
「推薦入試の面接試験ってどんな感じなんだろう?」
「必ず聞かれる、鉄板の質問とかがあるのかな…」
推薦入試を受けようと考えているものの、面接試験のイメージがあいまいな人は多いですよね。
当日の身だしなみや聞かれる質問・適切な返答など、どう面接試験を対策すればいいのかわからない人もいるはず。
そこで本記事では質問例や難易度なども交え、推薦入試における面接試験の特徴を解説します。面接試験に受かる人の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
推薦入試の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 推薦入試の面接には多様な形式がある
- 面接で聞かれる質問にはパターンがある
- 大学ごとの面接試験に合わせた対策が大切
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推薦入試の面接とは?
推薦入試の面接は、書類だけでは分からない受験生の個性を確認するための試験です。面接での質疑応答を通して、「人物像」「意欲」「適性」が見られます。
効果的な対策を行うためにも、まずは面接の目的・形式・評価の観点といった面接試験における概要を把握することが大切です。それぞれ確認していきましょう。
人物像を知ることが実施目的
面接を行う目的は、書類だけではわからない学生の人物像を知ることです。
個性・性格・能力などの学力以外の総合的な力を見ることで「どのような人物なのか」「大学で活躍が期待できる人材なのか」を判断しています。
- 高校での活動
- 学ぶ意欲の高さ
- 志望度の高さ
- 思考力・コミュニケーション能力・表現力の有無
人物像を知るため、出願書類の情報の確からしさ・受験生の思考・これまでの経験を質疑応答を通して確認していきます。総合的に判断されるため、出願から面接までの情報に一貫性を持たせることが重要です。
入試の形式ごとで内容は異なる
入試の形式によって、面接で重視しているポイントや質問内容は異なります。
推薦入試は大別すると「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の2種類があります。各入試方式の特徴を踏まえ、評価のポイントに合わせた対策が不可欠です。
| 入試方法 | 評価の観点 | 面接内容 |
|---|---|---|
| 学校推薦型選抜 | 高校生活での経験を評価 | これまでの実績や人柄を重点的に確認 |
| 総合型選抜 | これからの意欲を評価 | 学ぶ意欲や入学後の目標を重点的に確認 |
「学校推薦型選抜」では高校生活での実績などを含めた過去の経験を評価し、「総合型選抜」では入学後の学習意欲や目標意識が主に見られています。合格を目指すのであれば、受験する入試方式に合わせた対策をしておくことが重要です。
能力と意欲が評価のポイント
推薦入試における面接試験において評価の中心となるのは、能力と意欲の2つの観点です。
入学後に成長できる能力があり、入学後も学びへの意欲を高く持ち活躍が期待できる人材かどうかを判断しています。
| 評価の観点 | 評価対象のポイント |
|---|---|
| 能力 | ・論理的思考力がある ・課題発見力がある ・探求力がある ・コミュニケーション能力がある |
| 意欲 | ・明確な志望理由がある ・将来のビジョンを語れる ・過去の経験 ・大学での学び ・将来の夢に一貫性がある |
評価されやすいポイントを意識して面接に臨むことで、短時間でも上手に自分をアピールすることができます。事前準備として、ポイントを含めたエピソードを面接で話せるようにしておくと効果的です。面接で話すエピソードなどにポイントを含められるように、準備しておきましょう。
推薦入試の流れ
推薦入試は出願から合格発表までを以下の流れで進むのが一般的です。
- 出願
