この記事では質問への答え方も交え、総合型選抜における面接試験の対策手順を解説します。
「総合型選抜の面接試験はどんな感じなんだろう?」
「面接ではどんなことを質問されるんだろう…あらかじめ回答はしておく方が良いのかな?」
総合型選抜受験を考えているものの、面接試験のイメージが湧かず、どう対策すればいいのかわからない人は多いですよね。
総合型選抜の面接試験は、受験生の人物像を深く理解するため、質問内容が多岐にわたります。そのため、準備不足で面接に臨むと、志望校が求める人物像をアピールしきれない可能性があるのです。
ただし、回答方法への適切な対策を行えば、書類では伝えられない自分の魅力を十分伝えられます。
そこで本記事では質問・回答例も交え、総合型選抜における面接試験の特徴を解説します。面接で評価されるポイントや対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 総合型選抜の面接試験には、個人面接・集団面接・口頭試問の形式がある
- 総合型選抜の面接試験でも、アドミッション・ポリシーへの理解が評価される
- 面接試験の対策は、自己分析・回答の準備・模擬面接の練習をする
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総合型選抜における面接試験とは
総合型選抜試験の中でも面接は、多くの大学で重要な要素です。面接官が受験生の志望動機や適性、表現力を直接見極める機会だからです。
ここでは、下記のトピック別に面接試験の概要を解説します。
- 面接の形式
- 面接の流れ
- 面談との違い
面接以外の総合型選抜の試験内容をより知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
面接の形式
総合型選抜試験の面接形式は、主に次の3つに分けられます。
個人面接は、最も一般的な形式です。通常1人の受験生に対して、複数の面接官が質問を行います。比較的準備がしやすい一方で、表現力が試される試験です。
各形式で、評価ポイントが異なります。面接形式を把握し、特徴を踏まえた対策をすることが重要です。
面接の流れ
総合型選抜試験の面接は、基本的に次の流れで行われます。
ドアをノックして入室します。礼儀正しい態度が好印象につながります。
面接官から着席の指示があったら、「失礼します」と一言添えて座ります。背筋を伸ばし、落ち着いて行動することがポイントです。
受験番号と名前を述べた後、自己紹介をします。その後志望理由や高校生活についての質問が続きます。簡潔かつ具体的に回答しましょう。
お礼とお辞儀をして退室します。退室までの行動も評価されるため、油断は禁物です。
面接の流れをイメージしておくことで、安心して面接に臨むことができます。練習を重ね、自信を持って本番を迎えましょう。
面談との違い
総合型選抜における「面接」と「面談」は似ているようで、目的に大きな違いがあります。
面接は試験の一環として行われ、大学側が受験生の適性や能力、志望動機を評価する場です。志望理由や自己PR、高校生活での経験などを問われます。回答の具体性や表現力が、合否に直結します。
一方、面談は情報交換を目的とした場です。受験生が大学の特色や入試制度について質問したり、大学側からアドバイスを受けたりします。オープンキャンパスや説明会の一環として行われることが多く、評価の対象にはなりません。
面接は試験、面談は情報交換の場という違いを理解し、それぞれに応じた準備をしましょう。
総合型選抜における面接試験の質問例
総合型選抜の面接試験は、受験生の人物像を深く理解するために行われます。よく聞かれるのは、志望理由・高校生活での経験・時事問題への関心、そして大学入学後の目標に関する内容です。
ここでは、具体例を挙げながら、面接試験で想定される下記の質問へどのように答えれば良いのかを解説します。
- 志望理由を教えてください
- 自己PRをお願いします
- 長所と短所を教えてください
- 他校と併願していますか?
- 本校のアドミッションポリシーで興味を持った点を教えてください
- 高校ではどんなことに取り組みましたか?
- 高校生活で苦労したことを教えてください
- 気になるニュースについて意見を述べてください
- 大学では何を学びたいですか?
- 大学卒業後はどんなことをしたいですか?
