりと読み込んで志望動機を大学側に伝えましょう。また自身をきちんと振り返り、活動報告書で自分の強みや失敗から学び、成長できたことの記載を意識することが大切です。

上記を含め、総合型選抜試験に必要な書類を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

ポイント6:選抜当日の評価

総合型選抜の二次先行で行う評価も合否には重要です。

選抜当日には面接以外にも小論文や筆記試験、プレゼンテーションやグループディスカッションなどが行われる場合があります。志望大学の選抜内容を確認し、しっかり準備しておくことが合格への近道です。

芸術系やスポーツ系の大学や学部では実技試験を求められることも多いです。本番で実力を発揮できるように、日頃から課題の対策をしたり練習しておくようにしましょう。

総合型選抜で合格するために準備しておくこと

総合型選抜で合格を勝ち取るために準備することは次の6つです。

  • 自己分析
  • 英検2級以上の取得
  • 課外活動の実績を作る
  • 志願理由を明確にする
  • 小論文の練習
  • 面接の練習

総合型選抜はたくさんある大学の中から、どうして自分がその大学、学部に入りたいのかをアピールすることが必要になります。そのため、自分のことをよく知り、自分をアピールするポイントをたくさん持っていることが重要です。

自分の持っている力をしっかり発揮できるように小論文や面接の練習を重ねていきます。

そして試験前日には早く休んで、当日持っている力を全て出し切ってきましょう。総合型選抜で万が一合格できなかったとしても、一般選抜を受験できます。

総合型選抜の合格発表は11月以降であり、そこから一般選抜の対策をするのでは間にあいません。そのため一般選抜に向けての準備を並行して行っておくことも大切です。

総合型選抜試験に向けた勉強法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

停学は調査書に記載される可能性があるため、総合型選抜で不利になってしまいます。しかし、停学になったことを自身の中で振り返って成長の機会にすることもできます。

総合型選抜を受ける場合、停学や欠席日数そのものが合否を大きく左右するわけではありません。自分の強みを理解し、なぜその大学にいきたいかを明確にして受験対策に取り組む事が大切です。思い描くキャンパスライフを過ごせるように、今の自分にできることを精一杯行ないましょう。

なお、今回紹介した停学処分と同様に「不登校」といった状態も、総合型選抜に不利に働くケースがあります。次の記事では成功例も交え、不登校の生徒が総合型選抜試験に合格する手順を詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
はじめて総合型選抜入試を受験する方に向け、合格に役立つ情報を網羅的に提供。一般選抜入試に偏ることなく、総合型選抜入試に特化した情報を提供することで、受験者の可能性を最大限に引き出すことを目指します。
【専門分野】
総合型選抜入試/学校推薦型選抜入試/一般選抜入試

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