
「東京大学の総合型選抜って、どんな試験なんだろう?」
「自分でも出願できるのかな?」
東京大学の総合型選抜試験は、他の国公立大学や私立大学の総合型選抜とは仕組みが異なります。そのため、公式サイトの情報を読んでも、具体的な対策のイメージが湧かない人は多いですよね。
東京大学の総合型選抜は、一般選抜のような学力だけが評価対象ではありません。卓越した能力や活動実績、何より東京大学で学びたいという強い意欲が問われます。
ただ成績が良いだけでは、合格を掴むことはできないのです。大学が求める学生像と自身の探究活動や個性を結びつけ、効果的にアピールする必要があります。
そこで本記事では出願資格や選考方法も交え、東京大学における総合型選抜の特徴を解説します。合格者の体験談や対策法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※一般的に学校推薦型選抜と総合型選抜は同じ「推薦入試」という枠組みに該当するものの、入試方式は異なります。ただし、東京大学では「総合型選抜」を「学校推薦型選抜」の名称で呼んでいます。混乱しないよう以後、本記事では「総合型選抜」という言葉で統一して解説します。
- 東京大学における学校推薦型選抜は総合型選抜試験を示す
- 一般選抜(前期日程)との併願受験が可能
- 書類、面接、大学共通テストで選考

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東京大学の総合型選抜試験とは?

東京大学の総合型選抜は、グローバル社会の活力源として活躍することが期待される、将来のリーダーを発掘するための入試制度です。
特に次のような学生を評価する点が特徴です。
- 高校での先進的な取り組み
- 特定の分野に関する卓越した能力
- 極めて強い探究心と学習意欲
なお、2026年度の試験は下表の日程で行われます。
総合型選抜自体の特徴をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

受験可能な学部
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東京大学の総合型選抜は、全10学部で実施されます。2026年度(令和8年度)における全体の募集人員は、100人程度とされています 。
各学部・学科の大まかな募集人員は、下表のとおりです 。
学部・学科 | 募集人員 |
---|---|
法学部 | 10 |
経済学部 | 10 |
文学部 | 10 |
教育学部 | 5 |
教養学部 | 5 |
工学部 | 30 |
理学部 | 10 |
農学部 | 10 |
薬学部 | 5 |
医学部医学科 | 3 |
医学部健康総合科学科 | 2 |
合格者が募集人員に満たなかった場合、残りの枠は原則として一般選抜(前期日程)の募集人員に繰り入れられます 。繰り入れは、各学部が主に対応する科類(例:法学部は文科一類、経済学部は文科二類)に対して行われます 。
一般選抜(前期日程)とも併願可能

東京大学の総合型選抜は、一般選抜(前期日程)や他の国公立・私立大学における一般選抜と併願が可能です。
総合型選抜を受験する際、別途手続きをすれば東京大学の一般選抜(前期日程)に併願出願できます。総合型選抜に合格し、定められた期日までに入学手続きを完了した場合、一般選抜の扱いは以下のようになります。
- 受験しても合格者にはならない
- 成績も開示されない
総合型選抜で合格・入学手続きをすると、一般選抜は事実上「辞退」したものとして扱われる、と理解しておきましょう。
また、他の国公立大学との併願には異なるルールがあります。国公立大学の学校推薦型選抜や総合型選抜へ出願できるのは1つの大学・学部に限られます。そのため東京大学の総合型選抜との併願はできません。
総合型選抜で不合格だった場合に備え、他の国公立大学の一般選抜に出願することは可能です。その際は「前期日程」から1つ、「後期日程」から1つの大学・学部を選んで出願できます。なお、東京大学は後期日程試験を実施していません。
参考:令和8(2026)年度 東京大学学校推薦型選抜 学生募集要項
受験に必要な条件

