学校推薦型選抜の調査書とは?重要性&評価のポイントまとめ

「学校推薦型選抜の調査書ってどんな書類なんだろう?」
「何が書かれているのかな…」

学校推薦型選抜の受験に向け準備を進めるなか、調査書がどのようなものかイメージが湧かない人は多いですよね。

学校推薦型選抜における調査書は、単なる成績証明書ではありません。高校3年間の学びや活動など、受験生の人柄・これまでの歩みを大学に伝える点で、選考の土台となる重要な書類です。

そこで本記事では重要な理由も交え、学校推薦型選抜における調査書の特徴を解説します。調査書の評価ポイントや提出方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 調査書には成績、活動記録、出欠状況が記載される
  • 調査書では受験生の人柄、活動、学力を見られる
  • 調査書は高校の先生に発行依頼をする

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目次

学校推薦型選抜の調査書とは?

学校推薦型選抜における調査書は、高校での学習活動や生活態度などを記録した公的な書類です。高校の先生によって作成されるため、客観的な事実に基づいた信頼性の高い評価資料と位置づけられています。

大学側は、この調査書を通して学力試験だけでは測れない受験生の個性や潜在能力を評価します。成績はもちろん、授業態度や探究活動、部活動といった3年間のあらゆる活動が記録された書類なのです。

主な記載項目

次のとおり、調査書には高校生活3年間の受験生の記録が記載されます。

学習の記録各教科の評定(5段階評価の成績)や修得単位数
総合的な学習の時間の記録探究活動のテーマや、活動における受験生の役割、成果など
特別活動の記録生徒会活動、学校行事、部活動など、学業以外の主体的な活動に対する評価
指導上参考となる諸事項部活動の役職や大会成績、ボランティア活動、資格取得などの実績
出欠の記録3年間の欠席、遅刻、早退の日数
出典:令和7年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告

上記の項目によって、受験生の学力、活動実績、学業に対する態度などが総合的に評価されます。

内申書・推薦書との違い

調査書と似た書類に「内申書」や「推薦書」があります。調査書・内申書・推薦書は、どれも学校推薦型選抜において重要な役割を担っていますが、性質が異なります。

書類の種類特徴
調査書・指導要録に基づき、高校生活全体の記録を網羅的に記載する公的書類
・学業成績だけでなく、学習態度、課外活動、生活態度など、多角的な情報が含まれる
内申書・主に学業成績を中心とした評価
・高校内での評価を指す
推薦書・高校の校長が推薦する理由や生徒の特徴を記述
・生徒の特定の能力や実績に焦点を当てる

全ての評価の土台となるのが、客観的な事実を記録した「調査書」です。特に、評定平均は、多くの大学で出願資格に直結するため、基本的な評価項目と言えます。

推薦書は、調査書のデータだけでは伝えきれない、受験生の個性や学習意欲、将来性などを先生の視点から補足しています。調査書で示された客観的な実績を、推薦書が裏付けるという関係性で成り立っているのです。

調査書は事実の記録、内申書は学業成績、推薦書は先生からの推薦状と考えるとわかりやすいでしょう。

学校推薦型選抜で調査書が重要な3つの理由

学校推薦型選抜において、調査書が合否を左右する重要な書類なのには理由があります。大学側が評価する視点をあらかじめ知っておくと、高校生活で意識すべき点が明確になります。

そこでここからは学校推薦型選抜において調査書が重要な理由を、3つにまとめて解説します。

理由1:受験生の人柄を評価しやすい

受験生の人柄を評価しやすい点は、学校推薦型選抜において調査書が重要な理由の1つです。

知識量を問う学力試験とは評価の軸が異なり、日々の学習態度や人間性が反映された記録だからです。

学力試験の点数だけでは測れない、高校生活3年間を通した活動や取り組みが客観的な記録として記載されているからです。

大学は、アドミッションポリシー(入学者受入方針)の中で求める学生像を具体的に示しています。「主体性を持って多様な人々と協働できる人材」を求める大学であれば、下記の項目などから該当する受験生の素養を判断します。

  • 調査書の特別活動の記録
  • 指導上参考となる諸事項

調査書には、大学のアドミッションポリシーに受験生が適しているかを判断する項目が記載されています。調査書は受験生が大学の求める人物像と合致しているかを示すための根拠となる意味で重要な書類なのです。

理由2:高校生活での活動を確認しやすい

高校生活での活動を確認しやすい点も、調査書が重要視される理由の1つです。

授業の成績だけでなく、受験生が何に興味を持ち、どのように課題に取り組んだかという「主体的な学びの姿勢」を評価できるからです。

大学側は、特に「総合的な学習(探究)の時間」の記録や、各教科の先生からの所見を重視します。総合的な学習時間の記録から、受験生の持つ次のような資質を評価しています。

