
「上智大学のTEAPスコア利用方式ってどんな試験なんだろう?」
「他の試験より合格するのが難しかったりするのかな…」
上智大学における特別入試(総合型選抜試験)の一つとして実施されているTEAPスコア利用方式。本試験で上智大学に合格しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
ただ、大学の公式サイトを見ても詳細がわからず、どう受験対策を進めればいいのかわからない人もいるはず。
出願条件や選考方法など、他の入試と毛色が異なるため、TEAPスコア利用方式の合格には特徴をおさえた対策が不可欠です。
そこで本記事では、上智大学におけるTEAPスコア利用方式の特徴を解説します。合格者の体験談や対策法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※上智大学において「特別入試」は総合型選抜試験を指しています。
なお、上智大学における総合型選抜の全体像を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

- 複数の学部・学科と併願できる
- 合格には300点以上のTEAP得点が必要
- 一部の学部・学科では面接も実施している

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上智大学のTEAPスコア利用方式とは?
上智大学におけるTEAPスコア利用方式とは、事前に受験したTEAPもしくはTEAP CBTの得点(スコア)と上智大学の英語を除く教科・科目試験の結果結果で総合的に合否を判定する入試方式です。
上智大学の入試には全学部・学科で英語が課されていますが、英語試験の代替としてTEAPもしくはTEAP CBTのスコアが利用できます。
TEAPとは、上智大学と公益財団法人・日本英語検定協会が共同開発した英語検定試験です。大学で学ぶために必要となる英語力の有無を「読む・聞く・書く・話す」の4技能で測定しています。
TEAPの難易度は「英検の準2級~準1級程度」とされており、高いスコアを取るには相応の英語力が必要です。下表のとおり、他試験とスケジュールも異なります。
出願期間 | Web出願:2026年1月5日(月)~1月22日(木) 書類送付:2026年1月23日(金)消印有効 |
学科試験日 | 2026年2月6日(金) |
学科試験の合格発表日 | 2026年2月14日(土) ※面接がある学部・学科のみ |
面接日 | 2026年2月19日(木) |
最終合格発表日 | 2026年2月17日(火) |
入学手続締切日 | 2026年3月16日(月) |
TEAPスコア利用方式には特有の受験の仕組みが用意されています。正しく情報を把握して受験に臨むことが大切です。
複数の学部・学科で併願可能
TEAP利用入試は複数の学部・学科で併願が可能です。受験科目が共通していれば、一度の試験で複数の学部・学科に出願できます。
一般選抜試験や第2次試験を実施する学科間(神学科、心理学科、看護学科)の併願も認められています。
なお、TEAPスコア利用方式で複数の学部・学科に出願すると、入学検定料が割引になります。
【入学検定料】
1学科目 | 3万5,000円 |
2学科目以降 | 2万円(1学科につき) |
たとえば、総合人間科学部の教育学科に加え心理学科と社会学科を併願で出願する場合、入学検定料は7万5,000円(3万5,000円+2万円+2万円)となります。
複数の学部・学科に出願すれば合格できる可能性も高まります。合格を目指すなら、第二志望・第三志望への併願がおすすめです。
出願には2年以内のTEAP受験結果が必要
TEAPスコア利用方式では、2年度以内に受験したTEAPの結果を英語試験の代替に利用できます。2026年度のTEAPスコア利用入試であれば、2024年または2025年度に受験したものが利用可能です。
なお、TEAPの受験結果は一度に受けた4技能(読む・書く・話す・聞く)のスコア全ての提出が求められます。1回目の読む・書くのスコアと2回目の話す・聞くのスコアを組み合わせて出願することはできないので注意が必要です。
300点以上が合格目安
TEAPスコア利用方式は、300点以上が合格の目安です。
一般的に大学入試の合格の目安は全受験科目の総合点8割以上と言われています。TEAPは400点満点の試験のため、合格の目安となる8割は320点です。
他科目の学科試験の結果の総合点で合否判定されるため、多少点数が低くても得意科目でカバーできます。
たとえば経済学部経済学科(理系)の場合、TEAPの他に学科試験で数学の受験が必要です。仮にTEAPが7割の280点だとしても、数学で9割が取れれば総合して8割の得点になります。