東京大学の総合型選抜受験には、下記の条件を満たす必要があります。
卒業年度 | 高校もしくは中等教育学校を2024年4月以降に卒業したか、2026年3月に卒業見込みであること |
入学の確約 | 合格した場合、必ず入学することを約束できること |
共通テストの受験 | 志望学部が指定する令和8年度の大学入学共通テストの教科・科目をすべて受験すること |
学部の要件 | 志望学部が個別に定める推薦要件を満たし、その学問分野へ強い関心と意欲を持っていること |
上記に加え、学部ごとに定められる推薦要件にはさらに詳細な規定があります 。出願を検討する際は、高校の先生と相談し、大学公式の募集要項を必ず確認しましょう。
なお、1つの高校から推薦できる人数には上限が定められているため注意しましょう。
推薦人数の上限 | 1つの高校から、合計4名まで推薦できる |
男女比の制限 | 推薦できる4名のうち、男女はいずれも各3名まで。男子校や女子校の場合は、推薦人数は3名 |
同一学部への推薦 | 同じ学部には、男女各1名までしか推薦できない |
複数併願の禁止 | 同じ受験生を、複数の学部に推薦することはできない |
東京大学における総合型選抜試験の選考方法
東京大学の総合型選抜の選考は、大きく分けて次の3つの要素で構成されています。
各選考方法の特徴を詳しく解説します。
第1次選考:提出書類・資料

総合型選抜の第1次選考は、提出された書類と資料のみで合否が判断されます 。そのため、書類の準備は選考における最初の重要なステップです。
まず、全志願者が共通で提出を求められる主な書類は下記のとおりです 。
- 入学志願票
- 調査書
- 学校推薦型選抜志願書
- 推薦書
- 学部が求める書類・資料一覧
上記に加え、志望する学部・学科が個別に指定する資料の提出が必要です。例えば、研究論文やコンクールの成績、語学力の証明書、活動実績を示す表彰状などが求められます。
書類を提出する際は、志願者と高校が協力して行う必要があります。全ての書類をPDFデータに変換し、高校がインターネット出願システムを通じてアップロードします。志願者個人による郵送や直接の提出は認められていません。
提出の際は、以下の点に注意しましょう。
ファイル形式 | ・学部が個別に求める複数の資料は、1つのPDFファイルに統合する ・読みやすいようにページ番号や「しおり」を付ける工夫をする |
ファイルサイズ | ・アップロードできるファイル(合計6つ)の総量は100MBまで ・サイズを超えないよう、資料の取捨選択や調整が必要 |
不備・変更の禁止 | ・提出書類に不備がある場合は受理されない ・一度提出した書類は、いかなる理由があっても変更・返却はできない |
第1次選考で大学側は、上記の書類・資料全てに目をとおしています。募集要項の規定を隅々まで確認し、自分の強みや探究への熱意が最大限伝わるよう、書類を丁寧に作成しましょう。
参考:令和8(2026)年度 東京大学学校推薦型選抜 学生募集要項
上記の書類も含め、総合型選抜に必要なものをより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

第2次選考:面接等

第1次選考の書類審査に合格すると、第2次選考に進みます 。第2次選考は、各学部が個別に行う「面接等」が中心です 。
面接の内容は学部によって異なります。個別面接、グループ・ディスカッションや小論文、プレゼンテーションなどが課される場合もあります。志望する学部の選考内容は、必ず事前に把握しておきましょう。
各学部の主な選考方法は、下表のとおりです。
学部 | 主な選考方法 |
---|---|
法学部 | ・グループ・ディスカッションと個別面接 ・論理的思考力やコミュニケーション能力を評価 |
経済学部 | ・個別面接 ・面接時に課題が課される場合がある |
文学部 | ・1日目に小論文、2日目に面接 ・面接では7分以内のプレゼンと質疑応答(ポスター使用可) |
教育学部 | ・提出資料に関する発表と個別面接 ・発表後の質疑応答には他の受験者も参加 |
教養学部 | 面接の前に、学問領域に関する小論文等が課されることがある |
工学部 | 面接で、提出書類の内容の妥当性や特に秀でた能力を評価 |
理学部 | 個別面接で、基礎学力、思考力、コミュニケーション能力に関する質疑応答を実施 |
農学部 | 面接で、提出書類の妥当性やコミュニケーション能力、農学への興味・理解度を評価 |
薬学部 | ・個別面接で、高校での活動や志望理由について発表 ・A4用紙2ページ程度の資料を任意で配布可能 |
医学部(医学科・健康総合科学科) | PowerPointを用いた10分程度のプレゼンテーションと質疑応答 |
面接等の内容は学部によって様々です。自分の言葉で考えを述べる力はもちろん、学部によってはプレゼンや議論、小論文の能力も問われます。自分が受験する学部の形式を理解し、万全の準備で臨みましょう。
大学入学共通テスト

