都立高校の推薦入試って、どうやったら受けられるの?
倍率が高いって聞くけど、本当に合格できるのかな…
初めて高校受験に向き合う中学生や保護者にとって、都立高校の推薦入試は情報が多く、全体像をつかみにくい制度です。
ただ、出願条件や選考方法を正しく理解しないまま準備を進めると、対策の方向性を見誤るリスクがあります。
そこでこの記事では試験内容や倍率なども交え、都立高校における推薦入試の特徴を解説します。受かる・落ちる人の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高校の推薦入試がどんな試験か詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 都立推薦は内申点・面接・小論文等の総合評価で合否が決まる
- 2024年度の全日制一般推薦の平均倍率は約2.5倍
- 内申点の確保と面接練習の早期開始が合格のカギ
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都立高校の推薦入試とは?

都立高校の推薦入試は、学力検査(5教科の筆記試験)なしで合否が決まる入試制度です。調査書(内申点)・面接・小論文や作文などの総合評価で選考されます。
一般入試より約1か月早い1月下旬に実施されるため、早い段階から準備が求められます。
ここからは次の2つの基本情報を解説します。
私立推薦との違い
都立推薦と私立推薦は、選考の仕組みが根本的に異なります。
私立推薦は内申点の基準を満たせばほぼ確実に合格できる「単願推薦」が主流です。中学校と高校の間で事前に合格の見通しが共有されるため、不合格はまれといえます。
一方、都立推薦にはそのような事前確約の仕組みがありません。合否は当日の面接や小論文の結果次第で決まります。
2024年度の都立全日制一般推薦の平均倍率は約2.5倍でした。出願者の半数以上が不合格になる競争型の入試です。
「推薦=ほぼ受かる」というイメージは私立に当てはまるもので、都立には通用しません。一般入試の準備も並行して進める必要があります。
私立高校における推薦入試の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

入試日程と合格発表の流れ
都立高校の推薦入試は、例年1月下旬に実施されます。2025年度(令和7年度)入試のスケジュールは次のとおりでした。
- 出願受付:1月9日〜1月16日
- 検査日:1月26日・27日
- 合格発表:1月31日
検査は原則1日で終了します。ただし集団討論や実技検査がある学校では2日間にわたる場合もあります。
合格発表から約1か月後の2月下旬に一般入試が実施されます。推薦で不合格でも、一般入試で同じ高校に再挑戦できる点は大きな特徴です。
東京都教育委員会が毎年9月頃に発表する「入試実施要綱」で正式な日程が公表されます。
都立高校・推薦入試の種類

都立高校の推薦入試には3つの種類があります。それぞれ対象者や選考基準が異なるため、自分がどの推薦に該当するかを最初に把握することが重要です。
ここからは次の3つの推薦入試の種類を解説します。
一般推薦
一般推薦は、都立推薦で最も多くの受験生が利用する制度です。
全日制のほぼすべての都立高校で実施されており、特別な実績がなくても出願できます。選考は調査書・個人面接・小論文または作文の組み合わせで行われます。
募集人員は各校の募集定員の20%程度が一般的です。たとえば定員320名の学校では推薦枠は約64名になります。
特定分野で突出した実績がなくても挑戦でき、多くの中学生にとって最も現実的な選択肢といえます。
文化・スポーツ等特別推薦
文化・スポーツ等特別推薦は、部活動や課外活動で優れた実績を持つ生徒が対象の制度です。
すべての都立高校で実施されるわけではありません。各校が「硬式野球」「吹奏楽」「美術」など募集する分野を指定しています。大会での入賞記録や段位・級などの客観的な実績が求められるケースがほとんどです。
選考では実技検査が課される場合が多く、一般推薦との併願はできません。中学時代に特定分野で高い成果を残した生徒に向いた入試です。
理数等特別推薦
理数等特別推薦は、理数分野に強い関心と能力を持つ生徒が対象の制度です。
実施校は限られており、立川高校や戸山高校など理数教育に力を入れる一部の進学校で導入されています。口頭試問や理数系の課題が出され、教科書を超えた思考力が問われます。
科学オリンピックの参加経験や自由研究での受賞歴がある生徒に向いた入試です。
都立高校・推薦入試の出願条件

