総合型選抜のアドミッション・ポリシーとは?重要性と書類への反映方法

総合型選抜のアドミッション・ポリシーとは?重要性と書類への反映方法

この記事では重要性や書類への反映方法も交え、総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーの特徴を解説します。

「総合型選抜に重要って聞くけど、アドミッション・ポリシーって何?」
「アドミッション・ポリシーがわかっていると、試験に受かりやすくなるのかな?」

総合型選抜試験にアドミッション・ポリシーは重要」そんな話は聞くものの、実際にどういう意味なのか、あいまいな人は多いですよね。

アドミッション・ポリシー(大学が求める人物像)に合致しているかは、総合型選抜試験の合否に大きく影響します。

そこで、本記事では総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーとは何かを、重要性も交えて解説します。アドミッション・ポリシーの例や試験でアピールするコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • アドミッション・ポリシーとは、大学側が求める学生像を示した指針
  • 総合型選抜において、アドミッション・ポリシーと学生のマッチ度が重要
  • 志望理由書や面接は、対策やコツが必要

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目次

総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーとは?

総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーとは、大学側が求める学生像を具体的に示した指針です。アドミッション・ポリシーは、学部や学科ごとに定められており、大学が求めている学生像を知るヒントになります。

文部科学省や一橋大学では、アドミッション・ポリシーを次のように定義しています。

各大学が、当該大学・学部等の教育理念、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ、入学者を受け入れるための基本的な方針であり、受け入れる学生に求める学習成果(学力の3要素※)を示すもの。
※(1)知識・技能,(2)思考力・判断力,表現力等の能力,(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

引用:文部科学省

※ディプロマ・ポリシー
各大学がその教育理念を踏まえ、どのような力を身に付ければ学位を授与するのかを定める基本的な方針であり、学生の学修成果の目標ともなるもの。

引用:文部科学省

※カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーの達成のために、どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施するのかを定める基本的な方針。

引用:文部科学省

3つのポリシーは大学側がどのように教育を行っていくのかを明示したものです。すべてを正しく理解することで、大学側が求める人物像を明確にできます。

このように、総合型選抜において、このポリシーに合致するような、主体性や問題解決能力、コミュニケーション能力などを備えた人材が求められます。

総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーの重要性

大学が定めた基準に合致する学生を選びやすい点で、総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーは重要です。

学生側の「将来学びたいことの実現」と大学側の「未来を切り拓く人材を育成する教育実現」の人物像が合致すれば、合格率は高くなります。また、AO入試のAはアドミッション・ポリシーのAです。

このことからも、アドミッション・ポリシーが総合型選抜において重視されていることが分かります。なお、文部科学省は教育改革に向けて下記3つのポリシーを重視しています。

総合型選抜におけるアドミッション・ポリシーの重要性
出典:文部科学省

文部科学省の方針により、全大学でアドミッション・ポリシーが定められています。

このため、総合型選抜において、各大学が求める人物像を具体的に示したアドミッション・ポリシーが、重要となっています。

【学校別】総合型選抜におけるアドミッション・ポリシー例

ここからは、次の学校別に各大学のアドミッション・ポリシー例を紹介します。

  • 私立大学
  • 国公立大学

私立大学

大学名・学部アドミッション・ポリシー
早稲田大学
政治経済学部
政治経済学部は、早稲田大学の校旨である『学問の独立』の教育理念のもと、高い基礎学力を持ち、かつ知的好奇心が旺盛で、本学の理念である進取の精神に富む、勉学意欲の高い学生を、わが国をはじめ世界から多数迎え入れる。
慶應義塾大学
理工学部
理工学部では、その教育・研究理念に沿って、未知の領域に挑戦する強い意志と、深い洞察力と豊かな創造力をもち、幅広く国際教養を身につけ、これからの日本と国際社会を先導すべき優れた人材の育成を目標としており、これに応えることができる、意欲ある学生諸君の入学を歓迎します。
明治大学
総合数理学部
直感では理解できない複雑性に富んだ問題を抱える現代社会において,“モノや構造を支配する原理”を見出す数理科学を用いて,自然や社会,人間に対して新たな価値を生み出し,大きな変化(イノベーション)をもたらすことができる人材が求められています。
同志社大学
文化情報学部
文化情報学部は、文化に関する確かな情報が社会問題の解決において枢要であることを理解し、課題の解決のために実践的にデータを利活用する学問としての「データサイエンス」の方法論に基づいて、新たな価値を析出・創造できる人物を養成することを目的としています。そのために、次のような学生を求めています。