- 面接・試験
- 合格発表
具体的な時期については推薦入試の種類によって異なります。総合型選抜の方が学校推薦型選抜よりも早く行われる傾向にあるのが特徴です。
【総合型選抜】
| 選考 | 実施時期 |
|---|---|
| 出願書類の提出 | 9~10月 |
| 面接・試験 | 10~11月 |
| 合格発表 | 10~11月 |
【学校推薦型選抜】
| 選考 | 実施時期 |
|---|---|
| 校内選考(指定校推薦の場合) | 9月 |
| 出願書類の提出 | 11月 |
| 面接・試験 | 11月 |
| 合格発表 | 12月 |
ただし、大学によって受験のスケジュールには違いがあります。特に総合型選抜では実施時期や試験内容は受験する大学・学部・学科によって特色があるため確認が必要です。
志望校が確定したら各大学の入試要項にて推薦入試の具体的な流れを必ず調べましょう。
推薦入試における面接試験の種類
推薦入試における面接試験は、下記の4つに分けられます。
面接形式が変われば、問われる力や見られる視点も大きく異なります。それぞれの種類と特徴を確認していきましょう。
個人面接
個人面接とは、受験生一人に対して複数名の面接官で実施する面接のことです。
推薦入試において最も多く実施されています。受験生一人に対してのみ質疑応答が行われるため、周りを気にすることなくじっくりと話ができるのが特徴です。
- なぜ本学を選んだのか
- どのような経験が志望理由に繋がるのか
- 入学後にどのような学びを期待しているのか
面接官は出願書類を基に質疑応答を進めます。出願書類と面接での内容にズレが生じると評価が下がりやすくなるため注意が必要です。逆に、一貫性のある伝え方ができれば説得力が高まり高評価に繋がります。
集団面接
集団面接とは、複数の受験生への面接が同時に行われる形式の面接試験のことです。
質疑応答における回答内容に加え、集団だからこそ見られる協調性やコミュニケーション力が評価されます。合格のためには入学への意欲だけでなく、周囲の意見にも耳を傾けながら自分の考えを簡潔にまとめて発言する姿勢が必要です。
- 回答は30〜40秒程度にまとめる
- 他の受験生の意見に対して共感を示す
- 全体の流れを見て適切なタイミングで発言する
集団面接は、同じ場にいる他の受験生への配慮が大切です。緊張感のある場でも周りに意識を向けて臨むことで、協調性の高さをアピールできます。
グループディスカッション
グループディスカッションとは、与えられたテーマに対して受験生複数人で一つの結論を出す形式の試験です。
グループディスカッションではどのような結論を出すかだけなく、結論を導くまでのプロセスが重要です。意見の強さよりも、周囲の意見に耳を傾けながら議論を建設的に前へ進められるかが合否を分ける大きなポイントとなります。
- 議論の冒頭で目的や論点を整理する
- 他者の意見を傾聴する
- 自分の意見を提示する
無理にリーダーシップを取ったり、自分の意見を押し通す必要はありません。グループにおける役割の中で、議論に貢献していることが伝わるように立ち回りましょう。相手の意見を尊重しつつ、自分の考えも適切に述べられることが高評価に繋がります。
プレゼンテーション
プレゼンテーションは、事前にテーマが与えられプレゼン資料を用意して面接官の前でプレゼンを行う試験です。
推薦入試におけるプレゼンでは、思考力や表現力が求められています。テーマに対する結論を伝えるために、論理的に構成を考えることが重要です。「何を主張したいのか」が伝わりやすいように、スライドや話す内容は必要な要素だけに絞りましょう。
- 「結論→根拠→具体例→再度結論」の流れで構成する
- 想定質問を考え、回答を用意しておく
- 制限時間内に表現できるよう準備する
また質疑応答も評価の対象になるため、想定質問を20~30個ほど準備し、回答を整理しておけると安心です。
推薦入試の面接は難しい?