都立推薦に出願するには、いくつかの条件を満たす必要があります。条件を1つでも満たさなければ出願自体ができないため、早い段階で確認しておくことが大切です。
ここからは次の4つの出願条件を解説します。
保護者と都内在住であること
都立推薦は、入学日までに保護者と本人が東京都内に住所を有することが前提条件です。
神奈川県や埼玉県に住んでいる場合は原則出願できません。ただし入学日までに都内へ転居する予定がある場合は、転居先の住所を証明する書類の提出で受験が認められるケースがあります。
「今は隣県だけど合格したら引っ越す」という家庭は、事前に志望校へ相談してください。
志望校が第1志望であること
都立推薦は「単願」が前提です。出願校を第1志望とし、合格時には入学する意思があることが条件になります。
私立推薦との同時出願はできません。都立推薦に合格した場合、辞退は原則認められていません。
「とりあえず受けてみよう」という気持ちで出願すると、合格後に進路変更できず困る場合があります。出願前に家族で志望校の優先順位を決めておきましょう。
中学校長の推薦が必要
都立推薦には、在籍中学校の校長による推薦書が必要です。
推薦を受けるには、中学3年の2学期に担任との三者面談で希望を伝えるのが一般的な流れです。内申点や生活態度に大きな問題がなければ、校長推薦は通常もらえるとされています。
ただし遅刻・欠席が極端に多い場合や生活指導上の問題がある場合は、推薦を出してもらえないことがあります。
出願に必要な書類
都立推薦の出願には、次の書類が必要です。
- 入学願書(東京都教育委員会の所定様式)
- 調査書(中学校が作成)
- 自己PRカード(本人が記入)
- 推薦書(中学校長が作成)
自己PRカードは面接時の質問材料にもなる重要な書類です。志望理由・中学校で力を入れたこと・高校での目標の3点を記入します。
内容が曖昧だと面接で深掘りされた際にうまく答えられません。下書きの段階で担任や保護者に添削してもらいましょう。
高校推薦をもらうのに必要な基準や条件を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

都立高校・推薦入試の選考内容

都立推薦の合否は、複数の評価項目を点数化した総合得点で決まります。学校ごとに配点バランスが異なるため、志望校がどの項目を重視しているかを事前に確認することが重要です。
ここからは次の3つの選考内容を解説します。
調査書(内申点)の評価方法
調査書点(内申点)は、推薦入試の総合得点に占める割合が最大50%まで設定できます。多くの学校では40〜50%の配点です。
内申点の算出は9教科の評定をもとに計算されます。都立推薦では5教科と実技4教科すべての評定が均等に扱われる点が特徴です。
一般入試では実技4教科の評定が2倍される換算方式があります。換算内申は5教科×1倍+実技4教科×2倍=65点満点です。
一方、推薦入試では素内申(9教科の合計、45点満点)をそのまま使う学校が多い傾向にあります。内申点は中学3年の2学期の成績が使われるため、3年の1学期からの取り組みが重要です。
個人面接と集団討論の扱い
面接は都立推薦において全校で実施される選考項目です。個人面接が中心ですが、一部の学校では集団討論も行われます。
個人面接では志望理由・中学校での活動・入学後の目標の3点がほぼ必ず質問されます。回答内容だけでなく、話し方や態度、入退室のマナーも評価対象です。
集団討論は5〜6人のグループで与えられたテーマを話し合う形式です。自分の意見を述べる力だけでなく、他者の意見を聞いて議論を発展させる姿勢が求められます。
2024年度入試から集団討論を廃止する学校が増えています。志望校の選考方法は東京都教育委員会の公式サイトで確認してください。
小論文・作文・実技
小論文・作文は多くの都立高校で実施される選考項目です。学校ごとに「小論文」か「作文」のどちらかが指定されます。
小論文は社会的なテーマに対して自分の意見を論理的に述べる形式で、600字程度が一般的です。作文は自分の体験をもとに書く形式で、自由度が高い傾向があります。
文化・スポーツ等特別推薦では実技検査が課されます。面接と小論文・作文を合わせて総合得点の50〜60%を占めるケースが多く、当日の検査対策も欠かせません。
都立高校・推薦入試の倍率

