推薦入試って併願できるの?
専願じゃないとダメなのかな…
推薦入試を検討し始めると、併願の可否が気になる場面は多いはずです。とくに指定校推薦と公募推薦では、ルールがまったく異なります。
正しく理解しないまま出願すると、合格取り消しにつながるケースもあります。
そこでこの記事では具体的な事例も交え、推薦入試の併願ルールと注意点を解説します。ぜひ参考にしてください。
推薦入試がどんな試験かを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

- 指定校推薦は原則併願不可、公募推薦は併願可能な大学が多い
- 高校の推薦は単願が基本だが併願優遇制度もある
- 併願時は入学金の納付期限を事前に確認すべき
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推薦入試は併願できる?

推薦入試の併願可否は、入試の種類や学校ごとのルールで異なります。「推薦=専願」とは限らないため、基本的な用語と制度の違いを押さえましょう。
ここからは次の3つの推薦入試の基本知識について解説します。
「専願」と「併願」の違い
推薦入試を理解するうえで、まず「専願」と「併願」の意味を正確に知ることが大切です。
専願とは、合格した場合に必ずその学校へ入学する約束で出願する方式を指します。一方の併願は、複数の学校に同時に出願し、合格後に進学先を選べる方式です。
たとえば指定校推薦で合格した生徒は、他の大学を受験できません。専願のため、合格=入学が前提となります。反対に公募推薦のなかには併願を認めるものもあり、一般選抜と並行して受験する生徒もいます。
専願か併願かで受験戦略は大きく変わるため、出願前に必ず募集要項で確認してください。
入試方式で併願可否は異なる
推薦入試と一口にいっても、方式によって併願のルールはまったく違います。
大学入試の場合、主な推薦入試は次の3種類です。
- 指定校推薦:大学が高校を指定し、校内選考を経て出願します
- 公募推薦:出願条件を満たせば誰でも応募できます
- 総合型選抜(旧AO入試):志望理由や活動実績を重視します
指定校推薦は専願が原則です。公募推薦は大学によって併願可の場合があります。総合型選抜は大学ごとにルールが異なるため、個別の確認が必要です。
入試方式ごとの違いを把握しないまま出願すると、合格取り消しのリスクがあります。方式別のルールは後述のセクションで詳しく説明します。
一般選抜とは基本併用可
推薦入試と一般選抜の並行受験は、ほとんどの場合に認められています。
推薦入試の結果発表が、一般選抜の出願開始より前に行われるケースが多いためです。推薦で不合格だった場合の「すべり止め」として、一般選抜を受ける流れは一般的な受験戦略といえます。
ただし注意点がひとつあります。専願の推薦入試で合格した場合は、一般選抜への出願を控えてください。専願は入学の約束を伴うため、合格後に他大学を受験すると信義に反します。
推薦入試の結果を見てから一般選抜に切り替える計画を立てる受験生は多くいます。出願期限を見落とさないよう、スケジュール管理を徹底しましょう。
推薦入試のスケジュールについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

大学の推薦入試・併願ルール

大学の推薦入試は、私立と国公立で併願のルールが大きく異なります。私立大学は方式により併願可能な場合がある一方、国公立大学は原則専願です。
ここからは次の2つの大学カテゴリ別の併願ルールについて解説します。
私立大学の併願ルール
私立大学の推薦入試は、方式によって併願の可否が分かれます。指定校推薦・公募推薦・総合型選抜の3方式に分けて説明します。
指定校推薦は原則併願不可
指定校推薦は、合格したら必ず入学する「専願」が絶対条件です。
大学と高校の信頼関係に基づく制度であることが理由です。大学は特定の高校に推薦枠を提供し、高校は校内選考を経て信頼できる生徒を送り出します。
合格後に入学を辞退すると、翌年以降その高校への推薦枠が減ります。枠自体がなくなる可能性もあるため、後輩への影響は大きいです。
過去には指定校推薦の合格者が、他大学への進学を希望した事例があります。高校と大学の間でトラブルに発展しており、出願する際は「必ず進学する」覚悟が求められます。
公募推薦は併願可能な場合が多い
公募推薦は、大学によって併願を認めているケースが多い方式です。
指定校推薦と違い、出願条件(評定平均値や活動実績など)を満たせば誰でも応募できます。大学側も幅広い受験生を集めたいため、専願を条件としない場合があります。
関西圏の私立大学では、公募推薦の併願を認めるケースが目立ちます。近畿大学や龍谷大学など大規模な私立大学は、公募推薦を併願可としている学部が多い傾向です。複数の大学に同時出願する受験生も珍しくありません。
ただし一部の大学や学部では専願を条件とする公募推薦もあります。「公募推薦=すべて併願可」とは限らないため、各大学の募集要項を必ず確認してください。
総合型選抜は大学ごとに異なる
総合型選抜(旧AO入試)の併願ルールは、大学・学部ごとに大きく異なるため一概にはいえません。
志望理由書や面接、プレゼンテーションなどを通じて受験生の適性を総合的に判断する方式です。大学が「入学意欲の高い学生」を求める傾向が強く、専願を条件にしている大学が多い傾向です。
具体例を挙げると、早稲田大学の一部学部の総合型選抜は専願です。一方で法政大学や立命館大学の総合型選抜では、併願を認める学部もあります。
志望校の募集要項で「専願」「併願可」の記載を必ず確認しましょう。記載が曖昧な場合は、大学の入試課へ直接問い合わせることをおすすめします。
総合型選抜がどんな試験かを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

