この記事では応募から合格発表までの時系列順に、総合型選抜のスケジュールを紹介します。
「総合型選抜はどんなスケジュールで進めていけばいいんだろう?」
「いつ出願すればいいのかな?」
総合型選抜を受験しようと考えているものの、出願や入試時期など、大枠のスケジュールがあいまいな人は多いですよね。
スケジュールをあいまいなまま把握していては、いつの間にか出願時期が過ぎ「ちゃんと調べておけばよかった…」と後悔しかねません。
そこで、本記事では時系列順に総合型選抜のスケジュールをわかりやすく解説します。合格に向け、どのように動けばいいのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 総合型選抜の主なスケジュールは4~11月ごろまで
- 4~8月頃は志望校の情報収集と受験対策を行う期間
- 9月出願→10月入試→11月以降で合格発表の流れ
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総合型選抜のスケジュール【出願から合格発表まで】
一般的な総合型選抜のスケジュールを下記にまとめました。
・パンフレットを見たりオープンキャンパスに参加したりすることで、総合型選抜の情報を集める。
・入試要項を確認する。
・志望理由書などの提出が求められる。
・受験料を添えて申し込む。(国公立大学:約1万7,000円,私立大学:約3万円)
・試験内容は大学により異なる。
・複数回の選考が行われる大学もある。
・総合型選抜に合格すると基本的に辞退できないため、指示に沿って入学手続きを進める。
・不合格の場合、一般入試を検討する。
総合型選抜に向けては、高校3年生の春ごろから動き始めることが一般的です。他の入試方法に比べて、出願や合格発表など全体的にスケジュールが早いのが特徴です。
総合型選抜で合格するためのスケジュール
総合型選抜における大枠のスケジュールをおさえたところで、ここからは次の時系列順に、合格に向けた動き方を解説します。
【4~8月頃】志望校の情報収集と対策
高校3年生の4~8月頃は、志望校の情報収集と受験対策を行う期間です。それぞれの大学の特徴をつかみ、過去の総合型選抜の様子を参考にしながら準備できるとよいでしょう。
まずは、そもそも、志望する大学・学部で総合型選抜が実施されているかどうかを確認します。総合型選抜を導入する大学は年々増えていますが、自分の行きたい学部で実施されているとは限りません。
パンフレットや募集要項を見たり、オープンキャンパスに参加したりして情報を集めましょう。
また同時に、試験の内容を把握しておく必要があります。いずれも、不明点がある場合は、高校の先生に尋ねたり大学に問い合わせることで確認できます。
志望大学で総合型選抜が実施されていることがわかれば、試験対策開始です。対策は、受験する大学の総合型選抜の試験内容に合わせて行いましょう。
一般的に、国公立大学では事前に提出した書類や学力を重視する傾向にあります。一方、私立大学ではプレゼンテーションや面接といった、対話を重視する傾向にあります。
総合型選抜の試験内容を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
【9月~】出願時期
多くの大学で、9月頃から出願がスタートします。
このとき、出願に条件が設定されている大学があるため、注意が必要です。出願の条件を含め、この時期までに情報収集しておけると安心です。
具体的な条件としては、「オープンキャンパスに参加している」「評定平均が〇〇以上」などが挙げられます。たとえば、慶応義塾大学文学部の総合型選抜の出願条件は、このようになっています。
- 本学を第一志望とし、合格した場合に入学を確約できる者
- 高等学校等を卒業・修了見込みの者
- 高等学校全期間の調査書の学習成績状況(評定平均)が、4.1以上の者
参考:慶応義塾大学文学部 2025年度 文学部自主応募制による推薦入学者選考 募集要項
総合型選抜は「学力以外も評価する」「誰でも出願できる」というイメージを持つ方が多いでしょう。しかし実際には、高校3年間の学習状況を重視する大学もあります。
出願条件にも関わる、総合型選抜の受験に必要なものを詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
【10月~】入試時期
10月以降、入試が始まることが一般的です。
文部科学省は、総合型選抜の入試方法や評価方法を以下のように想定しています。
詳細な書類選考と丁寧な面接などを組み合わせ、志願者の能力、適正、意欲、目的意識を総合的に評価・判定する。
引用:文部科学省 令和7年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告
「総合的な評価・判定の方法」は、大学によって実に多様です。書類選考に加え、小論文試験と面接が実施されることが一般的です。しかし中には、プレゼンテーションや実技試験が実施されたり、保有資格や検定が評価されたりすることもあります。
