高校の推薦入試で作文があるけど、何を書けばいいの?
作文が苦手だけど、推薦で受かるにはどうしたらいい?
推薦入試の出願を決めたものの、作文対策の進め方がわからず不安を感じている受験生は少なくありません。
ただ、テーマの傾向や書き方の型を知らないまま本番を迎えると、制限時間内に書ききれないケースがあります。
推薦入試の作文は、正しい手順で練習すれば短期間でも得点を伸ばせる科目です。
そこでこの記事では具体的な例文も交え、推薦入試の作文で合格点を取るための書き方を解説します。ぜひ参考にしてください。
高校の推薦入試について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 作文は調査書・面接と並ぶ合否直結の評価項目
- 序論・本論・結論の3構成と体験談が高得点の鍵
- 400字・600字・800字の例文で書き方を実践できる
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高校推薦入試における作文の重要性

推薦入試において、作文は合否を直接左右する重要な評価項目です。調査書や面接だけでなく、作文の出来が合格・不合格を分ける場面は珍しくありません。
ここからは次の4つの評価の仕組みについて解説します。
作文は合否を左右する評価項目
推薦入試の作文は、合否判定に直結する独立した評価項目です。
多くの公立高校では、推薦入試に学力検査がありません。そのため調査書・面接・作文の3つで合否を決定します。作文の配点が全体の大きな割合を占める学校もあり、1つの作文が合否を分けるケースがあります。
たとえば東京都の都立高校推薦入試では、作文または小論文が必須です。面接や調査書の評価が同程度の受験生同士では、作文の得点差がそのまま合否の差になります。
作文対策を軽視すると、他の項目で好成績を残しても不合格になるリスクがあるといえます。
小論文との違い
作文と小論文は、求められる内容が異なります。
作文は自分の体験や感想を中心に「自分の考え」を伝える文章です。一方、小論文は社会的なテーマに対して「根拠を示しながら意見を論じる」文章を指します。
具体的な違いを整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 作文 | 小論文 |
|---|---|---|
| 中心となる内容 | 自分の体験・感想 | 社会問題への意見 |
| 根拠の示し方 | 具体的なエピソード | データや事実 |
| 文体 | ですます調も可 | である調が基本 |
| 字数の目安 | 400〜600字が多い | 600〜800字が多い |
志望校が「作文」と「小論文」のどちらを課すかは、募集要項に明記されています。出願前に必ず確認しておくことが大切です。
調査書・面接との配点比率
推薦入試の配点比率は学校ごとに大きく異なり、作文が合否に与える影響度も学校によって変わります。
東京都立高校の推薦入試を例に挙げると、東京都教育委員会の規定では調査書の配点は総合成績の50%が「上限」と定められています。実際の配点は各校が個別に設定しており、学校間の差が大きいのが特徴です。
たとえば都立三田高校では、調査書100点・面接250点・小論文250点の合計600点で評価しています。調査書の比率は約17%にとどまり、面接と小論文で合計の約83%を占めます。
| 評価項目 | 都立三田高校の例 | 比率 |
|---|---|---|
| 調査書(内申点) | 100点 | 約17% |
| 面接 | 250点 | 約42% |
| 小論文 | 250点 | 約42% |
調査書の内申点は出願時点で決まっているため、本番で努力して変えられるのは面接と作文だけです。面接と作文の合計が配点の大半を占める学校もあり、当日のパフォーマンスが合否に大きく影響します。
「内申点が少し足りない」と感じている受験生こそ、志望校の配点を確認したうえで作文で高得点を狙う戦略が有効です。
推薦入試の面接について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

評価基準は「期待する生徒の姿」
推薦入試の作文は、高校が「どんな生徒に入学してほしいか」という基準で評価されます。
各高校は「期待する生徒の姿」をホームページや募集要項で公開しています。評価者はこの基準に沿って、受験生の意欲・人柄・思考力を作文から読み取ります。
たとえば「リーダーシップを発揮できる生徒」を求める高校であれば、部活動や委員会でリーダーを務めた経験を盛り込むと評価が高まります。反対に、高校の求める人物像と無関係な内容を書くと、どれほど文章力があっても高得点は難しくなります。
