中学の推薦入試とは?試験内容や受験の条件・合格率なども解説

中学受験に推薦入試ってあるの?
推薦で受かるにはどんな準備が必要なんだろう?

中学受験といえば筆記試験のイメージが強く、推薦入試の仕組みがわからず戸惑う保護者は少なくありません。

ただ、推薦入試は一般入試と出願条件や試験内容がまったく異なります。情報を知らないまま準備を始めると、出願資格を満たせないケースもあります。

そこでこの記事では、各試験の具体的な対策法も交え、中学受験の推薦入試の仕組みと合格のポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 推薦入試は主に私立中学が実施し、公立中高一貫校にはない
  • 通知表の成績・出席日数・面接が合否を大きく左右する
  • 小学5年生の秋頃から準備を始めると出願条件を満たしやすい

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目次

中学受験における推薦入試とは?

中学受験における推薦入試とは?

中学受験の推薦入試とは、学力試験だけでなく小学校の成績や面接を重視して合否を判定する入試方式です。一般入試よりも早い時期に実施されることが多く、受験生にとって合格のチャンスを広げる選択肢となっています。

ここからは次の2つの推薦入試の基本情報を解説します。

推薦入試を実施する学校/地域

推薦入試を実施しているのは、主に私立中学校です。首都圏・関西圏・中部圏を中心に、多くの私立中学が推薦入試を導入しています。

地域によって導入状況には差があります。東京都や神奈川県の私立中学では推薦入試を設けている学校が多いです。一方、関西圏では学校数がやや限られます。九州や東北などの地方でも、一部の私立中学が採用しています。

具体的には、日本大学系列や東海大学付属系列などの大学付属校が推薦入試を積極的に実施しています。宗教系の学校でも推薦入試を設けているケースがあります。

推薦入試を検討する場合は、志望校の募集要項を早めに確認することが大切です。学校ごとに出願条件や選考方法が異なるため、各校のホームページや説明会で最新情報を入手しましょう。

公立中高一貫校に推薦入試はない

公立中高一貫校には推薦入試の制度がありません。公立校は「適性検査」と呼ばれる独自の選抜方法を採用しています。小学校長の推薦書や内申点を条件とする推薦入試は設けていないのです。

理由は、公立中高一貫校が「公平性の確保」を重視しているためです。特定の児童を優遇する推薦制度は、公教育の理念にそぐわないと判断されています。

「公立中高一貫校にも推薦があるのでは」と期待する保護者は少なくありません。しかし実際には、報告書(調査書)の提出を求められるものの、これは推薦入試とは別物です。報告書はあくまで選考資料の一つであり、推薦書のように合格を後押しする書類ではありません。

推薦入試での中学受験を希望する場合は、私立中学に絞って情報収集を進めましょう。

中学推薦入試の入試形式

中学推薦入試の入試形式

中学校の推薦入試にはいくつかの形式があり、学校ごとに求められる条件や併願の可否が異なります。自分に合った形式を選ぶことが、合格への第一歩です。

ここからは次の4つの入試形式を解説します。

専願推薦(第一志望・一志入試)

専願推薦は、合格した場合に必ずその学校へ入学することを条件とした推薦入試です。推薦入試のなかで最も多い形式であり、多くの私立中学が採用しています。

学校側にとっては入学者を確実に確保できるメリットがあります。そのため、一般入試よりも合格基準が緩やかに設定されるケースが大半です。

たとえば、一般入試では偏差値55程度の学力が求められる学校があります。専願推薦であれば、通知表の成績が一定基準を満たしていれば出願できる場合もあるのです。「第一志望校が明確に決まっている」「学力テストに不安がある」といったお子さんには有力な選択肢です。

ただし専願推薦で合格した場合、他校への入学は認められません。志望校選びの段階で「本当にこの学校でよいか」を親子で十分に話し合っておく必要があります。

併願推薦(実施校は少数)

併願推薦は、他校との併願を認めたうえで推薦入試を受けられる形式です。ただし、実施している学校はごく少数にとどまります。

併願を認める学校が少ない理由は明確です。学校側からすると、合格を出しても入学辞退されるリスクがあります。入学者数の見通しが立ちにくくなるためです。

併願推薦を実施する学校の例としては、一部の大学付属校や新設校が挙げられます。こうした学校は受験生を幅広く集めたい意図から、併願推薦を設けています。

「第一志望は別にあるけれど、推薦で安全校を確保したい」という場合に有効です。ただし、専願推薦と比べると合格基準が厳しく設定されている傾向があります。併願推薦を検討する際は、募集要項で合格基準の違いを必ず確認しましょう。

