「総合型選抜の面接では何を質問されるんだろう?」
「どう答えたら受かりやすくなるのかな…」
総合型選抜において面接は重要な試験の1つです。ただ志望理由や自己PRなど、質問にどう答えればいいのか、イメージが湧かない人は多いですよね。
総合型選抜の面接は、受験生の人柄や価値観を深く知るためのものです。そのため、一般入試のような一問一答型ではなく、質問が広範囲に渡ります。準備が不足していると、自分の魅力を伝えられず後悔しかねません。
そこで本記事では模擬回答やNG例も交え、総合型選抜の面接試験でよく聞かれる質問例を解説します。面接に向けた準備や対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 面接試験では具体的な内容が説得力を増す
- 大学のアドミッション・ポリシーに適合していることをアピールする
- 面接試験で合格するには非言語要素も評価される
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総合型選抜の面接試験でよく聞かれる質問【回答例あり】
さっそく回答例も交え、総合型選抜の面接試験でよく聞かれる質問をまとめて紹介します。
- Q1.志望理由を教えてください
- Q2.自己PRをお願いします
- Q3.高校生活で頑張ったことを教えてください
- Q4.長所と短所を教えてください
- Q5.高校生活での挫折経験とその克服方法を教えてください
- Q6.入学後の目標について教えてください
- Q7.最近関心を持ったニュースはありますか?
- Q8.他校と併願していますか?
- Q9.大学のアドミッションポリシーについてどう考えますか?
- Q10.なぜ総合型選抜を選んだのですか?
- Q11.チームでの経験について教えてください
- Q12.最後に何か質問はありますか?
質問1:志望理由を教えてください
志望理由は、総合型選抜の面接で重要度が高い質問です。大学側は、受験生がその大学で学びたい意欲や明確な目的を持っているかを確認したいからです。
「私は、貴校の社会学部で学べる『現代社会における多文化共生』に深く関心があります。高校時代に地域の国際交流イベントを手伝い、多文化共生の重要性を肌で感じたことがきっかけです。その経験から、多文化共生が進む社会を構築するには、文化的背景の違いを理解することが必要だと考えるようになりました。貴校の実践的なカリキュラムやフィールドワークに惹かれ、この分野で深く学び、卒業後は国際交流を推進する仕事に就きたいと考えています。」
NG回答のように抽象的な理由や通学の利便性に触れるだけでは、大学に対する本気度が伝わりません。自分の経験を通じて大学の特徴と結び付け、説得力のある志望理由に仕上げましょう。
質問2:自己PRをお願いします
自己PRのパートでは、総合型選抜の面接で自分のことをストレートにアピールできます。面接官は、受験生が自分の強みを把握しているか、それを大学生活や将来にどう活かすかを見極めます。
「私はチームワークを大切にし、周囲と協力して目標を達成することに自信があります。高校では文化祭の実行委員を務め、メンバーの意見を調整し、全員が納得できる形で成功させることができました。この経験を通じて、リーダーシップだけでなく、相手の意見を尊重し、柔軟に対応する重要性を学びました。大学ではこの協調性を活かし、グループ研究などで積極的に貢献していきたいと考えています。」
NG回答のように「真面目」「一生懸命」という抽象的な表現だけでは、受験生の強みや能力が伝わりません。エピソードを盛り込み、自分の特徴や経験を示すことで、説得力のある自己PRになります。
質問3:高校生活で頑張ったことを教えてください
高校生活で頑張ったことを問う質問は、受験生がどのように目標を設定し、それを達成するために努力したかを知るためのものです。この質問では、具体的なエピソードを通じて、努力のプロセスや成果を伝えることが重要です。
「私は高校2年生のとき、バレーボール部でレギュラーを目指して練習に打ち込みました。チーム内には実力のある選手が多く、最初は補欠でした。しかし、自分に足りない基礎体力を補うため、毎日1時間のランニングや筋トレを継続しました。その結果、最後の大会ではレギュラーに選ばれ、チームの優勝に貢献できました。この経験から、努力を継続することで目標を達成できることを学びました。」
NG回答のように「頑張りました」という表現だけでは、どのような努力をしたのかが伝わりません。自分の経験を具体的に語り、目標達成に向けた行動を伝えると、面接官に好印象を与えることができます。
質問4:長所と短所を教えてください
長所と短所を問う質問では、受験生が自己理解を深め、適切に伝える能力を持っているかを確認されます。長所を強調するだけでなく、短所をどのように克服しようとしているかを述べることがポイントです。