作文の準備を始める前に、志望校の「期待する生徒の姿」を必ず確認してください。
推薦入試の作文でよく出るテーマ

推薦入試の作文テーマは毎年変わりますが、出題パターンには共通点があります。頻出テーマを把握して事前に素材を用意しておくことで、本番でも落ち着いて書き始められます。
ここからは次の5つの頻出テーマと調べ方について解説します。
過去問テーマの調べ方
志望校の過去問テーマは、3つのルートで入手できます。
1つ目は、各高校のホームページです。推薦入試の過去の出題内容を掲載している学校があります。2つ目は、中学校の進路指導室です。先輩の受験報告書に作文テーマが記録されているケースがあります。3つ目は、塾や通信教育の情報誌です。都道府県別に過去問テーマをまとめた資料を配布している塾もあります。
過去3年分のテーマを調べると、出題傾向が見えてきます。たとえば、3年連続で「中学校生活の経験」に関するテーマが出ている学校なら、同じ系統のテーマで練習しておくのが効果的です。
中学校生活で学んだこと
最も出題頻度が高いテーマが「中学校生活で学んだこと」です。
受験生の振り返り力と成長を見る意図があります。単に「部活を頑張りました」と書くだけでは評価されません。「何を経験し、どう考え、何を学んだか」という変化の過程を伝える必要があります。
たとえば「バスケ部で最初はレギュラーになれず悔しかった。しかし毎朝30分の自主練を半年続けた結果、最後の大会でスタメンに選ばれた。あきらめずに努力を続ける大切さを学んだ」という流れです。
抽象的な教訓だけでなく、具体的な行動と結果をセットで書くことが高評価につながります。
高校で取り組みたいこと
「高校で取り組みたいこと」は、受験生の入学意欲と目的意識を測るテーマです。
高校側は、明確な目標を持って入学してくる生徒を求めています。「勉強を頑張りたい」のような漠然とした内容では、どの高校にも当てはまるため評価が上がりません。
高得点を取るためには、志望校ならではの特色と自分の目標をつなげることが重要です。「貴校の英語ディベート部に入り、2年生までに英検準1級を取得したい」のように、志望校でしかできない活動と具体的な目標を組み合わせると説得力が生まれます。
学校説明会やパンフレットの情報を作文に盛り込むと、志望度の高さも伝わります。
将来の夢や目標
「将来の夢や目標」も定番テーマの1つです。
評価のポイントは、夢の大きさではなく「なぜその夢を持ったのか」という理由の深さにあります。きっかけとなった体験が具体的であるほど、読み手の納得感が高まります。
たとえば「看護師になりたい」と書く場合、「祖母が入院したとき、看護師の方が毎日笑顔で声をかけてくれた。その姿を見て、自分も人を支える仕事がしたいと強く感じた」と書くと、志望理由に説得力が出ます。
将来の夢がまだ決まっていない場合は、「高校で〇〇を学びながら将来の方向性を見つけたい」と正直に書くことも評価されます。
社会問題や時事に関するテーマ
環境問題やSNSのトラブルなど、社会問題をテーマにした出題も増えています。
自分の意見を根拠とともに述べる力が求められます。ニュースを知っているだけでは不十分で、「自分はどう考えるか」「なぜそう考えるか」を明確に書く必要があります。
たとえば「食品ロス」がテーマなら、農林水産省の発表データを引用しつつ、自分の家庭や学校給食での経験を交えると具体性が増します。日頃からニュースに触れ、自分の意見をメモしておく習慣が対策として有効です。
社会問題のテーマは小論文寄りの出題になるため、志望校の過去問で出題の有無を確認してください。
推薦入試・作文の書き方【6ステップ】

作文は「なんとなく書く」のではなく、手順を決めて進めると完成度が上がります。6つのステップを順番に実行すれば、制限時間内に論理的な作文を書ききれます。
ここからは次の6つの執筆ステップについて解説します。
- ステップ1:試験時間の配分を決める
- ステップ2:テーマの意図を読み取る
- ステップ3:伝えたい結論を1つに絞る
- ステップ4:序論・本論・結論で組む
- ステップ5:具体的な体験を1つ入れる
- ステップ6:指定字数の9割以上書く
ステップ1:試験時間の配分を決める
作文を書き始める前に、制限時間の使い方を決めてください。
推薦入試の作文は、50分で600字を書くといった時間制限があります。いきなり書き始めると途中で構成が崩れ、時間切れになるリスクが高まります。
おすすめの時間配分は次のとおりです(50分の場合)。
| 工程 | 所要時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 構想 | 10分 | テーマの意図を読み取り、構成メモを作る |
