高校の推薦入試で小論文が出るけど、何を書けばいいの?
作文と何が違うのかもわからない…
推薦入試の受験が決まり、小論文対策を始めようとしている中学生や保護者は多いですよね。
ただ、学校の授業で小論文を書く機会はほとんどありません。書き方の型や評価基準がわからず、手が止まってしまう人もいるはずです。
小論文は「正解のない問い」に自分の意見を論理的に述べる試験です。コツをつかめば短期間でも得点源にできます。
そこでこの記事では、高校推薦入試における小論文の特徴を解説します。出題パターン別の例文や書き方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高校の推薦入試がどんな試験か詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 小論文は「意見+根拠」を論理的に書く試験
- 序論→本論→結論の3段構成で型どおりに書ける
- 具体的な体験を根拠にすると説得力が上がる
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高校推薦入試の小論文とは?

高校推薦入試の小論文は、与えられたテーマに対して自分の意見と根拠を論理的に述べる記述試験です。一般入試の5教科テストとは異なり、思考力や表現力が評価されます。
面接や調査書だけでは見えない「考える力」を測る目的で、多くの高校が推薦入試に小論文を取り入れています。
ここからは次の3つの基本情報を解説します。
主な出題形式は3タイプ
高校推薦入試の小論文には、大きく分けて3つの出題形式があります。
1つ目は「テーマ型」で、抽象的なお題が示されるパターンです。2つ目は「資料読み取り型」で、グラフや表を読み取って意見を述べます。3つ目は「課題文型」で、文章を読んだうえで考えを書く形式です。
都立高校の推薦入試では、テーマ型と資料読み取り型の出題が目立ちます。志望校の過去問を早めに確認し、形式を把握しておくと対策しやすくなるでしょう。
頻出テーマの傾向
推薦入試の小論文では、中学生が日常で考えやすいテーマが頻出します。特定の専門知識がなくても書ける内容が中心です。
よく出るテーマの例は次のとおりです。
- 高校生活の目標・将来の夢
- 社会問題(環境問題・SNSとの付き合い方など)
- 学校生活や地域に関する課題
- 読書や学びに関する考え
東京都教育委員会が公表している検査内容を見ると、「社会への関心」や「自己の将来像」に関するテーマが多い傾向にあります。日頃からニュースに触れ、自分なりの意見を持っておくと本番で慌てずに済みます。
作文との違い
小論文と作文は、求められる中身がまったく異なります。作文は感想や体験を自由に書く文章ですが、小論文は「意見+根拠」を論理的に組み立てる文章です。
たとえば「部活動について」というテーマの場合を考えてみましょう。作文なら「バスケ部で頑張った思い出」を書けば成立します。
一方、小論文では「部活動は学業と両立すべきか」のような問いに対し、賛成か反対かの立場を明確にして理由を述べる必要があります。ここを混同すると、どれだけ文章がうまくても評価されません。
高校推薦入試の作文について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

高校推薦入試・小論文の出題パターン

高校推薦入試の小論文は、出題パターンごとに求められる力が異なります。パターンを知っておけば、本番で問題を見た瞬間に書き方の方針が立てられます。
ここからは次の3つの出題パターンの特徴と対策を解説します。
テーマ型
テーマ型は、「〇〇についてあなたの考えを述べなさい」と指示されるシンプルな形式です。資料や課題文がないため、自分の知識と体験だけで意見を組み立てる力が問われます。
たとえば「社会に貢献するためにできることは何か」のようなテーマが出されます。一見自由度が高く見えますが、論点を絞らないと内容がぼやける危険があります。
対策として、テーマを見たらまず「自分が最も語れるエピソード」を1つ選びましょう。その体験を軸にすれば、根拠と具体例が自然にそろいます。
資料読み取り型
資料読み取り型は、グラフ・表・図などのデータを分析して意見を述べる形式です。データから読み取れる事実と自分の意見を区別して書く力が求められます。
たとえば「10代のスマートフォン利用時間の推移」を示すグラフが提示されるケースがあります。「このデータから考えられることを述べなさい」と問われる形式です。
よくある失敗は、データの説明だけで終わってしまうパターンです。「利用時間が増えている」と読み取った後に、「だから〇〇すべきだ」と主張まで書く必要があります。
課題文型
課題文型は、600〜1,000字程度の文章を読んだうえで意見を書く形式です。課題文の主旨を正しく理解し、自分の立場を示す読解力と論述力の両方が試されます。
たとえば「AI技術の発展と人間の仕事の関係」に関する文章が提示されるケースがあります。「筆者の意見に対して考えを述べなさい」と問われる形式です。
課題文型では、筆者の意見を無視して自分の話だけ書くと減点されます。まず「筆者は〇〇と述べている」と要約し、「私は〇〇と考える」と続ける構成が効果的です。
高校推薦入試・小論文の書き方

