
「総合型選抜のプレゼンテーション試験はどんな感じなんだろう?」
「試験に向けてどんな対策をすればいいのかわからない…」
総合型選抜を受けようと考えてはいるものの、プレゼンテーション試験のイメージが湧かず、どう対策を進めればいいのかわからない人は多いですよね。
総合型選抜におけるプレゼンテーションは、指定された課題に対して自分の意見を具体的に伝える試験です。プレゼンテーションの内容や実際の話し方で評価が決まります。
そこで本記事では特徴や実施例も交え、総合型選抜におけるプレゼンテーション原稿の作り方から質疑応答対策まで解説します。合格者の体験談も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
総合型選抜の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 総合型選抜のプレゼン評価比重は高く、早期対策が必須
- 序論・本論・結論の3段構成で、5分なら1,200字が目安
- 質疑応答は想定Q&Aを作り込み、事前シミュレーションが有効
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総合型選抜におけるプレゼンテーションの基礎知識

はじめに次のトピック別で、総合型選抜のプレゼンテーション試験に臨むうえでおさえておきたい基本情報を解説します。
プレゼンテーション試験は、面接や小論文と同様に合否を左右する重要な選考要素です。基礎知識をしっかり理解したうえで、対策を進めましょう。
プレゼンテーションとは

プレゼンテーションとは、複数の聴き手に対して、自分の意見を伝えることです。相手に伝わるように内容や構成を考え、資料を作成し、話し方を工夫する力が重要となります。
たとえば、大学は次のような能力を確かめるため、プレゼンテーション試験を取り入れています。
- 問題をとらえる力
- 相手が求めていることを把握する力
- 多数の情報の中から必要なものを選別する力
- 取得した情報から自分で考える力

プレゼンテーション試験では、出題される課題から問題点を見い出し、正しく情報収集をして、自分の意見を述べることが重要です。
評価の比重

総合型選抜におけるプレゼンテーション試験の評価比率は高いです。なぜなら、プレゼンテーションを実施することで、受験生の学びに対する意欲や能力を判断するためです。
たとえば、拓殖大学ではプレゼンテーションによって人物評価を行う「プレゼンテーション型入試」を取り入れています。総合型選抜の評価300満点中、150点がプレゼンテーション・面接で配点されています。
青森大学・薬学部では、調査書などの書類審査より、プレゼンテーションの方が評価の比率が高いです。プレゼンテーション試験を実施する大学では、プレゼンテーション試験の対策を万全にする必要があります。
評価のポイント

総合型選抜におけるプレゼンテーション試験では、次のような点が評価のポイントになります。
- 課題に対する答えの明確さ
- プレゼン資料は論理的に構成されているか
- プレゼン資料はグラフや図を活用し簡潔に作成されているか
- 自信を持って発表できているか
総合型選抜におけるプレゼンテーション試験では、受験生が問題を的確に理解し、自分の意見や解決策を示す能力を評価します。自分の考えを論理的に示すために、構成や資料も評価の対象となります。
また、コミュニケーション能力やプレゼン内容の理解度をはかるために、発表態度も重要です。プレゼンテーション試験では、読解力・思考力・判断力・表現力などが評価のポイントとなります。
総合型選抜におけるプレゼンテーションの実施例

ここからは、総合型選抜におけるプレゼンテーション試験の実施例を紹介します。なお、総合型選抜のプレゼンテーション試験は大学のような大学で実施されています。
実際にどのような内容でプレゼンテーション試験が行われているのか、次の3つの大学を例に詳しく紹介します。
例1:日本大学・国際関係学部

日本大学・国際関係学部では、2026年度入試より「探究型プレゼンテーション方式」を第1期・第3期・第4期で実施しています。
出願要件として、個人プレゼンテーションができることが求められます。内容は「高等学校の総合的な探究の時間を通じて学んだことや経験・成果を、学部での学びにどう活かすか」です。
あなたが今までに行った探究活動の中で、本学部の志願と関連するテーマを選び、テーマとそのテーマを設定するに至った背景、実際に行った活動、得られた結果や学び等を説明してください。そのうえで、その探究活動を通して得られた学びを本学部での学びや将来設計にどのように活かすか具体的に記述してください。
参考:日本大学・国際関係学部
探究活動報告書の提出も必須です。自分の探究活動と学部での学びをつなげた内容を準備することが重要です。
プレゼンの制限時間は10分で、書類選考と個人プレゼンテーションで選考が行われます。評価項目として次の6点が明記されています。
- 理解力
- 客観性
- 独自性
- 表現力
- 構成
- 態度・姿勢
2026年度からは第1期・第4期に高大接続方式も新規導入されました。入試方式が複数あるため、最新の募集要項で各方式の違いを確認してから出願準備を進めてください。
日本大学における総合型選抜の特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