どの私立大学も、学力だけでなく主体性や創造性、問題解決能力を持った人材を求めています。

加えて、次に紹介する大学でも、それぞれの学部で求められる専門知識やスキルを用いて、社会貢献できる人材育成を掲げていることが分かります。

国公立大学

大学名・学部アドミッション・ポリシー
北海道大学学士課程においては、世界における市民としての自覚をもって社会に参加できること、専門の基礎となる学問やコミュニケーションの方法を身につけること、専門分野を広い視野の下に学ぶことを目指した教育を進めています。それを通じて、国際的に通用する高度な学問的素養をもち、健全な市民として的確な判断力とリーダーシップを発揮できる人材の育成を目指しています。
横浜国立大学
経営学部
消費者や企業等の経済活動に関心を持つとともに、社会において解決すべき課題を自ら発見する意欲を有している人。
経営学、会計学、マーケティング、オペレーション・マネジメント、ファイナンスといった分野で学習した内容を社会的な課題の分析、および、解決策の導出に生かしたいと考えている人。
創造的かつ独創的な視点に立ち、社会的課題の解決までの道筋を見出すとともに、その実行に向けて、周囲の人々と共に目標を達成する協調性を備えている人。
武蔵野大学武蔵野大学は、教育基本法及び学校教育法に準拠し、かつ、仏教精神を根幹として学識、情操、品性ともにすぐれた人格を育成するとともに、学問の研究を深め、世界の平和と人類の幸福に寄与することをもって目的とします。
名古屋大学
文学部
文学部では、養成する人材像とディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーを踏まえ、「人文学分野の研究に取り組むのに必要な基礎的な学力を備え、人間の営為としての言語・文化・歴史に深い関心を持ち、社会・環境など現代社会が抱える諸問題を考えることに意欲がある人」を入学者として選抜します。
九州大学
共創学部
国立大学法人九州大学では、本学教育憲章の理念と目的を達成するために、高等学校等における基礎的教科・科目の普遍的履修を基盤とし、大学における総合的な教養教育や専門基礎教育を受け、自ら学ぶ姿勢を身に付け、さらに進んで自ら問いを立て、創造的・批判的に吟味・検討し、他者と協働し、幅広い視野で問題解決にあたる力を持つアクティブ・ラーナーへと成長する学生を求めている

各大学が共通して求めているのは、学力や主体性、問題解決能力、コミュニケーション能力、そして広い視野を持った人材です。

特に、現代社会が抱える複雑な問題に対して、自ら考え行動し、社会に貢献できる人材を育成したい意欲が見られます。

総合型選抜の志望理由書にアドミッション・ポリシーを記載するポイント

総合型選抜の志望理由書では、「この大学に入りたい」と書くだけでは不十分です。アドミッション・ポリシーを理解し、自分の経験や考えと結びつけることで、説得力のある文章を作成できます。

試験官が注目するのは、文章力と言語化力、そしてエピソードです。巧みな言葉遣いや構成力はもちろん大切ですが、それ以上に、個性や熱意が伝わるエピソードを具体的に記述することが重要です。

アドミッション・ポリシーの記載例「自分の経験と結びつける例」

高校の〇〇部で、〇〇という活動を行った際、〇〇という困難に直面しました。この経験を通して、私は〇〇という能力を身につけました。貴大学の〇〇学部で学び、この能力をさらに伸ばし、将来は〇〇を実現したいと考えています。その理由は、アドミッション・ポリシーに〇〇の方針があったためです。

これはあくまでも一例なので、必ず学校や塾の先生に相談しながら作成してください。大学によって、記載方法などが異なるケースがあるためです。

エントリーシートの書き方について詳しく知りたい人は、次の記事もご覧ください。

総合型選抜の面接試験でアドミッション・ポリシーを伝えるコツ

総合型選抜の面接試験でアドミッション・ポリシーを伝えるコツは、「なぜその学部を選んだのか、そしてその学部で何を学びたいのか」という点を具体的に順を追って説明することです。

面接試験では、志望学部への深い理解を示すことが求められます。特に、大学のアドミッション・ポリシーは、その学部が求める学生像を明確に示しています。そのため、面接官は、あなたがそのポリシーにどれだけ共感し、自分の目標と結びつけているかを評価します。

アドミッション・ポリシーのどこに興味を持ったか」という質問に対しては、単にポリシーを引用するのではなく、その言葉から何を学び、どのように自分の考えと結びつけたのかを具体的に説明してください。

まとめ

総合型選抜は、大学が求める学生像であるアドミッション・ポリシーに合致する人材を選抜する入試方式です。

志望理由書や面接では、その大学の教育理念や求める人物像を理解し、自分の経験や目標と結びつけて説明することが大切です。大学・学部ごとのアドミッション・ポリシーを理解し、自分の言葉で表現することで、合格に近づけます。

最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています。

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この記事を書いた人

ゆーまのアバター ゆーま Webライター

【プロフィール】
同志社大学理工学部を卒業後、2020年に新卒で入社したIT企業にて、コンテンツ企画・制作、SEO分析などを担当。現在はSEO担当者として働きながら、副業で教育系メディアを中心にWebライターとして活動中。読者の悩みを解決できるような、丁寧で分かりやすい記事執筆を心がけています。
【専門分野】
教育

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