質問例1:志望理由を教えてください
志望理由は、すべての面接で必ずと言っていいほど聞かれる質問です。大学の特色や教育方針を理解しているか、自分の将来の目標との関連性を問われます。
回答は、まず志望のきっかけを具体的に述べ、自分の経験や興味を明確に伝えましょう。その後、大学の特徴や学びの環境が自分の目標達成にどう役立つかを示します。最後に、将来のビジョンを語ることで、入学意欲のアピールになります。
大学の特色を調べ、自分の志望理由と目標を結びつけることがポイントです。
質問例2:自己PRをお願いします
上記の質問では、受験生が自分の強みや個性をどれだけ説得力を持って伝えられるかが評価されます。面接官は、受験生の強みが大学生活や将来の目標にどう結びつくかを知りたいからです。
まず強みを簡潔に述べます。次に、強みを示す具体的なエピソードを交えます。最後に、大学でどのように強みを活かし、将来役立てるかを語ります。
具体的な目標を加えると、面接官に意欲を伝えることができます。
質問例3:長所と短所を教えてください
上記の質問では、受験生の自己理解の深さが確認されます。単なる自己評価ではなく、具体的なエピソードを交えることが重要です。
長所は、強みを裏付ける具体的な経験を示しましょう。
一方、短所については、自分の課題を認識していることを示し、それを克服するための努力も加えると好印象です。
回答例: 「完璧を求めすぎる傾向がありましが、優先順位を考える癖をつけて物事を進めるようにしました」
短所からの成長意欲をアピールすることがポイントです。短所を裏返せば長所になることを意識して準備しましょう。
質問例4:他校と併願していますか?
上記の質問は、受験生の志望度を測る意図でよく問われます。正直に答え、なぜその大学が第一志望なのかを誠実に伝えます。
専願ではなく併願の場合でも、第一志望である熱意を伝えることで好印象を与えられます。明確な理由を添えながら、大学への適性と志望度を示すことがポイントです。
総合型選抜で併願可能な大学を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
質問例5:本校のアドミッションポリシーで興味を持った点を教えてください
上記の質問は、大学の理念や教育方針への理解度を確認する意図があります。アドミッションポリシーの内容を具体的に挙げ、自分の目標や価値観と結びつけて答えることが重要です。
アドミッションポリシーへの理解は総合型選抜試験の面接だけではなく、他の試験でも基盤となります。自分の経験や目標と関連付けておきましょう。
アドミッション・ポリシーについてより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
質問例6:高校ではどんなことに取り組みましたか?
上記の質問では、受験生が高校生活で何に力を注ぎ、どのような成果や学びを得たのかを確認されます。具体的なエピソードの中で、自分の努力や成長を伝えることが大切です。
学業や部活動など自分が力を入れた経験を一つ選び、努力の過程と学びを簡潔に伝えることがポイントです。
総合型選抜でどんな活動が評価されるのか詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
質問例7:高校生活で苦労したことを教えてください
上記の質問は、受験生が困難な状況をどのように乗り越え、そこから何を学んだのかを知るために聞かれます。特に自分の成長をアピールする機会でもあります。
困難な状況だけでなく、その解決策や努力の過程、結果として得た学びを含めて伝えると説得力が増します。また、この経験を大学での活動や将来にどう活かすかを一言添えると、さらに意欲をアピールできます。
質問例8:気になるニュースについて意見を述べてください
上記の質問では、受験生の社会的関心や思考力、意見の論理性が評価されます。大学の学びが社会問題の解決に結びつくことが多いため、時事問題に対する視点や理解を重視しているからです。
自分が特に関心を持つニュースを選び、事実の背景を簡潔に説明したうえで、意見を具体的に述べることがポイントです。
ニュースは大学の特徴や志望学部に関連するテーマを選ぶと効果的です。日頃からニュースを読み、自分の意見を整理する習慣をつけましょう。
質問例9:大学では何を学びたいですか?
上記の質問では、受験生が学びたい分野が大学のカリキュラムと合致しているか評価されます。大学側は、受験生が大学での学びを通して、目標達成に向けての適性を確認したいからです。学びたい内容と、将来像をセットで答えることが重要です。
大学のカリキュラムや教授の研究内容を事前に調べ、それらと自分の目標を結びつけると説得力が高まります。抽象的な答えにならないよう、自分の興味や将来像を語り、大学での学びに対する熱意を伝えましょう。
質問例10:大学卒業後はどんなことをしたいですか?