また学力試験を導入している大学では、大学共通テストの結果を合否の基準に用いることがあります。この場合、入試時期が秋以降となることも珍しくありません。
総合型選抜の学力試験について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
【11月~】合格発表
10月頃入試を終えると、11月以降に合格発表があります。
合格の知らせを受けたら、速やかに入学手続きを進めましょう。多くの場合、このタイミングで入学金の納付が求められます。
総合型選抜とは、基本的に合格後の辞退ができない試験です。合格後は必ず入学することが定められているのが一般的であるため、合格すれば受験終了となります。
【12月~】合格発表後の過ごし方
合格後は、入学予定者に向けた課題が出されることがあります。
提出期日までに課題を終えると同時に、残りの高校生活も気を緩めることなく勉学に励んでおけると安心です。「単位が足らず高校を卒業できなかった」といったことがないよう注意しましょう。
総合型選抜で合格する5つのコツ
ここからは、総合型選抜に合格するコツを、5つにまとめて紹介します。
- オープンキャンパスに参加する
- アドミッションポリシーを理解する
- 評定を上げておく
- アピールできる強みをもつ
- 面接や小論文の練習をする
オープンキャンパスに参加する
志望校のオープンキャンパスには積極的に参加しましょう。なぜなら、総合型選抜で合格するためには、志望校についてよく知ることが必須だからです。
面接で志望動機を問われたとき、下調べなしで明確な動機を答えるのは困難でしょう。他大学にはない、志望校ならではの魅力が語れるようにしておけると安心です。
また、オープンキャンパスへの参加が出願の条件となっているケースもあります。適切に情報収集できていなければ受験自体が難しくなってしまうことがあるため注意が必要です。
オープンキャンパスへの参加は、入学後の生活をイメージするのにも役立ちます。カリキュラムはもちろん、立地や通学距離を知ることができれば進路への不安軽減に繋がるでしょう。
アドミッションポリシーを理解する
総合型選抜で合格するためには、アドミッションポリシーの理解が必要です。
アドミッションポリシーとは、各大学が定める入学者の受け入れ方針です。大学側は、アドミッションポリシーを設定することで、志願者に求める能力や人物像を伝えています。つまり、志願者はアドミッションポリシーに当てはまる人物でなくてはなりません。
アドミッションポリシーと自分の現状がかけ離れていると、入学後の生活が困難になることも想定されます。志望する学部ではどのような人物が求められているのか確認し、不足している部分は補えるよう努めましょう。
総合型選抜におけるアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
評定を上げておく
総合型選抜の受験にあたって、評定を上げておきましょう。
総合型選抜の中には、評定平均が出願や選考の基準になることがあります。大学に求められている評定を上回っていなければ、そもそも出願できないケースもあるのです。
評定平均は、日々の定期テストや出席状況など、学校生活を総合的に判断して決まります。
受験の際は、高校2年間ないし高校3年生の1学期終了時点での評定がみられることが一般的です。受験直前だけでなく高校生活すべてにおいて地道な努力を積み重ねられたかどうかが重要となります。
早い段階で総合型選抜を検討しているのであれば、評定を上げられるよう日々の学校生活に努めましょう。
上げ方を含め、総合型選抜試験の合格に必要な評定の目安を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
アピールできる強みをもつ
総合型選抜の受験までに、アピールできる強みを持ちましょう。
総合型選抜は学力だけでなく、志願者の意欲や目的などさまざまな面を総合的に評価する試験です。意欲や入学の動機を明確にアピールできれば、それだけ強みになります。
何を学びたいかはもちろん、部活に励んだ経験や保有資格・検定をアピールできるとよいでしょう。現状、それらがないのであれば、今からでもできることや他者にはない自分の強みを見つけておきましょう。
総合型選抜における資格の重要性を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
面接や小論文の練習をする
総合型選抜では面接や小論文試験の実施が一般的であるため、これらの練習は必要不可欠です。
どちらも高校生ではなかなか経験の少ないものですよね。小論文のコツや面接できちんと話せることは一朝一夕で身につくものではないため、練習が鍵となります。
ハードルの高い試験ではありますが、デメリットばかりではありません。
小論文や面接は、学力試験では伝えられない熱意や意欲を直接伝えられる絶好の機会でもあります。これこそが他の入試にはない、総合型選抜ならではの魅力といえます。
総合型選抜に関するQ&A
最後に、総合型選抜への疑問にまとめて回答します。
- 総合型選抜は必ず受かる?