ただし、他の科目でカバーするには高得点が必要となり難易度が高まります。TEAPスコア利用方式で受験する際には、TEAPで300点以上の取得を目安として捉えておきましょう。
上智大学におけるTEAPスコア利用方式の選考方法
ここからは上智大学における、TEAPスコア利用方式の選考方法を2つ紹介します。
面接試験
上智大学のTEAPスコア利用方式において、神学部神学科・総合人間科学部心理学科・総合人間科学部看護学科では面接試験が実施されます。選考の流れは以下のとおりです。
【面接ありの選考の流れ】
- 一次選考(学科試験)を受験
- 一次選考の合否判定
- 合格者のみ二次選考(面接試験)の受験
- 最終的な合否判定
面接試験は、一次選考となる学科試験を突破した場合のみ受験します。対象の学部を受験する場合には、面接試験の対策も欠かさずに取り組みましょう。
学科試験
TEAPスコア利用方式では、英語以外の学科試験が実施されます。試験科目や配点は以下の表のとおり受験する学部・学科によって異なります。
学部・学科 | 科目 | 試験内容 | 配点 |
---|---|---|---|
神学部(神学科) 文学部(史学科・国文学科・英文学科・ドイツ文学科・フランス文学科・新聞学科) | ・英語 ・国語 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、古典探究 | ・150点 ・100点 |
文学部(哲学科) 総合人間科学部( 教育学科・心理学科・社会学科・社会福祉学科) 法学部(法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科) 外国語学部(英語学科・ドイツ語学科・フランス語学科・イスパニア語学科・ロシア語学科・ポルトガル語学科) 総合グローバル学部(総合グローバル学科) | ・英語・国語 ・地理歴史または数学 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、古典探究・歴史総合と日本史探究 、歴史総合と世界史探究、数学Ⅰ・Ⅱ・A・ B(数列)・C(ベクトル)のうちから1科目選択 | ・150点・100点・100点 |
総合人間科学部(看護学科) 経済学部(経済学科(文系)) | ・英語 ・国語 ・数学 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、古典探究 ・数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル) | ・150点 ・100点 ・100点 |
経済学部(経済学科) | ・英語 ・国語 ・地理歴史 または数学 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、古典探究 ・歴史総合と日本史探究、歴史総合と世界史探究 または数学Ⅰ・Ⅱ・A・ B(数列)・C(ベクトル)のうちから1科目選択 | ・200点 ・100点 ・150点 |
経済学部(経済学科(理系)) | ・英語 ・数学 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列) ・C(ベクトル,平面上の曲線と複素数平面) | ・100点 ・100点 |
理工学部(物質生命理工学科・機能創造理工学科・情報工学科) | ・英語 ・数学 ・理科 | ・TEAPまたはTEAP CBTの検定試験結果 ・数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列) ・C(ベクトル,平面上の曲線と複素数平面)・物理(物理基礎・物理) 、化学(化学基礎・化学)、生物(生物基礎・ 生物)のうちから2科目選択 | ・100点 ・150点 ・150点(各75点) |
また、面接なしの学部・学科を受験する場合には以下の流れで選考が進められます。
【面接なしの選考の流れ】
- 一次選考(学科試験)を受験
- 最終的な合否判定
面接が実施されないため選考のステップはシンプルです。ただし合格発表のタイミングが面接ありの選考と同じなため、結果が出るまでにやや時間がかかります。あらかじめ把握しておきましょう。
上智大学におけるTEAPスコア利用方式のアドミッションポリシー
アドミッションポリシーとは、大学が定めている学生の受け入れ方針のことです。面接ではアドミッションポリシーで掲げている人物像と合致しているかどうかが確認されます。事前に内容を把握しておくことが大切です。
上智大学では以下の4つをアドミッションポリシーとして掲げています。
1. キリスト教ヒューマニズム精神の涵養
引用URL:上智大学入学試験要項
本学の建学の理念であるキリスト教ヒューマニズムに触れてこれを理解すること、他者や社会に奉仕する中で自己の人格を陶冶すること、真理の探究と真の自由を得るために自らを高めること。