例2:立命館大学・経済学部
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立命館大学・経済学部では、書類選考と個人面接に加え、プレゼンテーションを総合的に評価して選考を行います。
経済に関連する事柄について、関心のあるものをテーマとして 1つ選び、以下を合計 800 字程度で記載。ア 上記のテーマを選んだ理由を示したうえで、その内容に関してデータをふまえながら具体的に説明。(図表添付などあり。)イ その事柄に関するあなたの考えを論理的に説明。
志望理由書の内容をもとに、事前にPowerPointでプレゼンテーション資料を作成します。当日は5分程度の発表を行います。
プレゼン後には個人面接があり、プレゼンテーションの内容に関する質疑が行われます。エビデンスに基づいて論理的に伝える力が評価の中心となります。
立命館大学におけるプレゼンテーション試験の出題意図は、次のとおりです。
限られた時間内で、エビデンスに基づいて論理的に自分の言葉で分かりやすく伝える力、コミュニケーション能力を確認する
立命館大学におけるプレゼンテーション試験の評価のポイントは、次のとおりです。
- 制限時間内で、分析内容に対する問いを示すこと
- 適宜データを用いて結論に至る論理をわかりやすく説明すること
過去の入試講評では「結論ありきでデータから読み取れない内容のプレゼンテーションも散見された」という記載があります。データを正確に読み取り、根拠として示す力が求められます。
立命館大学における総合型選抜の特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

例3:明治大学・農学部

明治大学・農学部では、プレゼンテーションのテーマが「地域農業振興における私のプランと学生生活」と指定されています。原則としてMicrosoft PowerPointを使用して発表します。
プレゼンテーション用データを記録したUSBメモリと、紙に打ち出した資料の事前提出が必要です。制限時間は10分で、プレゼン後に30分の面接があります。

面接では人柄や志望動機、学習意欲等を中心に質問されます。単なる農業知識の羅列ではなく、思考力・判断力・表現力を示すプレゼンが求められます。
現状分析と問題発見に丁寧に取り組んだうえで、地域農業振興の具体的なプランを組み立てることが合格のポイントです。
明治大学における総合型選抜試験の特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
情報まとめ【試験内容から対策方法まで】
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総合型選抜・プレゼンテーションテーマの選び方と例

プレゼンテーションのテーマ設定は、合否を左右する重要なポイントです。
ここからは下記のトピック別で、プレゼンテーションのテーマ選定について解説します。
- 自由テーマと指定テーマの違い
- テーマを選ぶ3つの基準
- テーマの具体例一覧
テーマの良し悪しが、プレゼン全体の説得力を大きく左右します。
志望学部のアドミッションポリシーと照らし合わせながら、最適なテーマを選びましょう。
自由テーマと指定テーマの違い
プレゼンテーションのテーマは、大学によって「自由テーマ」と「指定テーマ」の2種類があります。
自分の志望校がどちらの形式かを、必ず募集要項で確認してください。2つの形式の違いは次のとおりです。
- 自由テーマ
- 受験生が自分でテーマを設定して発表する形式。立命館大学・経済学部の「経済に関連する関心テーマ」などが代表例です。
- 指定テーマ
- 大学があらかじめテーマを指定する形式。明治大学・農学部の「地域農業振興における私のプランと学生生活」などが代表例です。
自由テーマの場合は、テーマ設定の段階で志望学部との関連性と自分の独自性を示せるかが勝負になります。
一方、指定テーマの場合はテーマに対する深い理解と具体的な根拠が求められます。どちらの形式でも、「なぜそのテーマを選んだのか」「どんな問題意識があるのか」を論理的に伝えることが重要です。
テーマを選ぶ3つの基準
自由テーマの場合、テーマ選びに迷う受験生は少なくありません。次の3つの基準をすべて満たすものを選ぶことをおすすめします。
- 基準1:志望学部との関連性がある — 農学部志望なら農業・環境問題、経済学部なら経済・社会課題など、学部の専門領域に関連するテーマを選ぶことで、入学意欲をアピールできます。
- 基準2:客観的なデータで裏付けられる — 主観に頼らず、政府統計や公的調査など、信頼性の高いデータを根拠として使えるテーマが理想です。
- 基準3:自分の経験や関心と結びついている — 「なぜこのテーマに取り組むのか」という動機を自分の実体験と関連づけられると、オリジナリティが出ます。
3つの基準をすべて満たすテーマを選ぶことで、根拠があり説得力のあるプレゼンテーションになります。
逆に避けたいのは「データが見つかりにくいテーマ」や「志望学部と無関係なテーマ」です。どんなに興味深い内容でも、学部の学びとの関連性が薄いと評価につながりにくくなります。
テーマの具体例一覧
自分の志望学部に近いテーマをヒントに、オリジナルのテーマを設定してみてください。
テーマは「現状→問題点→自分の意見・提案」という流れで展開できるものを選ぶと、プレゼンの構成が作りやすくなります。
テーマが決まったら、文部科学省・総務省・農林水産省などの政府統計サイトで関連データを調べましょう。公的機関の数値を根拠に使うことで、プレゼンの説得力が高まります。
総合型選抜・プレゼンテーションの構成テンプレート