東京大学の総合型選抜では、大学入学共通テストの成績も合否判定における重要な評価要素です 。提出書類や面接の評価が高くても、共通テストの要件を満たさなければ合格はできません。
前提として、志望する学部が指定する教科・科目をすべて受験する必要があります 。1つでも指定科目が未受験の場合は、合格者にはなれないため注意しましょう 。
合格に必要となる明確な点数基準はありませんが、大学側は「概ね8割以上の得点であること」を目安としています 。また、選考で利用できるのは令和8(2026)年度の成績のみで、過年度の成績は利用できません 。
受験に必要な教科・科目は、下記のとおりです。
- 文系学部(法・経済・文・教育・教養):6教科8科目または7教科8科目
- 理系学部(工・理・農・薬・医):6教科8科目
- 教育学部と教養学部:文系・理系どちらの科目パターンで受験してもよい
詳細は下の画像を参考にしてください。
法学部、経済学部、文学部、教育学部、教養学部
工学部、理学部、農学部、薬学部、医学部、教育学部、教養学部
東京大学の総合型選抜試験におけるアドミッションポリシー

アドミッションポリシーとは、大学が「どのような学生を求めているか」を示す入学者の受け入れ方針です。総合型選抜では、受験生がこの方針に合致する人材かどうかが評価されます。
東京大学が掲げるアドミッションポリシーのポイントを、押さえておきましょう。
東京大学の使命と教育理念 | 東京大学は、その使命を「世界的視野を持った市民的エリート」を育成することであると定めています。 そのため、自国の歴史や文化への深い理解と国際的な視野を併せ持ち、高度な専門知識を基盤として、自ら考え行動できる人材の育成を目指しています。この教育を実現するため、入学後の前期課程では、幅広い教養(リベラル・アーツ教育)を学ぶことが求められます。 |
期待する学生像 | 上記の理念に基づき、東京大学は、大学の環境を最大限に活用し、主体的に学んで自らを成長させようとする意志を持った学生を求めています。 |
単に入試の得点のみを意識するのではなく、学校の授業内外で自身の興味・関心を広く深く掘り下げ、物事を関連づける広い視野や深い洞察力を得ようと努力する学生を歓迎する、と明記されています。
参考:令和8(2026)年度 東京大学学校推薦型選抜 学生募集要項
東京大学の総合型選抜では、アドミッションポリシーに合致する人材であることを、具体的な経験に基づいてアピールすることが求められます。自身の学びや活動が、理念や求める学生像とどう繋がるのかを、面接で語れるように準備しましょう。
総合型選抜のアドミッションポリシーについてより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