小論文は「序論→本論→結論」の3段構成で書くのが基本です。この型を使えば、どんなテーマでも論理的な文章を組み立てられます。
ここからは次の4つの執筆ステップを解説します。
ステップ1:問いに対する自分の意見を決める
小論文を書き始める前に、賛成・反対どちらの立場で書くかを明確に決めることが最優先です。意見が定まらないまま書くと、途中で主張がブレて論理が破綻します。
たとえば「制服は必要か」というテーマなら、「必要だ」「不要だ」のどちらかを選びましょう。どちらが正しいかではなく、根拠を書きやすい方を選ぶのがポイントです。
中学生がやりがちな失敗は、「どちらとも言えない」と書いてしまうことです。小論文では中立の立場を取ると主張が弱くなり、評価が下がります。
意見を決めたら、理由を2つ以上メモしてから書き始めましょう。準備に5分かけるだけで、その後の執筆がスムーズに進みます。
ステップ2:序論で結論を述べる
序論では、自分の意見を1〜2文で端的に述べます。小論文の序論は「つかみ」ではなく「結論提示」の役割を持っています。
たとえば「制服は必要か」というテーマなら、序論は次のように書きます。
「私は、高校に制服は必要だと考える。なぜなら、経済的な負担を軽減する効果と、帰属意識を高める効果があるからだ。」
序論の段階で理由の概要まで示すと、読み手は展開を予測できます。結果として、文章全体の説得力が高まるのです。
「私は〇〇だと考える。理由は2つある。」という書き出しは、すぐ使える便利な型です。
ステップ3:本論で根拠と具体例を示す
本論は小論文の中心部分です。序論で述べた意見を裏づける根拠と具体例を詳しく書くパートにあたります。
全体の6〜7割の文字数を本論に充てるのが目安です。根拠は「なぜそう思うのか」、具体例は「たとえばどういうことか」を示す部分にあたります。
先ほどの制服のテーマで本論を書くと、次のような構成になります。
「1つ目の理由は、経済的な負担の軽減である。私服通学の場合、毎日異なる服装を用意する必要があり、衣服代がかさむ。
実際に、私の友人は私服の中学校に通っている。月に数千円の衣服代がかかると話していた。制服があれば、こうした出費を抑えられる。」
根拠を述べた直後に具体例を置く構成を意識すると、論理の飛躍を防げます。
ステップ4:結論で主張をまとめる
結論では、序論で述べた意見をもう一度繰り返し、文章全体を締めくくります。新しい情報や別の話題を結論で持ち出すのは避けてください。
たとえば次のように書きます。
「以上の理由から、私は高校に制服は必要だと考える。制服は経済面と帰属意識の両面で、高校生活を支える役割を果たしている。」
結論の分量は全体の1〜2割程度が適切です。短くまとめることで、主張の印象が読み手に残りやすくなります。
「したがって」「以上のことから」で始めると、まとまりのある結論になります。
高校推薦入試・小論文の例文

ここでは、実際の推薦入試を想定した例文を掲載します。文字数別と出題パターン別の2つの切り口で用意しましたので、志望校の条件に近いものを参考にしてください。
ここからは次の2つの切り口で例文を解説します。
文字数別
高校推薦入試の小論文は、400字と600字の指定が多い傾向にあります。文字数に合わせた配分の把握が重要です。
400字の構成目安は次のとおりです。
- 序論:50〜80字(意見を1〜2文で提示)
- 本論:250〜300字(根拠1つ+具体例)
- 結論:50〜80字(主張の繰り返し)
400字の例文(テーマ:高校生活で挑戦したいこと)を紹介します。
「私は高校生活で英語のスピーチコンテストに挑戦したい。自分の意見を英語で伝える力が将来の仕事に役立つと考えるからだ。
中学3年間、英語の授業で発表するたびに緊張して声が小さくなっていた。しかし、ALTの先生に発音を褒められたことで、英語を話す楽しさに気づいた。
高校ではスピーチコンテストという明確な目標を持ち、発信力を鍛えたい。」
600字の場合は、本論で根拠を2つ挙げ、それぞれに具体例を付けると字数を満たせます。書き始める前に「理由A」「理由B」をメモで整理しておきましょう。
出題パターン別
出題パターンごとに、冒頭の書き出しと構成の組み立て方が変わります。3パターンの書き出し例を紹介します。
テーマ型(テーマ:SNSとの付き合い方)の書き出し例です。
「私は、SNSは時間を決めて利用すべきだと考える。無制限に使うと学習時間が減り、生活リズムも乱れるからだ。」
資料読み取り型(グラフ:10代の読書量の推移)の書き出し例です。
「資料から、10代の月あたりの読書冊数が過去10年で約2冊から約0.8冊に減少したと読み取れる。私は学校での読書の時間を増やすべきだと考える。」
課題文型(課題文:AIと人間の共存)の書き出し例です。
「筆者は、AIが発達しても人間の創造力は代替できないと述べている。私もこの意見に賛成だ。創造力は個人の経験や感情に基づくものであり、データだけでは再現できないと考える。」
いずれのパターンでも、序論で「自分の立場」と「理由の概要」を明示する点は共通しています。
高校推薦入試の小論文を突破する3つのコツ