| 執筆 | 30分 | 序論・本論・結論の順に書く |
| 見直し | 10分 | 誤字脱字・原稿用紙のルールを確認する |
構想に10分を確保することが重要です。構成メモなしで書くと、途中で話がそれたり、字数が足りなくなったりします。練習段階からタイマーを使い、この配分に慣れておきましょう。
ステップ2:テーマの意図を読み取る
テーマを見たら、まず「出題者が何を知りたいのか」を考えてください。
作文のテーマには必ず出題意図があります。「中学校生活で学んだことを書きなさい」というテーマなら、出題者は「この生徒にはどんな成長があったか」を知りたいと考えています。
テーマの意図を読み違えると、内容がずれて大幅に減点されます。たとえば「高校で頑張りたいこと」と聞かれているのに、中学校の思い出ばかり書いてしまうのは典型的な失敗です。
テーマに含まれるキーワードに線を引き、「何を問われているか」を構成メモに書き出す習慣をつけてください。
ステップ3:伝えたい結論を1つに絞る
作文全体で伝えたい結論は、必ず1つに絞ってください。
複数のメッセージを盛り込むと、何が言いたいのか読み手に伝わりません。600字という限られた字数では、1つの主張を深く掘り下げる方が説得力が高まります。
「中学校生活で学んだこと」がテーマの場合、「部活で忍耐力を学んだ」「委員会で協調性を学んだ」「勉強で計画性を学んだ」と3つ並べるのは避けてください。「部活で忍耐力を学んだ」の1つに絞り、具体的なエピソードを厚く書く方が高い評価を得られます。
結論を1つ決めたら、構成メモの一番上に大きく書いておきましょう。
ステップ4:序論・本論・結論で組む
作文の構成は「序論・本論・結論」の3段構成が基本です。
この構成を使うと、読み手が内容を順序よく理解できます。各パートの役割は次のとおりです。
- 序論:結論(自分の主張)を簡潔に述べる
- 本論:結論を裏付ける体験やエピソードを書く
- 結論:主張を再度まとめ、今後の展望を添える
字数の配分は、序論15%・本論60%・結論25%を目安にしてください。600字の作文なら、序論90字・本論360字・結論150字が目安です。
本論に全体の6割を割り当て、エピソードを丁寧に書くことで、作文全体に厚みが出ます。
ステップ5:具体的な体験を1つ入れる
作文の説得力を高める最大のポイントは、具体的な体験を盛り込むことです。
「努力が大切だと思います」のような抽象的な主張だけでは、評価者の印象に残りません。自分だけが語れるエピソードを1つ入れることで、作文にオリジナリティが生まれます。
効果的な体験の書き方は、次の3要素を含めることです。
- 状況:いつ、どこで、何があったか
- 行動:自分が何をしたか
- 変化:その結果、何が変わったか
たとえば「3年生の夏、数学の模試で30点だった。毎日1時間、苦手な関数の問題を解き続けた結果、冬の模試で75点まで伸びた」と書くと、数字と行動が入り、読み手が場面を具体的にイメージできます。
ステップ6:指定字数の9割以上書く
作文の字数は、指定字数の9割以上を目指してください。
字数不足は明確な減点対象です。多くの高校では「600字以内」と指定された場合、540字(9割)以上を書くことが求められます。8割を下回ると、大幅な減点となる学校もあります。
字数が足りないと感じたら、次の方法で内容を膨らませてください。
- 体験に「そのとき感じたこと」を1文加える
- 結論部分に「高校での抱負」を追加する
- 本論のエピソードに「具体的な数字」を入れる
逆に字数をオーバーしそうな場合は、同じ意味の繰り返しを削ります。「書きすぎ」よりも「足りない」方が減点は大きいため、まずは9割以上を目標にしましょう。
合格する作文の書き出しパターン

作文の書き出しは、読み手の第一印象を決める大切な箇所です。書き出しの型を3つ持っておけば、どんなテーマでも迷わず書き始められます。
ここからは次の3つの書き出しパターンについて解説します。
結論から始める書き出し
最もおすすめの書き出しは、結論を最初に述べるパターンです。
冒頭で主張を明示すると、読み手は「この作文は何について書いているのか」をすぐに理解できます。推薦入試の評価者は多数の作文を読むため、結論が早く伝わる文章は好印象を持たれます。
具体例を挙げます。
テーマ:「中学校生活で学んだこと」
私が中学校生活で最も学んだことは、あきらめずに努力を続ける大切さです。
結論を1文で端的に書くことがポイントです。長い前置きは不要で、読点を含めても40字以内に収めてください。結論ファーストの書き出しは、どのテーマにも使える万能な型です。