一般入試や他の入試方式に比べ、推薦入試は合格率が高い傾向にあります。ただし、誰でも推薦入試に合格できるわけではありません。
入念に準備を進めなければ面接官の評価は低くなり、不合格になる可能性もあります。面接で受かる人・落ちる人の特徴を知り、対策に活かしましょう。
受かる人の特徴
推薦入試に受かる人には受験生の主張する内容に一貫性があり、大学が求める人物像との一致度が高いという特徴があります。
- 志望理由に一貫性がある
- 出願書類と面接の内容に矛盾がない
- 自分の言葉で伝えようとする誠実な姿勢がある
「出願書類と面接での言葉にズレがない」というのは面接合格のために重要な点です。志望理由・高校での経験・将来像を一本の線でつなぐことで、面接官は学生の主張の信ぴょう性を感じることができ高い評価をつけることができます。
また、アドミッションポリシーを読みこんでおくのも大切です。大学が求める資質と自分の経験の一致点を伝えることで、大学が求める人物像との一致度をアピールでき合格につながります。
落ちる人の特徴
推薦入試の面接に落ちる人には、入学に向けた強い想いがありながらも面接官にアピールしきれていないという特徴があります。
- 志望理由が抽象的
- 出願書類と面接内容に矛盾点がある
- 質問に対して結論が出てこない
面接での内容において具体性が欠けたり、全体的に自信がない様子が見えると説得力が足りません。結果、面接官に自分の能力をアピールできず不合格になりがちです。
「準備不足」や「信頼性の欠如」と判断されないよう、入念な準備が不可欠です。事前準備ができていれば自信がつき、たとえ緊張する場面でも冷静に面接で対応できるようになります。
推薦入試の面接でよく聞かれる質問例
推薦入試の面接では、聞かれやすい代表的な質問がいくつかあります。事前に押さえておくことで、面接本番での戸惑いを減らすことが可能です。
そこでここからは、推薦入試の面接で特に頻度高く聞かれる5つの質問例を紹介します。事前に把握し、回答を準備しておきましょう。
本大学を選んだのはなぜですか?
「志望理由」は推薦入試において最も聞かれる可能性の高い質問です。
推薦入試では受験生の意欲が一つの判断基準となります。志望理由に直結する質問を通して、大学や学部に対してどれほど興味があるのかが見られているのです。
- 大学に対する理解度・リサーチ量
- 志望度の高さが確からしいかどうか
- 本学部・学科だからこそ学びたい理由の有無
志望理由の高さをアピールするには、大学が求める人物像との一致度や大学での学びと将来の目標を結びつけるのが有効です。アドミッションポリシーを十分に理解し、大学の情報を入念に調べておくと回答しやすくなります。
入学後に学びたいことは何ですか?
推薦入試では、「入学後に学びたいこと」を質問することで大学での学習意欲の高さを確認しています。
- 学部・学科で学ぶ内容を理解しているか
- 大学での学びと将来の目標が結びついているか
- 主体的に学ぶ意欲があるか
大学で何を学びたいかを答える際には、具体的な授業や研究テーマと自分の関心を結びつけることがポイントです。「学びたい」という抽象的な言葉だけでは説得力が弱いため、具体的な学問や得た学びを将来どのように活かすのかを含めて伝えましょう。
高校生活で最も印象に残っていることは何ですか?
「高校生活で最も印象に残っていること」は、受験生の人柄や価値観を知るための代表的な質問です。受験生の人柄を知るために、何に興味があるのかやどのような経験をしたのかを知ることを目的としています。
- 人柄や価値観を知る
- 物事への取り組み方や知る
- 経験を基にして課題解決力や主体性の有無を測る
ポイントになるのは、なぜその経験が印象に残っているのかを伝えることです。どのような感性を持ち、出来事から何を学んだのかが見られています。
特に、困難に直面した場面を伝えるとアピールにつながりやすいのでおすすめです。困難をどのように乗り越えたかを整理して話すことで、成長のプロセスを面接官に伝えやすくなります。
大学卒業後の夢は何ですか?
大学卒業後の夢も推薦入試の面接で聞かれる可能性の高い質問です。受験生の中で大学での学びと卒業後のキャリアが結びついていれば、大学入学後の学ぶ意欲の高いと判断できるためです。
- 将来像が明確かどうかを知る
- 大学での学びとキャリアの関連性があるか
- 目的意識の高さを評価する
将来の夢について回答する際は、具体的な職業名がなくても問題ありません。卒業後の目標のために、大学でどのような能力を身につけてどのように活かすのかを示すことがポイントです。
最近のニュースで気になるものは何ですか?