書き方の型を身につけたら、さらに得点を伸ばす工夫を取り入れましょう。合格者の小論文に共通する3つのコツを押さえれば、他の受験生と差をつけられます。
ここからは次の3つの得点アップのコツを解説します。
コツ1:具体的な体験を根拠に使う
小論文の根拠には、自分が実際に経験したエピソードを使うと説得力が格段に上がります。抽象的な一般論だけでは、読み手の心に響きません。
たとえば「ボランティア活動は大切だ」と書く場合を考えましょう。「地域の清掃活動に参加した」という事実だけでは弱い根拠です。
「清掃活動で高齢者から感謝の言葉をもらい、自分の行動が誰かの役に立つ実感を得た」と書けば、体験の重みが伝わります。
中学生の多くは「書けるような体験がない」と感じがちです。しかし、部活動・委員会活動・家族との会話など、日常の出来事すべてが根拠に使えます。
コツ2:反対意見に触れてから主張する
小論文で高い評価を得るには、反対意見に触れたうえで主張する「譲歩構文」が有効です。一方的な主張よりも、多角的に考えている印象を与えられます。
譲歩構文の書き方は次のとおりです。
「たしかに、制服は個性を制限するという意見もある。しかし、経済的負担を軽減する点でメリットが大きいと私は考える。」
「たしかに〜。しかし〜」の型を使うだけで論述の深みが増します。推薦入試の採点者は、反対側の視点も理解したうえで意見を述べているかを評価ポイントにしています。
反対意見は1〜2文で簡潔にまとめ、すぐに自分の主張へ戻りましょう。長く書きすぎると立場がぼやけます。
コツ3:第三者に添削してもらう
小論文の上達には、自分以外の人に読んでもらいフィードバックを受けるプロセスが欠かせません。自分では論理的に書けたつもりでも、読み手に伝わっていないケースが多いからです。
添削を依頼する相手の候補は次のとおりです。
- 学校の国語の先生
- 塾の講師
- 保護者や兄姉
とくに国語の先生や塾の講師は、採点基準を把握しているため的確なアドバイスをもらえます。
添削後は指摘箇所を修正し、もう一度書き直してください。「書く→添削→書き直す」を3回以上繰り返すと、文章の質が目に見えて向上します。
高校推薦入試の小論文によく抱く疑問

推薦入試の小論文対策を進めると、細かな疑問が出てきます。よくある4つの疑問をQ&A形式で解消しますので、不安を残さず本番に臨んでください。
ここからは次の4つのよくある疑問を解説します。
過去問の入手方法は?
高校推薦入試の小論文の過去問は、志望校の公式サイトや学校説明会で入手できるケースが多いです。主な入手先は次の4つです。
- 志望校の公式サイト(入試情報ページ)
- 学校説明会・オープンスクールの配布資料
- 中学校の進路指導室(先輩の受験報告書)
- 書店の過去問題集(声の教育社など)
都立高校の場合、東京都教育委員会のサイトで推薦入試のテーマ一覧が公表されています。過去3〜5年分を確認し、傾向を把握しておきましょう。
原稿用紙の使い方で減点される?
原稿用紙の基本ルールを守らないと、内容に関係なく減点される可能性があります。最低限守るべきルールは次の4つです。
- 段落の書き出しは1マス空ける
- 句読点が行頭に来る場合は前の行の末尾に入れる
- 「」はそれぞれ1マス使う
- 数字は原則として漢数字を使う
国語の授業で習う原稿用紙の基本と同じ内容です。事前に原稿用紙で練習し、手が自然に動く状態にしておきましょう。
対策はいつから始めるべき?
推薦入試の小論文対策は、本番の2〜3か月前に始めるのが理想的です。1月入試なら10〜11月が開始時期の目安になります。
- 1か月目:型を学び、テーマ型で3〜5本書く
- 2か月目:資料読み取り型・課題文型の練習と添削
- 3か月目:過去問で制限時間内に書く実践演習
対策が遅れた場合でも、1か月あれば型の習得は可能です。最低5本以上は書くことを目標にしてください。
小論文が苦手でも合格できる?
小論文が苦手でも、型を守って書けば合格ラインに届きます。文学的な表現力ではなく「論理的に意見を伝える力」が評価対象だからです。
苦手意識を持つ中学生の多くは「何を書いていいかわからない」状態にあります。これは文章力の問題ではなく、型を知らないだけです。
推薦入試は内申点・面接・調査書など複数の要素で総合的に評価されます。小論文で満点を取る必要はなく、減点されない文章を書くことが合格への近道です。
まとめ
高校推薦入試の小論文は、型を知って練習すれば誰でも書けるようになります。
- 「意見+根拠」を序論→本論→結論の3段構成で書く
- 具体的な体験と譲歩構文で説得力を高める
- 添削と書き直しを3回以上繰り返して仕上げる
小論文は特別な才能がなくても、正しい型とコツで得点源にできます。まずは1本書いてみるところから始めてください。