プレゼンテーションの内容がよくても、構成が整っていなければ審査員に伝わりません。
ここからは下記のトピック別に、プレゼン構成の基本を解説します。
- 基本構成:序論・本論・結論の組み立て方
- 5分・10分別の時間配分モデル
構成を事前にテンプレート化しておくことで、発表中に話す内容を見失わずに済みます。
基本構成:序論・本論・結論の組み立て方
プレゼンテーションの基本構成は「序論→本論→結論」の3段構成です。
各パートで話す内容の目安は次のとおりです。
- 序論(つかみ)
- テーマの紹介と「なぜこのテーマを取り上げるのか」という問題提起を行います。最初の30秒〜1分で聴き手の関心を引くことが目的です。
- 本論(根拠と分析)
- データや事実をもとにテーマの現状・問題点を説明し、自分の意見を論理的に展開します。全体の約60%の時間を使います。
- 結論(まとめと提案)
- 本論で述べた内容をふまえ、解決策や提案、学部での学びへの意欲を述べて締めます。
プレゼン全体を通して「問いを立て→根拠を示し→結論を導く」という流れを意識することが重要です。
立命館大学・経済学部の評価ポイントにも「分析内容に対する問いを示すこと」が明記されています。冒頭で明確な問いを立て、本論でその答えを示す構成が評価されます。
5分・10分別の時間配分モデル
制限時間によって、各パートに割ける時間が変わります。制限時間の95%程度で話し終えるよう練習しておくと、本番で焦らずに発表できます。
時間が余ったり大幅にオーバーしたりすると、準備不足という印象を与えます。必ず時間を計りながら練習し、±30秒以内に収まるよう調整してください。
総合型選抜・プレゼンテーションの作り方【5ステップ】

ここからはプレゼンテーションの作り方を、5つのステップで解説します。
- ステップ1:テーマにおける問題を明確にする
- ステップ2:根拠となる資料やデータを分析する
- ステップ3:自分の意見と結論をまとめる
- ステップ4:パワポ・模造紙など資料を作成する
- ステップ5:リハーサルで時間と話し方を調整する
なお、今回は文教大学の資料を参考に作り方を解説します。
ステップ1:テーマにおける問題を明確にする

はじめに、大学が出題する課題の問題を明確にすることが重要です。課題を深掘りし、考えられる問題点を導き出し、どんな解決策があるかを調べます。
たとえば、次のような課題テーマから、自分が考える問題点を導き出します。
- 課題テーマ:「グローバル化の道を歩んできた日本の観光を今後も発展させていくための方法と課題」
- 自分の考え:「訪日外国人観光客の日本での不便・不満が日本の観光業の課題としてあるのではないか?」
テーマにおける問題点を明確にできないと、「いったい何を伝えたいのか」がわからなくなります。問題点があやふやなままでは、具体的な解決策を導き出すこともできません。
プレゼンテーション試験でまず重要なのは「どんな問いを立てたか」ということです。出題テーマは学部に関連する時事問題の内容から出されることも多く、日頃から時事問題に意識を向けておくことが必要です。
問題点が明確になったら、資料やデータを収集・分析します。
ステップ2:根拠となる資料やデータを分析する