「私の長所は計画性があることです。高校では、定期試験に向けて1ヶ月前からスケジュールを作成し、日ごとの目標を設定して勉強していました。その結果、毎回安定した成績を維持することができました。一方、短所は完璧を求めすぎるところです。そのため、周囲の意見を聞くことを意識し、自分の計画を柔軟に見直すよう心掛けています。」
NG回答のように「少し神経質」「大きな問題はありません」という表現では、長所と短所の内容が伝わりにくいです。そして、印象も薄くなります。自分の特徴を説明して、面接官が情景を浮かべやすい回答を準備しましょう。
質問5:高校生活での挫折経験とその克服方法を教えてください
挫折経験を問う質問では、受験生が困難にどう向き合い、乗り越える力を持っているかが評価されます。挫折の状況と、その後の取り組み、得られた教訓を伝えることが重要です。
「高校1年生のとき、初めて参加した英語スピーチコンテストで思うような結果が出せず、自信を失いました。当初は原稿を暗記することばかりに集中し、発音や表現力を軽視していたことが原因だと気付きました。その後、ネイティブの発音を参考に毎日音読練習を続け、学校の先生にフィードバックをもらいながら改善を重ねました。次の年には再挑戦し、努力の結果、入賞を果たすことができました。この経験を通じて、課題を正確に把握し、地道に取り組む大切さを学びました。」
NG回答のように「頑張ったら成績が上がりました」だけでは、挫折経験から何を学び、どう成長したかが伝わりません。困難な状況に対して行動を起こし、成果や教訓を伝えることで、実力と前向きな姿勢をアピールしましょう。
質問6:入学後の目標について教えてください
入学後の目標を問う質問は、受験生が大学生活をどのように過ごし、将来につなげたいかを確認するものです。目標を述べるだけでなく、達成するための計画も示します。
「私は、貴学で提供されている環境問題に関する実践的な研究プロジェクトに参加し、地域の環境保護活動に貢献することを目標としています。高校時代に地域の清掃活動に携わった経験から、環境保護の必要性を強く感じたためです。入学後は、環境科学の基礎を学び、ゼミやインターンシップを通じて実践的なスキルを身につけたいと考えています。最終的には、地域と連携したプロジェクトに携わり、実際に環境改善につながる成果を上げることを目指しています。」
NG回答のように漠然とした内容では、面接官に受験生の意欲や計画性が伝わりません。自分の経験や興味をもとに大学での目標を設定します。そして、目標達成するための計画を示して、面接官に「実現しそうだ」と思われる回答を作りましょう。
質問7:最近関心を持ったニュースはありますか?
時事問題の質問は、受験生が社会に関心を持ち、自分なりの考えを持っているかを確認するためのものです。ニュースなどの内容を簡潔に説明し、自分の意見を述べることが重要です。
「最近関心を持ったニュースは、食品ロスの削減を目指した大手スーパーの取り組みについてです。見切り品の値下げを促進し、フードバンクと提携することで廃棄食品を有効活用する取り組みが紹介されていました。高校時代に食品ロスについて調べた経験があり、この取り組みが地域社会にどのように影響を与えるのか興味を持ちました。持続可能な社会を実現するためには、企業と地域が協力して問題解決を目指す姿勢が重要だと考えています。」
NG回答のように曖昧な内容や、関心が薄い印象を与える回答は避けるべきです。ニュースの選定には、自分の興味や経験と関連のある内容を選ぶことで、自然に意見を述べることができます。ニュースの意義について自分の見解を述べて、考察力をアピールできる回答を目指しましょう。
質問8:他校と併願していますか?
他校との併願についての質問は、受験生の志望度や大学への本気度を確認するために行われます。正直に答えることが大切ですが、志望校への強い意欲をアピールする必要があります。
「他校にも併願していますが、貴校が第一志望です。理由は、貴学で学べる社会学の実践的なプログラムに大きな魅力を感じているからです。貴校では地域社会に関するフィールドワークが充実しており、そこで学んだ知識を将来の地域活性化に活かしたいと考えています。他校を受験するのは安全策としての側面もありますが、第一志望である貴校で学びたいという気持ちは揺るぎません。」
NG回答のように「迷っている」という印象を与えると、志望校への本気度が疑われます。他校との併願を認める場合は、志望校が第一志望である理由を伝え、学びの意欲をアピールすることが重要です。誠実さを保ち、自分の意思を述べることが良い印象につながります。
質問9:大学のアドミッション・ポリシーについてどう考えますか?
