この記事では例文や書き方も交え、総合型選抜における課題レポートの提出手順を解説します。
「総合型選抜の課題レポートはどんなものなんだろう?」
「レポートには何を書いたらいいかかな…」
総合型選抜試験のレポートは、一般選抜の小論文とも異なるため、どう対策すればいいのかイメージが湧かない人は多いですよね。
総合型選抜のレポートは、志望校のアドミッションポリシーに合った内容であることが基本です。自分の魅力を具体的に伝えることもあります。ただし、漠然とした内容では高評価を得るのは難しいです。
そこで、本記事では例文も交え、総合型選抜試験におけるレポートの書き方を解説します。レポートの目的や作成時の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 総合型試験におけるレポートとは大学での研究に必要な力が問われる
- 総合型選抜試験のレポートは序論・本論・結論で構成する
- レポート作成の注意点は文体の統一・参考文献の記載・提出前の見直し
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総合型選抜試験におけるレポートとは
総合型選抜試験のレポートは、志望校の求める人物像に合致していることを証明する重要な書類です。志望理由やこれまでの経験、将来の目標を論理的に記載し、大学側に自身の意欲や適性をアピールします。
大学によっては、活動内容やテーマが指定されることもあります。その場合、指定された課題に基づき、自分の考えを論理的かつ客観的に記述しなければなりません。
レポート作成時は、問題提起から結論までを明確にし、書籍やインターネットで調べて根拠を示しましょう。
レポート課題の背景には、高校までの「勉強」と異なる大学での「研究」に必要な力を問う意図があります。総合型選抜のレポートは、大学での研究に向けた基礎力を評価する重要な手段なのです。
レポート以外の記述試験である小論文について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
総合型選抜試験で合格するレポートの書き方
総合型選抜試験で評価されるレポートを作成するには、事前準備と構成が欠かせません。事前準備として、課題に必要な資料や情報を集めておくことが不可欠です。
ここでは次の構成別に、総合型選抜で合格するレポートの書き方を解説します。
- 序論
- 本論
- 結論
序論の書き方
序論はレポート全体の導入部分で、読者である大学側の興味を引きつける重要な箇所です。
序論では、課題やテーマの背景、問題提起やレポートの目的を簡潔に述べます。次に続く本論にスムーズにつながる構成にすることが重要です。
序論を書く際には、次のポイントを押さえましょう。
- テーマや課題に関する背景を示す
- レポートで取り上げる問題や目的を明確にする
- 本論で述べる内容の方向性を述べ、読者に期待感を持たせる
序論の段階では、細かい情報を詰め込みすぎないことが大切です。簡潔で、テーマに対する自分の関心や独自の視点を示すと、高評価に繋がります。
本論の書き方
本論はレポートの核で、序論で記載した問題提起に対する自分の意見や考えを詳しく述べる部分です。論理的な構成と具体的な根拠を示していることが、評価ポイントとなります。
本論を作成する際には、次のポイントを意識しましょう。
- 問題提起に対する自分の考えを述べる
- 自身の経験や調査で得たデータを活用し、意見を裏付ける
- 明確な根拠を示す
- 論理的な流れで主張を展開する
具体例や自身の経験を取り入れることで、内容に説得力を持たせられます。また、データや事例を示す際には、出典や調査の背景を明記することで信頼性が向上します。一貫性のある主張と、テーマに沿った内容を意識し、読者に納得感を与える構成が合格に近づくポイントです。
結論の書き方
結論は、レポートの締めくくりとして、全体を簡潔にまとめ、主張を再確認する部分です。結論で重要なのは、本論で述べた内容を整理し、明確な結論を提示することです。
結論を書く際は、次のポイントを意識して書きましょう。
- 本論の要点を簡潔に振り返る
- 序論での問題提起に対する結論を示す
