この記事では実態や口コミも交え、AO入試が「就職できない」と言われる理由を解説します。
「AO入試で入学できても就職はできないって聞いたけど、実際どうなの?」
「共通テストみたいな学力試験を受けていないと、印象が悪くなるのかな…」
「就活で不利になる」といった噂を聞き、AO入試で受験しようか悩んでいる人は多いですよね。
結論、AO入試で大学に入学したからといって、就職できないことはありません。ただ、企業ごとでAO入試に抱く印象は異なるため、就職活動前に実情の把握は不可欠です。
そこで本記事では実態も交え、AO入試が「就職できない」と言われるを解説します。就職活動でAO入試が有利・不利に働くそれぞれのケースも紹介するので、参考にしてください。
- AO入試の合格者が就職できないのは嘘
- 学力不足は就活に不利
- 就活で評価を得たいなら活動実績が必要
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AO入試の合格者が「就職できない」は嘘?
冒頭で触れたとおり、AO入試での大学入学で「就職できない」というのは嘘です。
むしろ、AO入試合格者を前向きに評価する企業もあります。採用する企業は、学生の学業以外の経験や人間性を重視するからです。
2021年度よりAO入試は総合型選抜試験に改称
2021年度から「AO入試」は「総合型選抜」という名称に改められています。
多面的評価の重要性を明確に伝えることを目的に、文部科学省が改称しました。企業の採用担当者にとっても、学力以外の資質を重視する入試方式というイメージが伝わりやすくなります。
たとえば、高校時代の課外活動、自己発信力など、学問以外の魅力を総合的に捉えられる点が特徴です。名称が変わることで、さらに入試制度としての認知度が高まり、就職活動時のアピール材料として理解されます。
名前が変わったことで、従来の「AO入試」の特殊感が薄まり、「就職できない」という誤解も少しずつ解消されつつあるのです。AO入試が総合型選抜に解消された背景をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

総合型選抜は就職へ有利に働く入試制度
総合型選抜は、就職活動においても有利に働く入試方式です。総合型選抜では学業の他にリーダーシップやコミュニケーション力なども評価されます。学生自身が主体的に動いた経験を積みやすいです。
課外活動としてボランティアなどを高校生の時から行っていると、就活時に説得力ある自己PRができます。
人間性を評価される総合型選抜を通じて入学した学生は、自ら取り組んだ実績を具体的に示しやすいです。さらに、企業側からも前向きに受け止められる可能性があるのです。総合型選抜で培った表現力は、面接時にも強みになります。
年々総合型選抜の受験者は増えている
文部科学省が公表する調査から一般選抜の割合に劣るものの、総合型選抜の受験者数や大学入学者全体に占める割合は増加傾向です。
受験者数だけでなく大学全体で82.9%と、総合型選抜の導入率も増加しています。
総合型選抜の導入率 | |
---|---|
大学全体 | 82.9% |
国立大学 | 78.0% |
私立大学 | 90.4% |
総合型選抜の受験者数や導入率が増加する背景には、学力だけでは測れない多様な資質を評価する社会的ニーズの高まりがあります。部活動や生徒会などで活躍しながら勉強との両立を目指してきた学生にとっては、総合型選抜が自分の強みをアピールしやすい方法です。
総合型選抜は一部の特別な学生だけが選ぶ入試ではなく、幅広い受験生の選択肢としてより一般化しているのです。総合型選抜の特徴をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

AO入試が「就職できない」と言われる5つの理由
ここからはAO入試が「就職できない」と言われる理由を、5つにまとめて解説します。
理由1:就活で不利になるイメージが強い
AO入試は「受験勉強を避けた」という印象から、就職活動で不利になると思われがちです。実際にインターネット上では、次のような書き込みも見られます。
推薦やAO入試を狙っているのですが先生から就職が不利になると聞いたのですが、不利になるのでしょうか
引用:推薦、AOは就職に不利か | UniLink
AO入試は、一般選抜と比べて筆記試験に重きを置かないため「大変な努力をしていない」と企業から思われがちです。
企業側が総合型選抜の選考過程を十分に把握していない場合、課外活動や自己PRでどれほど力を注いできたかを理解されず、「学力不足かもしれない」と見なされる恐れがあります。
入試方式への誤解によって「就職できない」と思われることもあるのです。在学中の学習成果や活動実績をアピールすれば、マイナスイメージは十分に払拭できます。
理由2:企業の採用担当者がAO入試に詳しくない
企業の採用担当者の中には、AO入試の詳細を深く理解していない人もいます。一般選抜が主流だった世代や環境で育った場合、AO入試に対して「特別枠」という先入観を持ちやすいからです。
「AO入試=学力重視ではない」「いわゆる推薦入試の一種」という程度の認識で捉えられる場合があります。入試制度自体が正しく理解されないまま、学力不足と見なされるリスクがあるのです。
自分の強みや選考プロセスを丁寧に説明すれば、こうした誤解は解きやすくなります。
理由3:学力不足を疑われやすい
AO入試では、学力試験の点数以外で合否が決まるケースが多いため「学力が不十分」と見られやすいです。一般入試のように、明確な点数や偏差値を提示しない分、客観的な学力指標を示しにくいからです。
AO入試や推薦入学で大学に入った人たちの基礎学力ってやっぱり低いんですか?
