
「慶應義塾大学のFIT入試って、どんな試験なんだろう?」
「合格するにはどんな対策をすればいいのかな?」
慶應義塾大学における総合型選抜の1つ「FIT入試」を検討しているものの、具体的な試験内容や対策方法がわからず悩んでいる人は多いですよね。
2026年度から書類の内容が大きく変わったと聞いて、戸惑っている人もいるはず。
FIT入試は、一般選抜では測れない人物の資質や学びへの意欲を多角的に評価する試験です。変更点を正確に把握しないまま対策を進めると、準備が的外れになるリスクがあります。
そこで本記事では倍率や難易度も交え、慶應義塾大学におけるFIT入試の特徴を解説します。合格者の体験談や対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、慶應義塾大学における総合型選抜の全体像を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

- FIT入試は法学部のみで実施。A・B方式の2種類
- 2026年度から志望理由書・自己推薦書の設問が大きく変わった
- A方式の倍率は5〜6倍台、B方式は2〜3倍台が目安
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慶應義塾大学のFIT入試とは?

FIT入試は2006年度からスタートした試験方式です。「この学生を教えたい」という法学部教員と、慶應義塾大学法学部で「勉強したい」学生との良好な相性(fit)を実現しようとするものです。FITは「Flexible and Intelligent Thinking」の頭文字で、法律学や政治学への強い学習意欲と、社会で活躍できるリーダーとしての素質を持った学生を求めています。
FIT入試の評価対象は、次の3点です。
- 受験生の個性
- 高校生活の活動で培った才能
- 将来の可能性

FIT入試は、一般選抜とは根本的に異なる人物本位の選抜方式です。ここからは下記3つの基本情報を解説します。
- 受験できる学科と出願資格
- 2026年度の変更点
- 出願スケジュール・選考日程
法学部政治学科・法律学科で受験可能

FIT入試は、慶應義塾大学における法学部の「法律学科」と「政治学科」で受験可能です。
現役の高校生、既卒生(浪人生)や社会人も、出願資格を満たしていれば受験できます。選考において、現役生であることが有利になったり、既卒生であることが不利になったりすることはありません。
注意点として、B方式への出願は卒業した高等学校等から調査書が発行される場合に限られます。B方式とは、主に学業成績を重視する試験方式で、後ほど詳しく解説します。調査書発行という条件があるため、高等学校卒業程度認定試験の合格者など、調査書の発行を受けられない場合はB方式には出願できません。
また、併願のルールも確認しておきましょう。法律学科と政治学科の併願はできません。しかし同じ学科内であれば、A方式とB方式の両方に出願することが可能です。一般選抜や帰国生入試との併願も認められています。
ただし、FIT入試は慶應義塾大学・法学部を第一志望で受験するのが出願条件です。合格した場合には、入学を確約できる必要があります。自分が出願資格を満たしているか、募集要項で事前に確認することが重要です。
なお、総合型選抜における併願をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