自己推薦

自己推薦は、小学校長の推薦書を必要とせず、受験生本人が自分の強みをアピールして出願する形式です。

通常の推薦入試では学校長の推薦書が必須です。自己推薦ではその代わりに「自己推薦書」を本人が作成します。学業成績だけでなく、課外活動やボランティア経験、特技など幅広い要素が評価対象となるのが特徴です。

たとえば、英検3級以上の取得や、地域のスポーツ大会での入賞経験が挙げられます。こうした実績を自己推薦書に記載して出願します。通知表の成績が飛び抜けて高くなくても、個性や努力をアピールできる点が大きな魅力です。

自己推薦書の完成度が合否を左右するため、保護者と一緒に内容を練り上げることが重要です。

特別推薦(スポーツ・芸術)

特別推薦は、スポーツや芸術分野でのすぐれた実績を持つ受験生を対象にした推薦入試です。大会での入賞歴やコンクール受賞歴が出願条件として求められます。

この形式を設けている学校は、部活動や芸術教育に力を入れている私立中学が中心です。入学後も該当分野で活動を続けることが暗黙の前提となっています。

具体的には、全国大会や地方大会での上位入賞が評価されます。ピアノコンクールでの受賞や、絵画展での入選なども対象です。「都道府県大会ベスト8以上」のように明確な基準を公表している学校もあります。

学業成績よりも実技や実績が重視される一方、最低限の学力基準を設けている学校もあるため、募集要項の確認は欠かせません。

中学推薦入試の出願条件

中学推薦入試の出願条件

推薦入試に出願するには、学校ごとに定められた条件を満たす必要があります。出願条件を事前に把握し、早い段階から準備を進めることが合格への近道です。

ここからは次の5つの出願条件を解説します。

小学校の成績(通知表の評価基準)

推薦入試の出願条件で最も重視されるのは、小学校の通知表(あゆみ)の成績です。多くの学校が、5・6年生の通知表を評価対象にしています。

具体的な基準は学校によって異なります。「主要4教科(国語・算数・理科・社会)でオール3段階中3」や「全教科で2以上」などの条件を設定している学校が多いです。3段階評価の場合、平均2.5以上を求める学校もあります。

保護者が見落としがちなのは、「体育」「音楽」「図工」「家庭科」などの実技教科も評価対象に含まれる点です。主要教科だけに注力して実技教科の成績が低いと、出願条件を満たせないケースがあります。

通知表の成績は短期間で大きく上げることが難しいです。小学5年生の段階から意識的に授業態度や提出物の質を高めておきましょう。

出席日数

出席日数も推薦入試の重要な出願条件です。小学5・6年生の2年間で欠席日数が一定以下であることを求める学校がほとんどです。

具体的には「年間欠席10日以内」「2年間で合計15日以内」といった基準が一般的です。病気やケガによる長期欠席がある場合、医師の診断書を添付すれば考慮してもらえる学校もあります。

「うちの子は体が弱くて休みがち」と心配する保護者は多いです。しかし、インフルエンザなど出席停止扱いの欠席は日数にカウントしない学校がほとんどです。出席停止と欠席の違いを正しく理解しておきましょう。

出席日数の条件は募集要項に明記されていない場合もあります。学校説明会や個別相談で直接確認するのが確実です。

小学校長の推薦書と自己推薦書

推薦入試では、小学校長が作成する推薦書の提出が必須となる場合がほとんどです。自己推薦型の入試では、代わりに本人作成の自己推薦書が求められます。

校長推薦書は、担任教師が下書きを作成し、校長が確認・署名するのが一般的な流れです。推薦書の内容には、学習態度・生活態度・特別活動の実績・人物像などが記載されます。

注意すべき点は、推薦書の発行に時間がかかることです。多くの小学校では依頼から発行まで2〜3週間を要します。出願直前に慌てて依頼すると間に合わない恐れがあるため、遅くとも出願の1か月前までに担任へ相談しましょう。