引用:Yahoo!知恵袋
企業が「筆記試験や資格の実績」を重視する場合、「本当に勉強してきたのか」と疑われる可能性があります。
学力不足を懸念されがちですが、大学での成績や研究内容などを示してイメージを覆すことは十分可能です。実際の努力を具体的にアピールしましょう。
理由4:AO入試での入学は印象が悪い
AO入試を「ラクな入試方法」と誤解している人は少なくありません。書類審査や面接対策などの見えにくい努力が一般には伝わりにくいことが要因です。
インターネット上では「AOは裏口入学と同じ」「全然勉強しなくて済む」などの声が散見され、実際の課題や面接準備の大変さを知らないまま否定的な意見が広まっています。
総合型選抜や推薦受験がイライラする、ウザイと言われるのは何故ですか?
引用:Yahoo!知恵袋
自分は勉強してるのに総合型や推薦は早く終わって、勉強しないで〜と聞きますが、そんな事を言うなら総合型や推薦で受ければ良いじゃないかと思ってしまいます。何故自分で一般を選んでおいて文句を言うのでしょう?
ネガティブな印象を持たれがちですが、入学後の成果を示すことで、周囲の誤解は徐々に解消できるでしょう。
理由5:「推薦合格=恥ずかしい」というイメージが根強い
一般選抜で苦労してを突破した人ほど、AO入試や推薦入試はずるいと感じる傾向があります。自分が長い受験勉強を経て合格した反動から、楽をしているように見えるAO入試を受け入れにくいのです。
実際「AO入試うざい」「推薦恥ずかしい」といったコメントもあり偏見があります。
大学受験 AOで入るって恥ずかしいことなんでしょうか??ここで進学のことを見ていると時々ちらほら、AOをバカにしたような答えがあります。自分もAOで入る予定なので、その辺が心配です。
引用:Yahoo!知恵袋
しかし、AO入試は課外活動や将来の目標を重視するため、勉強以外の努力や実績が求められます。大学入学後も主体的に取り組む姿勢を示せば、「就職できない」というイメージは変えられるでしょう。
就職活動で総合型選抜(旧AO入試)が有利・不利に働くケース
総合型選抜では、学力試験以外に課外活動やリーダーシップなどが多面的に評価されます。そのため、就職活動でも有利に働く要素があります。
一方で、学力不足を疑われるなど、不利になる可能性もゼロではありません。
そこでここからは就職活動で総合型選抜が有利・不利に働くケースをそれぞれ紹介します。
有利に働くケース
総合型選抜の合格体験は、就職活動において有利に働きます。総合型選抜を通じて「自己PRや目標を言語化する力」を養うことができるからです。
総合型選抜対策の中で、リーダーシップや主体性をアピールするための経験も得やすいです。そして、企業の面接やエントリーシートで表現力を発揮しやすくなります。
高校時代に活動実績を積んでいれば「自分で考え、積極的に行動できる人材」と評価される可能性が高まります。総合型選抜における自己分析で「何を目指し、どんな成果を出せるか」を伝えられるようになる点も有利です。
総合型選抜で培った表現力や行動力は、就職活動で大きな強みとなり、企業から高い評価を得ることにつながります。
上智大学を卒業した大石愛莉さん
総合型選抜も就職活動も、試験内容はほとんど同じです。基本的な流れは以下の通りです。
引用:総合型選抜を受けてよかった!~就活編~ | 【早稲田塾】大学受験予備校・人財育成
①自分の将来やりたいことや自己PRなどを記載した提出書類を作成する
②面接・筆記試験を受ける
私は高校生の時に早稲田塾において、自分のやりたいことを論理的に文章にする力や、面接時に必要な瞬発力を鍛えてきました。
そのため、就職活動にもその力をそのままいかすことができました!