次に、課題から導き出した問題点を明確にするために、根拠となる資料やデータを収集・分析することが重要です。資料やデータを収集する場合は、信頼の高い情報源から収集することが大切です。
たとえば、新聞・書籍・国の調査(厚生労働省・文部科学省など)信頼度の高い情報源が推奨されます。

上記に課題としてあげた「訪日外国人観光客の日本での不便・不満」に対しては、観光庁の調査結果が活用できます。観光庁の調査結果から「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が原因であることに注目でき、問題点の明確化につなげられます。
資料やデータの収集が不十分だと、説得力が低くなり評価が下がるおそれが高いです。特にネットだけの情報だと信頼性の低い情報や偏った意見もあります。
情報収集するときは、図書や新聞など多くの資料を活用し、記事を比較することが大切です。
ステップ3:自分の意見と結論をまとめる

データ分析が終わったら、得られた情報をもとに自分の意見と結論をまとめます。「現状→問題点→解決策→自分の提案」の4段階で論理を組み立てることが重要です。
意見をまとめる際に気をつけたいのが、「結論ありき」の思考に陥ることです。自分の意見をまとめる際は、次の問いに答える形で文章化するとスムーズです。
- この問題の原因は何か
- どんな解決策が考えられるか
- 自分はどの解決策を支持し、なぜそう考えるか
- 大学での学びとどうつながるか
ステップ4:パワポ・模造紙など資料を作成する
意見がまとまったら、発表資料を作成します。資料の形式は大学によって異なるため、必ず募集要項で確認してください。
PowerPointでスライドを作成してノートパソコンを持参する場合もあれば、A4用紙や模造紙に情報をまとめる場合もあります。資料作成で意識すべきポイントは次のとおりです。
- 1スライド・1メッセージ:1枚のスライドに情報を詰め込みすぎず、伝えたいことを1つに絞ります。
- 図・グラフを活用する:数値データは文章ではなくグラフで示すと、視覚的に伝わりやすくなります。
- 文字は少なめにする:資料を読むのではなく話すことが前提のため、箇条書きやキーワードにとどめます。
「資料は話すことを補助するもの」と割り切り、文字を減らしてビジュアルで訴える構成にしましょう。
明治大学・農学部ではPowerPointでのプレゼンが原則です。USBメモリと紙に打ち出した資料の両方の事前提出が必要なため、提出物の準備も余裕をもって行ってください。
ステップ5:リハーサルで時間と話し方を調整する
資料が完成したら、本番を想定したリハーサルを繰り返します。
リハーサルは第三者に見てもらうことが重要です。リハーサルでチェックすべき項目は次のとおりです。
- 制限時間の±30秒以内に収まっているか
- 資料を読み上げるだけになっていないか
- 声の大きさ・スピード・間の取り方は適切か
- 質問に対してスムーズに答えられるか
繰り返しリハーサルを行うことで、本番で原稿を丸暗記しなくても話せるようになります。スマートフォンで録画して自分の発表を客観的に確認することも、効果的な方法です。
総合型選抜・プレゼンテーション原稿の書き方

プレゼンテーションの準備で「原稿をどう書けばいいのかわからない」という受験生は多いです。
ここからは下記のトピック別に、原稿作成のポイントを解説します。
- 原稿の基本フォーマットと文字数の目安
- 伝わる原稿にするための言い回しと注意点
原稿を書くことで話す内容が整理され、時間管理もしやすくなります。
原稿の基本フォーマットと文字数の目安
前述の3段構成に沿って、各パートの話す内容を原稿化していきます。プレゼンテーションの原稿は、読み上げる用ではなく「話す内容を整理するための設計書」として使います。
話すスピードの目安は1分あたり約300字です。原稿のフォーマットは次の流れで作成します。
- 序論:「本日は〇〇というテーマについてお話しします。〇〇という問題に注目した理由は〜」
- 本論:「〇〇省の調査によると〜。この現状から〜という問題が見えます。私は〜と考えます。」
- 結論:「以上のことから、〇〇が重要と考えます。貴学の〇〇学部でこの課題を深く学び、〇〇を目指します。」
原稿はスライドごとに話す内容を対応させて書くと、本番での読み飛ばしや迷子を防げます。
完成した原稿は、一文を読み上げながら自然な話し言葉になっているかを確認してください。書き言葉と話し言葉が混在していると、発表中に読みにくくなります。
伝わる原稿にするための言い回しと注意点
原稿が書けたら、「読み上げたときに聴き手に伝わるか」という視点で見直します。
伝わりやすい原稿にするための言い回しのポイントは次のとおりです。
- 結論を先に言う
- 「私が提案したいのは〇〇です。その理由を3点お伝えします」のように、最初に結論を述べます。
- 数値で具体化する
- 「農業従事者は高齢化が進んでいます」ではなく、「農業従事者のうち65歳以上が占める割合は約70%です」と数値で示します。
- つなぎ言葉を使う
- 「次に〜」「この結果から〜」「まとめると〜」などの言葉を使うと、話の流れがわかりやすくなります。
注意すべき言い回しは「〜かもしれません」などの曖昧な表現です。
「〜だと思います」は主観的に聞こえ、説得力を下げます。「〜といえます」「〜と考えます」に置き換えることで、自信のある印象を与えられます。「えーと」「あの」などのつなぎ言葉も、緊張すると出やすいため、リハーサルで意識的に減らす練習をしておきましょう。
総合型選抜・プレゼンテーションの質疑応答対策