推薦入試の倍率は、志望校選びや合格可能性の判断に欠かせない指標です。都立推薦は全体的に高倍率で、一般入試より競争が激しい傾向にあります。
ここからは次の2つの倍率データを解説します。
全体の平均倍率
2024年度(令和6年度)の都立高校全日制一般推薦の平均倍率は約2.5倍でした。
出願者のうち約60%が不合格になる計算です。一般入試の平均倍率が約1.4倍であるのに対し、推薦は約1.8倍の競争率といえます。
文化・スポーツ等特別推薦の平均倍率は約3.0倍で、一般推薦よりさらに高い水準です。募集枠が少ないため、1枠に3人以上が競合する状況が続いています。
高校推薦入試に落ちる確率を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

人気校の倍率一覧
人気校の倍率は全体平均を大きく上回ります。2025年度入試における主な人気校の推薦倍率は次のとおりです。
| 学校名 | 推薦倍率 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 日比谷高校 | 3.17倍 | 64名 |
| 西高校 | 2.77倍 | 64名 |
| 戸山高校 | 3.55倍 | 64名 |
| 青山高校 | 約4.25倍 | 56名 |
| 新宿高校 | 約3.5倍 | 64名 |
進学指導重点校と呼ばれるトップ校では3〜4倍台の倍率が常態化しています。募集人員が少なく、わずかな点差で合否が分かれます。
一方、倍率が2倍を下回る学校も存在します。志望校の倍率は東京都教育委員会の公式サイトで公開されるため、過去3年分の推移を確認してください。
都立高校・推薦入試の合格は難しい?

都立推薦は、正しい対策をすれば合格の可能性を十分に高められる入試です。ただし、合格する人と不合格になる人には明確な違いがあります。
ここからは次の2つの受験生の特徴を解説します。
受かる人の特徴
推薦入試で合格する人には共通点があります。
- 内申点がオール4以上(36点以上/45点満点)
- 志望理由を自分の体験に基づいて具体的に語れる
- 面接練習を10回以上繰り返している
- 自己PRカードと面接の回答に一貫性がある
志望理由と入学後の目標が具体的かつ一貫している点がとくに重要です。「なぜこの学校でなければならないのか」を自分の言葉で語れる受験生は、面接官の印象に残ります。
たとえば「英語に力を入れたい」ではなく、「御校の海外研修プログラムで国際機関で働く基礎を築きたい」と伝えられると高評価につながります。
高校推薦入試に受かる子の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

落ちる人の特徴
不合格になる受験生にも共通パターンがあります。
- 内申点が志望校の合格者平均を大きく下回っている
- 面接練習が不足し、質問に短すぎる回答しかできない
- 志望理由が「家から近い」「偏差値が合う」など表面的
- 小論文の練習をほとんどしていない
「推薦はダメ元で受ける」という意識だと、準備不足のまま本番を迎えがちです。面接官は受験生の本気度を敏感に見抜くため、付け焼き刃の対策は通用しません。
保護者が「とりあえず受けておきなさい」と勧めるケースも見られます。中途半端な準備は一般入試の勉強時間を圧迫するだけです。推薦を受けるなら、しっかり対策する覚悟が必要といえます。
【試験別】都立高校・推薦入試の対策法

推薦入試の対策は、選考項目ごとに具体的な方法が異なります。内申点・面接・小論文・実技の4分野を計画的に準備することで、総合得点を最大化できます。
ここからは次の4つの試験別の対策法を解説します。
内申点を上げる方法
内申点は推薦入試の土台となる評価項目です。3年の2学期の成績が使われるため、3年の1学期からでもまだ間に合います。
有効な方法は次のとおりです。
- 定期テストで各教科80点以上を目指す
- 提出物を期限内に必ず出す
- 授業中に積極的に発言・質問する
- 実技4教科も手を抜かない
都立推薦では9教科が均等に評価されるため、実技教科の軽視は禁物です。実技の評定は技術力だけでなく、授業態度や提出物の質も大きく影響します。
個人面接・集団討論の練習法
面接は練習量が結果に直結します。最低でも10回以上の模擬面接を経験してから本番に臨むのがおすすめです。
よく聞かれる質問は次の5つです。
- 志望理由を教えてください
- 中学校で最も力を入れたことは何ですか
- 高校で何に取り組みたいですか
- 自分の長所と短所を教えてください
- 最近気になったニュースは何ですか
回答は「結論→理由→具体例」の順番で30秒〜1分にまとめてください。暗記した文章をそのまま読み上げると不自然な印象を与えます。要点だけ覚えて自分の言葉で話す練習が大切です。
集団討論がある学校を志望する場合は、友人5〜6人でグループを組んで練習してください。「中学生にスマートフォンは必要か」などのテーマが効果的です。
高校推薦入試の面接でよく聞かれる質問を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