  • 探究学習や課題解決型学習への主体的な取り組み
  • 授業への積極的な参加度や協働性
  • 知的好奇心に基づいた粘り強い思考力

総合的な学習時間の記録は、受験生が入学後も成長できる人材であることを示す客観的な証拠となります。

理由3:現状の学力を把握しやすい

現状の学力を把握しやすい点もまた、調査書が重要な理由として挙げられます。

評定平均という具体的な「数値」によって、高校での学業成績を客観的に評価できるからです。また、テストの点数だけではわからない思考力や表現力など「学力の質」を、先生による「所見」から読み取れます。

大学は「数値」と「所見」の両方を組み合わせることで、受験生の学力を多角的に判断します。

評定平均値高校での学業成績が具体的な数値で示される
各科目の成績学習進度や得意・苦手分野を把握できる
記述式の評価欄思考力や表現力などの総合的な学力を読み取れる

調査書に記載された成績や所見には、大学での学びに必要な総合的な学力が備わっているかが示されています。調査書は、受験生が学問を探究する準備ができているかを判断するために重要な書類なのです。

学校推薦型選抜の調査書で評価されるポイント3つ

ここからは学校推薦型選抜の調査書で評価されるポイントを、3つにまとめて解説します。

調査書における評価ポイントを理解しておくと、高校生活での努力の方向性が明確になります。評価ポイントを意識して高校生活を送ることで、調査書の内容をより充実させられるでしょう。

ポイント1:評定平均

学校推薦型選抜の調査書で基本的な評価ポイントとなるのが、評定平均です。

大学での学習に必要な基礎学力が備わっていることを、客観的な数値で証明できるからです。評定平均は、出願資格として基準値が設けられており、満たしていなければ選考の土俵に上がることすらできません。

評定平均は、日々の学習への取り組みが総合的に反映された結果です。高い評価を得るためには、次のような継続的な努力が求められます。

  • 日々の授業に積極的に取り組む
  • 定期テストで高い得点を目指す
  • 提出物の期限を守る
  • 補習に参加する

短期間で評定平均を上げるのは難しいため、高校1年生からの継続的な努力が必要です。

学校推薦型選抜に必要な評定を知りたい人は、次の記事も参考にしてください。

ポイント2:欠席日数

受験生の真面目さや自己管理能力を測る指標として、欠席日数も調査書において重要な評価ポイントです。

特別な理由以外で欠席が少ないことは、誠実な学習態度や規則正しい生活習慣の証明になるからです。

大学側は、受験生が心身ともに健康で、入学後も継続して学業に専念できるかを判断したいと考えています。そのため、欠席が多いと学習意欲や計画性に懸念を持たれる可能性があります。

具体的な基準は大学によりますが、年間で10日を超える場合は、面接などで理由を問われることもあります。日頃から健康管理を徹底し、体調不良による欠席を避けることが基本です。

欠席日数の記録は、受験生の自己管理能力と学習への高い意欲を示す根拠の一つとして、総合的に評価されます。やむを得ず欠席した場合は、その理由を正直に説明できるように準備しておきましょう。

欠席日数についてもっと詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。

ポイント3:活動実績

部活動や資格取得などの活動実績も、調査書で評価されるポイントです。

学力だけでは測れない主体性や協調性といった人間性も、入学後の成長を予測するうえで重要な評価軸だからです。下記の項目が評価対象となる主な活動実績です。

  • 部活動での実績(大会出場、役職など)
  • 生徒会活動、委員会活動への積極的な参加
  • ボランティア活動や地域活動への貢献
  • 資格取得。検定合格
  • 校内外のコンテストや発表会への参加

活動実績は、大学が示すアドミッションポリシーに合致した人材であることを示す具体的な証拠となります。活動の大小や結果だけでなく、活動を通しての学びを自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。

学校推薦型選抜における調査書の提出手順

調査書の提出は、手順を事前に把握しておくことで、不備なく安心して進められます。手順は大きく3つのSTEPに分かれます。

STEP
志望大学の募集要項で提出方法や期限を正確に把握する

大学ごとに手続きが異なり、思い込みは出願ミスにつながります。早い段階で確認し、計画を立てましょう。

STEP
高校の先生に調査書の発行依頼をする

発行には時間がかかるため、締切から2週間~1ヶ月程度の余裕を持ってお願いするのがマナーです。締切は高校によって異なるため、担当の先生に確認しましょう。

STEP
郵送かオンラインで大学の指示通りに提出する

郵送の場合は追跡可能な方法で、オンラインの場合は時間に余裕を持ってアップロードします。最後にミスがないよう慎重に進めましょう。

まとめ

本記事では、学校推薦型選抜における調査書の重要性や評価ポイント、提出手順を解説しました。

調査書は、評定平均や欠席日数、活動実績などから、受験生の人柄や学習意欲を総合的に評価する書類です。評価されるポイントを理解し、日々の授業や課外活動に意識的に取り組むことが合格への近道となります。

提出手順も早めに確認し、計画的な準備で志望校の合格を掴み取りましょう。

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