プレゼンテーション本体だけでなく、質疑応答への対策も合否に直結します。
ここからは次のトピック別に、質疑応答対策を解説します。
- 質疑応答でよく聞かれる質問と回答例
- 想定外の質問への対処法
話し方やスライド資料の完成度が高くても、質疑応答がうまくいかないとプレゼンテーション全体の評価は落ちます。
質疑応答は「減点の場」ではなく、プレゼンで伝えきれなかった魅力を追加アピールできる場です。
質疑応答でよく聞かれる質問と回答例
質疑応答を通して面接官は、受験生のテーマへの理解度や論理的思考力、そして対話力を見極めようとしています。
回答はいずれも「結論→理由→具体例」の順で、30秒〜1分以内にまとめることを意識しましょう。とくに「なぜこのテーマを選んだか」は必ずといっていいほど聞かれる質問です。
自分の経験や動機を具体的に話せるよう、事前に整理しておいてください。
想定外の質問への対処法
事前に準備していない質問が来ても、慌てる必要はありません。次の3つの対処法を事前に身につけておきましょう。
- 聞き直す:質問の意図がわからないときは「少し確認させてください。〇〇という意味でよいでしょうか」と丁寧に聞き返します。
- 自分の解釈を伝える:「私は〇〇という観点からお答えします」と前置きすることで、答えられる範囲で誠実に回答できます。
- 知識の限界を正直に伝える:「その点については現時点で十分な知識がありません。〇〇という観点からは〜と考えます」と答えることで、誠実な印象を与えられます。
想定外の質問に対して「わかりません」と黙り込むのが最も避けたい対応です。
事前に想定質問をリストアップし、回答を考えておくことが大切です。質問内容がわからなかった場合は、適当に回答するのではなく、もう一度質問してもらうか、自分の解釈を伝えて確認するのが有効です。
質疑応答の対策は、第三者に模擬プレゼンを見てもらい、その場で質問してもらう練習が最も効果的です。想定外の質問に慣れるほど、本番での対応力が上がります。
総合型選抜におけるプレゼンテーションの体験談

総合型選抜に合格した人が、実際にプレゼンテーション試験へどのような対策をしていたのか知ることで、効率よく受験準備が進められます。
ここでは、兵庫教育大学の総合型選抜に合格した体験談を紹介します。
兵庫教育大学のプレゼンテーション試験では、プレゼンテーション用に持参した資料を用いて、面接官に口頭で行う形式です。資料はA4用紙、片面3枚以内で作成し、制限時間は10分です。
次の3点に注目して、プレゼンテーション試験の体験談を3人紹介します。
- プレゼン資料の作成方法
- プレゼン資料の作成で工夫したこと
- プレゼンテーション試験の練習方法
| プレゼンテーション資料 | パワーポイントで作成(A4 用紙、片面3枚) |
| 資料作成で工夫したこと | わかりやすいように写真をたくさん添付した |
| プレゼンテーションの練習方法 | 興味をひく話し方ができるよう、抑揚、テンポ、間の取り方を重点的に練習した。8月から試験日まで、毎日のようにプレゼンの練習をした。担任の先生、塾の先生、両親、友だちに見てもらってアドバイスをもらった。スマホの録音アプリを活用した。 |
プレゼンテーション試験の準備では、資料の作り方や話し方の練習など、人によってさまざまな対策をしています。自分にあった方法で、プレゼンテーション対策を進めることが大切です。
総合型選抜試験に合格した受験生の体験談をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

