この記事では受けるべきかも交え、総合型選抜のメリット・デメリットを解説します。
総合型選抜(旧AO入試)は、大学入試の新制度として近年注目を集めています。総合型選抜に興味を持っている人の中には、
総合型選抜ってどんなメリットやデメリットがあるのかな?
自分は総合型選抜で受験した方がいいのかな?
こんな疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、総合型選抜のメリットとデメリットを、それぞれわかりやすく解説します。総合型選抜がどんな人に向いているかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 偏差値が高い大学に合格できるチャンスがある点は総合型選抜の大きなメリット
- 複数校を同時受験できない点は総合型選抜のデメリット
- 総合型選抜は将来や大学でやりたいことが明確な人におすすめ
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総合型選抜で受験する5つのメリット
さっそく、総合型選抜で受験するメリットを、5つにまとめて紹介します。
- 一般選抜より合格が早く決まる
- 学力では難しい大学にも合格するチャンスがある
- 自分の強みを活かして勝負できる
- 一般選抜と併願できる
- 受験を通じて社会で役立つスキルが身につく
メリット1:一般選抜より合格が早く決まる
一般選抜(※1)に比べ、合格が早く決まる点は総合型選抜で受験するメリットの1つです。
次のように例年、総合型選抜の合格発表は一般選抜よりも早い傾向にあります。
合格発表の時期 | |
---|---|
一般選抜 | 2~3月 |
総合型選抜 | 11月以降 |
早い時期に進学先が決まることで、大学進学までの時間を精神的な余裕を持って過ごせます。大学で学ぶ専門分野について自分で学んだり、ボランティア活動に参加したりと、時間を有意義に活用できるのです。
総合型選抜のスケジュールについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
メリット2:学力では難しい大学にも合格するチャンスがある
学力では難しい大学に合格できるチャンスが生まれるのも、総合型選抜で受験するメリットの1つです。
総合型選抜は、提出書類や面接・小論文など様々な試験を通じて、意欲や適性を総合的な視点から評価します。志望する大学に学力が足りていない場合でも、意欲や適性をアピールすることができれば、合格のチャンスがあるということです。
また一般選抜に比べ、総合型選抜の競争倍率は低い傾向にあり、合格の可能性が高くなる場合もあります。ただし、大学によって倍率は異なるので、最新の入試情報を確認してください。
大学(学部) | 2023年度 入試倍率 | |
---|---|---|
総合型選抜 | 一般選抜 | |
慶應義塾大学(文学部) | 2.1 | 3.2 |
国際基督教大学(教養学部) | 2.0 | 3.4 |
東京理科大学(経営学部) | 1.0 | 2.9 |
工学院大学(工学部) | 1.6 | 3.6 |
総合型選抜の倍率や合格率を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
メリット3:自分の強みを活かして勝負できる
自分の強みを活かして勝負ができるのも、総合型選抜で受験するメリットです。
総合型選抜では学力以外にも、自分がこれまでに力を入れてきた活動をアピールできます。次のような課外活動は評価対象になるため、学力に自信がない人でも、レベルの高い大学に合格できる可能性があるのです。
また、将来やりたいことや、大学で学びたいことなどの目標が明確であるということも、自分の強みとしてアピールできます。自分の強みが、志望する大学のアドミッションポリシーと合致していれば、合格の可能性はより高くなりますよ。
メリット4:一般選抜と併願できる
一般選抜と併願できるのも、総合型選抜で受験するメリットの1つです。
総合型選抜は一般選抜よりも早く終わるため、総合型選抜で不合格になった場合、一般選抜にも挑戦できます。そのため、総合型選抜で受験を考えていても、並行して一般選抜の対策をしておく人がほとんどです。
ただし、大学によっては総合型選抜の選考が1月ごろまで続き、一般選抜のスケジュールと重なる場合もあるため、志望大学の選抜スケジュールを確認しておくことをおすすめします。
メリット5:受験を通じて社会で役立つスキルが身につく
受験を通じて社会で役立つスキルが身につけられるのも、総合型選抜で受験するメリットの1つです。
総合型選抜では、志願理由書の記述だけでなく、次のような試験に向けた対策を行う必要があります。
- 面接
- 小論文
- プレゼンテーション
その対策を通して、思考力や文章表現力・コミュニケーション能力などのスキルが身につけられるのです。スキルは、大学での授業や就職活動、さらには社会人なってからも確実に役に立つスキルであると言えます。
総合型選抜の受験を通して、社会人として役に立つ一生物のスキルを、高校生のうちに身に付けることができる点は大きなメリットです。総合型選抜の試験内容を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
総合型選抜で受験する5つのデメリット
メリットに続き、ここからは総合型選抜で受験するデメリットを、5つにまとめて紹介します。
- 同時に複数校を受験できない
- 選考期間が長い
- 一般選抜に比べ合格基準が不明確
- 試験対策に時間がかかる
- 入学後に学力のギャップが生じる
デメリット1:同時に複数校を受験できない
同時に複数校を受験(併願)できない点は、総合型選抜で受験するデメリットです。
総合型選抜の募集要項では、ほとんどの大学が「専願」を条件としています。基本的には合格した場合、必ずその大学に進学します。
志望校が明確に決まっていない状態で、とりあえず出願してみることは総合型選抜ではおすすめしません。総合型選抜の場合、自分の進路や適性をしっかりと考えたうえで出願する必要があります。