問いかけから始める書き出し
問いかけで始めると、読み手の関心を引きつけられます。
自分自身への問いかけや、テーマに関する疑問を冒頭に置く方法です。読み手は「この問いの答えは何だろう」と感じ、続きを読みたくなります。
具体例を挙げます。
テーマ:「高校で取り組みたいこと」
自分の将来に本当に必要な力は何だろうか。この問いを考え続けた結果、私は貴校で英語の発信力を磨きたいと考えるようになった。
問いかけの直後に自分の結論をつなげることが重要です。問いかけだけで終わると、主張が遅れて評価者に伝わりにくくなります。
エピソードから始める書き出し
印象に残る体験から書き始める方法も効果的です。
読み手は具体的な場面描写に引き込まれやすく、記憶にも残ります。ただし、エピソードが長くなりすぎると序論の字数を圧迫するため、2〜3文にまとめてください。
具体例を挙げます。
テーマ:「中学校生活で学んだこと」
中学2年の秋、合唱コンクールの指揮者に立候補した。クラスの練習をまとめる難しさに何度もくじけそうになった。この経験が、リーダーシップとは何かを考えるきっかけになった。
エピソードから入る場合は、3文目までに結論へつなげてください。体験の描写が目的ではなく、主張への導入が目的だからです。
【字数別】推薦入試の作文例文・模範解答

ここまで解説した書き方を実際の例文で確認しましょう。400字・600字・800字の3パターンを用意したので、志望校の指定字数に合わせて参考にしてください。
ここからは次の3つの字数パターンの例文について解説します。
400字の場合
400字の作文は、1つの主張を1つのエピソードで支える構成が基本です。
テーマ:「中学校生活で学んだこと」
私が中学校生活で学んだことは、継続する力の大切さだ。
中学1年のとき、私は陸上部に入部した。しかし50メートル走のタイムは部内で最下位だった。悔しさから、毎朝20分間の自主練習を始めた。最初の3か月は記録が伸びず、やめたいと思うこともあった。それでも「あと1日だけ続けよう」と自分に言い聞かせ、練習を休まなかった。半年後、タイムは0.8秒縮まり、部内で5位に入ることができた。
この経験から、すぐに結果が出なくても続ける力こそが成長につながると学んだ。高校でも目標に向かって地道に努力を重ねていきたい。
400字の場合、序論1文・本論6〜7文・結論2文が目安です。エピソードには必ず数字を入れると、限られた字数でも説得力が出ます。
600字の場合
600字は多くの推薦入試で指定される標準的な字数です。400字の構成に「考察」や「学びの応用」を加えて膨らませます。
テーマ:「高校で取り組みたいこと」
私が貴校で取り組みたいことは、英語によるプレゼンテーション力の向上だ。
中学3年の英語の授業で、環境問題についてグループ発表を行った。私は原稿を読み上げることに精一杯で、聞き手の反応を見る余裕がなかった。発表後、先生から「内容は良いが、伝え方を工夫するともっと良くなる」と助言をいただいた。その言葉がきっかけで、英語は「知っている」だけでなく「伝えられる」ことが重要だと気づいた。
それ以降、英語のスピーチ動画を毎日15分視聴し、話し方の工夫を学んだ。声の大きさや間の取り方を意識して練習した結果、学年末の発表では「聞きやすかった」とクラスメートから評価された。
貴校には英語ディベートの授業があると学校説明会で知った。この環境を活かし、高校3年間で人前で堂々と英語で意見を述べられる力を身につけたい。将来は国際的な場で活躍できる人材になるため、貴校での学びを土台にしたいと考えている。
600字では、中学校の体験と高校での目標をつなげる構成が効果的です。志望校の特色に触れることで、入学意欲の高さも伝わります。
800字の場合
800字は小論文に近い分量です。エピソードを2つ入れたり、反論への対応を加えたりして論理性を高めます。
テーマ:「将来の夢と、それに向けた高校生活の過ごし方」
私の将来の夢は、地域医療を支える薬剤師になることだ。
この夢を持ったきっかけは、祖父の通院に付き添った経験にある。中学2年の冬、祖父が複数の薬を飲み間違え、体調を崩したことがあった。かかりつけの薬局に相談すると、薬剤師の方が薬の飲み合わせをわかりやすく説明し、服薬カレンダーを作ってくれた。祖父は「薬局の先生のおかげで安心できる」と笑顔を見せた。人の健康と安心を守る薬剤師の仕事に、私は強い魅力を感じた。
中学校では理科の実験に熱心に取り組み、化学分野のレポートでは学年で最優秀賞をいただいた。薬学に関する本を図書室で借りて読む中で、薬の効果は化学の知識だけでなく、患者さんの生活環境まで考慮して判断する必要があると知った。単に成績を上げるだけでなく、人と向き合う力も磨かなければならないと感じている。