アドミッション・ポリシーについての質問では、受験生が大学の理念や求める学生像を理解しているかを確認されます。アドミッション・ポリシーと自分の経験や目標を関連づけて答えるのがポイントです。
「貴校のアドミッションポリシーで特に共感したのは、『実践的な学びを通じて社会貢献を果たせる人材の育成』という点です。高校時代、ボランティア活動に参加し、地域の高齢者を支援する中で、人と社会をつなぐ役割の重要性を実感しました。その経験を踏まえ、貴校で実施されている地域連携型の学びを通じて、自分の可能性を広げたいと考えています。私はこのポリシーに深く共感し、自分の経験と目標が貴学の求める人物像に合致していると確信しています。」
NG回答のような答えでは、大学に対するリサーチ不足や志望度の低さを疑われます。まずはアドミッション・ポリシーを事前に読み込みます。そして特に共感する部分を選び、自分の体験や目標と結びつけて回答を準備しましょう。
質問10:なぜ総合型選抜を選んだのですか?
この質問は、受験生が総合型選抜を選んだ理由を通じて、適性を確認するためにされます。総合型選抜の特徴を理解した上で、自分に合っている理由を具体的に述べることが求められます。
「総合型選抜を選んだ理由は、自分の経験や意欲を評価してもらえると考えたからです。私は高校時代、生徒会活動を通じて、リーダーシップや問題解決力を磨いてきました。これらの経験を志望理由書や面接で直接アピールできる総合型選抜は、私の強みを最大限活かせる選考方法だと思いました。また、貴校のアドミッション・ポリシーを拝見し、私の経験や目標が求める人物像に合致していると感じ、この選抜方法で自分のことを伝えたいと思いました。」
NG回答のように総合型選抜を消極的な理由で選んだ印象を与えると、評価が下がります。総合型選抜の特徴である人物評価などに触れ、自分の強みと結びつけて説明しましょう。説得力と自信のある回答が合格に近づくポイントです。
質問11:チームでの経験について教えてください
この質問は、受験生がチーム経験を通じて、対人スキルを持っているかを確認するために行われます。具体的なエピソードを述べて、スキルを証明することが重要です。
「高校時代に文化祭の実行委員を務めた際、チーム全体をまとめる役割を担いました。当初は意見が対立し、企画が進まないこともありましたが、全員の意見を丁寧に聞き取り、折衷案を提案することで解決しました。その結果、みんなが納得する形で文化祭を成功させることができました。この経験を通じて、相手を尊重しながら調整する力や、課題解決に向けた冷静な判断力を身につけることができました。」
NG回答のように抽象的で詳細に欠ける内容では、何を学び、どのような力を発揮したのかが伝わりません。自分がどのような状況でどんな役割を果たしたのか、チームにどう貢献したのかを具体的に述べることで、説得力のある回答を作ることができます。
質問12:最後に何か質問はありますか?
この質問は、面接の締めくくりに面接官が受験生の興味関心や意欲を確認するために行います。大学の教育内容や学習環境に関する質問をして、大学への関心の深さを示すことができます。
「貴校の地域連携型のフィールドワークに強く興味を持っています。具体的には、地域の課題を解決するためのプロジェクトで、学生がどのように役割を担い、実践的なスキルを学ぶのかを教えていただけますか。また、その活動を通じて、卒業後どのようなキャリアを築いている学生が多いのかもお聞きしたいです。」
NG回答のように「特にありません」と答えると、大学への興味がないように見えます。事前に大学の教育内容や特徴を調べ、自分が関心を持っている内容の質問を準備しておくと良いでしょう。大学の具体的な取り組みを引き出すような質問をすると、面接官に前向きで熱意のある印象を与えられます。
総合型選抜の面接試験に向けた回答準備【5ステップ】
総合型選抜の面接試験で合格するには、事前の準備が欠かせません。
そこでここから、総合型選抜の面接試験に向けた準備手順を、5つのステップにまとめて紹介します。
- ステップ1:自己分析をする
- ステップ2:大学のアドミッション・ポリシーを読み込む
- ステップ3:過去の質問例をリサーチする
- ステップ4:模擬面接をする
- ステップ5:録画して自分の話し方をチェックする
ステップ1:自己分析をする
前述したように、総合型選抜の面接試験では、自分の強みや経験を具体的に伝えることが求められます。
そのためには、自己分析をしましょう。高校生活での取り組みや達成した成果、困難を乗り越えた経験を振り返ることが大切です。
また、自分が何を大切にし、将来どのような目標を持っているのかを整理してください。この分析を通じて、面接で話す内容に一貫性を持たせられます。