国公立大学の併願ルール
国公立大学の推薦入試は、私立大学と比べて併願の制限が厳しい傾向にあります。学校推薦型選抜・総合型選抜のいずれも、原則として専願を求める大学がほとんどです。
学校推薦型選抜は原則専願
国公立大学の学校推薦型選抜は、合格時に入学を確約する「専願」が原則です。
文部科学省の方針もあり、「入学辞退を認めない」とする大学が大半を占めます。出願時に「合格した場合は入学を確約する」旨の誓約書を提出するケースも一般的です。
たとえば東京大学の学校推薦型選抜では、合格者は入学を辞退できません。筑波大学や大阪大学など多くの国公立大学も同様のルールです。
国公立大学の学校推薦型選抜に出願する場合は、その大学を第一志望とする覚悟が必要です。他の国公立大学との併願はできない点を理解しておいてください。
学校推薦型選抜がどんな試験か詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

総合型選抜は原則専願
国公立大学の総合型選抜も、学校推薦型選抜と同様に専願が原則です。
国公立大学は定員管理が厳格なため、合格者の入学辞退を想定した募集を行いにくい事情があります。合格=入学を前提とした選抜が基本です。
東北大学のAO入試(総合型選抜)や京都大学の特色入試なども、専願を条件としています。出願前には志望校の募集要項を熟読してください。
ただし推薦・総合型選抜で不合格だった場合は、一般選抜(前期日程・後期日程)への出願が可能です。推薦で不合格になった際の備えとして、一般選抜の対策を並行して進めましょう。
総合型選抜の併願について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

高校の推薦入試・併願ルール

高校入試でも推薦を利用する場合、大学入試とは仕組みが異なります。とくに私立高校では「単願推薦」と「併願優遇」という独自の制度があるため、正確に理解しておく必要があります。
ここからは次の4つの高校入試の併願ルールについて解説します。
単願と併願優遇の違い
高校入試における「単願」と「併願優遇」は、意味が大きく異なります。
単願推薦は、合格したらその高校に必ず入学する約束で出願する方式です。大学入試の指定校推薦と同じく、専願が前提となります。
一方の併願優遇は、他の高校(おもに公立高校)との併願を認めたうえで優遇措置を受けられる制度です。内申点が基準を満たしていれば、入試の点数に加点されます。合格の目安が事前に示される仕組みです。
たとえば東京都の私立高校では、内申点が基準値以上であれば「ほぼ合格」が見込める学校もあります。公立高校が第一志望の生徒がすべり止めとして利用するケースが代表的です。
併願制度は都道府県で異なる
高校入試の併願ルールは、都道府県によって制度そのものが異なる点に注意してください。
東京都や神奈川県では、私立高校の「併願優遇」制度が広く普及しています。一方、大阪府では「専願」「併願」の区分はあるものの、運用方法が異なります。
東京都の場合は12月に中学校と私立高校の間で「入試相談」が行われます。内申点をもとに事前に合否の見通しが立つ仕組みです。神奈川県でも同様の制度があり、内申点のみで合否が決まる「書類選考」の私立高校も存在します。
地方の県では併願優遇の制度自体がない場合もあります。お住まいの地域の教育委員会が発行する入試要項で、最新のルールを確認してください。
私立高校の併願ルール
私立高校の推薦入試には、おもに「単願推薦(A推薦)」と「併願推薦(B推薦)」の2種類があります。
単願推薦は合格時に入学が確約されるため、他の高校を受験できません。内申点の基準は併願推薦より低い傾向にあり、合格率も高めです。
併願推薦はおもに公立高校との併願を前提とした制度です。公立高校に不合格だった場合に入学する「すべり止め」として利用されるのが一般的です。私立高校同士の併願は認められないケースがほとんどなので注意してください。
保護者が抱きがちな不安に「併願優遇で落ちることはあるのか」という疑問があります。内申点の基準を満たしていれば、当日の試験で極端に低い点数を取らない限り合格となる学校が大半です。基準に1ポイントでも足りない場合は出願自体ができないため、事前の確認が欠かせません。
公立高校の併願ルール
公立高校の入試は、推薦・一般ともに原則1校しか受験できません。
都道府県によって制度名は異なりますが、「1回の入試で1校のみ出願」が基本ルールです。東京都の場合、都立高校の推薦入試は1校のみ受験可能です。不合格の場合に一般入試で再度1校に出願できます。
公立高校同士の併願はできないため、私立高校の併願優遇をすべり止めに活用する受験生が多い構図です。1月に私立高校の併願優遇で合格を確保し、2月の公立高校入試に臨む流れが一般的です。
公立高校が第一志望の場合は、私立高校の併願優遇を確実に確保しておくと安心です。中学校での三者面談で志望校の組み合わせを早めに相談しましょう。
推薦入試の併願でよくある疑問

