
「早稲田大学の特別選抜入学試験はどんな入試なんだろう?」
「受験するのは難しいって聞いたけど、満たさないといけない条件が多いのかな?」
早稲田大学における総合型選抜の1つ「特別選抜入学試験」を検討しているものの、具体的な出願条件や対策方法がわからず悩んでいる人は多いですよね。
特別選抜入学試験は、先進理工学部が実施する独自の入試制度です。そのため、試験の傾向や内容を把握しないまま受験しては「もっとちゃんと準備すればよかった…」と後悔しかねません。
そこで本記事では出願条件や試験内容も交え、早稲田大学・特別選抜入学試験の特徴を解説します。試験で重視されることや対策法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、早稲田大学における総合型選抜の全体像を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
情報まとめ【試験内容から対策方法まで】.png)
- 理工分野における高い知識と実績が必要
- 出願できれば高確率で合格できる
- 選考は書類選考と面接試験のみ
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早稲田大学の特別選抜入試とは?
早稲田大学・特別選抜入試とは、先進理工学部が実施する総合型選抜入試です。
特別選抜入試では、早稲田大学独自の入試を受ける必要がありません。書類選考と面接試験のみ突破できれば合格できるのが特徴です。
学力試験はありませんが、出願には高い学力があることの証明が必要です。特徴的な制度を設けている入試なので、まずは概要を把握していきましょう。
なお、早稲田大学の特別選抜入試には以下の入試方式が用意されています。選択する入試方式によって出願条件が異なるので、出願の参考にしてください。
入試方法 | 出願条件 |
---|---|
数学オリンピック入試 | 下記いずれかの条件を満たす者 ・過去の「日本数学オリンピック」において、予選合格(Aランク)した者 ※ただし、2021年(第31回)以降に、オンライン試験で実施された日本数学オリンピックの予選の結果 は受付不可 ・2021 年(第31回)以降で、予選をオンライン試験とした日本数学オリンピックの本選において、金賞、銀賞、銅賞、優秀賞のいずれかを受賞した者 |
化学グランプリ入試 | 下記いずれかの条件を満たす者 ・過去の「全国高校化学グランプリ」一次選考において、上位10%以内の成績を修めた者 ただし、2020年以降に、オンライン試験で実施された化学グランプリの一次選考の結果 は受付不可 ・2020年以降で、一次選考をオンライン試験とした化学グランプリの二次選考において、大賞、金賞、銀賞、銅賞のいずれかを受賞した者 |
情報オリンピック入試 | 過去の「日本情報オリンピック」本選において、Aランクとなった者 |
高校生・高専生科学技術チャレンジ入試 | 過去の「高校生・高専生科学技術チャレンジ(「高校生科学技術チャレンジ」を含む)」において、文部科学大臣賞・科学技術政策担当大臣賞・科学技術振興機構賞のいずれかを受賞した者 (個人受賞に限る) |
日本学生科学賞入試 | 過去の「日本学生科学賞」高校の部において、内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞・環境大臣賞・科学技術政策担当大臣賞・全日本科学教育振興委員会賞・読売新聞社賞・科学技術振興機構賞・日本科学未来館賞・読売理工学院賞・旭化成賞のいずれかを受賞した者 (個人受賞に限る) |
日本生物学オリンピック入試 | 過去の「日本生物学オリンピック」(旧「全国生物学コンテスト 生物チャレンジ」、「日本生物学オリンピック2020代替試験」含む)において、金賞・銀賞・銅賞を受賞した者 |
物理チャレンジ入試 | 過去の「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」において、金賞・銀賞・銅賞を受賞した者 |
2学科のみ募集あり
2026年度の早稲田大学・特別選抜入試で募集があるのは応用科学科と生命医科学科です。
入試の年度によって募集している学科は異なりますが、特別選抜入試の入試要項によれば2026年度は2学科のみです。
【2026年度特別選抜入試 募集状況一覧】
学科名 | 募集有無 | 募集人数 |
---|---|---|
応用化学科 | 〇 | 若干名 |