2026年度の変更点
2026年度のFIT入試では、出願書類の設問内容とA方式の口頭試問の一部に大きな変更がありました。受験を予定している人は、過去の情報をそのまま使い回さないよう注意が必要です。
今年度より出願書類の設問およびA方式の口頭試問の一部に変更がありました。具体的な変更点は次のとおりです。
志願者調書(2ページ目)の設問変更
変更前は「人間的成長」「影響を受けた事柄」「最も関心を持つ事柄」「法学部への期待」の4問が出題されていました。
変更後は「①中学卒業後に最も関心を持った社会問題について、その問題に関心を持つに至った経験を述べ、中学卒業後に自分として何らかの行動を起こしたことがあれば説明してください」「②①に記載した行動に基づいて、当該問題に対して現時点で自身が抱いている見解と、その根拠を簡潔に説明してください」の2問になりました。
志望理由書の設問・文字数変更
変更前は「慶應義塾大学法学部を志望した理由、および入学したら何をどのように学び、自分の夢をどう実現したいかを2000字以内で記述」でした。変更後は「何故、慶應義塾大学の法学部で法律学・政治学を学ぼうと考えたのか、また法学部で学ぶ法律学・政治学が自分の将来においてどのような意味をもち得るのかを800字以内で記述」となりました。文字数が2000字から800字に大幅に短縮された点が注目のポイントです。
自己推薦書の設問変更
従来は「自己推薦書〔Ⅰ〕の活動報告にのっとり、自分がいかに魅力的な人物であるかを自由に表現」する形式でした。2026年度は、自己推薦書〔Ⅰ〕の活動報告がなくなり、「出願資格でチェックした内容を踏まえ、慶應義塾大学法学部での学びを経てどのように社会に貢献する人材となり得るかを自由に表現」する形式に変更されました。
A方式の口頭試問の変更
開始前に実施されていた自己アピールを兼ねた2分間の自己紹介がなくなりました。これにより、口頭試問は最初から質疑応答が始まる形式になっています。
出願スケジュール・選考日程
2026年度のFIT入試における選考日程の大まかな流れは次のとおりです。
| 内容 | 日程 |
|---|---|
| 出願登録・検定料の支払い | 2026年8月1日(土)〜9月3日(木) |
| 出願書類の郵送 | 2026年9月1日(火)〜9月3日(木)※締切日消印有効 |
| 第1次選考合格発表 | 2026年9月16日(水) |
| 第2次選考 A方式 | 2026年9月20日(日) |
| 第2次選考 B方式 | 2026年9月21日(月) |
| 第2次選考合格発表 | 2026年11月4日(水) |
出願から合格発表まで、約3ヶ月という短いスケジュールで進みます。
出願・1次合格発表・2次試験までの期間が非常に短いため、計画性が必要です。出願書類の準備は夏休みに入る前から着手するのがおすすめです。
慶應義塾大学におけるFIT入試方式の種類

FIT入試はA方式とB方式の2種類にわかれています。方式によって出願資格・提出書類・2次選考の内容がすべて異なります。
ここからは次の2つの試験方式の特徴を解説します。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
A方式の特徴と選考内容
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A方式は、学業以外にも多様な活動(探究・ボランティア・表彰歴など)に意欲的に取り組んできた人が対象です。評定平均の基準がなく、高校での活動実績や将来性でアピールしたい受験生に向いています。
高等学校の調査書が発行されない場合でも、卒業証明書と成績証明書を提出すれば出願が可能です。
第1次選考は書類審査です。提出書類は次のとおりです。
- 志願者調書(A4:2ページ)
- 志望理由書(800字以内)
- 調査書等
- 自己推薦書(A4:5枚以内)
第2次選考では、論述試験と口頭試問の2種類が課されます。
論述試験は、大学教員による模擬講義のあとに行われる45分間の筆記試験です。講義の内容を踏まえたうえで自身の意見を記述させる形式で、法律学や政治学の修得に必要な理解力・考察力・表現力が評価されます。
口頭試問は、複数の教員と受験生1名で行われる約15分の質疑応答です。2026年度から冒頭の自己紹介がなくなり、最初から質疑応答が始まります。過去の口頭試問のテーマは、法律学科が「裁判におけるAIの導入」(2025年度)、政治学科が「政治におけるAIの利用」(2025年度)といった時事的な問題が出題されています。
B方式の特徴と選考内容
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B方式は、2012年度から導入された「地域ブロック枠」の考え方を採用した試験方式です。日本全国を7つの地域ブロックに分け、各ブロックから法律学科・政治学科それぞれ最大10名程度を合格者とします。地域ブロックは出身高校の所在地で決まります。
B方式の出願資格には、次の評定平均の基準があります。
- 全体の学習成績の状況が4.0以上
- 指定5教科(外国語・数学・国語・地理歴史・公民)すべてで4.0以上
1教科でも基準に満たない場合は出願できません。
第2次選考では、総合考査Ⅰ・Ⅱと個人面接が課されます。
総合考査Ⅰは与えられた資料(グラフ・表・データ・条文・判例など)から読み取れることを400字程度にまとめる試験で、論理的な思考力・考察力が問われます。試験時間は45分間です。
総合考査Ⅱは特定のテーマについて400字程度の小論文を作成する試験で、創造力や独創性・発想力が評価されます。
個人面接の所要時間は約10分間です。提出書類や評価書の内容をもとに、地域社会への関心や学習意欲をアピールします。
慶應義塾大学・FIT入試の倍率・難易度