推薦入試で併願を検討する際、受験生や保護者が気になりやすい疑問を取り上げます。ルールを正しく理解し、トラブルを防ぐことが合格後の安心につながります。
ここからは次の4つのよくある疑問について解説します。
併願していることは学校にバレる?
結論として、併願の事実が相手校に伝わる可能性は低いです。
大学や高校が出願者の他校への出願状況を調査する仕組みは、通常ありません。個人情報保護の観点からも、学校間で出願先を共有することは行われていません。
ただし例外があります。高校入試の場合、中学校の担任が入試相談や推薦書の作成を通じて受験校を把握しています。専願で出願しているにもかかわらず他校を受験すれば、中学校経由で発覚する可能性は高いです。
併願が認められている方式であれば、堂々と複数校に出願して問題ありません。専願の場合は約束を守り、他校への出願は控えてください。
併願校は何校まで受けられる?
併願可能な推薦入試の場合、出願校数に上限を設けていない大学がほとんどです。
公募推薦や併願可の総合型選抜では、何校でも出願できます。実際に公募推薦を利用する受験生は、3〜5校程度に出願するケースが多く見られます。
ただし出願校数を増やすほど次のコストがかかります。
- 受験料:1校あたり3万〜3万5,000円(私立大学の場合)
- 出願書類の準備:志望理由書や活動報告書の作成時間
- 試験日程の重複リスク:面接や筆記試験の日程が重なる場合がある
金銭的な負担と準備の手間を考慮すると、現実的には3〜4校程度が効率的です。志望度の高い順に優先順位をつけ、日程が重ならない範囲で出願しましょう。
併願で合格した場合の入学辞退はできる?
併願可の推薦入試で合格した場合、入学辞退は可能です。
併願を認めている時点で、大学側も受験生が他校に進学する可能性を織り込んでいます。辞退そのものがペナルティになることはありません。
ただし辞退時は次の点に注意してください。
- 辞退の連絡はできるだけ早く行う
- 大学が指定する手続き(辞退届の提出など)に従う
- 入学金の返金は原則としてされない
文部科学省の通知では、授業料や施設設備費は入学辞退時に返還されるべきとされています。一方で入学金は「入学の権利を確保するための対価」として返還されないケースが大半です。
指定校推薦など専願の入試で合格した場合の辞退は、高校と大学の信頼関係を損なう重大な問題となります。入学辞退が認められるのは、あくまで併願可の方式に限られると考えてください。
総合型選抜の辞退可否についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

入学金の納付期限が重なるときの対処法
複数の大学に合格した場合、入学金の納付期限が第一志望の合格発表前に来る問題は頻繁に起こります。
たとえば公募推薦で11月に合格した大学の納付期限が12月中旬だとします。第一志望の一般選抜の合格発表が2月上旬なら、約2か月のずれが生じます。
対処法は次の3つです。
- すべり止めの入学金を支払い、権利を確保する
- 入学金の延納制度を利用する
- 併願校の組み合わせを工夫する
入学金の相場は私立大学で20万〜30万円です。第一志望に合格すれば返ってきませんが、進路を確保するための「保険料」と割り切る判断も必要です。
一部の大学では申請により納付期限を延長できる制度があります。募集要項や合格通知に記載されている場合があるため確認してください。
出願段階で各校の納付期限と合格発表日を時系列で並べ、費用負担を最小限にする組み合わせを検討しましょう。入学金の二重払いは家計への負担が大きいため、保護者と早めに話し合うことをおすすめします。
まとめ
推薦入試の併願ルールは、入試方式や学校の種類で大きく異なります。
大学入試では、指定校推薦と国公立大学の推薦・総合型選抜は原則専願です。公募推薦は併願可能な大学が多く、総合型選抜は大学ごとの確認が必要です。
高校入試では、単願推薦は入学確約が条件です。併願優遇は公立高校とのセットで利用するのが一般的です。
志望校の最新の募集要項を取り寄せ、早めに受験戦略を固めましょう。
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