生命医科学科 | 〇 | 若干名 |
物理学科 | × | – |
応用物理学科 | × | – |
化学・生命化学科 | × | – |
電気・情報生命工学科 | × | – |
各学科の募集人数は「若干名」とされています。合格は狭き門になるため、入念に準備して試験に備えましょう。
出願条件は理工科目において優れた能力があること
「理工科目において高い能力があることの証明をすること」が早稲田大学・特別選抜入試の出願条件です。
選択する入試方式によって詳細は異なりますが、いずれも出願するためには高いレベルでの知力を示さなければなりません。数学オリンピックや化学グランプリなど、学校の授業で学ぶ内容以上のハイレベルな学力を競う場における実績が必要となります。
突出して興味がある科目や得意な分野がある場合には、率先してチャレンジして実力を証明しておくのがおすすめです。実績を積んでおくことで、特別選抜入試を利用するなど進路の幅を広げることにつながります。
出願できれば合格の可能性は高い
早稲田大学・特別選抜入試は出願条件をクリアできれば、合格の可能性が高い入試方式です。上述した通り、特別選抜入試にチャレンジするためには厳しい出願条件をクリアしなければなりません。
指定されている条件をクリアできるのは、全国にいる受験生のうちのほんの一握りの学生です。そのため、たとえ受験資格がある人が全員受験したとしても、ライバルの母数が極端に少ないため倍率は自然と低くなります。
【早稲田大学先進理工学部 入試倍率】
入試方法 | 2025年度倍率 | 2024年度倍率 |
---|---|---|
特別選抜入試(化学グランプリ) | 1.3 | 1.0 |
特別選抜入試(生物学オリンピック) | 1.0 | – |
一般選抜 | 4.0 | 3.5 |
実際に、過去の入試倍率をすると倍率は1.5倍以下です。一般入試と比較すると明らかに低い倍率となっているため、出願さえできれば合格しやすい入試方式といえるのです。
大学ごとの総合型選抜における倍率をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

早稲田大学・特別推薦入試の試験内容
早稲田大学・特別選抜入試の試験内容は、下記2つの選考に分かれています。
各選考の特徴を詳しく解説します。
なお、2026年度の早稲田大学・特別推薦入試の選考は下記のスケジュールで行われます。
第一次選考(書類選考)出願書類郵送期日 | 9月25日(木)~10月2日(木) |
第一次選考合格発表 | 11月6日(木) |
第二次選考(面接試験) | 11月22日(土) |
最終合格発表 | 12月4日(木) |
第一次選考(書類選考)
第一次選考は書類による選考です。提出書類が多くあるため準備に時間と労力がかかりますが、合否判定に直結するため丁寧に取り組みましょう。
合格するには誤字脱字がなく、大学側の指示に沿った書類になっているかを確認したうえで提出することが大切です。他の受験生と差がつきやすい志望理由書は特に力を入れて作成しましょう。
合格者には第二次選考の案内が届き、次の選考に進めます。
第二次選考(面接試験)
第二次選考は面接による試験です。
試験日 | 11月22日(土) |
会場 | 西早稲田キャンパス |
集合時間 | 11月7日(金)までにメールにて案内あり |
もちもの | 受験票 |
試験当日は、忘れずに受験票を携帯してください。受験票を忘れたり紛失した場合は、試験当日の 集合場所で係員に申し出て再交付を受けなければなりません。
受験票を再交付する場合、発行までに時間がかかります。万が一に備えて、会場には時間に余裕を持って到着しておきましょう。
早稲田大学・特別選抜入試の出願に必要な書類
ここからは早稲田大学・特別選抜入試の出願に必要な書類を、5つにまとめて紹介します。
特別選抜入試に必要となる出願書類一式を市販の封筒(A4サイズ・角型2号)に封入し、郵便窓口から「簡易書留便」で送付します。送付する封筒には表面に「特別選抜入学試験」願書 在中 と忘れずに朱書きしてください。
入学志願票
入学志願票は、特別選抜入試の出願に必要な書類の一つです。
入学志願票は早稲田大学にて所定の用紙が設けられています。空欄を残すことがないように、各欄に必要な情報を記載しましょう。

添付する写真は、出願時から3ヶ月以内に撮影したカラー写真のみ有効です。縦4cm×横3cmのサイズでの証明写真を用意しましょう。裏面には氏名を記入し、所定欄に全面糊付けしてください。