自己推薦書を書く場合は、「なぜこの学校を志望するのか」「入学後にどんな目標を持っているか」を具体的なエピソードとともに記載することが大切です。

説明会やオープンスクールへの参加

一部の学校では、学校説明会やオープンスクールへの参加を出願条件として設定しています。

学校側がこの条件を設ける理由は、入学後のミスマッチを防ぐためです。教育方針や校風を事前に理解したうえで出願してほしいという意図があります。

「説明会に参加していなかったために出願できなかった」という失敗は実際に起こっています。説明会は年に2〜3回しか開催されない学校もあるため、小学5年生のうちから日程をチェックしておきましょう。

参加記録を学校側が管理している場合もあります。参加時に受付で名前を記入することを忘れないでください。

推薦入試の出願・試験の時期

推薦入試は、一般入試よりも1〜2か月早い時期に実施されるのが通例です。

出願時期は11月〜12月が多く、試験日は12月〜1月上旬に設定されています。一般入試が1月中旬〜2月に集中するのに対し、推薦入試はそれよりも前に合否が判明します。

早い学校では10月に出願を締め切るケースもあります。「まだ先のこと」と油断していると出願期間を逃す恐れがあるため注意が必要です。小学6年生の夏休み中には募集要項を入手し、出願スケジュールを把握しておきましょう。

推薦入試で不合格だった場合でも、同じ学校の一般入試を受験できるケースが多い点は覚えておいてください。

推薦入試のスケジュールについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

中学推薦入試の試験内容

中学推薦入試の試験内容

推薦入試の選考は、一般入試のような学力テスト中心の選考とは大きく異なります。書類審査・面接・作文を軸にした総合的な評価で合否が決まるのが特徴です。

ここからは次の4つの試験内容を解説します。

書類審査

書類審査は、推薦入試の選考において最初に行われる重要なステップです。提出書類の内容によって、面接や試験に進めるかどうかが決まる学校もあります。

審査対象となる書類は、主に次のとおりです。

  • 通知表のコピー(5・6年生分)
  • 校長推薦書または自己推薦書
  • 活動報告書(課外活動や資格の実績)
  • 志望理由書

書類審査で重視されるのは、通知表の成績だけではありません。志望理由書の具体性や、活動報告書に記載された実績のユニークさも評価ポイントです。

書類の誤字脱字や記入漏れは、それだけで印象を大きく損ないます。提出前に親子で複数回チェックし、第三者にも確認してもらうのがおすすめです。

面接(親子面接・個人面接)

面接は、推薦入試の合否を左右する最重要項目といえます。親子面接と個人面接の2形式があり、学校によって実施方法が異なります。

親子面接では、受験生本人だけでなく保護者の教育方針や学校への理解度も問われます。「なぜこの学校を選んだのか」「家庭でどのような教育をしているか」といった質問が頻出です。

個人面接では、受験生の人柄やコミュニケーション力が評価されます。「将来の夢は何か」「小学校で頑張ったことは何か」など、自分の言葉で伝える力が求められます。

面接官は「暗記した回答を読み上げているかどうか」をすぐに見抜きます。模範解答を丸暗記するのではなく、自分のエピソードをもとに自然な言葉で話す練習を重ねることが大切です。

推薦入試の面接について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

作文・小論文

推薦入試では、400〜800字程度の作文や小論文が課される学校が多いです。テーマは当日発表されるのが一般的です。

よく出題されるテーマには次のようなものがあります。

  • 「小学校生活で学んだこと」
  • 「中学校で挑戦したいこと」
  • 「最近気になったニュース」
  • 「あなたにとって大切なもの」

作文で評価されるのは、文章力だけではありません。自分の考えを論理的に組み立てる力、具体的なエピソードを交えた説得力も問われます。

「何を書けばいいかわからない」と白紙に近い状態で提出してしまうお子さんもいます。日頃から日記や読書感想文を書く習慣をつけ、「体験→感じたこと→学んだこと」の順で書く練習をしておきましょう。

推薦入試の小論文について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

基礎学力テスト(国語・算数)