FIT入試の倍率は、学科・方式によって大きく異なります。A方式は高校での活動実績で勝負できる分、より多くの受験生が集まりやすく、倍率が高い傾向にあります。
| 学科 | 方式 | 倍率 |
|---|---|---|
| 法律学科 | A方式 | 5.4 |
| B方式 | 2.7 | |
| 政治学科 | A方式 | 6.1 |
| B方式 | 2.8 |

ここからは次の2つの方式別の倍率推移を解説します。
- A方式の倍率推移(過去5年分)
- B方式の倍率推移(過去5年分)
A方式の倍率推移(過去5年分)
A方式の倍率は5〜7倍と、B方式と比べると高い傾向にあります。2025年度入試のA方式の倍率は法律学科で5.39倍、政治学科で6.10倍でした。
慶應義塾大学公式発表のデータをもとにした過去5年分の倍率は次のとおりです。
| 年度 | 法律学科A方式 | 政治学科A方式 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 約5.4倍 | 約7.5倍 |
| 2022年度 | 約4.9倍 | 約6.7倍 |
| 2023年度 | 約4.7倍 | 約5.8倍 |
| 2024年度 | 約4.8倍 | 約6.0倍 |
| 2025年度 | 約5.4倍 | 約6.1倍 |
一時は政治学科A方式で9倍近い倍率になりましたが、ここ数年の出願者数の減少にともない、倍率の数字もだいぶ落ち着いてきています。
2025年度は前年度と比較して法律・政治両学科とも受験者数が増加しました。特に法律学科はA・B両方式とも30人以上増加し、倍率も高まりました。最新の動向として、倍率は再び上昇傾向にある点に注意が必要です。
B方式の倍率推移(過去5年分)
B方式は、評定平均4.0以上という出願条件があるため志願者が絞られます。その結果、A方式と比べると倍率は低い水準に落ち着いています。
慶應義塾大学公式発表のデータをもとにした過去5年分の倍率は次のとおりです。
| 年度 | 法律学科B方式 | 政治学科B方式 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 約3.2倍 | 約3.4倍 |
| 2022年度 | 約2.8倍 | 約2.7倍 |
| 2023年度 | 約2.2倍 | 約2.3倍 |
| 2024年度 | 約2.6倍 | 約2.9倍 |
| 2025年度 | 約2.7倍 | 約2.8倍 |
第1次選考通過者数は、いずれの学科・方式でも前年度より少なくなっており、第1次選考で人数を絞る傾向が見られました。倍率だけを見て油断すると、書類選考の段階で敗退するリスクがあります。
また、B方式には地域ブロック制が採用されています。地方の方が倍率が低くなることが多く、総合型選抜そのものの認知が低い関東圏以外の方には特におすすめです。
慶應義塾大学・FIT入試の出願書類一覧