なお、入学手続時には出願時と同じ写真のデータ版が必要です。あらかじめデータ版も取得し、保管しておきましょう。
また、入学検定料をコンビニエンスストアから支払った場合には「入学検定料 収納証明書」の添付が必要です。忘れずに貼り付けたうえで出願してください。
志望理由書
志望理由書も、特別選抜入試の出願に必要な書類の一つです。
入学志願書と同様に早稲田大学にて所定の用紙が設けられています。Webサイトに用意されている表紙と原稿用紙をダウンロードして印刷してください。書類作成の方法は、直筆もしくはパソコン入力です。ただし、パソコン入力の場合でも表紙は直筆と定められているので注意しましょう。


志望理由書には以下の3つの内容を含めるように指定されています。
- 先進理工学部への入学を希望する理由
- 志望学科に進学を希望する理由
- 将来の進路
上記3点について自分の考えをまとめた文書を執筆します。文字数は2,000 字以内です。書類作成を終えたら、表紙と原稿用紙をまとめて提出します。左上1箇所を忘れずにホチキス留めしてください。
総合型選抜における志望理由書の特徴や書き方をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

出願資格を証明する書類
出願資格を証明する書類も、特別選抜入試の出願に必要となります。
出願資格を証明する書類とは、各入試における出願条件を満たしていることがわかる賞状などの証明書のことです。
具体的には、入試方式に合わせて以下のいずれかを提出する必要があります。
【出願資格を証明する書類】
入試名 | 必要な書類 |
---|---|
数学オリンピック入試 | ・「日本数学オリンピック」で予選合格したことを証する「Aランク証」 ・予選がオンライン試験となった実施回の「日本数学オリンピック」本選において、金賞、銀賞、銅賞、優秀賞のいずれかを受賞したことを証するもの |
化学グランプリ入試 | ・「全国高校化学グランプリ」一次選考の成績を示すもの ・一次選考がオンライン試験となった実施回の「全国高校化学グランプリ」二次選考において、大賞、金賞、銀賞、銅賞のいずれかを受賞したことを証するもの |
情報オリンピック入試 | 「日本情報オリンピック」本選において、Aランクを証する書面 |
高校生・高専生科学技術チャレンジ入試 | 「高校生・高専生科学技術チャレンジ(高校生科学技術チャレンジ)」における受賞を証するもの ・文部科学大臣賞 ・科学技術政策担当大臣賞 ・科学技術振興機構賞 |
日本学生科学賞入試 | 「日本学生科学賞」高校の部における受賞を証するもの ・内閣総理大臣賞 ・文部科学大臣賞 ・環境大臣賞 ・科学技術政策担当大臣賞 ・全日本科学教育振興委員会賞 ・読売新聞社賞 ・科学技術振興機構賞 ・日本科学未来館賞 ・読売理工学院賞 ・旭化成賞 |
日本生物学オリンピック入試 | 「日本生物学オリンピック」(旧「全国生物学コンテスト 生物チャレンジ」、「日本生物学オリンピック2020代替試験」含む)において、金賞・銀賞・銅賞を受賞したことを証するもの |
物理チャレンジ入試 | 「全国物理コンテスト 物理チャレンジ」において、金賞・銀賞・銅賞を受賞したことを証するもの |
なお、提出した原本の返送を希望する場合は「返送の旨を記載した文書」の同封が必要です。
卒業もしくは卒業見込み証明書
卒業もしくは卒業見込み証明書も、特別選抜入試の出願に必要な書類の一つです。
ただし、2025年7月1日以降に発行されたものに限られます。提出前に発行日を確認しておきましょう。
対象者 | 用意する書類 |
---|---|
高等学校または中等教育学校卒業者(見込者)および高等専門学校3年修了者(見込者) | 出身学校長が作成する調査書 ※開封されたものは無効 |
外国における12年の課程を修了した者(見込者) | ・修了(見込)証明書 ・成績証明書 ・日本の高等学校在学中の調査書 (日本の高等学校にも在学した場合のみ) |
高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定を含む)の合格者 | 合格成績証明書 |
高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定を含む)の合格見込者 | 合格見込成績証明書 |