一部の学校では、面接や作文に加えて国語と算数の基礎学力テストを実施しています。

出題レベルは小学校の教科書範囲が中心です。一般入試のような難問は出されません。漢字の読み書き、文章読解、四則計算、図形の基本問題などが主な出題範囲です。

「推薦入試だから勉強しなくていい」と考えるのは危険です。基礎学力テストで一定の得点に達しなければ不合格になるケースもあります。小学校の教科書とドリルを使い、基本問題を確実に解ける状態に仕上げておきましょう。

基礎学力テストの有無は学校ごとに異なるため、募集要項で確認することが欠かせません。

中学推薦入試の倍率・合格率

中学推薦入試の倍率・合格率

推薦入試の倍率や合格率は、志望校選びの判断材料として重要です。一般入試と比較すると推薦入試の合格率は高い傾向にありますが、学校ごとの差も大きいため注意が必要です。

ここからは次の2つの合格率の傾向と調べ方を解説します。

一般入試と比較した合格率の傾向

推薦入試の合格率は、一般入試よりも高い傾向にあります。とくに専願推薦では、出願条件を満たしたうえで面接や作文に問題がなければ、合格率が80〜90%に達する学校もあります。

合格率が高い理由は、出願の段階で一定基準をクリアした受験生だけが受験しているためです。通知表の成績や出席日数で絞り込まれており、選考時点での受験生のレベルが比較的均一になります。

ただし、人気校や難関校の推薦入試では倍率が2〜3倍に達するケースもあります。「推薦だから確実に受かる」という思い込みは禁物です。

合格率の高さに安心せず、面接や作文の準備を十分に行うことが合格を引き寄せるポイントです。

倍率の調べ方と公表データ

推薦入試の倍率を調べるには、各学校の公式サイトに掲載される入試結果データを確認するのが最も確実な方法です。

多くの私立中学は、入試終了後に「志願者数」「受験者数」「合格者数」を公式サイトや学校案内で公表しています。過去3年分のデータを比較すると、倍率の推移や傾向を把握できます。

学校の公式サイト以外にも、中学受験の情報サイトや塾のホームページで倍率データを確認できます。四谷大塚や日能研などの大手塾は、毎年の入試結果を集計・公開しています。

注意すべきは、推薦入試の倍率データを公表していない学校もある点です。倍率が非公表の場合は、学校説明会や個別相談会で直接質問してみましょう。

推薦入試の倍率を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

中学推薦入試に受かるのはどんな子?

中学推薦入試に受かるのはどんな子?

推薦入試では、学力テストの点数だけでなく人物像が総合的に評価されます。合格するお子さんと不合格になるお子さんには明確な違いがあります。

ここからは次の2つの合否を分ける特徴を解説します。

受かりやすい人の特徴

推薦入試に合格しやすいのは、日頃の学校生活に真剣に取り組んでいるお子さんです。

具体的には、次のような特徴を持つ受験生が合格しやすい傾向にあります。

  • 通知表の成績が安定して高い(3段階評価でほぼオール3)
  • 欠席日数が年間5日以内と少ない
  • 委員会活動やクラブ活動に積極的に参加している
  • 自分の考えを自分の言葉で伝えられる
  • 志望校への理解が深く、入学後のビジョンが明確

面接で「なぜこの学校に入りたいのか」と聞かれたとき、学校の具体的な行事名やカリキュラムに触れながら答えられるお子さんは高く評価されます。

「テストの点数は高いけれど、なぜこの学校を選んだかわからない」という状態では苦戦しがちです。学校研究を親子で丁寧に行うことが合格への鍵です。

落ちやすい人の特徴

推薦入試で不合格になりやすいのは、準備不足のまま本番を迎えてしまうお子さんです。

落ちやすい受験生には、次のような共通点があります。

  • 面接で暗記した回答をそのまま読み上げてしまう
  • 作文の内容が抽象的で具体的なエピソードがない
  • 志望理由が「家から近いから」「親に勧められたから」にとどまる
  • 通知表の成績に実技教科の低評価が含まれている
  • 提出書類に誤字脱字や記入漏れがある

「推薦入試は一般入試より簡単」と考え、面接練習や作文対策をほとんどしないまま受験するケースは少なくありません。面接官は短い時間で受験生の本気度を見極めます。

書類の不備も致命的です。志望理由書の誤字や推薦書の提出遅れは、それだけで評価を大きく下げます。親子で余裕を持ったスケジュールを立て、提出書類のチェックを徹底しましょう。