社会や時事に関する質問も、受験生の関心や自分なりの意見を持つ力があるかを見るためによく問われます。
- 社会への関心度を知る
- 自分の意見を発信する力があるかを確認する
- 情報を整理して回答する力を確認する
ニュースの概要と関心を持った理由、自分の考えをセットで話すことが回答のコツです。論理立てて伝えられるようにあらかじめ練習しておきましょう。
また、ニュースは志望している学部・学科に関係の近い内容を選べると学ぶ意欲の高さをアピールできるのでおすすめです。
推薦入試の面接を突破する5つのポイント
ここからは推薦入試の面接を突破するポイントを、5つにまとめて解説します。
最低限のマナーをおさえておく
面接における最低限のマナーは事前に習得しておきましょう。
面接では、受け答えの内容だけでなく態度や礼儀も評価の対象になります。推薦入試では「協調性」や「社会性」も見られるため、基本的なマナーを確認しておくことが欠かせません。
- あいさつ・お辞儀などの基本所作
- 話すときの言葉遣いや視線
- 相手の話を聞く態度
面接での「態度」は言葉以上に受験生の人柄を表します。丁寧なあいさつや落ち着いた姿勢、相手の目を見る姿勢などを意識するだけで良い印象を残すことが可能です。
上述のポイントを踏まえたうえで、入室〜退室までを一度通しで練習するのがおすすめです。学校や塾の先生に協力を依頼して、本番同様の環境で取り組んでおきましょう。
清潔感のある身だしなみを整える
身だしなみも面接官に与える印象に大きく影響が出るポイントです。ファッション性ではなく、「清潔感」があるかどうかを基準に整えておきましょう。
- 落ち着いた色味の清潔な服装
- 華美でなく、表情が良く見える髪型
- 過度なアクセサリーや香りを避ける
面接試験では、服装やメイクなどで個性を出す必要はありません。学校の制服がある場合、基本的には制服で面接に臨みましょう。私服で向かう場合には、頭髪から服装まで全体的に落ち着いたトーンを意識することが大切です。
友人や家族など複数人に服装をチェックしてもらい、違和感がないかどうかを確認しておけると安心です。
アドミッションポリシーを把握しておく
面接に臨む前に、大学が提示しているアドミッションポリシーは必ず確認しておきましょう。各大学の公式ホームページや募集要項にて公表されています。
推薦入試では、大学が求める人物像にどれだけ合致しているかが合否における大きな判断材料になります。そのため、アドミッションポリシーへの理解は不可欠です。
- 大学・学部が求める能力と資質
- 求めている人物像
- 期待される学びの姿勢
アドミッションポリシーとは、大学・学部がどのような学生を求めているかという方針を明確に示したものです。上述したポイントを押さえておくことでアドミッションポリシーを意識して回答でき、面接での高評価が期待できます。
出願書類の深堀りに向けて対策する
面接本番までに、出願書類の深堀りに向けた対策をしておきましょう。
推薦入試の面接では、出願時に提出した書類の情報を基に質疑応答が行われるのが一般的です。そのため、面接の場でも書類に記載している内容と一致する回答をすることが重要です。
矛盾が生じれば、熱意を語れたとしても説得力が弱まります。出願書類の内容に改めて目を通し、ブレのない回答をする準備をしておきましょう。
また、質疑応答に備えて深掘り質問を自問自答しておくのも効果的な対策方法の一つです。
提出書類を音読し、「なぜ?」と繰り返し自分に問いかけましょう。「なぜその活動をしたのか」「そこから何を学んだのか」などを考えることで、自然と自分の軸が固まり堂々と質問に回答できるようになります。
本番を想定した模擬面接を繰り返す
面接での緊張を和らげるためには、本番同様の模擬面接を繰り返すのがおすすめです。
本番と近い環境で練習することで、話し方の改善やマナーの確認ができます。また、質疑応答を繰り返すことで思考の言語化を練習できるのもメリットです。
学校や塾の先生・家族・友人などに協力してもらい、さまざまな面接官役の人と練習しておきましょう。効果の高い対策方法なので、ぜひ取り組んでみてください。
まとめ
この記事では、推薦入試における面接試験の特徴や対策のコツについて解説しました。
面接試験は学力試験では測れない受験生の人柄や意欲を知るために行われます。いかに面接の場で自分の特性をアピールできるかが合格のカギです。大学の試験内容に合わせた対策を進めていきましょう。
入念に準備することで、緊張する面接の場でも自分らしさを堂々と発揮することができます。周囲の協力も得ながら計画的に対策に取り組むことが大切です。