高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者(見込者) | ・修了(見込)証明書 ・成績証明書 ・出身学校長が作成する調査書 調査書がある場合は修了(見込)証明書。成績証明書の提出不要 |
申込内容照会結果
申込内容照会結果も、特別選抜入試の出願に必要な書類の一つです。
申込内容照会結果とは、検定料の支払いが完了していることを証明する書類です。
支払い終了後「申込内容照会」にアクセスし、「申込内容照会結果」を印刷してください。他の出願書類と同様に封入して提出しましょう。
【2026年度早稲田大学・特別選抜入試 第一次選考検定料】
金額 | 1万円 |
支払期間 | 9月25日(木)~10月2日(木) |
出願までに入学検定料の納入を終えていることが受付条件として掲げられています。必ず出願前に費用の納入を済ませましょう。
早稲田大学の特別選抜入試で重視されること
早稲田大学の特別入試で重視されるのは、アドミッションポリシーとして掲げている学力や知力、学びへの意欲びへの意欲を持っているかどうかです。
早稲田大学では特別推薦入試で重視しているポイントをアドミッションポリシーとして公表しています。
早稲田大学・特別選抜入試で求めているのは、以下のような力を持っている学生です。
- 基礎学力(知識・技能・思考力・判断力・表現力および自ら学ぼうとする主体性)を十分に身につけている
- 論理的な思考ができる
- 意欲的な姿勢がある
- 異なる文化で学んできた学生との交流を可能とする高い英語能力がある
- 理工系科目において極めて優れた能力がある
アドミッションポリシーから、早稲田大学・先進理工学部では高い知力と専門知識、学ぶ意欲がある学生を求めていることがわかります。書類審査で確かな学力を示したうえで、面接試験では意欲や論理的思考力をアピールしましょう。
総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【試験別】早稲田大学・特別選抜入試の対策方法
特別選抜入試は出願条件を満たしていても確実に合格できる保証はありません。各試験に適した対策が必要です。
そこでここからは次の試験別に、早稲田大学・特別選抜入試の対策方法を解説します。
書類審査
書類審査の合格を目指すために、他の受験生と差がつきやすい「志望理由書」の対策に力を入れましょう。
「志望学科で何を学びたいのか」「大学で得た知識を将来にどう生かしたいのか」といったポイントについて、きちんと筋道を立てながら文章をまとめることが大切です。
また、文章を作成する前に、教授の研究や志望学科で学べる内容、アドミッションポリシーをしっかり調べて情報収集しておきましょう。調べた内容と自分の希望を結びつけながら執筆できると、説得力と個性が表現できます。
さらに、提出前には第三者のチェックを受けるのがおすすめです。書類における誤字脱字の有無、表現の適切さを第三者に確認してもらったうえで出願しましょう。
面接試験
面接試験の対策方法として有効なのは、模擬面接を実施して対応力を高めることです。
面接試験では、専門知識だけでなく受験者の考え方や人柄も見られます。出願書類の内容を基に質疑応答が行われるため、あらかじめ書類の内容を確認しておきましょう。
具体的な対策方法としては、第三者に志望理由書に書かれている内容に沿って深掘り質問をしてもらうのがおすすめです。実践形式の模擬面接を通して、さまざまな角度からの質問にも堂々と対応できる力がつきます。複数の人に練習相手として協力してもらい、フィードバックが受けられると効果的です。
書類に書いた内容を整理しながら自分なりに考えを深め、学部学科に関連する知識や時事的な話題にも対応できるように準備しておきましょう。
総合型選抜における面接試験の具体的な対策方法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
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まとめ
この記事では、早稲田大学における特別選抜入試の受験情報や対策方法について解説しました。
特別選抜入試では、理系科目において高い学力を示すための出願条件が設けられています。例年合格者は若干名ですが、出願条件を満たせる人が少ないため倍率が低い入試です。出願条件をクリアしているのであれば、受験を検討してみてください。
ただし、合格しやすいといっても全員が合格できるわけではありません。記事の中で紹介した対策方法を参考に、入念に準備したうえで試験に臨みましょう。