総合型選抜・プレゼンテーションを突破するコツ5つ

ここからは、総合型選抜のプレゼンテーション試験を突破するコツを、3つにまとめて説明します。
プレゼンテーションでは、相手にわかりやすく説明することが重要です。
コツ1:PREP法でわかりやすく説明する

プレゼンテーション試験では、PREP法で説明します。PREP法は、プレゼンテーションにおいて自分の意見を論理的に伝えるための効率的な方法です。
PREP法とは次の順番に文章を組み立てます。
- 結論
- 理由
- 具体例
- 結論
結論をはじめに述べてから、理由と具体例を示し、最後に再び結論を強調することで、相手に論理的に説明できます。
たとえば、PREP法は次のような話し方です。
- 私はチームワークが重要だと考えます。
- なぜなら、チーム全員が協力することで、効率的に問題を解決できるからです。
- 例えば、メンバーそれぞれが異なる分野の専門知識を持ち寄ることで、課題をスムーズに解決できます。
- だから、チームワークを大切にすることは、成功するために非常に重要です。
一方、PREP法を使わないと、次のような話し方になります。
「チームワークは、いろいろな人と協力してやるものです。実際に私のチームでも、みんなが知識を持ち寄ってるので、仕事がスムーズに進んでいます。チーム全員が協力することで、効率よくできて、いろんな意見も出せるから、問題を解決できます。だから、チームワークは大事だと思います。」
PREP法を使わず、思いつくままに話してしまうと「結局何が言いたいのかわからない」状態で終わり、評価が下がります。PREP法は説得力を高めるために有効な方法です。
コツ2:ゆっくりはっきり時間厳守で話す

プレゼンテーションは、話し方も重要です。聴き手にわかりやすく伝えることを意識します。口を大きく開けて、はっきり話すことで相手に伝わりやすくなります。
口が小さいとモゴモゴして聞き取れずマイナス評価です。緊張すると早口になる傾向があるので、ゆっくり話すように意識しましょう。
ただし、プレゼンテーションには時間制限があり、時間オーバーは厳禁です。制限時間内に、ゆっくり話せるように練習を重ねることが大切です。
コツ3:視覚的にわかりやすい資料を用意する

審査員は複数の受験生のプレゼンを連続して聞きます。視覚的にわかりやすい資料は、それだけで印象を大きく左右します。
視覚的にわかりやすい資料を作るためのポイントは次のとおりです。
- グラフや図を積極的に使う
- 数値データは棒グラフ・折れ線グラフで示すと、口頭での説明と合わせて理解しやすくなります。
- 色は2〜3色に絞る
- 多色使いは視認性を下げます。メインカラーとアクセントカラーの2色程度に絞りましょう。
- フォントは18pt以上にする
- 審査員が離れた位置から見ることを想定し、文字サイズは18pt以上を目安にします。
- 余白を十分に取る
- 情報を詰め込みすぎず、1スライドの情報量を絞ることで読みやすさが上がります。
「資料を見るだけで内容がわかる」ではなく「話を聞きながら理解が深まる」資料を目指しましょう。
コツ4:冒頭で聞き手の関心を引くつかみを入れる
プレゼンテーションの冒頭30秒〜1分は、審査員が「このプレゼンを聞く価値があるか」を判断する重要な時間です。
効果的なつかみの入れ方は次のとおりです。
- 問いかけで始める
- 「皆さんは〇〇という問題を知っていますか?」と問いかけることで、聴き手の注意を引けます。
- データで驚かせる
- 「日本の農業従事者のうち65歳以上が占める割合は約70%です」のように、意外性のある数値で始めると興味を持ってもらいやすくなります。
- 自分の体験から入る
- 「私が〇〇を経験したとき、〜という問題に気づきました」と自分の実体験から入ると、話に説得力が生まれます。
冒頭で「なぜこの問題が重要なのか」を明確に示すことが、その後の本論への集中力を高めます。
逆に避けたいのが「本日は〇〇というテーマについて発表します。よろしくお願いします」という無難な書き出しです。審査員の関心を引く機会を逃してしまいます。
コツ5:第三者にフィードバックをもらい改善する
自分だけの練習では、話し方の癖や内容の伝わりにくさに気づけません。
第三者からフィードバックを得ることで、自分では気づけない改善点を見つけられます。フィードバックをもらう際は、次の観点でコメントをもらうと改善しやすくなります。
- 話す速さとボリュームは適切か
- 結論がはっきり伝わっているか
- 資料は見やすいか
- 質疑応答に自然に答えられているか
担任・塾の先生・保護者・友人など、異なる立場の人に複数回見てもらうことで多角的な改善ができます。
フィードバックをもらったら、すぐに修正して再度練習することが大切です。「練習→フィードバック→修正→再練習」のサイクルを本番まで繰り返しましょう。
総合型選抜・プレゼンテーションによく抱く疑問