- 総合型選抜は複数校受けられる?
- 総合型選抜はどんな生徒に向いている?
- 総合型選抜と部活動は両立できる?
- 総合型選抜と他の入試の違いは?
- 総合型選抜で不合格になったら?
総合型選抜は必ず受かる?
総合型選抜は、必ず受かる入試ではありません。
なぜなら、受験することでほぼ合格が確約されている指定校推薦とは異なり、実は意外と倍率が高いのです。2023年度における倍率は、国公立大学で2.5倍、私立大学で1.8倍となっています。
総合型選抜の狭き門を突破するには、合格のコツを網羅しておけるとよいでしょう。総合型選抜の難易度や合格率を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
参考:河合塾 Kei-Net 学校推薦型・総合型選抜の概況
総合型選抜は複数校受けられる?
総合型選抜では、複数校受験である併願はできない仕組みとなっています。
総合型選抜は、専願受験が基本です。専願受験とは、合格後は必ず入学することを条件に願書を提出する試験を指します。
総合型選抜を受ける際は、試験対策に割く時間をどう捉えるかが重要です。万が一不合格だった場合、それだけ次の試験対策に使える時間が短くなってしまいます。
合格だけでなく、不合格の場合も想定して受験を検討しておく必要があります。
総合型選抜試験の併願が可能な大学を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
総合型選抜はどんな生徒に向いている?
総合型選抜は、学力があり、自分で自分の魅力をアピールできる志願者に向いています。
総合型選抜は志願者が持つ能力だけでなく、個性や大学入学後の目標を総合的に評価する試験です。そのため、大学での学びに意欲的で目標がはっきりしている志願者を好むとされています。
これは、学力だけでは入学が難しい大学でも、熱意があれば学べるチャンスがあるということです。目標が明確で、自分の意欲や魅力を押し出す力があれば、トライしてみる価値があるといえるでしょう。
総合型選抜と部活動は両立できる?
総合型選抜と部活動は両立できないわけではありません。入試中に部活動に所属していてはいけないという決まりもありません。
ただし、入試を最優先に部活動の日程を組んだり考慮したりといった工夫が必要となる場面は想定されます。総合型選抜のために、部活動を後回しにしなければならない場面も出てくるかもしれません。
たとえば「高校3年生の夏に引退試合がある」といった場合、総合型選抜対策の時期と被ってしまいます。うまく両立できればよいですが、心身の負担は大きなものとなるでしょう。
そのため、ときには自分のキャパシティと向き合ったり、他の受験方法を検討したりする必要があります。
総合型選抜と他の入試の違いは?
総合型選抜が自己推薦であるのに比べ、学校推薦型選抜は高校が大学に志願者を推薦する入試方法です。出願にあたっては、校長からの推薦や一定の評定平均などの条件があります。
指定校推薦は、大学側からの推薦枠に適任な志願者を高校が推薦する入試方法です。受験後の合格率は極めて高く、基本的に落ちる心配はありません。
ただし、志望する学部に推薦枠があるか、推薦枠がいくつあるかは年によって変動するため注意が必要です。これらの推薦や評定平均などは関係なく、当日の学力試験によって決まるのが一般入試です。
なお、総合型選抜試験と学校推薦型選抜の違いを詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
総合型選抜で不合格になったら?
総合型選抜で不合格になった場合、主に一般入試で再チャレンジすることになります。
受験するのは総合型選抜を受けた大学でも、他大学でも構いません。なお、一般入試は併願(複数校受験)も可能です。
総合型選抜の合否が判明する頃には、他の推薦入試の締め切りは終了している場合がほとんどです。倍率を考えると総合型選抜で不合格になる可能性は十分あり、そのときに備えた対策をしておけると安心です。
総合型選抜だからといって学習を怠るのではなく、一般入試を受ける気持ちで準備できておくとよいでしょう。
総合型選抜のスケジュールに関するまとめ
本記事では、総合型選抜のスケジュールを詳しく解説するとともに、合格のコツについてお伝えしました。
自分の魅力を存分にアピールしたい志願者にとって、総合型選抜はぴったりな入試です。学力だけではなく、意欲や熱意を伝えるチャンスでもあります。
事前の対策はもちろんのこと、万が一の不合格に備えて準備しておけるとよいでしょう。