総合型選抜の併願について詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
デメリット2:選考期間が長い
選考期間が長い点も、総合型選抜で受験するデメリットの1つです。
大学ごとで異なるものの、多くの総合型選抜試験は下記のスケジュールで進みます。
総合型選抜では9月から出願がスタートし、その後順次入試が行われ合格発表は11月1日以降です。出願してから合否がわかるまでの期間が2~3ヶ月程度あり、この間に一般選抜の対策を並行して行わなければなりません。
試験までの期間は、精神的にも肉体的にもかなりハードになることを覚悟しておく必要があります。
デメリット3:一般選抜に比べ合格基準が不明確
一般選抜に比べて合格基準が不明確な点も、総合型選抜で受験するデメリットの1つです。
一般選抜では、テストの点数で合否が決まるため基準がはっきりしています。模試の点数から自分のレベルを把握し、どのような対策をすべきか分析することも可能です。
しかし、総合型選抜は受験生の意欲や適性を評価する入試であるため、合格基準が一般選抜に比べて曖昧です。選考方法も面接や小論文・プレゼンテーションなど、大学や学部によって異なります。
合格基準の不明瞭さから、どれだけ対策をしたら自分が合格できるのかが分からず、不安を覚える受験生も多いかもしれません。
デメリット4:対策が難しい
試験への対策が難しい点も、総合型選抜で受験するデメリットの1つです。
総合型選抜では、出願書類の準備から試験まで、学力試験とは異なる対策が必要です。ほとんどの大学の出願書類には「志望理由書」があり、志望理由や自己PR・活動実績などの詳細な記載が求められます。
総合型選抜の一次選考に出願書類を用いる大学もあり、書類の準備からすでに合格に向けた選考が始まっています。
また、総合型選抜の選考方法である面接や小論文、プレゼンテーションなどには、明確な合格基準がないため、対策が難しいと言えます。
対策本や過去問も少なく、一人で試験対策を進めるのが難しいため、総合型選抜の対策に特化した塾や家庭教師を活用する人も多いようです。
デメリット5:入学後に学力のギャップが生じる
一般試験の合格者に比べ、入学後に学力のギャップが生じる点も、総合型選抜で受験するデメリットの1つです。
総合型選抜は、学力では難しい大学にも合格するチャンスがあります。しかし、一般選抜で合格した生徒と学力差がある場合、入学後に授業についていけなくなる可能性があります。
大学の授業は、一般選抜で合格した生徒の学力を基準に進み、一定の基準をクリアして単位を取らなければ進級できません。
そのため、合格後、そして大学入学後も、継続して勉強する姿勢を持つことが重要です。
総合型選抜はどんな人におすすめ?
なかには、総合型選抜で受験すべきか判断できない人もいますよね。
そこで、ここからは総合型選抜に向いている人・向いていない人をそれぞれ紹介します。
- 総合型選抜に向いている人
- 総合型選抜に向いていない人
自分に当てはまるかを確認しながら、読み進めてみてください。
総合型選抜に向いている人
総合型選抜に向いている人は次のような人です。
- 将来やりたいことが明確な人
- 大学で学びたいことが決まっている人
- 資格取得に熱心に取り組んだ人
- 研究活動の実績がある人
- 課外活動に積極的に取り組んだ人
- スポーツで結果を残した人
各大学は「どのような学生に入学してほしいか」をアドミッションポリシーとして掲げています。 このアドミッションポリシーに合致する人物を面接などを通して見極めるのが、総合型選抜です。
将来のビジョンが明確であることは、多くの大学が明示するアドミッションポリシーと合致します。やりたいことや学びたいことが決まっている人は、進路に対する意識や学ぶ意欲が高いと評価されるため、総合型選抜に向いているといえるのです。
また、資格取得や研究活動の実績は、学力テストがない総合型選抜において大きな強みになります。資格取得は特定分野への深い関心を示すだけでなく、取得の過程で培った知識やスキルは大学での学びにも役立つでしょう。
同様に、研究活動で得た経験も、学問への積極的な姿勢を表すため、大学での研究活動や学問追求における貴重な基盤となります。
さらに、課外活動やスポーツの成果も、総合型選抜で重視されるポイントです。課外活動は、社会的な視野の広さや、他者との協力を通じた問題解決能力を示し、協調性やリーダーシップをアピールできます。スポーツでの実績も、忍耐力やチームワーク、目標達成に向けた意欲が高く評価されます。
こうした自分が熱心に取り組んできた経験を、自信を持ってアピールできる人が、総合型選抜に向いていると言えるでしょう。なお、次の記事では総合型選抜試験に合格した人の体験談を紹介しているので、よければ参考にしてください。
総合型選抜に向いていない人
次の項目に当てはまらない人は、総合型選抜が向いていないといえます。
- 進学先でやりたいことが決まっていない人
- 学校生活で熱心に取り組んだことがない人
- 自分をアピールするのが苦手な人
進学後に具体的な目標がない場合、大学に対して自分の意欲や適性を十分に伝えることが難しくなります。そのため、将来やりたいことや、大学で学びたいことが特に決まっていない人には総合型選抜は向いていません。
また、総合型選抜の選考には面接やプレゼンテーションなどが含まれています。自分の意欲をアピールできる活動実績がない人や、人前で話すことが苦手な人も、総合型選抜には向いていません。
自分は総合型選抜に向いていないと感じる人には、一般選抜や学校推薦での受験をおすすめします。なお、学校推薦型選抜をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
この記事では、総合型選抜のメリットとデメリット、どんな人が総合型選抜に向いているかについて解説しました。
総合型選抜の受験にはメリットもたくさんありますが、デメリットもあります。どちらもよく検討したうえで、あなたにとって最適な受験方法を選んで志望校への合格を勝ち取ってくださいね。