最後に、プレゼンテーションに関するよくある疑問へまとめて回答します。
- プレゼンが苦手でも合格できる?
- 資料なしで発表しても大丈夫?
- プレゼンの練習はいつから始めるべき?
疑問を解消してから対策を始めることで、無駄なく準備を進められます。
プレゼンが苦手でも合格できる?
プレゼンが苦手な受験生がよく抱く不安のひとつが「プレゼンが下手でも合格できるのか」という疑問です。
結論として、プレゼンが得意でなくても合格は十分に可能です。理由は2つあります。
1つ目は、審査員が「完璧なプレゼン技術」より「内容の論理性と学びへの熱意」を評価するためです。2つ目は、プレゼン技術は練習によって確実に上達するためです。
「上手く話すこと」よりも「自分の言葉で論理的に伝えること」を目標にすることが大切です。
棒読みや過度な緊張は印象を下げますが、「自分の言葉で丁寧に伝えようとしている姿勢」は評価されます。苦手意識があるほど、早めに練習を始めて場数を踏むことが合格への近道です。
資料なしで発表しても大丈夫?
大学によっては、資料の持参が任意の場合があります。「資料なしでも大丈夫か」という疑問を持つ受験生は少なくありません。
結論として、資料の持参が任意の場合でも、用意することを強くおすすめします。理由は次のとおりです。
- 審査員が視覚的に情報を整理しやすくなる
- 自分も発表中に話す内容を確認できる
- データや図を示すことで説得力が増す
ただし、資料を「作ること」が目的になってはいけません。資料はあくまで話の補助ツールであり、内容の充実が最優先です。
一方、大学が「資料不可」と指定している場合や、口頭のみで行う形式の試験もあります。その場合は、キーワードを頭に入れてすらすら話せるよう、原稿の暗記練習に時間をかけましょう。
プレゼンの練習はいつから始めるべき?
プレゼンテーション対策の開始時期について、「いつから始めればいいか」という疑問もよく寄せられます。
結論として、遅くとも試験の3ヶ月前には練習を開始することをおすすめします。
理由は、テーマ選定・資料収集・原稿作成・資料作成・リハーサルの繰り返しと、やるべきことが多いためです。直前の1〜2週間だけでは準備が追いつきません。
理想的なスケジュールは次のとおりです。
- 試験3〜4ヶ月前:テーマ決定・関連資料の収集・データ調査
- 試験2〜3ヶ月前:原稿作成・スライドや資料の制作
- 試験1〜2ヶ月前:繰り返しリハーサル・第三者によるフィードバック
- 試験2週間前:仕上げの練習・質疑応答シミュレーション
体験談で紹介した合格者のように、試験3ヶ月前には練習を開始することをおすすめします。
まとめ
この記事では、総合型選抜プレゼンテーションの基礎知識から、テーマの選び方・構成・原稿の書き方・質疑応答対策・突破のコツまで解説しました。
最後に重要なポイントをまとめます。
- プレゼンテーションは合否に直結する重要な選考要素であり、早期から対策を始めることが大切
- テーマは「志望学部との関連性」「データで裏付けられる」「自分の経験と結びつく」の3つの基準で選ぶ
- 構成は「序論→本論→結論」の3段構成を基本とし、5分なら約1,200〜1,500字、10分なら約2,500〜3,000字を目安にする
- 原稿は「書き言葉」ではなく「話し言葉」で書き、曖昧な表現は使わない
- 質疑応答はプレゼン本体と同等に重要であり、想定問答を作り込んで練習する
- 第三者に複数回見てもらい「練習→フィードバック→修正」のサイクルを繰り返す
プレゼンテーションは、正しい手順と十分な練習量で必ず上達します。この記事を参考に、志望校合格に向けた対策を進めてください。
なお、プレゼンテーション試験はどんな服装で臨めばいいのか、当日に適した身だしなみを詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

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