推薦入試で受かる・落ちる人の特徴を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【試験別】中学推薦入試の対策法

【試験別】中学推薦入試の対策法

推薦入試で合格するためには、試験の種類ごとに適切な対策を行うことが不可欠です。書類・面接・作文・学力テストの4つをバランスよく対策することが、合格率を高めるポイントです。

ここからは次の4つの試験別対策法を解説します。

書類準備(通知表・推薦書・活動実績)

書類準備で最も大切なのは、出願の半年以上前から計画的に取り組むことです。直前に慌てて用意すると、内容が薄くなったり不備が生じたりします。

通知表の成績を上げるには、授業態度・提出物・テストの3要素をバランスよく改善する必要があります。とくに提出物は期限厳守と丁寧な仕上がりを心がけるだけで、評価が上がりやすい項目です。

活動実績をまとめる際は、単に「〇〇に参加した」と書くだけでは不十分です。「そこで何を学んだか」「どんな成長があったか」まで具体的に記載しましょう。英検や漢検などの資格取得も有力なアピール材料です。小学5年生のうちに英検4級・漢検5級を目標に取り組むと、出願時に実績として記載できます。

校長推薦書は担任教師に早めに相談し、お子さんの強みや活動実績を事前に伝えておくと、より充実した内容を書いてもらえます。

面接対策

面接対策の基本は、想定質問への回答を自分の言葉で話す練習を繰り返すことです。暗記ではなく「自分の体験に基づいた自然な回答」ができる状態を目指しましょう。

推薦入試の面接でよく聞かれる質問は次のとおりです。

  • この学校を志望した理由は何ですか
  • 小学校で一番頑張ったことは何ですか
  • 中学校に入ったら何をしたいですか
  • 最近読んだ本で印象に残ったものはありますか
  • あなたの長所と短所を教えてください

練習の進め方としては、まず親子で質問リストを作成します。次にお子さんが回答を考え、要点をメモにまとめます。メモを見ずに話す練習を週に2〜3回、1回15分程度行うと効果的です。

親子面接がある場合は、保護者も練習が必要です。「家庭の教育方針」「お子さんの長所」「学校への期待」の3点は、具体的なエピソードを交えて答えられるよう準備しておきましょう。

作文・小論文対策

作文・小論文の対策で重要なのは、「型」を身につけたうえで書く回数を増やすことです。

おすすめの文章構成は「結論→理由→具体例→まとめ」の4段構成です。「小学校生活で学んだこと」というテーマであれば、次のように組み立てます。

  • 結論:「私が学んだのは、仲間と協力する大切さです」
  • 理由:「一人では達成できなかった目標をチームで実現できたからです」
  • 具体例:「運動会のリレーで練習を重ね、クラス全員でバトンをつなぎ1位を取れました」
  • まとめ:「この経験から、中学校でも仲間と力を合わせて挑戦したいです」

練習の頻度は、週に1〜2本のペースで十分です。書いた作文は保護者や塾の先生に添削してもらい、「具体的なエピソードが入っているか」「自分の考えが明確か」の2点を毎回チェックしましょう。

よくある失敗は、テーマと関係のない話に脱線してしまうことです。制限時間内に書き上げる練習も忘れずに行い、本番で焦らないよう時間配分の感覚を身につけておきましょう。

基礎学力テスト対策

基礎学力テストの対策は、小学校の教科書レベルの問題を確実に解けるようにすることが最優先です。難問を解く力よりも、基本問題でミスをしない正確さが求められます。

国語の対策としては、漢字の読み書き・文章読解・語彙力の3分野を重点的に学習しましょう。漢字は小学6年生までの範囲を総復習し、毎日10分の書き取り練習を習慣にするのが効果的です。

算数の対策では、四則計算・分数と小数・図形の面積と体積・割合の4分野が頻出です。計算ミスを減らすために、毎日15分の計算ドリルを継続しましょう。

「推薦入試だから学力テストは軽視してもよい」という考えは危険です。基礎学力テストの得点が一定ラインを下回ると、面接や作文の評価が高くても不合格になる学校があります。教科書準拠の問題集を1冊仕上げることを目標にしてください。

推薦入試の対策方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

中学の推薦入試によくある疑問

中学の推薦入試によくある疑問

推薦入試を検討する保護者やお子さんが抱きやすい疑問を、ここからまとめて回答します。事前に疑問を解消しておくことで、安心して出願準備を進められます。

ここからは次の4つのよくある疑問を解説します。

推薦入試に落ちたら一般入試は受けられる?