FIT入試では、出願書類の完成度が合否を左右します。他大学の総合型選抜に比べると文字数も多く、準備への負担がかかるため、前もって入念に準備することが合格するための重要なポイントです。
A方式・B方式それぞれの提出書類は次のとおりです。
| 書類 | A方式 提出書類の内容 | B方式の提出書類 |
|---|---|---|
| 志願者調書 | 社会問題への関心・行動・見解を記述(A4:2ページ) | A方式と同上 |
| 志望理由書 | 志望理由と学問の意味を800字以内で記述 | A方式と同上 |
| 調査書 | 高校の成績・卒業証明書類 | 高校全期間の成績を記載した調査書 |
| その他 | 自己推薦書:活動実績と社会貢献の可能性を自由に表現(A4:5枚以内) | 評価書:学校の先生など第三者による推薦書 |
- テーマは早めに決める: 志願者調書・志望理由書のテーマは、夏休み前から考え始めるのが理想です
- 「自分ごと」の視点を持つ: 関心のある社会問題は、実際に行動した経験と結びつけて書くと説得力が増します
- 添削を繰り返す: 学校や予備校の先生に複数回添削してもらい、完成度を高めましょう
慶應義塾大学のFIT入試におけるアドミッションポリシー

アドミッションポリシーとは、大学が「どのような学生に入学してほしいか」を示す基本方針です。FIT入試では、受験生がこの方針に合致する人物かどうかが、合否を分ける重要な評価基準となります。
出願書類の作成や面接対策を進める前に、まずは大学が求める学生像を正確に理解しておくことが不可欠です。
慶應義塾大学法学部がFIT入試で掲げる学生像は、主に次の3点です。
- 主体的に学ぶ姿勢のある人: 大学の教育目標を理解し、意欲的に学習に取り組めること
- 論理的な思考力と表現力を持つ人: 社会問題に対して法律学や政治学の視点で考え、自分の意見を的確に表現できること
- リーダーの気概を持つ人: 国際的な視野と多様な価値観を持ち、新しい社会を創り出す意欲があること
FIT入試は偏差値にとらわれない人物本位の選抜方法であり、何か一芸に優れているだけでは合格できない仕組みになっています。
志望理由書や面接では、自分の経験や考えがアドミッションポリシーのどこに当てはまるのかを意識してアピールすることで合格に近づきます。
参考:学部入学案内 - 各学部における3つの方針:[慶應義塾]
総合型選抜のアドミッションポリシーをより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

慶應義塾大学・FIT入試はずるい?公平性への疑問と実態

FIT入試に対して、「学力試験なしで入れるのはずるい」という声を聞くことがあります。しかし実態は、一般選抜とは異なる高い水準の能力が求められる試験です。
まず、選考内容の難易度について確認しておきましょう。A方式では、大学教員の模擬講義を受けたうえで45分間の論述試験をこなし、さらに法律学・政治学の専門的なテーマで口頭試問に答えます。B方式でも、資料読解と小論文が課されます。どちらの方式でも、法学の基礎知識や高い対応力が求められ、柔軟な発想がなければ解けない課題が出題される傾向にあります。
また、書類選考の負担も相当なものです。他大学の総合型選抜に比べると文字数も多く、準備への負担がかかります。過去には志望理由書の文字数が2000字を超えていた時代もあり、受験生が綿密な準備を求められてきた経緯があります。
「ずるい」という疑問は、情報不足から生まれることがほとんどです。FIT入試は、一般選抜とは異なる軸で能力を測っているにすぎません。
次に公平性について整理しておきましょう。
- 選考基準はアドミッションポリシーに基づき明文化されています
- 書類・論述・口頭試問など複数の選考段階を経るため、多角的な評価が行われます
- FIT入試は、2012年度に募集枠が60名から160名に拡大されるなど、学内でもその成果が高く評価されてきた入試形態です。
一方で、総合型選抜全体の課題として、塾や予備校のサポートを受けられる環境の有無が有利・不利に影響する側面があることも事実です。ただし慶應義塾大学のFIT入試は、書類だけで合否が決まるわけではありません。
2次選考で問われる論述力や口頭試問への対応力は、塾に通うかどうかだけでは差がつきにくい能力です。FIT入試の合否は、高校在学中からの学びの深さと、自己との向き合いの真剣さで決まります。
慶應大学におけるFIT入試の合格体験談