東京大学における総合型選抜試験の合格体験談
ここからは合格のコツも交え、東京大学の総合型選抜に合格した人の体験談を紹介します。
法学部に合格した鵜川心楓さん
――学校推薦型選抜の準備過程で、どのようにモチベーションを保ちましたか?
引用:「前期課程で幅広く学び、将来は国際弁護士になって一人ひとりの平和を実現する力になりたい」―2025推薦生インタビュー 法学部 | キミの東大 高校生・受験生が東京大学をもっと知るためのサイト
学校推薦型選抜は、一般入試の筆記テストと違って点数が見えないので、自分がどれくらいできているかがわからないし、まわりがどうやって準備しているのか想像もできなくて、不安な気持ちばかりが膨らんでしまうことがありました。私は一人だと泥沼化するので、先生や友達など、どんどんまわりの人を巻き込んで、一緒に考えてもらったり、話をしたりすることでモチベーションを保っていました。
――大学ではどのようなことを学びたいですか?
まずは、法的な思考力を鍛えるためにも国際法を含む法学について、しっかり学びたいです。そのうえで、平和をテーマに考えたときに切り口はたくさんあるので、法律だけを学ぶのではなく、哲学や歴史といった分野、美術や音楽といった芸術面なども幅広く学んで、さまざまな観点や視点を増やしていきたいと考えています。東京大学では1、2年の前期課程で幅広く学べることも魅力の一つですし、推薦生だと専門分野を早期履修することもできるので、自分の興味関心に合わせて学べることがとても楽しみです。
――勉強や研究以外にやりたいことはありますか?
サークル活動は頑張りたいです!今、気になっているのは「東京大学現代国際法研究会」というサークルで、自分の興味のある分野の知識をさらに深めたいと思っています。ほかにも、趣味として美術が好きなので、「東大美術サークル」にも入りたいと考えています。学科や学年を超えたつながりを築いて、活動の幅を広げたいです。
――将来の夢や目標を聞かせてください。
今の時点では、国際弁護士をめざしています。国連なども考えたのですが、沖縄での活動を振り返ると、直接、人と関わることにこだわりをもってきたので、一人ひとりに向き合える弁護士が自分に合っているのではないかと考えています。たとえば、国際人権法の分野で、避難民の人権を保護する活動やNGOを通じて直接的に平和に関わることにも挑戦したいと思っています。
――最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。
高校時代にやりたいことや夢が決まっている人は本当に少ないと思うんですけど、自分のまわりをよく見てみると意外と興味があることがごろごろ転がっているはずなので、「まずは、やってみよう!」という気持ちで挑戦してみて、人ともたくさん関わってほしいです。一般受験の人も推薦をめざす人も、一人で悩まず、いろんな人と話したり、一緒に活動したりしながら勉強していくと、受験も楽しくなってくるのかなと感じました。
東京大学の総合型選抜の準備において、一人で抱え込まないことが大切です。総合型選抜は客観的な進捗が分かりにくく不安になりがちです。先生や友人に積極的に相談し、客観的な意見をもらいながら進めましょう。
自分の探究テーマを多角的に深掘りすることも重要です。自分の興味を、様々な学問分野に繋げて多角的に考えてみましょう。鵜川さんが「平和」を法学や歴史などと結びつけたように、その姿勢が東京大学の求める学際的な探究心のアピールになります。
経済学部に合格した藤居星さん
――学校推薦型選抜に挑戦するにあたって、苦労したことや工夫したことはありますか?
引用:「アルゴリズム活用能力を活かしてマーケットデザインを社会実装していきたい」―2025推薦生インタビュー 経済学部 | キミの東大 高校生・受験生が東京大学をもっと知るためのサイト
高校2年の冬に、担任の先生から「学校推薦型選抜に挑戦してみないか」と声をかけていただいたんですけど、学校推薦型選抜と一般選抜の両方を視野に入れて考えていたので、高3の9~10月は書類準備、11~12月は面接準備で、一般選抜のための勉強はなかなか手がつけられなくてとても不安でした。そういった心の負担を少しでも軽くするため、同じ時期にどちらも進めるのではなく、どちらかに集中して、気持ちを切り替えてやるようにしていましたね。
――これから東大でどんなことを学びたいですか?
マーケットデザインを学んでいくにあたって、まずは、過去や現在の制度を学びたいなと思っているので、経済史や経済系の制度史を学べるような授業を取りたいです。
――勉強や研究以外に取り組みたいことはありますか?
大学に入ってから新しいことにチャレンジしたいと思っていたので、いろいろな部活やサークルを調べて、その中でも映像を見てアクロバティックな動きが魅力だった躰道部に入りました。
――どのような将来像をイメージしていますか?
マッチング理論やゲーム理論を使って制度設計をするなど、将来はマーケットデザインの分野に取り組んでいきたいと思っています。でも、まだ新しい分野で社会実装例が少ないということもあるので、金融関係など、ほかにも興味がある分野を幅広く学びながら考えていきたいです。
――最後に、高校生に向けたメッセージをお願いします。
学校推薦型選抜をめざしている人は、私のように学部とは直接関係がないように見える実績しかなかったとしても、自分が追求したいものがあれば、ぜひチャレンジしてほしいなと思っています。一般選抜をめざしている人も含めると、私は北海道出身で、入学前まではいろいろ心配していたこともあったんですけど、東大生は割と気さくに話しかけてくれる人が多いので、地方出身であっても臆することなく、東大に挑戦してほしいです。
一般選抜と両立させるには計画的な時間管理が不可欠です。藤居さんのように「9〜10月は書類」と期間を区切って集中すれば、精神的な負担を減らし、効率的に準備を進められます。
一見すると学部と無関係な実績も、伝え方次第で強力な武器になります。「学部と関係ないから」と諦める必要はありません。その経験から何を学び、大学での探究にどう活かしたいのか、論理的な繋がりを自分の言葉で説明できるように準備しましょう。
【試験別】東京大学の総合型選抜試験に合格する対策法
ここからは試験別に、東京大学の総合型選抜に合格する対策法を解説します。
書類考査