- 自分の考えや意見がテーマにどう貢献するかを述べる
具体的には、「このように私は~だと考えます」や「したがって~が必要だと考えます」というように明確に結論を示します。
結論は簡潔で余韻を残すような内容にすることが大切です。繰り返しを避け、鮮明な印象を与える一文で締めくくると、レポート全体が引き締まります。
【大学別】総合型選抜におけるレポートの例文
なかには、実際に試験でどんな課題レポートが出題されているのか、イメージが湧かない人もいますよね。
そこで、ここからは次の大学別に、総合型選抜におけるレポートの例文を解説します。
- 関西福祉科学大学
- 湘南工科大学
- 桃山学院大学
- 神奈川工科大学
関西福祉科学大学
関西福祉科学大学では、総合型選抜対策講座が公開されています。関西福祉科学大学のレポートでも、前述したように序論、本論、結論の構成が基本です。
本論では客観的な根拠やデータを用いて、論理的に考察を展開することが評価されます。例えば、参加者の時間不足や情報不足がボランティア活動の障害であると指摘します。それから具体的な改善策の提案です。
結論では本論までを簡潔にまとめます。レポートは、大学が求める「論理的思考力」と「課題解決能力」を測るもので、アドミッションポリシーに沿った記述が求められます。
>課題一例
ボランティア活動が活性化するために必要なことを論じなさい
引用:関西福祉科学大学 2023年度入試について
湘南工科大学
湘南工科大学のレポートでは、課題のテーマに関連する技術を選び、情報を調べてまとめることが重要です。自分の志望学科や将来の目標と関連付けて考察し、未来への技術の可能性を具体的に書きましょう。
出典の明記やウェブサイトに掲載されている形式の遵守も、評価の対象となります。
湘南工科大学の2025年度総合型選抜「課題レポート方式」では、以下の課題が提示されています。
>課題
・動画を視聴し、「未来の高速道路」で用いられる技術の中から、自身が志望する学科・専攻の専門分野に関わるものを1つ選び、それに関する情報をWebサイトなどから集めてまとめてください。
・まとめた内容に基づき、その技術が未来の高速道路で活用されることで期待される成果や更なる発展について、自身の考えを述べてください。
※動画の事例以外の国内外の取り組みを参考にしても構いません。
※参考にした記事、解説、文献等を必ず示してください。
引用:2025年度 湘南工科大学 総合型選抜 課題レポート方式 事前課題 | 入試情報 | 湘南工科大学
桃山学院大学
桃山学院大学ビジネスデザイン学部では、3つの課題形式から選択してアイデアレポートを作成します。課題に対しては、論理的な構成に加え、他の受験生との差別化のため独創性を持った提案も加算ポイントです。
また、提案の実現可能性や社会的意義を具体的に記述し、参考文献を明記することでレポートの信頼性を高めます。
桃山学院大学ビジネスデザイン学部では、次のアイデアレポートが総合型選抜試験の課題となっています。
>課題
3つの中から1つを選んで提出してください。
[ビジネス企画・提案方]
あなた自身が考えるビジネスプランを自由に提案してください。
[アトツギ型]
①家族等が経営する会社を、事業継承(アトツギ)する予定がある方
②事業継承(アトツギ)に興味があり、実際に引き継いでみたい会社がある方
上記で出願する方は、その会社について説明し、そこで実現したい新規事業や改革アイデアを提出してください。
[探求・ビジコン活用型]
高校の間に取り組んだ探求活動(地域課題解決のための取組みや新商品・サービスアイデア等)のプラン書や報告書、またはビジネスプランコンテスト等に出場時のプラン書をそのまま提出してください。アイデアレポートとして取り扱います。
引用:桃山学院大学 2025年度 入試ガイド
神奈川工科大学
神奈川工科大学の機械工学科では、環境問題や交通技術といった未来を見据えたテーマが提示されます。まず現在の技術や社会問題を深く調査し、未来の課題を具体的に予測する力が必要です。
選んだテーマを自身の将来の研究に結びつけて記述することで、大学側に適性と意欲をアピールできます。特に、最新技術に関する知識を積極的に盛り込み、専門性を意識して書きましょう。