上記の質問では、受験生がどれだけ具体的に将来像を描いているかが評価されます。大学側は、目標を持ち計画的に学ぶ姿勢を重視しているからです。
将来の目標を述べ、その実現に向けた大学での学びの活かし方を伝えましょう。
抽象的な目標ではなく、自分の興味や経験に基づく将来像を語ります。さらにそれを大学でどう実現するかを伝えることで、意欲や熱意をアピールできます。
総合型選抜の面接で評価される3つのポイント
総合型選抜の面接では、受験生の適性や人物像を深く理解するために、さまざまな観点から評価が行われます。
先ほど紹介したした質問例を踏まえ、ここからは総合型選抜試験で面接官が評価するポイントを、3つにまとめて解説します。
- 面接中の態度
- コミュニケーション能力
- 大学のアドミッション・ポリシーへの理解
ポイント1:面接中の態度
総合型選抜の面接では、受験生の態度が第一印象に大きく影響します。面接時の態度は主に次のものが挙げられます。
- 入室時の所作や挨拶
- 話す際の表情や声のトーン
- 基本的なマナー
礼儀正しさや落ち着いた態度は、受験生の誠実さや自信を示します。話すときは面接官の目を見て、はっきりとした声で答えることを心がけましょう。質問を聞き直す場合も丁寧な言葉遣いを意識してください。
さらに、当日の身だしなみも態度の一部として評価されます。服装や髪型、靴など、清潔感があり適切なスタイルを選ぶことが重要です。
面接当日の身だしなみについて詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
ポイント2:コミュニケーション能力
総合型選抜の面接では、分かりやすい回答や面接官とのやり取りから、コミュニケーション能力が評価されます。
質問には「PREP法」(Point→Reason→Example→Point)を意識した回答がおすすめです。結論を先に述べ、理由や具体例で補足することで論理的な回答ができます。
質問の意図が分からない場合でも、「もう少し詳しく教えていただけますか?」と丁寧に聞き直しましょう。聞き直すことで、的外れな回答を回避できます。
また、適度なアイコンタクトや適度なうなずきは良い印象を与えます。日頃から簡潔で分かりやすい話し方を意識し、本番に備えましょう。
ポイント3:大学のアドミッション・ポリシーへの理解
他の試験と同様、総合型選抜の面接においてもアドミッション・ポリシーへの理解は重要な評価ポイントです。受験生が大学の求める学生像をどれだけ理解し、それに合った意欲や適性を持っているかが問われるのです。
志望校のアドミッション・ポリシーを調べ、自分の経験や目標がどのように結びつくかを整理しましょう。たとえば、大学が求める学生像に対して、どのように体現しているかを説明できると説得力が高まります。
大学の理念や教育方針を深く理解し、関連づけることで、面接官に自分の適性や熱意を伝えることができます。
総合型選抜における面接試験の対策方法
総合型選抜の面接試験では、事前準備が合否を大きく左右します。
ここからは、総合型選抜における面接試験の対策方法を、3つにまとめて解説します。
- 自己分析をする
- 質問への回答を準備する
- 模擬面接で練習する
対策1:自己分析をする
総合型選抜の面接試験では、自己分析を始めに行いましょう。自己分析を通じて、自分の経験や強み、将来の目標を明確にすることで、説得力のある回答ができるからです。
自己分析を進める際は、これまでの経験を振り返り、特に力を入れた活動や成果をリストアップします。それぞれの経験から得た学びや成長を整理することで、面接官に具体的かつ一貫性のある答えを伝えられます。
また、自分の長所と短所を具体的なエピソードに基づいて挙げると、質問に的確に答えやすくなります。
さらに、将来の目標を志望校の特徴と結びつけることが大切です。自己分析を行うことで、自分の軸を明確にし、自信を持って面接に臨める準備が整います。
対策2:質問への回答を準備する
総合型選抜の面接試験では、質問への回答を事前に準備することも重要です。面接官の質問に対して、落ち着いて伝えられるからです。
まず、志望理由や自己PR、高校生活での経験など、前述した質問例の回答を簡潔に整理しましょう。この際、志望理由書と一貫性を持たせることがポイントです。書類と面接内容が一致していることで、面接官に信頼感を与えられます。
また、志望校のアドミッション・ポリシーに関連づけることで、説得力のある答えを準備できます。短所や挫折経験など答えにくい質問にも備えておきましょう。
事前準備をしておくことで、当日自信を持って回答できるようになります。
対策3:模擬面接で練習する
模擬面接で練習することは、総合型選抜の面接試験に向けた対策として効果的です。本番前に実践的な練習を行うことで、緊張感に慣れるだけでなく、自分の回答内容を確認できるからです。
模擬面接では、実際の面接形式を想定し、入室から退室までの流れを再現しましょう。また、質問への回答の練習では、話が冗長になっていないか、結論が明確に伝わっているかを振り返ります。
さらに、家族や先生に面接官役をしてもらい、フィードバックをもらうことで改善点を見つけられます。録画して自分で見返すと、さらに効果的です。
模擬面接を重ね、自信を持って本番に臨む準備を整えましょう。面接を含め、総合型選抜試験の対策方法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
総合型選抜の面接試験では、事前準備と的確な対策が合否を左右します。自己分析を通じて自分の強みを明確にし、質問への回答を準備します。
また、志望理由書と一貫性を持たせることや、大学のアドミッション・ポリシーへの理解を深めることも重要です。さらに、模擬面接で実践的な練習を積むことで、緊張感をほぐすことができます。
これらの対策を納得いくまで重ね、万全の準備で面接試験に挑みましょう。