さらに、自分の経験を大学での学びにどうつなげるかを考えると、説得力のある回答の準備ができます。例えば、部活動で培ったチームワークや行事で学んだ計画力などを具体例として用いると良いでしょう。
自分を深く知ることで、自信を持って魅力を伝える準備が整います。
ステップ2:大学のアドミッション・ポリシーを読み込む
大学のアドミッション・ポリシーを理解することは、面接対策の基本です。
アドミッション・ポリシーには大学が求める人物像や教育理念が記されています。読み込むことで、大学が何を重視しているかが分かります。
自分の経験や目標と、アドミッション・ポリシーにある要素を関連付けることが重要です。「地域社会への貢献を重視する」という内容を例にします。この場合はボランティア活動の経験を活かして、どう大学で成長したいかを語れるようにしておきましょう。
アドミッション・ポリシーを理解することで、面接での回答に一貫性が生まれ説得力が増すのです。総合型選抜のアドミッション・ポリシーをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ステップ3:過去の質問例をリサーチする
過去の質問例を調べることは、面接試験の準備で欠かせません。面接の傾向を把握することで、どのような質問が多いかを予測し、自分なりの回答を準備できます。
しかし、インターネット上に具体的な質問例が見つからない場合も多いです。オープンキャンパスの相談会や説明会を活用して、大学の担当者に直接尋ねることをおすすめします。
また、同じ大学を志望する先輩や塾の講師に相談するのも有効です。他校の事例も参考にしながら質問の幅を広げておくと、本番での対応力が高まります。
得られた情報をもとに、質問ごとの模範解答を考え、何度も練習しましょう。自信を持って面接に臨めるようになります。
ステップ4:模擬面接をする
総合型選抜の面接試験対策として、模擬面接は効果的です。本番に近い環境で練習することで、面接の流れを把握し、回答の精度を高めることができます。
家族や友人、学校の先生に面接官役をお願いして、自分が用意した回答を実際に話してみましょう。模擬面接では質問への回答だけでなく、表情や姿勢、声のトーンなど、非言語の要素も確認してください。
模擬面接は反復が大切です。一度で終わらせず、改善点を踏まえて何度も練習を繰り返します。繰り返し練習することで、本番での緊張を和らげ、スムーズに答えられるようになります。事前の練習が面接本番での自信につながります。
総合型選抜の面接試験の対策をもっと詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
ステップ5:録画して自分の話し方をチェックする
録画を活用することで、自分の話し方や姿勢、表情を客観的に確認できます。
話しているときの癖や視線の動き、声のトーン、話す速度など、録画から気付ける改善点が多くあります。最初は違和感があるかもしれませんが、改善点を見つけるためには効果的な方法です。
録画した動画を見返し、回答内容が一貫しているか、説得力があるかを確認しましょう。また、姿勢が硬すぎないか、笑顔が自然かどうかにも注目してください。
自分では気付かない点が見つかることが多いので、何度も練習し録画を見返しましょう。録画を通じて客観的に自分をチェックすることで、本番での印象を改善できます。
総合型選抜の面接試験にふさわしい服装も知りたい人は次の記事も参考にしてください。
総合型選抜の面接試験における合格ライン
総合型選抜の面接試験で合格するには、大学のアドミッション・ポリシーとの適合性が重要です。求められる人物像に適合していることをアピールすると合格に近づきます。
面接官は回答の内容だけでなく、態度や表情、コミュニケーション能力も評価します。志望理由が具体的で一貫性があり、自分の経験を大学の教育内容と関連付けられているかが問われるのです。
さらに、自己PRでは具体的なエピソードを通じて自分の強みを伝え、大学で活躍する姿をイメージさせます。予想外の質問にも冷静に対応し、思考力や柔軟性を示すことも重要です。
合格ラインを超えるには、自己分析と大学の理解を深め、具体的な経験で説得力のある回答を準備することが不可欠です。自分の魅力を自信を持って伝えることで、面接官に強い印象を残しましょう。
なお面接試験を含め、総合型選抜の難易度をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
まとめ
総合型選抜の面接試験では、大学のアドミッション・ポリシーに基づき、自分の強みをアピールしましょう。具体的なエピソードを交えた志望理由や自己PR、柔軟な対応力が評価されるポイントです。
非言語的な要素も含めた総合的な印象が合否を左右します。紹介した準備ステップを実践し、自己分析を深め、大学の特徴を理解してください。そうすることで、面接試験に自信を持って臨めます。