>課題
次の二つのテーマの内、どちらか一方を選びレポートにまとめ提出すること。
・自分が30歳になるとき、また60歳になるとき、地球環境において、それぞれ最も必要となる「機械」あるいは「技術」 とはどのようなものになるかを想定して示しなさい。また、 なぜ必要となるのか、その理由を具体的に記述しなさい。
・現在の移動交通手段において、最も優れているものが何であるかを、その理由とともに記述しなさい。さらに、今後、どのように発達していくべきであるかも併せて記述しなさい。
引用:総合型選抜(課題レポート方式 ) | 神奈川工科大学(KAIT)受験生応援サイト
総合型選抜におけるレポート作成の注意点
総合型選抜のレポートは、受験生の論理的思考力や表現力を評価する書類です。しかし、高評価を得るには、ただ内容を埋めるだけでなく、注意点を押さえる必要があります。
ここでは、レポート作成時の注意点を4つにまとめて解説します。
- 「書き言葉」で書く
- 語尾は「である調」に統一する
- 参考文献を記載する
- 提出前に内容を見直す
注意点1:「書き言葉」で書く
総合型選抜のレポート作成では、話し言葉を避け、正式な書き言葉を用います。これは、レポートが評価を受ける試験で、論理性や信頼性を求められるためです。書き言葉を使うことで、受験生としての誠実さをアピールできます。
また、感嘆符(!)や疑問符(?)の多用も避けるべきです。これらの記号はカジュアルな印象を与えるため、総合型選抜試験のレポートにはふさわしくありません。
例えば、「これって本当に大事なの?」は「これが重要である理由は何か」と書き換えます。
書き言葉にすることで、レポート全体が洗練され、読む側に真剣な印象を与えられます。適切な文体を心がけ、試験にふさわしい信頼感のある文章を書きましょう。
注意点2:語尾は「である調」に統一する
総合型選抜のレポートを書く際は、語尾を「である調」に統一します。論理性や信頼性を強調し、文章全体を落ち着いた印象に仕上げるためです。
「このような結果です」は「このような結果である」と言い換えることで、文意が引き締まります。また、語尾を統一することで、文章全体に一貫性が生まれ、読みやすさにも繋がります。
さらに、「~なのである」などの表現も避け、簡潔かつ明確な言い回しを心がけましょう。適切な語尾を使うことで、レポートの完成度が大きく高まり、評価につながります。
注意点3:参考文献を記載する
総合型選抜のレポートでは、使用した資料や情報の出典を必ず明記します。これにより、内容の信頼性を高め、レポート全体の説得力を高められます。出典の記載がない場合、信頼性が損なわれるだけでなく、盗用とみなされるリスクもあるのです。
特にインターネットの情報を引用する際は、公式なサイトや信頼性の高いデータを選びましょう。出典の明記方法は、URLや閲覧日を含めることで、情報の正確さを保証することができます。
最後に、使用した文献や資料もレポートの文末に参考文献リストとしてまとめて記しましょう。文献リストを整えることで、レポートの完成度が高まります。
注意点4:提出前に内容を見直する
提出前の見直しが、総合型選抜のレポート試験の合否に大きく影響します。誤字脱字や文法ミスを避けるだけではありません。構成や論理の流れが正しいか、内容が一貫しているかも確認します。
見直しは、以下の手順がおすすめです。
序論・本論・結論の流れになっているか
不自然な表現や冗長な文章がないか
自分では気づきにくいミスや曖昧な箇所を指摘してもらう
自分でレポートを読み直す際は、時間を空けてから客観的な視点で確認するのも効果的です。合格するレポートを書くには、見直しを怠らず、提出前の最後の一手間を惜しまないようにしましょう。
まとめ
総合型選抜のレポート試験では、課題に沿った内容を論理的かつ明確に記述することが求められます。序論・本論・結論の構成を意識し、書き言葉や「である調」で統一された文体を使用しましょう。
また、参考文献を正確に記載し、信頼性を高めることも重要です。提出前には誤字脱字や論理の流れになっているかも再チェックします。
本記事で解説したポイントを押さえて、大学側に適性や意欲を効果的に伝えられるレポートを作成しましょう。