FIT入試の合格者の特徴には、下記のような共通点があります。
- 単に成績が良いだけでなく、自分の経験と学びたい学問を強く結びつけている
- アピールするための工夫を重ねている
上記を踏まえ、ここからはFIT入試に合格した受験生2名の体験談を紹介します。
- 法学部政治学科に合格した服部翔さん
- 法学部政治学科に合格した奥田太陽さん
法学部政治学科に合格した服部翔さん
意識していた勉強法
引用:合格体験記 – 服部翔 – 慶應義塾体育会野球部
一次試験(資料提出)
一次試験の際に特に重要となる資料は志望理由書と自己推薦書と呼ばれる2つです。
志望理由書に関しては、私は野球と政治を関連させた取り組みを考えたいと思っていました。そのため、野球の要素を入れすぎないようにすることと政治の要素を入れすぎて次の面接で答えられないということがないように両方の要素の塩梅を意識しました。また、自分の将来の目標を明確にし、目標に対する熱量や思いが伝わるように意識して志望理由書を作成しました。
自己推薦書に関しては、視覚的に自分自身をアピールする必要があるので、文字ばかりでなく取り組んできたことを写真や図として挿入し、見た人に自分のことが一目で伝わるようにすることを意識していました。私は高校の時に主将を務めていたので、主将として引っ張ったチームの成績や自分が出ている新聞記事を貼り、自分の努力や野球に対しての姿勢、人柄や魅力を全面にアピールすることを意識しました。
二次試験(面接)
二次試験に向けては、まずは資料提出後も自身の研究に対する知識をつけ、さらに深掘りすることを意識して取り組みました。そもそも知識がないと面接の際に根拠立てて話すことができないので、調べられることは徹底的に調べ上げ、知識を養いました。また、深堀をするために予想される質問を沢山考え、それについての答えを考え、頭にインプットしていました。実践的な面接練習に関しては、私は話すことには自信があり、志望理由についても明確に頭に入っていたので、言葉遣いや表情、聞かれたことに対してしっかりとした答えが言えているのかを毎日繰り返し練習していました。小論文に関しては、最初から形にはなっていたので、語尾や文章構成、根拠を明確にすることなどを過去問や色々な問題集で毎日練習し、無駄な減点をしてしまわないように意識していました。
合格につながったポイントは「自分の経験」と「学びたい学問」のバランス感覚と、徹底した二次試験対策にあります。
志望理由書では、「野球」という自身の強みと「政治学」を結びつけつつも、どちらかに偏りすぎないよう意識しています。これは、二次試験の面接で専門的な質問に詰まってしまうリスクを避けるための、戦略的な判断と言えるでしょう。
また、自己推薦書では写真や図を使い、視覚的にアピールする工夫をしています。審査員に自身の活動を分かりやすく伝え、印象に残すのに効果的です。
二次試験では、提出書類の内容をさらに深掘りし、想定問答を繰り返すことで、自信を持って面接に臨むことがポイントです。
法学部政治学科に合格した奥田太陽さん
意識していた勉強法
引用:合格体験記 – 奥田太陽 – 慶應義塾体育会野球部
一次試験(資料提出)
一次試験の際に特に重要となる資料は2000字の志望理由書と自由記述と呼ばれる2つです。志望理由書に関しては、大学で何がしたいのかや大学卒業後の自分の理想像をこれまでの経験などを踏まえ記載する必要があります。私は、特に自分を試験官の立場から客観視することを意識して取り組んでいました。自由記述に関しては、指定された枚数の中で自分を最大限アピールする必要があります。私は写真を使ってこれまでの経験を記載し、何百人ものライバルの中で試験官の印象に残ることができるよう、図や色を工夫するように意識しました。特に資料のデザインに自信がなかったため、多くの方々に伝えたいことが資料から伝わっているか見てもらい、より良い資料になるよう心掛けていました。
二次試験(面接)
二次試験では、論述試験と口頭試問、そして面接があります。論述試験では、知識がないと質の高い論述が書けないため、新聞や本などから知識をつけることを重点的に行っていました。口頭試問では、自分の考えを端的に説明することが求められていると思います。そのために、多くの方々に協力してもらい、過去問や出題されそうな問題から対策を行いました。そして、面接ではどんなことを聞かれても答えられるように、一次試験が終わってから改めて自分がこれまでの研究してきたこと、そしてこれからの展望を考え、多くの人に面接練習に付き合っていただき、対策しました。
合格のポイントは、「客観的な視点」と「周囲を巻き込む力」です。
志望理由書を作成する際に、常に「試験官からどう見えるか」を意識している点が重要です。アピールしたいことを一方的に書くのではなく、相手にどう伝わるかを考えることで、説得力のある書類を作成できます。
二次試験対策では、周りの人に協力してもらい、実践的な練習を重ねます。自分一人では気づけない弱点を克服し、本番での対応力を高める上で役立ちます。
考えを端的に説明する練習は、短時間で的確な応答が求められる面接において、合否を分けるスキルとなります。
【試験別】慶應大学のFIT入試に合格する対策法