貴校は理数系の授業が充実しており、2年次から化学の発展講座を選択できると聞いた。私はこの講座を通じて薬学の基礎を固めたい。さらに、ボランティア部に所属し、地域の高齢者施設を訪問する活動にも参加したいと考えている。薬剤師に必要な「人に寄り添う姿勢」を高校生のうちから育てたいからだ。
将来は地元の調剤薬局で働き、祖父を助けてくれた薬剤師のように、地域の人々の健康を支える存在になりたい。貴校での3年間を、夢の実現に向けた確かな一歩にしたいと考えている。
800字ではエピソード・志望校の特色・将来像の3つを盛り込むことで、論理的かつ説得力のある作文に仕上がります。
推薦入試の作文で減点される5つのNG

どれほど良い内容を書いても、基本的なミスがあると減点されます。減点パターンを事前に把握し、書いた後のチェックリストとして活用してください。
ここからは次の5つの減点ポイントについて解説します。
抽象的な表現ばかりで具体性がない
「頑張りました」「成長できました」だけの作文は、高い評価を得られません。
評価者は何百人分もの作文を読むため、抽象的な表現だけでは印象に残りません。「何を、どのように頑張ったのか」を具体的に書く必要があります。
次の例を比べてください。
- NG例:「部活を通じて、努力の大切さを学びました」
- OK例:「毎朝6時に起きて30分間シュート練習を続けた結果、3か月でフリースロー成功率が40%から75%に上がった」
行動と数字を入れると、抽象的な文章が一気に具体的に変わります。書き終わった後に「この文は数字や固有名詞が入っているか」とチェックする習慣をつけてください。
テーマからずれた内容を書いている
テーマからの逸脱は、作文で最も大きな減点要因の1つです。
「高校で取り組みたいこと」を問われているのに、中学校の思い出を延々と書くケースがよく見られます。書いている途中で話が広がり、本来のテーマから離れてしまうパターンです。
テーマからずれる原因は、構成メモを作らずに書き始めることにあります。書き出す前に「テーマのキーワード」と「自分の結論」を構成メモに書いておくことで、途中で方向を見失うリスクを防げます。
書き終わった後は、冒頭の結論と末尾の結論が一致しているか確認してください。一致していなければ、途中でテーマからずれている証拠です。
原稿用紙の使い方を間違えている
原稿用紙のルール違反は、内容に関係なく減点されます。
中学校で学んだ原稿用紙の使い方を忘れている受験生は少なくありません。とくに間違いやすいポイントは次の4つです。
- 段落の書き始めは1マス空ける
- 句読点やカギ括弧は行頭に置かない(前の行の最後のマスに文字と一緒に入れる)
- 数字は1マスに2文字入れる(横書きの場合)
- 題名・名前の書き方は指示に従う
原稿用紙のルールは知識で防げるミスです。練習段階から実際の原稿用紙を使い、正しい書き方を体に覚えさせておきましょう。
話し言葉や略語を使っている
作文に話し言葉や略語を使うと、文章の品質が低いと判断されます。
普段の会話で使う表現をそのまま書いてしまう受験生がいます。次の表で、NG表現と正しい表現を確認してください。
| NG表現 | 正しい表現 |
|---|---|
| すごく | 非常に・とても |
| やっぱり | やはり |
| ちゃんと | きちんと・しっかりと |
| 〜じゃない | 〜ではない |
| 部活 | 部活動 |
| スマホ | スマートフォン |
「友達に話すときの言葉」と「作文で使う言葉」は別物だと意識してください。書き終わった後に音読すると、話し言葉が混ざっている箇所に気づきやすくなります。
字数が大幅に不足している
指定字数の8割を下回ると、大幅な減点対象になります。
字数不足は「書く内容がない」「準備が不十分」という印象を与えます。たとえば600字指定の作文で400字しか書けなかった場合、内容の良し悪しに関係なく評価は下がります。
字数不足になる主な原因は3つあります。
- エピソードに具体性がなく、数行で終わってしまう
- 結論だけ書いて理由や背景を省いている
- 構成メモを作らず、書く内容が途中で尽きる
目標は指定字数の9割以上です。練習の段階で字数を数えながら書く癖をつけ、9割に届かない場合はエピソードの掘り下げや感想の追加で調整してください。
推薦入試の作文によくある疑問

作文対策を進めるうえで、多くの受験生や保護者が共通して抱く疑問があります。よくある3つの疑問に対して、具体的な回答をまとめました。
ここからは次の3つの疑問について解説します。
作文の練習はいつから始めるべき?