第1次選考は、提出された書類と資料のみで評価されます。そのため、書類上でいかに自分をアピールできるかが、合格への第一関門となります。書類を作成する際は、以下の4つのポイントを意識しましょう。
1.ストーリーの一貫性を持たせる
下記のすべての提出書類を通じて、受験生の人物像や探究テーマに一貫性を持たせることが重要です。
- 志望理由書
- 活動報告書
- 推薦書
「なぜ東大なのか」「なぜその学部なのか」「そこで何を学びたいのか」という問いに対し、提出する全ての資料が連動して一つの説得力のあるストーリーを語るように構成しましょう。
2.実績は具体的に、客観的に示す
コンクールでの受賞歴や研究活動などの実績は、単に「頑張った」と書くだけでは不十分です。「どのような課題に対し、どう工夫し、何を得たのか」を具体的に記述し、自身の能力を証明する必要があります。語学力のスコアや資格など、客観的な指標で示せるものは積極的に活用しましょう。
3.アドミッションポリシーとの接続を意識する
自分の活動実績が、志望学部のアドミッションポリシー(求める学生像)にどう合致するのかを、明確に示しましょう 。自分の経験を、大学側の視点から「私のこの経験は、貴学部の求める〇〇という能力に繋がります」と再解釈し、アピールすることが有効です。
4.プレゼン資料として「見せる」工夫をする
学部が求める資料は、多数の資料を1つのPDFファイルに統合して提出します 。その際、採用担当者が短時間で内容を理解できるよう、読みやすさを意識することが大切です。例えば、目次やページ番号を付けるなどすると、好印象に繋がります。
共通テスト

大学入学共通テストは、総合型選抜の最終的な合否を左右する要素です。
大学が目安とする「概ね8割以上の得点」は、事実上の最低ラインです。東京大学の総合型選抜には、全国から高い学力を持つ受験生が集まります。そのため基準を満たせないと書類や面接の評価が高くても合格しないのです。
8割以上の得点を達成するには、苦手科目をなくすことが不可欠です。総合型選抜の準備と並行して、全科目で安定して得点するための学習計画を立てましょう。
本番で実力を発揮するには、解き方も重要です。「どの問題をどの順番で、何分で解くか」という自分なりの時間配分を体に染み込ませてください。
面接

面接は、提出書類の内容を確かめるだけでなく、受験生の人間性を評価する最終関門です。そのため、出願時に記述した研究や活動について、何を質問されても論理的に説明できるよう準備しましょう。
面接形式は学部ごとに異なるため、志望学部に特化した対策が不可欠です 。
- 法学部のグループ討論:協調性や論理的対話力
- 文学部や医学部のプレゼン:表現力
- 教養学部の小論文:論述力
各学部で求められる能力が異なります 。学校の先生や友人の前でリハーサルを重ね、質疑応答まで含めた実践的な練習を積みましょう。
面接官は受験生の「知的好奇心」と「将来性」を見極めています 。学問への純粋な興味と、入学後に学びをどう発展させたいかという思いを、熱意を持って語りましょう。自分の言葉で伝えることが、面接官の心に響きます。
総合型選抜における面接試験の対策方法をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
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まとめ
ここまで東京大学の総合型選抜について、特徴から具体的な対策法までを解説しました。総合型選抜試験を突破するには、まず東京大学の理念とアドミッション・ポリシーを深く理解することが不可欠です。
その上で、下記の計画的な対策を進めていきます。
- 一貫したストーリーが求められる「書類」
- 学部ごとに形式が異なる「面接」
- 8割が目安となる「共通テスト」
合格者の体験談も参考に、自分だけの強みを活かした戦略を立て、最難関への挑戦を成功させましょう。
なお、総合型選抜に受かる・落ちる人の特徴をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

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