FIT入試では、試験方式によって求められる能力がまったく異なります。自分が受験する方式の特性を正確に理解し、的を絞った対策を進めることが合格への近道です。
ここからは次の試験別に対策方法を解説します。
論述試験の対策(A方式)
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論述試験は、模擬講義を聞いた直後に45分間で記述する試験です。講義内容の正確な理解と、自分なりの考察を短時間でまとめる力が求められます。
対策のポイントは次の3つです。
- 講義の要旨を素早くつかむ練習をする
- 大学の公開講義や新書・論文を読む習慣をつけ、論旨を素早く把握する力を養いましょう
- 時間内に書き切る練習を繰り返す
- 45分で論旨明確な文章を書くために、タイムを計りながら練習することが有効です
- 社会科学の基礎知識を広く身につける
- 過去の論述試験のテーマは、法律学科が「陰謀論と現代政治」(2024年度)、政治学科が「ジェリマンダーから考える民主主義の危うさ」(2025年度)など、時事と学問が絡んだテーマが出題されています。特定分野に偏らず、幅広い社会問題を学んでおきましょう
論述試験(A方式)に挑戦した受験者からの一言
「小論文に関しては、最初から形にはなっていたので、語尾や文章構成、根拠を明確にすることなどを過去問や色々な問題集で毎日練習し、無駄な減点をしてしまわないように意識していました」
合格体験記 – 慶應義塾体育会野球部
口頭試問の対策(A方式)
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口頭試問は、複数の教員と受験生1名で行われる約15分の質疑応答です。2026年度から冒頭の自己紹介がなくなり、開始直後から法律・政治に関するテーマについての質疑応答が始まります。
事前に自己紹介で印象づける機会がなくなったため、質疑応答の質そのものが合否を分けます。
対策のポイントは次の3つです。
- 出願書類の内容を深掘りしておく
- 提出した書類の内容をもとに深い質問が来る可能性が高いため、自分の経験や考えを30秒〜2分で説明できるよう整理しておきましょう
- 時事問題に対して自分の意見を持つ
- 口頭試問では法律学科が「裁判におけるAIの導入」、政治学科が「政治におけるAIの利用」といったテーマが2025年度に出題されました。時事的な社会問題に対して、賛否の根拠を論理的に説明できるよう訓練しましょう
- 模擬口頭試問を繰り返す: 先生や家族に面接官役を頼み、予想問題で本番さながらの練習を積みましょう
慶應塾生新聞の合格者インタビューによると、合格者は「自分の課外活動を一つの成長プロセスと捉えて、志望動機と結びつくよう話の流れを組み立てた」と語っています。断片的な経験の羅列ではなく、一貫した軸で語れるかどうかが評価の分かれ目です。
総合考査の対策(B方式)
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総合考査Ⅰ・Ⅱはいずれも45分間で400字程度を書く試験です。時間に対して求められる思考の密度が高く、素早く論点を整理する力が問われます。
総合考査Ⅰの対策ポイントは次の2つです。
- 資料読解の練習を積む
- グラフ・表・条文・判例など多様な形式の資料を読み、要点を素早くまとめる練習をしましょう。新聞の経済欄やグラフ付きの社会問題記事を読む習慣が有効です
- 400字で論旨を完結させる練習をする