結論として、推薦入試に不合格でも同じ学校の一般入試を受験できるケースがほとんどです。

推薦入試と一般入試は別枠の選考として扱われるためです。推薦入試の結果が一般入試の合否に影響することもありません。

たとえば、12月の推薦入試で不合格となっても、翌年1〜2月の一般入試に改めて出願・受験が可能です。学校によっては、推薦入試の受験者に一般入試の受験料を免除する優遇措置を設けている場合もあります。

ただし、ごく一部の学校では「推薦入試の不合格者は一般入試を受験できない」と定めている場合もあるため、募集要項で必ず確認してください。

塾に通わなくても推薦入試に合格できる?

推薦入試は、塾に通わなくても合格できる可能性がある入試形式です。

理由は、選考基準が学校の成績・面接・作文を中心としているためです。一般入試のような高度な学力テストが課されないケースが多く、塾で受験テクニックを学ぶ必要性が比較的低いといえます。

ただし、面接練習や作文添削は第三者の指導を受けた方が上達は早いです。塾に通わない場合でも、担任に作文の添削を依頼したり、保護者が面接官役を務めて模擬面接を繰り返したりする対策は欠かせません。

基礎学力テストがある学校を志望する場合は、市販の教科書準拠ドリルで自宅学習を進めましょう。不安がある教科だけ個別指導塾でピンポイントに補強するのも有効です。

いつから準備を始めるべき?

推薦入試の準備は、小学5年生の秋頃から始めるのが理想的です。

理由は2つあります。1つ目は、通知表の成績が出願条件に直結するためです。5年生の後期から意識的に成績を上げておくと、6年生の通知表で高い評価を得やすくなります。

2つ目は、学校説明会やオープンスクールが5年生の時期に開催されるためです。説明会への参加が出願条件に含まれる学校もあり、早めに日程を把握して参加しておく必要があります。

6年生の夏休みからでも間に合わないわけではありません。ただし、出願条件の確認から書類準備、面接・作文の練習まで短期間で進める負担は大きいです。余裕を持ったスケジュールで取り組む方が、お子さんの負担を軽減できます。

合格したら辞退できる?

専願推薦で合格した場合、原則として入学を辞退することはできません。専願推薦は「合格したら必ず入学する」という約束のもとで出願する入試形式だからです。

やむを得ない事情(家庭の転居や経済的事情の変化など)がある場合は、学校に相談すれば辞退を認められるケースもあります。ただし、辞退が認められても、小学校と志望校の信頼関係に影響が出る可能性は否定できません。

併願推薦や自己推薦の場合は、辞退が認められる学校が多いです。ただし、入学金の返還条件は学校ごとに異なるため、募集要項で辞退時の手続きと費用を事前に確認しておきましょう。

いずれの形式でも、合格後に安易に辞退するのはおすすめできません。出願の段階で「本当にこの学校に通いたいか」を親子で十分に話し合い、納得したうえで出願してください。

まとめ

中学受験の推薦入試は、学力テスト中心の一般入試とは異なり、通知表の成績・面接・作文を軸にした選考方式です。主に私立中学で実施されており、公立中高一貫校では推薦入試は行われていません。

入試形式は専願推薦・併願推薦・自己推薦・特別推薦の4つに分かれ、学校ごとに出願条件や選考内容が異なります。出願にあたっては、通知表の成績や出席日数、推薦書の準備が求められます。

合格率は一般入試よりも高い傾向にありますが、面接や作文の準備不足で不合格になるケースも少なくありません。受かりやすいのは、日頃の学校生活に真剣に取り組み、志望校への理解が深いお子さんです。

対策のポイントは次の3つです。

  • 小学5年生の秋頃から通知表の成績向上と説明会参加を始める
  • 面接は暗記ではなく自分の言葉で話す練習を重ねる
  • 作文は「結論→理由→具体例→まとめ」の型で週1〜2本書く

推薦入試は、お子さんの個性や学校生活の頑張りを評価してもらえる貴重な受験ルートです。早めの情報収集と計画的な準備で、合格への道を切り開いてください。

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