2. 他者に仕えるリーダーシップの涵養
他者のために、他者とともに生きる精神-”For Others, With Others”-を育むこと、社会から受ける恩恵を自覚し、それにともなう責任感を抱くこと、リーダーシップに必要な基礎能力を培うこと。
3. グローバル・コンピテンシーの養成
グローバル・イシューへの関心を抱くこと、複数の言語でコミュニケーションできること、さまざまな文化の違いを理解し、その違いを肯定的に受け止め、それらのかけ橋となれること。
4. 幅広い教養と専門分野の知識・能力の修得
幅広い教養やコミュニケーション能力など社会人としての基礎能力、専攻する学問分野における専門的知識・能力を修得すること。
上記の内容を簡単にまとめると、上智大学では以下のような人物像を求めていることがわかります。
- 主体性や対話性・協働性が高い
- 深い思考力や判断力、 表現力を備えている
- 知識・教養・技能を見つけることに積極的
面接では上記のポイントを押さえた受け答えができるように準備しておくことで、好印象を持たれやすくなります。しっかりアピールしましょう。
上智大学におけるTEAPスコア利用方式の合格体験談
ここからは上智大学のTEAPスコア利用方式で合格した人の体験談を2つ紹介します。実際に合格した人が実践していた対策方法が詳しく載っているので、ぜひ参考にしてください。
【経済学部・経済学科に合格した受験生の体験談】
【前期】受験生になっても変わらず上智大学を第一志望に据え、公募推薦の受験を決めました。私は高校3年間塾に通っていなかったので、授業で扱う教科書や参考書を完璧に仕上げることを意識してコツコツと勉強していました。
引用:上智大学TEAPスコア利用方式の合格体験談①
【夏休み】公募推薦の受験に向け、志望理由書の作成や面接練習、数学の学力試験の対策などを行っていました。それと並行して、共通テスト対策、一般入試とTEAPの対策も行っていました。夏休みは基礎を固めることを意識し、特に数学は参考書の基本的な問題を網羅するようにしました。英語は、毎日リスニングと単語帳の復習を欠かさず取り組みました。共通テスト対策は、形式と時間配分に慣れることを意識して取り組むとよいと思います。
【直前期】公募推薦に不合格になってしまいかなり落ち込みましたが、まだチャンスはあると前向きに考え、より一層集中して一般入試の対策を行いました。この頃から赤本にも本腰を入れて取り組みました。赤本のおすすめの使い方は、赤本を毎回コピーし、ノートに貼って解くことです。何度も白紙の状態から解けるのでおすすめです。共通テストでは思うように点数が取れなかったのですが、何度挫折しても諦めずに最後までやり遂げることが大切だと思います。
【文学部・新聞学科に合格した受験生の体験談】
基本的に学校の授業を活用しながら、大学の過去問演習を行っていました。夏休み前までは、基礎的な部分を固めていました。学校の授業時間を除くと、平日は3〜4時間、休日は5〜6時間ほど勉強していたと思います。夏休みはセンター試験の過去問10年分を中心に、基礎固めをしていました。推薦入試も受験していたため、そのための書類作成も同時並行でしていました。直前期は受験大学の過去問演習をしていました。勉強時間は1日6〜7時間だったと思います。
引用:上智大学TEAPスコア利用方式の合格体験談②
上智大学におけるTEAPスコア利用方式の対策法
TEAPスコア利用方式で合格を目指すには、英語以外の学科試験と面接試験の対策を進めることが肝心です。
学科試験では、TEAPスコアも含めて総合して8割以上の得点が合格の目安となります。入試本番で相性の良い問題が出るとは限らないため、過去問題演習で常時9割以上の点数が取れる実力があると安心です。
学科試験で高得点を取るための対策
- 出題傾向をつかむ
- 時間配分を決める
- 間違えた問題を中心に苦手を克服する
また、面接実施が予定されている学部・学科を受験する場合には面接対策にも十分に取り組みましょう。
面接試験で高評価を得るための対策
- アドミッションポリシーを把握する
- 志望理由を紙に書いてまとめる
- 面接練習を3回以上実施する
入念に対策することで、TEAPスコア利用方式の合格率を高めることができます。ぜひ取り組んでみてください。
まとめ
この記事では、上智大学のTEAPスコア利用方式の受験情報や実際に合格した人の体験談を紹介しました。
上智大学では様々な受験方式で入試を実施しています。合格体験談の中でも紹介があったように、一般選抜以外に総合型選抜の対策を行っている人も大勢います。受験のチャンスが増やせれば合格の可能性も高まります。
上智大学の受験情報を正確に把握し、自分に合った受験戦略を立てることが肝心です。入念に対策を進め、上智大学の合格を目指しましょう。