- 文字数が少ない分、余分な言葉を削る意識が必要です。結論を先に書くPREP法で書く癖をつけましょう
総合考査Ⅱの対策ポイントは次の2つです。
- 多様なテーマについて自分の意見を持つ
- 総合考査Ⅱでは独創性・発想力が評価されます。フィクションもノンフィクションもたくさんインプットし、引き出しをすぐ引き出せる場所にできるだけたくさん用意しておくことが効果的な対策です。
- 自分の経験と結びつけて発想する
- 合格者の体験によると、総合考査Ⅱでは自分の実体験が思いがけず役に立つケースがあります。日常の経験を社会問題と結びつける思考習慣をつけておきましょう
慶應法学部にFIT入試B方式で合格した学生の記録によると、総合考査Ⅱの時間配分として「20分で要素出しと考えを膨らませる→20分で箇条書きで流れを決めてから実際に書く→5分で見直し」という方法が紹介されています。本番で焦らないよう、同じ流れで繰り返し練習しておくと効果的です。
面接試験の対策(B方式)
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B方式の個人面接は約10分間です。提出書類や評価書の内容をもとに、地域社会への関心や学習意欲が問われます。短い時間で自分の考えを的確に伝える力が、合否を分ける重要な要素です。
対策のポイントは次の3つです。
- 提出書類の内容を完全に頭に入れる
- 書類に書いた内容について詳しく問われることが多いため、自分が記述した経験や考えをすぐに口頭で説明できるよう整理しておきましょう
- 地域社会への関心を言語化する
- B方式の地域ブロック制の趣旨を踏まえ、自分が育った地域の課題や、法学・政治学を学ぶことでどう貢献できるかを具体的に語れるよう準備しましょう
- 模擬面接を繰り返す
- 面接は複数の先生にそれぞれ見てもらい、様々な視点から質問してもらうことで自分の考えも深まり、本番も落ち着いて臨むことができます。できるだけ多くの人に練習相手になってもらいましょう
お茶ゼミの合格者アンケートによると、FIT入試の面接対策では4人の先生にそれぞれ見てもらったことで、多角的な視点から自分の考えを深められたと語られています。1人の先生だけに頼らず、複数人から質問をもらう環境をつくることが重要です。
総合型選抜における面接試験の対策方法をもっと詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
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まとめ
この記事では、慶應義塾大学のFIT入試の概要・2026年度の変更点・倍率・対策方法を解説しました。
最後に、この記事の重要ポイントをまとめます。
- FIT入試は法学部の法律学科・政治学科で実施される総合型選抜で、A方式・B方式の2種類がある
- 2026年度から志願者調書・志望理由書・自己推薦書の設問が大きく変わり、「社会問題への関心と行動」がより重視されるようになった
- A方式の倍率は5〜6倍台、B方式は2〜3倍台で推移しており、近年は再び上昇傾向にある
- 書類選考・論述試験・口頭試問・面接のいずれも、付け焼き刃では通用しない水準の準備が必要
- 高校在学中から自分の関心テーマを深め、実際に行動した経験を積み上げておくことが合格への最短ルート
FIT入試の合否を分けるのは、「いかに慶應法学部で学ぶ必然性を自分の言葉で語れるか」という点に尽きます。出願書類の作成は夏休み前から着手し、早めに万全の準備を整えましょう。