不利に働くケース
総合型選抜で入学し、研究などに十分取り組まなかった場合は不利に働きます。「学力が不足しているのでは」と疑われる可能性があるからです。
大学での実績を示せないと、入試で評価された内容をその後の成長につなげられていないと見なされやすくなります。また、就活における面接で「なぜ総合型選抜を選んだのか」と問われた際にうまく答えられない場合も同様です。目的意識の弱さを懸念されるでしょう。
採用担当者が「一般選抜の方が優れている」という固定観念を持っている場合も、マイナス要因となります。入試方式だけで評価を下げられるリスクがあります。
このような誤解を防ぐには、大学での学びや研究実績を具体的に説明できることが大切です。
就職活動で評価される総合型選抜(旧AO入試)入学者の特徴
総合型選抜で大学に進学した人の中には、就職活動でも企業から高く評価される人が多くいます。筆記試験では測れない力を大学入学以前から培ってきたことが、その理由の一つです。
ここでは就職活動で評価される総合型選抜入学者の特徴を、3つにまとめて紹介します。
活動実績が豊富
活動実績が豊富な点は、就職活動で評価される総合型選抜入学者の特徴です。総合型選抜で入学した人の中には、大学入学前から次のような実績を積んでいる場合が多いです。
- 部活動
- 生徒会活動
- ボランティア経験
- 海外留学
就職活動においても、これらの経験は「主体性」や「行動力」の証明として評価されます。ただし、単に実績があるだけでは不十分です。
「どのように考え、何に取り組み、どんな学びを得たか」を具体的に語れることが重要です。生徒会での行事運営を通じて得たリーダーシップなどは、企業にとって魅力的なエピソードとなります。
アピールする際は、実績を数字や成果で示しましょう。自分の強みや成長と結びつけて伝える力があると、面接やエントリーシートでも説得力が増します。
総合型選抜における各活動の評価比重をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。


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コミュニケーション力やプレゼン力が高い
総合型選抜を経験した人は、就職活動でコミュニケーション力やプレゼン力が高く評価されます。総合型選抜では志望理由書や面接を通して「自分の考えを言語化し、人に伝える力」が求められます。そのため自然と表現力や対話力が身につくからです。
採用面接やグループディスカッションでは、次のスキルが大きな強みになります。
- 短い時間内で意見をまとめ、わかりやすく伝える能力
- 相手の話を受けて的確に返す応答力
さらに、プレゼンや対話を重ねてきた経験は自信につながります。企業側に「入社後も対人関係で安心できる人材」と受けられることが多いのです。
総合型選抜を通して培ったコミュニケーション力やプレゼン力は、就活での大きなアドバンテージとなります。総合型選抜における面接やグループディスカッション試験の具体的な対策方法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
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学業成績がよい
大学での学業成績が良い人は、入試方式に関係なく企業から高い評価を得られます。良い成績は「努力を継続できる人材」であることの証明になり、企業が重視するポイントだからです。
総合型選抜で入学した場合も、学業面で成果を残せば「意欲や人間性を学問にも活かせている」と判断されます。
逆に、成績が悪いと「総合型選抜で評価された意欲や人間性を活かせていない」と思われる恐れがあります。履修状況は、選考の初期段階で参考にされることもあるため、安定した成績を意識しておくことが大切です。
学業成績が良いことは、知的な柔軟性や計画的な行動ができる証明にもなります。入試方式に左右されず、有利に就活を進められます。
成績が悪いと、やはり就活でも総合型選抜でも不利になります。総合型選抜における成績の評価比重をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

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- ボランティア活動
- 習い事
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まとめ
AO入試(総合型選抜)は就職に不利と言われることもあります。しかし、実際には企業が重視する課外活動やリーダーシップの経験を活かせるメリットがあります。
「勉強していない」と疑われないためには、大学在学中の成果を示し、努力を具体的に伝えることが大切です。
総合型選抜は、社会の多様な人材ニーズにも合致しています。今後さらに一般的な入試方式として定着が進むでしょう。ぜひ自分の強みを活かせる入試方式として挑戦してください。