作文の練習は、中学3年の10月から始めるのが理想です。
推薦入試は1月下旬〜2月上旬に実施される地域が多いため、10月に始めれば約3〜4か月の準備期間を確保できます。週に1本のペースで書けば、本番までに12〜16本の作文を練習できます。
ただし「10月では遅い」と感じる必要はありません。作文は型を覚えれば短期間でも上達する科目です。12月から始めても、週2本ペースで練習すれば8〜10本の作文を書けます。
大切なのは、書いた作文を必ず第三者に添削してもらうことです。学校の先生や塾の講師に見てもらい、フィードバックを受けて修正するサイクルを繰り返してください。
都立推薦の作文はどう対策すればいい?
都立高校の推薦入試では、作文または小論文が全校で課されます。対策には志望校ごとの傾向把握が欠かせません。
東京都教育委員会のホームページには、各都立高校の推薦入試で出題されたテーマが掲載されています。まずは志望校の過去3年分のテーマを確認してください。
都立推薦の作文対策で押さえるべきポイントは3つです。
- 志望校の「本校の期待する生徒の姿」を読み込む
- 過去問テーマで最低5本は作文を書く
- 面接で聞かれる内容と作文の主張を一致させる
面接と作文の主張が矛盾していると、評価者に不信感を与えます。「作文では部活の経験を書いたのに、面接では勉強の話しかしない」といったちぐはぐさがないよう、事前にすり合わせておきましょう。
作文が苦手でも推薦入試に受かる?
作文が苦手でも、推薦入試に合格することは十分に可能です。
作文の評価は、文章のうまさではなく「内容の具体性」と「テーマへの的確な回答」で決まります。文学的な表現や美しい言い回しは求められていません。
作文が苦手な受験生がまず取り組むべきことは、次の3つです。
- 序論・本論・結論の3構成の型を覚える
- 使えるエピソードを3つ用意しておく
- 同じテーマで3回以上書き直す
型に当てはめて書く練習を10本繰り返せば、合格水準の作文は書けるようになります。「上手に書こう」と考えるのではなく、「型どおりに書こう」と意識を切り替えることが上達の第一歩です。
保護者の方が「うちの子は文章が苦手だから推薦は無理では」と不安を感じるケースもあります。しかし、推薦入試の作文は才能ではなく練習量で差がつく科目です。早めに対策を始め、添削と書き直しを繰り返せば、着実に得点は伸びます。
まとめ
高校推薦入試の作文は、調査書や面接と並ぶ重要な評価項目です。配点は学校ごとに異なりますが、面接や作文が総合成績の大半を占める学校もあり、当日の出来が合否を左右します。
この記事で解説した内容を振り返ります。
- 作文は合否に直結する評価項目であり、志望校の「期待する生徒の姿」に合わせた内容が求められる
- 頻出テーマは「中学校生活で学んだこと」「高校で取り組みたいこと」「将来の夢」の3つに集中している
- 書き方は「構想→テーマ理解→結論決定→3段構成→体験挿入→字数確認」の6ステップで進める
- 書き出しは「結論から」「問いかけから」「エピソードから」の3パターンを使い分ける
- 減点を防ぐには、具体性の確保・テーマとの一致・原稿用紙のルール・書き言葉の使用・字数の充足が必要
作文は型を覚えて練習を重ねれば、短期間でも得点を伸ばせる科目です。まずは志望校の過去問テーマを調べ、序論・本論・結論の構成で1本書いてみてください。
書いた作文は必ず学校の先生や塾の講師に添削してもらい、修正と書き直しを繰り返すことが合格への近道です。