小論文・作文の書き方
小論文・作文は書く力だけでなく「考える力」が問われます。週1本のペースで2か月間書き続けると、構成力と表現力が着実に向上します。
小論文の基本構成は次の4段階です。
- 第1段落:テーマへの自分の意見(結論)
- 第2段落:意見の理由
- 第3段落:具体例や体験
- 第4段落:結論のまとめ
よくある失敗はテーマからずれた内容を書くパターンです。書き始める前にメモで構成を整理する習慣をつけてください。
志望校の過去3年分の出題テーマは、各校の公式サイトや東京都教育委員会のサイトで確認できます。
高校推薦入試の作文について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

文化スポーツ等特別推薦の実技対策
文化・スポーツ等特別推薦の実技検査は、日頃の練習成果が直接問われます。検査内容は学校ごとに公表されるため、募集要項を必ず確認してから対策を始めてください。
運動系では基礎体力テストや競技別の技術テストが課されます。文化系では楽器演奏やデッサン、作品持参などが求められます。
見落としがちなのは当日のコンディション管理です。検査日の1週間前から練習量を調整し、ケガや体調不良のリスクを減らしてください。
都立高校の推薦入試によくある疑問

推薦入試に関しては、受験生や保護者から多くの質問が寄せられます。受験生が迷いやすい3つの疑問を取り上げ、それぞれに回答します。
ここからは次の3つのよくある疑問を解説します。
推薦に落ちたら一般入試は受けられる?
推薦で不合格でも一般入試は問題なく受験できます。推薦と一般は別の入試として実施されるため、推薦の結果が一般入試の合否に影響することはありません。
推薦で落ちた学校に一般入試で再挑戦することも可能です。合格発表から一般入試の出願までは約2〜3週間あり、志望校を再検討する時間も確保されています。
内申点はどの学年が重視される?
都立推薦の調査書で使用されるのは、中学3年の2学期(12月時点)の成績です。1年や2年の成績は内申点に含まれません。
ただし調査書には3年間の活動記録や出欠状況も記載されます。部活動やボランティア活動の記録は、面接時の評価材料として活用されます。
「1年生のときの成績が悪いから推薦は無理」と思い込む必要はありません。3年生で成績を伸ばせば十分に勝負できます。
推薦入試に塾は必要?
推薦対策に塾が必須とはいえません。ただし面接練習や小論文の添削は第三者の指導で上達が早まるのは事実です。
塾を利用するメリットは次の3点です。
- プロ講師から客観的なフィードバックを受けられる
- 小論文を繰り返し添削してもらえる
- 志望校ごとの出題傾向や合格者データを共有してもらえる
一方、内申点の向上は日頃の学校生活の積み重ねであり、塾だけで解決するものではありません。家計の負担を考慮し、推薦対策講座だけをピンポイントで利用するのも有効な方法です。
まとめ
都立高校の推薦入試は、内申点・面接・小論文等の総合評価で合否が決まる制度です。平均倍率は約2.5倍で、計画的な準備が合格のカギになります。
- 出願には都内在住・第1志望・校長推薦の3条件が必要
- 内申点は3年2学期の成績が使われ、3年からでも対策可能
- 面接は最低10回の模擬練習で志望理由の一貫性を高める
- 推薦で不合格でも一般入試で同じ学校に再挑戦できる
一般入試の勉強と並行しながら、面接や小論文の対策を早めに始めてください。志望校の募集要項や出題テーマは東京都教育委員会の公式サイトで確認できます。


